1968
The Cheerful Insanity Of Giles, Giles & Fripp : Giles, Giles & Fripp
The Saga Of Rodney Toady
Just George
bonus tracks
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ジャイルス・ジャイルス&フリップ唯一の作品。 1992年にドイツでリイシューされた本作品に収録されているボーナス・トラックに、ノークレジットながらマクドナルド参加の音源がある。
” She Is Loaded ” と ” Under The Sky ” は、アウトテイク。 特に
” Under The Sky ” ではマクドナルド色が濃い。
” Thursday Morning ”
は、アルバム発表後にリリースされたシングルで、リリースにあたりマクドナルドのクラリネットとヴォーカルがダビングされていることが、『
The Essential King Crimson : Frame By Frame 』 に記載されている。
ジャイルス・ジャイルス&フリップからクリムゾンへの進化が飛躍的であるのと同じように、ここで聴くことができるマクドナルドのプレイから後の活躍を推測することは困難。
(追加:2001年6月10日)
Metaphormosis : Giles Giles & Fripp
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リリースは2001年
ジャイルズ、ジャイルズ&フリップのアウトテイク集。
前述の 『 The Cheerful Insanity Of Giles, Giles & Fripp 』
のマクドナルド絡みの追加曲は、元々の曲に後からマクドナルドがダヴィングをしたものが中心であったが、本曲はマクドナルドの貢献度が高い曲が多く、マクドナルドのファンとして楽しむことができる。
(追加:2001年7月25日)
1970
McDonald And Giles : McDonald And Giles
Guitar, Piano, Organ, Saxes, Flute, Clarinet, Zither, Vocals and Sundries.
Arrange And Produced By Ian McDonald and Michael Giles
アメリカ・ツアー後にクリムゾンを脱退したマクドナルドとジャイルズによるプロジェクトの唯一のアルバム。
多少冗長的になりすぎるB面の一部を除けば完成度は高く、充分楽しむことができる素晴らしい作品。
ただ、評価のされ方が裸の王様状態で、逆に損をしていると思う。 『
In The Wake Of Poseidon 』
の作品としてのオリジナリティの無さを理由に、不用意に本作品が過大評価されていることは否めないと思う。 これで再発が全くされていなければ、さらに幻の名盤的に祭り上げられてしまったのであろうが、幸いにも版権に問題が無いためなのか定期的に再発され続けている。
(追加:2001年6月10日)
Nice To Meet Miss Christine : Chris Harwood
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Christine Harwood : vocal, backing vocals
Dave Lambert : acoustic, slide, electric guitar, percussion, backing vocals
Peter Banks : acoustic, pedal guitar
Mike Maran : acoustic guitar
Geoff Matthews : acoustic, electric guitar
Johnny Van Derrick : violin
Ian McDonald : Saxes, flutes
Tommy Eyre Fender Rhodes piano, acoustic piano, Hammond
C.3 organ
Jeff Stars : backing vocals
Richard Hall-Walker : backing vocals
Pete York : percussion
Roger Sutton: Fender bass, celli
John Morgan : tambourine, stompin
Peter York : conga drums, percussion
J. Kay Boots : drums, percussion
数作品しか残すことができなかったバース・レコードからリリースされたクリス・ハーウッドの作品。
女性SSWものの体をとっているが、実際はバックのミュージシャンの自由度が高く、全編渋い演奏が展開している。
” Crying To Be Heard ” や ” Before You Right Now ” での珍しくブルージーなサックス・ソロもいいが、やはり ” Mama ” や ” Question Of Time ” でのヴォーカルに絡むフルートは素晴らしく、マクドナルドの名演と言っても過言ではないと思う。
2004年に Akarma からCDで再発され、その実体に触れることができたのは嬉しい限りだが、明らかに盤おこしのノイズが聞こえるのが残念なところ。
(追加:2004年12月10日)
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Violins :
Wendy Treacher, John Trussler, Roddy Skeaping, Wilf Fibson, Carol Slater, Louise Jopling,
Garth Morton, Channa Salononson, Steve Rowlandson, Mica Gomberti, Colin Kitching, Phillip
Saudek, Esther Burgi
Cellos :
Michael Hurwitz, Timothy Kramer, Suki Towb, John Rees-Jones, Katherine Thuulborn,
Catherine Finnis
Trumpets :
Peter Parkes, Mick Collins, Ian Carr ( doubling Flugel Horn ), Mongesi Fesa ( Pocket
Cornet ), Mark Charing ( Cornet )
Altos :
Elton Dean ( doubling Saxcello ), Jan Steel ( doubling Flute ), Ian McDonald, Dudu Pukwana
Tenors :
Larry Stabbins, Gary Windo, Brian Smith, Alan Skidmore
Baritones :
Dave White ( doubling Clarinet ), Karl Jenkins ( doubling Oboe ), John Williams ( Bass
Saxphone - doubling Soprano )
Trombones :
Nick Evans, Dave Amis, Dave Perrottet, Paul Rutherford
Drums :
John Marshall ( and all percussion ), Tony Fennell, Robert Wyatt
Guitars :
Brian Godding
Bass :
Brian Belshaw
Vocalists :
Maggie Nicholls, Julie Tippett, Mike Patto, Zoot Money, Boz
Basses :
Roy Babbington ( doubling Bass Guitar ), Jill Lyons, Harry Miller, Jeff Clyne, Dave Markee
Piano :
Keith Tippett
Producer : Robert Fripp.
