1970年代初期?
Fool's Wisdom : Malcolm & Alywyn
Guitar and vocals : Alwyn Wall.
Autoharp and vocals : Malcolm Wild.
Keyboards and percussion : Rod Edwards / Roger Hand.
Electric guitar : Mickey Keen.
Bass : John Wetton
Drums : Clem Cattini.
ロッド・エドワーズとロジャー・ハンド人脈の作品。
男臭さがプンプンとしてきそうな強烈なジャケットの印象通りの骨太な楽曲もあるが、アコースティック・ギターを多用した繊細な曲が、地味ながら味わい深かったりする。 この辺りはエドワーズ・ハンズやジェイドと共通するところだと思う。
ウェットンのベースは、自己主張の強いスタジオ・ミュージシャンのお仕事といったところで、これまたロッド・エドワーズ関連の作品での共通した演奏である。
この時期のウェットンの演奏を聴いていると、裏方では決して終わりたくないという意志が強く感じられる。
(追加:2006年1月10日)
1971
Fly On Strangewings : Jade
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Bass Guitar : John Wetton
女性ヴォーカルのマリアン・シーガルをフィーチャーしたアコースティック・バンド、ジェイドの作品。
ウェットンは、オリジナルの作品には参加していないが、未リリースで終わったシングルの両面に参加しており、2003年に再発された際にボーナス・トラックとして収録されている。 同バンドにロッド・エドワーズが所属していたことが、ウェットンの参加につながったことは容易に想像できる。
エドワーズ・ハンドの 『 Stranded 』 と同じく、ウェットンは好き勝手に演奏させてもらっている。 メインはマリアン・シーガルのヴォーカルだけに、それを損なう程の存在感こそないが、リズム・キープに留まることなくメロディを奏でていたりする。
(追加:2005年4月10日)
It Is And It Isn't : Gordon Haskell
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Bass, Organ & Harmony Vocals
クリムゾン脱退直後のハスケルのソロ・アルバムに、ウェットンはほぼ全曲参加している。
ここでのウェットンのベースは、ブリブリこそいっていないものの裏メロ弾きまくりでとっても格好良い。またハスケルを補う見事なまでのコーラス・ワークまで堪能することができる。
アルバム自体の完成度は高くないが、クリムゾン参加以前のウェットンのベスト・ワークは本作品である。
Fearless : Family
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Roger Chapman : vocals, guitars & percussion
Charlie Whitney : guitars mandolin & percussion
John Wetton : guitars, vocals, contracts & keyboards
Rob Townsend : drums, paiste cymbals & persuccion
Brass : the ladbroke Horns
Mogul Thrash がウェットンのおかげで後付で有名になったのに対し、Family への参加によってウェットンはメジャーさせてもらった言っても過言ではないと思う。
ウェットンの参加しているチャップマン関連の作品の中では最もR&B色が薄く、曲もバラエティに富んでいる。 曲の多様性に合わせてウェットンもベースの演奏スタイルを変えているため、逆に印象が薄くなってしまっているのが残念。
BBC Radio Volume2 1971 - 73 : Family
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リリースは2004年
Family Mk IV
Roger Chapman vocals, harmonica, percussion
John 'Poli' Palmer flute, piano, synthesiser,vibes
Rob Townsend drums, percussion
John 'Charlie' Whitney guitar, keyboards
John Wetton bass, guitars, vocals
ロジャー・チャップマンの粘っこいヴォーカルを、これでもかと堪能することができるBBCの発掘音源集。 Volume 1 が出た時から期待をしていたウェットン入りのVolume 2 がリリースされた。
『 Fearless 』 収録曲が多く演奏されているが、ウェットンが参加しているのは11月8日の Bob Harris での演奏2曲のみ。
” Children ” はアコースティックな演奏で、ウェットンもギターを弾いている可能性が高い。
大袈裟な曲展開が格好良い ” Between Blue & Me ” では、ベースで裏メロ弾きまくりで存在感を充分に感じさせてくれる。
(追加:2004年11月10日)
Family Live : Family
リリースは2003年
Roger Chapman - vocals & percussion
