1972
|
Graham Bell - Vocals, Guitar & Harmonica
Mel Collins - Alto,
Tenor & Baritone Sax
Ron Cornelius - Guitar
Tim Drummond - Bass
Tim Hinkley - Organ
Gasper Lawal - Percussion
Derek Quinn- Percussion
Ian Wallace - Drums
Bob Wilson - Piano & Organ
All Music Guide
で調べても情報が少ないグラハム・ベルのアルバム。
時期からすると、クリムゾンから離れた直後のレコーディングのはずで、ボズは参加していないもののコリンズは参加している。 内容は、3人の脱退を象徴する作品として紹介されることの多い
Snape の 『 Accidentaly Born In New Orleans 』
と同じくらいブルース色が強い。 ただバンド色が強い Snape
と比べ、グラハム・ベルのヴォーカルを全面に出しているためか、聴きやすさは本作品のほうが上である。
(追加:2010年9月10日)
1973
Black - Eyed Blues : Esther Phillips
|
Esther Phillips - vocal
Tim Hinkley - piano
Boz,
Ron Carter (track #3) - bass
Ian Wallace - drums
Charlie Brown - guitar
Arthur Jenkins (track #1,4) - percussion
Pepper Adams - baritone saxophone
Jerry Dodgion, Pee Wee Ellis (track #4) - alto saxophone
Jon Faddis, Marvin Stamm - trumpet
Max Ellen, Emanuel Green, Harold Kohon, Harry Lookofsky, Joe Malin, David Nadien, Gene
Orloff, Irving Spice - violin
Anthony Saphos, Alan Shulman - cello
Joshie Jo Armstead, Carl Carldwell, Loni Groves, Tasha Thomas - background
vocal
ウォーレスとボズが参加しているエスター・フィリップスの作品。
『 キング・クリムゾン 至高の音宇宙を求めて 』
の巻末のディスコグラフィーで、本作品のアルバム・ジャケットを初めて見たときの印象を、今でも覚えている。 ごつい指輪がいかにもソウル・ミュージックといった感じで、ウォーレスとボズの非クリムゾン指向も行き着くとこまで来たのだなと思った。
内容は想像通り正統派のソウル・ミュージックで、フリップが本作品のウォーレスの演奏をチェックした可能性は限りなくゼロに近いと思う。
(追加:2009年5月25日)
On The Road To Freedom : Alvin Lee & Mylon LeFevre
|
テン・イヤーズ・アフター解散後のアルヴィン・リーとマイロン・リフェーブルとによるジョイント・アルバム。 ジョージ・ハリソンやスティーヴ・ウインウッド、ロン・ウッドといったミュージシャンとともに、ボズとイアン・ウォーレスが参加している。
アルヴィン・リーに期待するものと言えばやはり「早弾き」となるのだが、ヴォーカル主体ののどかな演奏が中心で拍子抜けしてしまう。 言葉を丁寧に選べばSSWモノの隠れた名盤となるのだが、隠れてしまった理由は作品全体が地味で華が無いところだと思う。
ウォーレスが単独で参加している3曲はアルバム全体の中でも地味目の曲で、ウォーレスも没個性のリズム・キープに完全に徹している。 ボズとウォーレスがリズム隊を組んでいる2曲は曲自体がアップ・テンポということもあり、2人の演奏もちょっとだけ跳ねまくっている。
5,000円前後で壁に飾られていることが多かった作品だが、2003年にボーナス・トラック入りでめでたくCD化された。
(追加:2003年11月10日)
Camelo Pardalis
Steve York, Elkie Brooks, Boz, Mike Patto, Ollie Halsall, Tim Hinkley, Rob Tait, Lol Coxhill, John Lee,
Dave Thompson, Jim Mullen, Graham Bond, Mick Moody, Diane Stewart, Pete
Gavin, Barry Duggan, Marc Charig, Dave Brooks, Pete Gage, Ian Wallace
ヴァージンのマナー・スタジオで行われた、ブルース系のセッションを収録した作品。
裏ジャケの曲ごとの演奏者にはちゃんとクレジットされているにもかかわらず、表ジャケの演奏者一覧には、何故かウォーレスの名前はない。
4曲に参加しているに扱いが低くてちょっと可哀想。
” Slidin' Sideways ” と ” I'll Be Home ” の2曲は、ボズとともに演奏している。
(追加:2006年10月10日)
Accidentally Born In New Orleans : Alexiss Kornerr& Peterr Thorupp Snape
|
Alexis Korner - vocals, guitar
Peter Thorup - vocals, guitar and slide
Ian Wallace - drums
Boz
- bass guitar and vocals
Mel Collins - alto, baritone, soprano and tenor saxophones, flute and piano
Special thanks to our guest artists:
Stevie Marriott for organ on " Country Shoes ", Zoot Money for piano on "
Gospel Ship ", Tim Hinkley for piano on " Lo and Behold ",
Backing vocals by Sappho Korner, Stevie Marriott, Tim Hinkley, Mike Patto and Ollie
Halsall, all other voice by Snape.