キース・ティペットによるジャズ・ロック大作。
スコアに基づき演奏される内容は圧倒的で、一気に聴くと情報量の多さに圧倒される。 中途半端なソロに安易に逃げてしまうことを、ジャズ・ロックの名でごまかそうとする似非音楽とは雲泥の差がある素晴らしい作品。
ただマクドナルドという視点から見ると、その演奏は作品の性格上目立つことがないのがやや残念。
(追加:2001年6月10日)
Electric Warrior : T.Rex
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Saxphones
T.レックスの黄金期の作品。 個人的にもT.レックスは大好きで、特にシングルのコンピなんかは、自宅、車、電車とあらゆる環境においても機能する愛聴盤なのだが、本作品はT.レックスのオリジナルとしてはめずらしく(ゴメン!)完成度も高くお気に入りの一枚。
残念なことにマクドナルドは、全盛期のT.レックスの影に隠れて殆ど目立つことはない。 ただあくまでもこれは当時のT.レックスが凄すぎたということで、致し方なかったことなのかもしれない。 仕事を選べよとは言いたいが。
(追加:2001年6月10日)
1971
Say No More... : Linda Lewis
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Ian McDonald - Flute
リンダ・ルィスのファースト・アルバムで、イアン・マクドナルドがフルートのみで参加している。
チャーミングな声とそれを支える達者な演奏、とヴォーカル・アルバムのお手本のような作品である。
バックの演奏は素晴らしく、ルイスのヴォーカルを活かすためにテクニカルな演奏をテクニカルなところだけが目立たないように演奏しているのが凄い。
マクドナルドも、彼が参加している数少ないヴォーカル・アルバムの中でも白眉の演奏をしている。 ” Hampstead Way ”
では本編終了後に少しだけ演奏するだけなのだが、” Follow the Piper ” と ” I Dunno ”
でヴォーカルに絡むフルート・ソロは繊細かつ大胆で存在感たっぷりである。
本作品は後のリンダ・ルイスの作品程チャートでは成功していない。
本作品がもっとヒットしていてマクドナルドの演奏が注目されていたら、マクドナルドのセッション活動はもっと増えていたかもしれない。
一方そうならなかったことで便利屋としてセッション活動に使い回されなかったのは、彼のファンとしては良かったと思う。
(追加:2018年5月10日)
1973
Canis Lupus : Darryl Way's Wolf
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Produced By Ian McDonald
Many Thanks To Ian McDonald For Tasty Tambourines And Piano On Chanson Sans Paroles
元カーヴド・エアのダリル・ウェイによるダリル・ウェイズ・ウルフのファースト・アルバム。
マクドナルドによるプロデュース作品の殆どがたいしたものでは無いが、この作品は素晴らしい。 勿論ミュージシャン自身の力量の高さによる所も大きいとは思うが、プロデューサーとしての資質の高さは充分に感じることが出来る。
レコードでA面に相当する4曲目までも良いが、ヴォーカル無しのB面はやはり凄い。 各自のソロも垂れ流し状態に陥ることなく、曲の中での必然性をちゃんと感じる素晴らしいもの。
マクドナルドは、組曲形式の ” Chanson Sans
Paroles ”
において味のある(笑)タンバリンとピアノを演奏している。 また、最終曲はタイトル通りマクドナルドに捧げられた曲。
(追加:2001年6月10日)
16 And Savaged : Silverhead
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Saxophone
シルバーヘッドのセカンド&ラスト・アルバム。
グラマラスなイメージのロックン・ロール、と言ってしまえばそれまでの音。 聴いていて楽しむことはできるのだが、2.5流であることは否めないと思う。 良くも悪くも当人達が意図したことなのだろうが。
マクドナルドはタイトル曲でプレイ。 まさにセッションとしか言いようのない演奏。
(追加:2001年6月10日)
Still : Pete Sinfield
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ピート・シンフィールド唯一のソロ・アルバム。
GG&F時代からの作品である ” Under The Sky ” において、マクドナルドは共作者としてクレジットこそされているものの、演奏には参加していない。 なぜ参加させなかったかは全く不明。
(追加:2001年6月10日)
1974
Brighter Day : Keith Christmas
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どちらかと言えば、マンティコアやグレッグ・レイク、ピート・シンフィールド人脈で語られることの方が多いキース・クリスマスのソロ・アルバム。 素朴で牧歌的なアルバムで、音としてはクリムゾン系アルバムからは逸脱している。
マクドナルドは ” Foothills ”