Charlie Whitney - guitar
Poli Palmer - keyboards / vibes / flute
John Wetton - bass / vocals
Rob Townsend - drums
『 Fearless 』 リリース後のライヴを収録した作品。
曲のバラエティに富んだ作品リリース後であるにも拘わらず、本ライヴではファミリー本来のR&B路線で貫かれており泥臭い作品となっている。 とはいえ、パルマーのキーボード・ソロが大きくフィーチャーされいるため、単なるパブ・ロック・バンドにギリギリの線で陥らないでいるのが特徴。
ウェットンの演奏だが、ヴォーカル・パートのバックも勿論だがパルマーとホイットニーのソロ・パートが長いのに乗じてバックで好き勝手にベースをブリブリさせている。 もう少しベースの音を大きめにミックスしてくれていたら最高だったと思う。
ただやはり、本アルバムを聴くとヴォーカル主体のR&Bバンドではウェットンの活躍が限られていることがわかる。 この辺りが後の脱退、クリムゾン加入の理由の一つだと思う。
(追加:2004年1月10日)
1972
Bandstand : Family
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Family : Roger Chapman / Charlie Whitney / Poli Palmer / John Wetton / Rob Townsend
ファミリー自身が前作 『 Fearless 』 以上に本来のR&B指向を強めたためかもしれないが、ウェットンのベースは太く泥臭い。 ブリブリ、バリバリしたクリムゾンでのベースでさえ、洗練されたものに思えるほどである。
単に音の性質といった面だけではなく、ウェットンの演奏スタイル自体がクリムゾンの参加によって大きく変わった(あるいは多様性がでてきた)ことを証明する作品である。
本作品発表後ウェットンはファミリーを脱退するわけだが、チャップマンとの関係はいまだに続いている。
ウェットンが1曲だけ作曲に関与しているものの、べつにどうでもいいような曲である。
1973
I Love You This Much : Jefferson
SSWものとカテゴライズされるであろう、ジェーファーソンの作品。 ウェットンは、ロッド・エドワーズとロジャー・ハンドがプロデュースしている絡みでの参加と推測される。
芸達者なウェットンだけに、自己主張ゼロで見事なまでにバック・ミュージシャンを演じきっている。 多分屈託無く演奏しているだろうところがウェットンの凄いところなのだと思うが、何もクリムゾン活動中にこんなセッションに参加しなくてもとは思ってしまう。
面白いところでは、” Ordinary Girl
” においてフィドルを演奏しているところ。 カントリー風の演奏を無難にこなしているだけに、もっと他の作品でも聴いてみたかったと思う。
尚、本作品にはマイケル・ジャイルズが一曲だけセッションで参加しているが、残念ながらウェットンとの共演は実現していない。
(追加:2004年3月10日)
Here Comes The Warm Jets : Eno
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Bass Guitars
ウェットンが参加している2曲とも、ベース・プレイヤーとしてポール・ルドルフもクレジットされているため、役割分担がよくわからない。 特にツイン・ベースの部分もないし、演奏スタイルが極端に変わるところもないし謎が深まる。
ウェットンのイーノ関連の作品への参加は、本作品が最初で最後、確かにイーノとウェットンとの関係に必然性はない。
名曲 ” Baby's On Fire ” を含め2曲ともフリップも参加しているが、同時にスタジオ入りしていたかは不明。
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” The Song Of Sea Goat ” でのベースはとりたてて目立つこともない平凡なプレイ。 中間部でのティペットのピアノがやたら格好良く目立つのだが、そんなピアノに絡むこともなく残念。
” Envelopes Of Yesterday ” では「 fuzz bass」 とのクレジットのため期待が高まるが、実際にはそれほど激しいプレイではない。音自体は確かに歪んでいるんだけどね。
Two Sides Of Peter Banks : Peter Banks
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Bass Guitar
スティーヴ・ハケット、ヤン・アッカーマン、そしてバンクスのギター・バトルが素晴らしい本作品において、ウェットンは1曲のみ参加している。
ベースの主旋律は多分 ” Knight ” と同じくレイ・ベネットで、中間部の多少フリーな部分がウェットンのベースと思われる。
アルバム全体のまとまりとしては散漫なところがあるものの、演奏面での充実度は高いため、ウェットンにはもっと積極的に参加してもらいたかった。
なお、スティーヴ・ハケットとの初共演が本作品となる。
Somebody's Watching : Rare Bird
John Wetton played bass guitar on " Dollars "
全盛期を終えたレア・バードの本作品の1曲にウェットンはベースで参加している。 中途半端はポップスが7曲と、比較的ハードなインスト ” Dollars ” といった構成。