フリップ以外の3人がクリムゾン脱退後にそのまま参加していることで注目度が高く、クリムゾン関連の書籍でも多く扱われる。 だが本作品を、クリムゾン関連作品に手を広げていくきっかけにするのは危険だと思う。
ブルースに長けているわけではないが、本作品の完成度は決して高くないからだ。
もう少し完成度の高い参加に参加していたら、その分早い段階で3人の評価も上がっていたと思う。
(追加:2007年3月31日)
Live On Tour In Germany : Alexis Korner & Peter Thorup with Snape
|
Alexis Korner - Vocals, Guitar
Peter Thorup - Vocals, Guitar
Boz
- Voclas, Bass Guitar
Ian Wallace - Drums
Mel Collins - Saxophones
Tim Hinkley - Piano
Gasper Lawal - African Drums, Percussion
Snape
の実体をより明らかにしているライヴ・アルバム。
一言で言えばブルース・セッション。 2枚組で全10曲しか収録されていないことからも明らかなように冗長的な曲が多い。 演奏している当人達と、実際に会場にいる人達が楽しんでいることはわかるのだが、パッケージングされた作品を聴く立場には、ちょっと辛いところがある。
バンド名をタイトルにして16分にも及ぶ ” Snape ”
には、ウォーレスの名前がクレジットされている。 内容は想像通り彼のドラム・ソロ。 『
Earthbound 』 の ” Groon ” でのドラム・ソロとはかけ離れたもの。
(追加:2007年3月31日)
|
ピート・シンフィールドのソロ・アルバム。
” The Song Of Sea Goat The Night People
” では活躍場面が少ないが、静から動に展開していく” The Night People ”
ではボズとともに大活躍している。
(追加:2007年3月31日)
Bump'n' Grind : Jackson Heights
|
Mike Giles - Drums on - I
Can Be Your Orchestra, Spaghetti Sunshine, Public Romance, Cumberland Country
Ian Wallace - Drums on - It's A Shame, Long Necked Lady, The Ladies In
The Chorus, Whatever Happened To The ConversationDrums
ジャクソン・ハイツのラスト・アルバム。 ウォーレスとジャイルズの競演、というのは
『 Streetwalkers 』 と同じパターン。
” Long Necked Lady ”
での重いドラムと、B面での繊細なドラムと、ウォーレスの多彩なテクニックが1枚で堪能できるお得な作品。
紙ジャケでなくてもかまわないので、早期のCD化を希望。
(追加:2007年3月31日)
1974
Once I Was : Tim Buckley
|
Track 1 & 2 recorded for the Old Grey Whistle Test 21/5/74
Tim Buckley - Guitar / Vocals
Ian Wallace - Drums
Tim Hinkley - Bass
Charlie Whitney - Guitar
ジェフ・バックリィの父親、という表現のほうが分かりやすくなってしまったティム・バックリィのライヴ音源集。 ウォーレスは、Olde
Grey Whistle Test でも放送された2曲に参加している。
ウォーレスとティム・バックリィというのは唐突感がある組み合わせであるが、Tim
Hinkley や Charlie Whitney
といった当時活動をする機会が多かったミュージシャンの参加がきっかけになったと思われる。
テレビ放送用の2曲への参加のため仕方がなかったのかもしれないが、ウォーレスの存在感はゼロである。
(追加:2010年10月10日)
Brighter Day : Keith Christmas
|
マンティコアからリリースされた、キース・クリスマスのソロ・アルバム。
キース・クリスマスについては、ピート・シンフィールド人脈から、牧歌的なイメージが強いが、実際にはファンキーな曲調の楽曲が多い。