と ” Could Do Better ”においてエレピを演奏している。 バッキングを中心とした演奏で、アルバム全体の雰囲気を壊すことのないもの。 センスの良さは感じるが、物足りなさを感じてしまうのも事実。
(追加:2001年6月10日)
London Underground : Herbie Mann
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alto sax
ジャズの世界のフルート奏者ハービー・マンが、ミック・ティラーやアルヴィン・リーをバックに所謂ロックの有名な曲をカヴァーしたソロ・アルバム。
古典的なロックのフォーマットに、ハービー・マンのフルートを中心にリード奏者のソロが重なるだけの作品。 1974年においてこんなものに、「アンダーグラウンド」などと平気でタイトルにつけてしまうセンスは全く理解できない。 「ロックが命だぜい」などとこの年で言うつもりはないが、ロックをバカにしているとしか思えない、全くふざけた作品。
” Bitch ”
においてマクドナルドはアルト・サックスを演奏。 殆ど存在感のない演奏だが、こんな作品で目立つ演奏をしなかったことは、逆に正解かもしれない。
(追加:2001年6月10日)
1975
Diamond Head : Phil Manzanera
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Bagbipes
マンザネラの傑作アルバム。
マクドナルドは、” East Of Echo ”
においてバグパイプをプレイ。 ただマクドナルドがバグパイプの演奏で卓越した能力を持っているわけなど当然なく、器用貧乏のマルチプレイヤーとして利用された印象が否めない。 他の参加ミュージシャンの人脈からみても、マクドナルドの参加が唐突であるだけに、勘ぐりたくもなる。
クワイエット・サンの演奏に埋没していて、本当に残念。
(追加:2001年6月10日)
Night On Bald Mountain : Fireballet
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Ian McDonald plays alto sax on " Night on Bald Mountain " and " Les Cathdrales " and flute on " Atomospheres " and " Night on Bald Mountain
Produced By Ian McDonald
アメリカのバンド、ファイアーバレーの作品。 マクドナルドはプロデュースと数曲で演奏を行っている。
プログレ3級程度の自分にもわかるELP、ジェネシス、VDGG(やディープ・パープル)といったバンドの曲のフレーズが頻出したり、クラッシックの曲を臆面もなくアレンジして演奏する等、作品としてはプログレのパロディとしか思えない代物。 アニメタルのアルバムを初めて聴いたとき、所々に差し込まれたハード・ロックの名曲のフレーズに笑ってしまったが、のりはそれに近い。 (個人的にはアニメタルのアルバムの方が遙かに優れているとは思うが)
マクドナルド、どんなつもりでこの作品をプロデュースしたのだろう。 やめさせることは出来なかったのだろうか? それとも単なる名前貸しに過ぎなかったのだろうか? サックスとフルートの演奏もたいしたものではない。
(追加:2001年6月10日)
Modern Masquerades : Fruupp
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Produced By Ian McDonald
アイルランドのバンド、フループの4作目。 マクドナルドはプロデュース及び
” Goremenghast ” においてサックス演奏を行っている。
上述の 『 Night On Bald Mountain 』
とともに、プログレの隠れ名盤的扱いを受ける作品ではあるが、個人的にはその評価の高さがよくわからない。 多分このあたりの作品に対する嗜好の差が、プログレ野郎になりきれるかどうかのリトマス試験紙になるのだと思う。
ピアノを含めた打楽器群のもったりとしたリズム感の悪さは特筆もの。 ドラマチックな曲の展開をアピールしようとする意図を見事にぶちこわしている。 このへんのところはプロデューサーとしてなんとかならなかったのだろうか?
(追加:2001年6月10日)
1976
Ian Lloyd : Ian Lloyd
この後 Foreigner
と付かず離れずの関係となるイアン・ロイドのソロ・アルバム。
マクドナルドは8曲に参加、内6曲では Foreigner のギタリスト、ミック・ジョーンズと共演しており、正に Foreigner
結成前夜といったところ。
ただ、正直言ってこのセッションの成果がそのまま Foreigner
に繋がったと言える程のケミストリーは発生していない。 本作品自体、イアン・ロイドの高音ヴォーカルも活かされておらず、後のソロ・アルバム 『
Third World Civilization 』 ほど完成度は高くない。
求められていなかったため仕方が無かったのかもしれないが、サックスを中心にした当たり障りの無い無難な演奏だけではなく、マクドナルド自身がプロデュースに介入するとかもっと積極的なアプローチをしたら、違った展開になっていたかもしれない。 それだけに残念である。
(追加:2012年7月25日)