ウェットンのベースは一聴しただけでわかるもののリフ中心の演奏で、ブリブリとしたメロディアスなベースは聴くことができず残念である。
1974
The Thrill Of It All : Roxy Music
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リリースは2008年
Bass
2008年に発売されたロキシー・ミュージックの映像作品集。 個人的にはお宝映像満載の 『 Total Recall 』 の再発を期待していたのだが、オーソドックスな作品に落ち着いている。
ウェットンの参加しているには、1974年の BBC の Top Of The Pops での ” All I Want Is You ” の映像1曲のみ。 物足りなさが残る。
なお、以前から再発が繰り返されているロキシーとT.レックスの
Musikladen
での映像作品集においても、同曲でベースを演奏するウェットンの姿が捉えられている。
Streetwalkers : Chapman・Whitney
Guitars & Steel Guitars : Charlie Whitney
Lead Vocals & Percussion : Roger Chapman
Keyboards : Tim Hinkley, Max Middleton
Bass : John Wetton, Ric Grech
Guitar : Neil Hubbard
Drums : Ian Wallace,
Mike Giles
Congas : Godfrey McLean
Electric Vibes : Poli Palmer
Backing Vocals : Linda Lewis, John Wetton, Jim Cregan, Tim Hinkley, Boz
ファミリーを解散させた、ロジャー・チャップマンとチャーリー・ホィットニーのデュオ・アルバム。 2人はこの後アルバム・タイトルであるストリート・ウォーカーをバンド名にして、固定メンバーで活動していくことになる。 本アルバムではウェットンの他のクリムゾン・メンバーとして、ジャイルズ、ウォレス、コリンズも参加している。
ブルースよりのロックとカテゴライズされるのであろう本アルバムにおいて、参加ミュージシャンは個性を出すことよりもアルバムの統一感、完成度を高めるようにプレイをしており、曲毎のクレジットもないことから演奏メンバーを特定することは難しい。 ベースもウェットンの他にリック・グレッチが参加しており、ウェットンの参加ナンバーを特定することができない。
アルバムの出来自体はとても良いのだけどね。
Another Time, Another Place : Bryan Ferry
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Bass
4ピースによる固定メンバーがクレジットされてはいるものの、それ以外にも多くのミュージシャンがクレジットされており、ウェットンの参加している曲を特定することはできない。
ウェットンはフェリーの2枚目のソロ・アルバムである本作品から5枚目の 『 The Bride Stripped Bare 』 まで参加するものの、より豪華に、よりテクニカルになった80年代以降の作品には参加して(お呼びがかかって)いない。 70年代と80年代における、ミュージシャンに要求される「テクニック」に対する評価基準が異なることを冷静に判断したフェリーは正しい。 そしてその結果としてセールス的な面での成功を手に入れることになる。
Live At The Royal Albert Hall 1974 : Bryan Ferry
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リリースは2020年 Album
Bryan Ferry Vocals
John Porter
Guitar
Phil Manzanera Guitar
Eddie Jobson
Piano & Violin
John Wetton Bass
Paul Thompson
Drums
1974年の年末、ロイヤル・アルバート・ホールで行われたブライアン・フェリーのライヴを収録した作品。
『 These Foolish Things 』 と 『 Another Time, Another Place 』 の、しかもカヴァー中心で50分弱の作品はライヴの全貌からは程遠いのだが、内容としては最高である。 ジョン・ウェットンがブリブリとしたベースを演奏する場面もあるし、エディ・ジョブソンが味わい深いキーボードを演奏したりするのだが、フェリーの趣味に合わせたヘナっとしたものにアレンジに完全に取り込まれている。
フェリーがロキシーとソロを並行して活動できた理由の一つに、ソロの時には一切の迎合を排除し、ひたすら我が道を貫くだけの頑固さがあると思うのだが、そんなフェリーの志向が完璧なまでに表現されている作品である。
(追加:2020年4月10日)
1975
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マンザネラのファースト&最高傑作である本作品は、ウェットンとマンザネラのコラボレーションとしても最高傑作である。 ベースのリミックスが大きいとか、やたら歪んでいるとかいうことは全くなく、ある意味ではギミックなしの素のウェットンのベースを堪能することができる。
ただ、ウェットンとの共作曲である ” Same Time Next Week ” が曲として一番つまらないこと、” East Of Echo ” のクワイエット・サンによる演奏部と比べると緊張感が足りないことが残念である。