ウォーレスの参加はそういった意味では正解。 プロデューサーであるシンフィールドが人選までしていたなら、彼のプロデュース能力が高いということになる。
(追加:2007年3月31日)
|
Alvin Lee - Vocals and Guitar
Mel Collins - Sax and Flute
Ian Wallace - Drums
Time Hinkley - Keyboards
Alan Spenner - Bass
Neil Hubbard - Guitar
Dyan Birch, Frank Collins, Paddie McHugh - Backing Vocals
Recorded live at the Rainbow Theatre, London, with The Monor Mobile
タイトルだけではわかりにくいが、アルヴィン・リーのライヴを収録したアルバム。
レインボー・シアターでライヴを行い、しかもそれを2枚組で発表するということからも、当時のテン・イヤーズ・アフターの評価・人気の高さを伺うことができる。
1974年当時であったとしても目新しさは無いが、オーソドックスで外れの無い作品だと思う。 生涯のベストに挙げる人は少ないと思うが、70年代のロックが好きな人で本作品を楽しめない人はいないだろう。
ウォーレスはほぼ全編に参加しており、ライヴでの写真もふんだんに掲載されている。 人脈からしてボズが参加していてもおかしくないだけに、それだけが心残りな作品である。
(追加:2007年3月31日)
Big Jim's Back : Big Jim Sullivan
|
Big Jim Sullivan Vocals, Lead Guitar
Ian Wallace Drums, Vocals
Chas Hodges Piano, Fiddle, Guitar, Vocals
Dave Peacock Bass, Banjo, Vocals
セッション・ギタリストとして数々の名演を残した(らしい)ビッグ・ジム・サリヴァンの作品。
個人的には、ジャケットを見るたびに、自分の脇腹が気になってしょうがない。
その経歴から激しいギター・ソロを期待してしまうのだが、どちらかというとカントリー調の曲が多い。 時折絡むギターがめちゃくちゃ早弾きだったりするのだが、軽めの音であるのが残念。 これでもう少しソリッドな音だったらとても格好良いのだが。
ウォーレスの演奏はあまり目立つものではなく、中途半端なのが残念。
(追加:2007年3月31日)
Streetwalkers : Chapman ・ Whitney
Guitars & Steel Guitars : Charlie Whitney
Lead Vocals & Percussion : Roger Chapman
Keyboards : Tim Hinkley, Max Middleton
Bass : John Wetton,
Ric Grech
Guitar : Neil Hubbard
Drums : Ian Wallace, Mike
Giles
Congas : Godfrey McLean
Electric Vibes : Poli Palmer
Backing Vocals : Linda Lewis, John Wetton, Jim Cregan, Tim Hinkley, Boz
ファミリー解散後にロジャー・チャップマンとチャーリー・ホィットニーによって制作されたデュオ・アルバム。 イアン・ウォーレスとジャイルズの2人の元クリムゾン・ドラマーがクレジットされている。
パワー・プレイ中心のようで実は細かなフレージングが上手いイアン・ウォーレスと、ジャズ的アプローチやメロディアスなプレイが中心のようで実はバス・ドラのキックが重いジャイルズ、2人のプレイを聴き分けることは意外と難しいが、総じてアルバム後半をジャイルズが演奏している可能性が高いと思う。
作品自体はチャップマンとホィットニーの趣味が理想的な大衆性をともない表現されているブルースよりのロック。 素晴らしい作品だと思う。
(追加:2006年10月10日)
Whatever Mood You're In : Les Walker
|
Drums : Ian Wallace
Bass : Dave Peacock
Guitar : Jim Sullivan
Guitar : Albert Lee
Piano & Guitar : Chas Hodges
Drums : Dennis
St. John
Bass : Emory Gordy Jnr.
Guitar : Richard Bennett
Guitar : Steve Simpson
Piano : Alan Lingren
ビッグ・ジム・サリヴァン人脈の作品に登場する、Les Walker (読めない)のソロ名義の作品。
メイン・インストゥルメントは当然ながらジム・サリヴァンのギターである。 Les Walker
の粘っこいヴォーカルと、ギターの音色がが歪みきっていないことから一聴しただけでは判りにくいが、ヴォーカリストのソロ・アルバムとい域を超えてジム・サリヴァンの早弾きギターがフィーチャーされている。
バックは実質2バンドで構成されており、ウォーレスの参加曲も明確にクレジットされていないが、いかにもジム・サリヴァンといったギターがフィーチャーされている曲のバックがウォーレスと思われる。
(追加:2019年9月25日)
1975
Remember My Song : Labi Siffre
|
なんとも不思議な作品。
現在はミュージシャンとしてより詩人としての活動がメインのラビ・シフリーが残した作品。 いかにもブラック・ミュージックという曲もあれば、AORスレスレの曲もあり、更にそこにギターが時折激しく絡んだりする。 当人の良い意味での雑多性とプロデューサーのビッグ・ジム・サリヴァンのセンスが生み出したものと思える。
まぁそれ以上に本作を有名にしているのは、エミネムが ” My Name Is
” の中で ” I Got The ” をサンプリングしたことだろう。 再発CDのシフリー自らによるライナーにも、”
My Name Is ”
のピアノは自分の演奏だと誇らしげに(苦笑)記載されている。
ウォーレスの参加は、ビッグ・ジム・サリヴァン絡みと思われるが、どの曲で演奏しているかは不明。
(追加:2007年3月31日)
Marriott : Steve Marriott
|
スティーヴ・マリオットのファースト・ソロ。 一言で言えば魅惑的なB級アルバム。
A面がイギリス系ミュージシャンと、B面がアメリカ系ミュージシャンとの演奏という編集は、当人が意図した2枚のアルバムを無理矢理1枚にまとめられたためらしい。 そんな不幸も落ち込むことなく、両国旗をジャケットにあしらうセンスは、天晴れとしか言いようがない。
A面とB面では当然音の傾向が大きく異なるのだが、楽曲の粒が揃っているため違和感はあまり感じられない。 必殺の1曲、が無いことが、功を奏しているのかもしれない。
ウォーレスは何故かA、B両面に参加。 彼の柔軟性を示す、良いサンプル。
(追加:2007年3月31日)
Wham Bam : Steve Marriott's All Stars
|
Steve Marriott's All Stars :
Steve Marriott ( lead vocals / lead guitar / keyboards )
Greg Lidley ( bass guitar / vocals )
Micky Finn ( guitar / vocals )
Ian Wallace ( drums )
with special guests Joe and Vicky Brown , The Blackberries,
Mel Collins, Lavinia Rodgers, Clem Clempson and Tim Hinckley
「 In Memory Of Ian Wallace ( Died Feb. 2007 ) Drummer Extraordinaire! )
」とクレジットされた、スティーヴ・マリオットの発掘音源集。 ウォーレスへの追悼の意がクレジットされた最初の作品ということになる。 スティーヴ・マリオット、本当に良い人だ。
本作品は、『 Marriott 』 のA面をロサンゼルスでレコーディングする前、クリア・サウンズで
「 Steve Marriott's All Stars 」
名義でレコーディングした音源集。 ちなみにライナーによると、本音源は所属のA&Mに却下され、1枚の作品でリリースすることを条件にロサンゼルスで再レコーディングしたものの、結局その再レコーディングも
『 Marriott 』 のA面としてのみ採用されたとのこと。 かなり辛い時期だったのだろう。
本音源を聴くと、気の合う仲間達でのセッションそのままで、コマーシャル面からA&Mが下した判断は正しいと思う。 ウォーレスの演奏もだらけていて特徴あるものではない。 ただマリオットにしてみれば愛着ある音源であったらしく、ウォーレスへの哀悼とともにリリースされたことは、良かったと思う。
(追加:2007年7月30日)
|
Alvin Lee : Guitar and Vocals
Time Hinkley : Keyboards
Bryson Graham : Drums
Ian Wallace : Drums
Boz
Burrell : Bass
Mel Collins : Soprano Sax
Jack Lancaster : Horn Section
Harold Burgon : ARP
Ronnie Leahy : Organ
Steve Thompson : Bass
Brother James : Congas
Ron Berg : Drums
Andy Pyle : Bass Colin Gibson : Bass
テン・イヤーズ・アフター解散後のアルヴィン・リーソロ・アルバム。
3人組が参加しているが、クレジットが明確にされていないのが残念。
(追加:2007年3月31日)
|
Boz Burell
(bs)
Ian Wallace (drs)
ダスター・ベネットの遺作。
ウォーレスはボズと共に3曲に参加しており、そのなかでもインストの
” California Zephyr ”
が際立って良い楽曲に仕上がっている。
(追加:2007年1月10日)
1976
Tiger : Tiger
|
Big Jim Sullivan Guitar