Viva! Roxy Music - The Live Roxy Music Album : Roxy Music
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リリースは1976年
Bass
「全曲ウェットンがスタジオでベースをダビングした説」と「ウェットンがツアーに参加した1974年のライブ・テイクのみに参加、但しどの曲かはわからない説」等議論されることが多いアルバム。
たしかにベース奏者のクレジットのみ大きく記載されているところからダビング説も浮上するが、ウェットンがスタジオでライブ・テイクにあわせてダビングする(ようなことに耐えられる性格)とも思えない。
ウェットンが本件について言及しているインタビューもあるのかもしれないが、彼の性格、記憶力を踏まえると正確度は低いと思う。 どちらにせよクレジットがされていない以上どうしようもない。
Return To Fantasy : Uriah Heep
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David Byron Lead Vocals
Mick Box Guitar
Ken Hensley Keyboards, Guitar, Synthesizer, Vocals
Lee Kerslake Drums, Percussion, Vocals
John Wetton Bass, Mellotron, Vocals
Thanks to
Mel Collins and B.J. Cole
ブリブリ、バリバリ。食事中の人すみません。 クリムゾン解散からUKまでの間の第一次ウェットン迷走期における作品の中で、ウェットンのベースを最も堪能することができるのが本作品。
とにかく凄い作品。 ウェットンの参加は、多分本アルバム用のマテリアルが全て用意された後のことと思われるが、ウェットンの存在感満タンの作品である。 メロトロンの演奏はご愛敬だが、凄まじいまでのベース・プレイ。 この路線だけで進んだら、当然エイジアでの成功はあり得ないのだが、でもでももっと聴きたいウェットンのベース・プレイ。
ちなみにヒープの代表作といえば 『 Look At Yourself 』
なのだが、マーケットでの成功を最も得たのは本作品となる。
Return To Fantasy / Shout It Out : Uriah Heep
「キング・クリムゾンの名ベーシスト、ジョン・ウェットンを迎え、さらに飛躍する新ユーライア・ヒープに栄光あれ。」
1996年にリマスターされた上で再発された
『 Return To Fantasy 』 のライナーによると、ヨーロッパでは ” Prima
Donna ” のB面として ” Shout It Out ” はリリースされており、”
Return To Fantasy ” のB面は ” Beautiful Dream ” となっている。
アルバム・ジャケットをそのまま転用した日本盤シングルは、” Return To Fantasy ” と ” Shout It Out ”
という組み合わせでリリースされており、”
Return To Fantasy ”
がアルバム・ヴァージョンよりは短く、ヨーロッパでのシングル・ヴァージョンよりは長めに編集されていることがちょっとだけ嬉しかったりする。
(追加:2004年1月10日)
Classic Heep Live From The Byron Era : Uriah Heep
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リリースは2004年 DVD
Mick Box - Guitars / Vocals
David Byron - Lead Vocals
Ken Hensley - Keyboards / Guitar / Vocals
Lee Kerslake - Drums
Gary Thain - Bass / Vocals
John Wetton - Bass / Vocals
ウェットン在籍時のヒープの生映像。
これだけで充分でしょう。 買いましょう、観ましょう。
とにかくウェットンが格好良い。 現在と比較して質量が2/3のためルックスが良いのも勿論だが、演奏が素晴らしい。 ブリバリとしたベースを弾きまくっており、これで音源がもう少しまともで低音がちゃんと出ていたらブリバリとした悪臭音を下半身から発してしまうほど興奮したと思う。
” Return To Fantasy ”
を購入初日にリピートして20回以上観てしまったが未だ飽きない。 こんな映像に出会うことができるなんて、本当に生きていて良かったと思う。
(追加:2004年4月25日)
Take No Prisoners : David Byron
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Mellotrons
ユーライア・ヒープのヴォーカル、デヴィッド・バイロンのソロ・アルバムに、ウェットンはメロトロンで参加している。
いくらヒープの 『 Return To Fantasy 』 でも演奏していたとはいえ、メロトロン ( キーボード ) のテクニックが達者なわけでもなく、完全な名前貸しだと思われる。 この後しばらく「 ウェットン・ブランド 」は通用するものの、しばらくすると失墜、ブランド・イメージが再浮上するのはエイジア成功後となる。
本作品でのメロトロンの白玉演奏は、イントロ及びサビで聴くことができる。