Nicky Moore
Vocals
Les Walker Vocals
Ray Flacke
Guitar
Phil Curtis Bass
Billy Rankin
Drums
Dave McCrae Keyboards
Special thanks
to Ian Wallace for the help on Lay Me and Ordinary Girl
ビッグ・ジム・サリヴァンが結成したタイガーの作品。
勇ましいバンド名とジャケット、ツィン・ヴォーカルの一人は後に Samson
に参加、そしてそこにサリヴァンの速弾きギター、ということから想像されるハードな面に加え、複雑なリズム・チェンジと大々的にフィーチャーされたキーボードからプログレッシヴな香りが漂う作品。
個人的には結構な名盤だと思うのだが、焦点が定まらなかったことからか、あまり話題にならなかった。
イアン・ウォーレスの客演は、当然サリヴァン人脈によると思われる。 後半からネバネバとしたシンセサイザーが絡む ”
Ordinary Girl
” でのバックも良いが、”
Ordinary Girl
” での凄まじい速弾きギターのバックでのハード・ロックには決してならないドラムも素晴らしい。
(追加:2019年9月25日)
1978
At Budokan : Bob Dylan
|
Bob Dylan - rhythm guitar, harmonica, vocals
Billy Cross - lead guitar
Ian Wallace - drums
Alan Pasqua - keyboards
Rob Stoner - bass, vocals
Steven Soles - acoustic ryhthm guitar, vocals
David Mansfield - pedal steel, viloin, mandolin, guitar, dobro
Steve Douglas - saxophone, flute, recorder
Bobbye Hall - percussion
Heiena Springs - vocals
Jo Ann Harris - vocals
Debi Dye - vocals
アメリカでのセッション・ミュージシャンとしての活動で、ウォーレスは大きな成果を出すことができなかった。
スティーヴィー・ニックス、ドン・ヘンリー、ロイ・オービソン、ジャクソン・ブラウンの作品での演奏が残されているものの、引っ張りだこ、と言うにはほど遠く僅かな作品しか確認することができない。
そんなアメリカでのセッション活動を開始する切っ掛けとなったのが、ボブ・ディランのバック・バンドへの参加だった。
初来日公演を収めているため日本でも馴染みの深い作品であるが、クリムゾン・ファンの立場から見ても貴重な作品だと思う。 武道館のステージにおいて、レヴィンがガブリエルのバックで演奏するより前に、レイクがエイジアで演奏するより前に、マクドナルドがフォリナーで演奏するより前に、ウォーレスが演奏した記録として残された作品だからである。
70年代初期のような轟音ドラムを聴くことはできないのは残念であるが。
(追加:2006年8月26日)
Street Legal : Bob Dylan
|
Electric Rhythm Guitar & Vocals - Bob Dylan
Drums - Ian Wallace
Bass Guitar - Jerry Scheff
Lead Guitar - Billy Cross
Keyboards - Alan Pasqua
Percussion - Bobbye Hall
Tenor And Soprano Saxophone - Steve Douglas
Rhythm Guitar ( Background Vocals ) - Steven Soles
Violin & Mandolin - David Mansfield
Background Vocals - Carolyn Dennis, Jo Ann Harris, Heiena Springs
Trumpet - Steve Madaio
正直に言って、ディランについては門外漢である。
カタログから判断して大ヒットした作品が続いた後、ちょっと一休みといった位置づけになると思うのだが、それ以上多くを語ることはできない。
全体的にロック色が強い作品で、それ故にウォーレスの力強いドラムと相性が良いと思う。 もちろんバック・バンドの一人に徹しているため破天荒な演奏を期待することはできないが、それでも充分にウォーレスの演奏を堪能することができる。 ウォーレスの参加作品の中でも、もっと評価されて良いと思う。
ディランとの活動で注目を浴びたウォーレスは、この後アメリカでの混迷したセッション活動期に突入していく。
(追加:2007年3月31日)
1980
Billy Burnette : Billy Burnette
|
Billy Burnette Guitar & Lead Vocals
Kimme Gardner Bass
Chris Brosius Guitar & Background Vocals
Ian Wallace Drums & Background Vocals
後にフリートウッド・マックに参加するビリー・バーネットのソロ・アルバム。
ロカビリー色の強いロックン・ロール・ナンバーが中心で、個人名義の作品ではあるが、バーネット他3人の固定メンバーによる演奏は、バンドのようなまとまりもある。
ウォーレスの演奏は取り立てた個性を感じさせられるものではないが、この後しばらく続く大物との冷遇されたセッション活動と異なり、楽しく演奏しているように思える。
ウォーレスは本作品から10年後、フリートウッド・マックに参加脱退後のビリー・バーネットのソロ・アルバム 『
Are You With Me Baby 』 に再び参加している。
(追加:2015年9月25日)