1974/ 3/19 Palazzo dello Sport, Ud ine, Italy
Lineup 3 のイタリアでのライヴ。
未発表曲 ” Guts On My Side ”
が収録されていることが本作品の最大のウリで、DGM Live
でも強調されている。 ただ残念ながら同曲を含んだ Disc 1
の音質はあまりにも悪い。 もともとのソースの状態から限界があったのかもしれないが、折角の
” Guts On My Side ” もモコモコとした音に隠れてしまっている。
一方 Disc 2 には、ボーナスとして別ソースから3曲収録されているのだが、こちらはサウンド・ボードからということもあり音質が実に素晴らしい。
売る側としては不本意なのかもしれないが、未発表曲が収録されている
Disc 1 より、音質が良くて曲数が少ない Disc 2 ばかりを聴いている。
(追加:2010年1月25日)
1974/ 3/20 Palazzo Dello Sport (Palasport), Brescia, Italy
前日のウディネに続く、イタリアでのライヴ音源。
サウンドボード音源のため音質がよく、” Larks' Tongues In Aspic Pt I ”
におけるブルーフォードの好調ぶりがよくわかたり、” Starless ”
のコーダにおいてメロトロンのチューニングがヘロヘロになるところまで忠実に再現されてしまってたりする。 ただここでは、チューニングの問題などお構いなしに演奏しきっており、逆に格好良く思えるほどである。
問題なのは、いつもながらの ” Exiles ”
のインコンプリート・ヴァージョン。 唐突なぶつ切り状態であり、3秒くらい前からフェードアウトするように編集してくれたほうが、心穏やかに聴くことができると思う。
(追加:2010年2月10日)
1974/ 3/27 Unknown, Augsburg, Germany
ドイツ のアウクスブルグでのライヴ。 会場名の記録が残っていないとのこと。
1974年春のドイツのライヴでは、KCCC でも DGM Live でも ” Fracture ”
がインコンプリート収録だったが、本ライヴで初めて完全収録されている。 元々出し惜しみをされてただけなのかもしれないが、非常にありがたく思えてくる。 その分、”
Larks' Tongues In Aspic ” がインコンプリートとなってしまったというオチもついているが。
その他、” Improv Augsburg ” は、『 The 21st Century Guide To King Crimson Vol.1
』 にて初出したテイクで、” Exiles ” のインプロ・イントロ・パートであることが確認できる。
(追加:2012年8月10日)
本作品は、D.G.M. Collectors' Club の29作品目として販売されたものと同じもの。
(追加:2013年11月10日)
本作品は、D.G.M. Collectors' Club の15作品目として販売されたものと同じもの。
(追加:2013年11月10日)
1974/ 3/31 Jahnhalle, Pforzheim, Germany
1974年のヨーロッパ・ツアーは音源が多く残っているのか、KCCC や DGM Live
で既にいくつかリリースされている。 今回の3月31日のフォルツハイムの音源は、KCCC
からリリースされている29日(ハイデルベルグ)、30日(マインツ)と演奏パターンがほぼ同じで、差異化を見いだすのは難しい。 しかも ”
Fracture ” の不完全収録まで同じである。
と否定的な要素を列挙してしまったが、肝心の演奏自体は充実しており、充分もとがとれる作品になっている。 特に、29/30日には未収録の ” The
Great Deceiver ” の演奏はひたすらスリリングで格好良い。
(追加:2008年10月25日)
本作品は、D.G.M. Collectors' Club の36作品目として販売されたものと同じもの。
(追加:2013年11月10日)
1974/ 4/12 Spectrum, Philadelphia, United States
4月11日から始まった北米ツアーの2日目
手の施しようがない程、元音源が悪かったのだと思う。 前半は多分マイクをポケットの中入れたままだったらしく、” The Great Deceiver ” などは集中力を高めて聴かないと、なにを演奏しているのかすら判らない。
また選曲自体がコンパクトなのは、DGM Live の解説に記載してある通りキンクス等とのパッケージ・ライヴであったためなのだが、よりによって ” Fracture ” が外されている。
1973年、1974年音源が発掘される都度 DGM Live は律儀にダウンロード販売をしているが、流石に本作品については購入前に冷静に検討したほうが良いと思う。
(追加:2022年2月10日)
1974/ 4/20 Hollywood Sportatorium, Miami, United States
4月11日から始まった北米ツアーの前半は、直前のヨーロッパ・ツアーと構成が似ている。
ヨーロッパ・ツアーから間を開けず行われたことがその要因なのだが、” Larks' Tongues In Aspic Part Two ” から始まる
『 USA 』 相当の構成より、ラストに ” Talking Drum ”、” Larks' Tongues In Aspic ” そして ”
21st Century Schizoid Man ” と畳み掛ける本ライヴでの構成が個人的には好みである。
DGM Live の解説によると、” Starless ” では録音テープに修復不能な箇所があったため、次公演である23日の音源を差し込んで修復したとのことである。
強引とも思える手法だが違和感なくまとめられており、 セットリストがほぼ同じ連続した2公演での演奏であったためできたレア・ケースなのかもしれない。
(追加:2021年5月24日)
1974/ 4/23 Music Hall, Boston Mass., United States
この日の ” Starless ” は、前述した通り20日の同曲の補正のために使われている。 使われてると言っても、その理由は20日の録音テープのコンディションに起因しているのであって、録音状態自体は本ライヴも相当酷い。
DGM Live の解説によると、フリップのアナウンスでこの日がデヴィッド・クロスの誕生日であることが紹介されているのだが、録音状態が悪く聴きづらい。
更にオーディエンス同士が張り合うように奇声を上げてるため、聴くだけでも相当の集中力が必要とされる。 特に 『 Starless And Bible
Black 』 のリリースから日が経っていないこともあってか、” Fracture ” では静寂パートになになったり音数が減る度に無駄な奇声があがり腹が立つ。
ただそんな人達を後半の爆音でねじ伏せているのは痛快である。
(追加:2021年5月24日)
1974/ 4/28 Veterans Memorial Coliseum, Columbus, Ohio
ウェットン のベース・ソロ特典がついた作品。
DGM Live の解説によると、” The Night Watch ”
フリップのギター・ソロ終了後の、フリップのメロトロンをバックにクロスのヴァイオリン・ソロ・パートで、ヴァイオリンのマイクが落ちてしまう。 その結果フリップのメロトロンだけが悲しく鳴り響くのだが、ウェットンが急遽ヴァイオリン・ソロのメロディをベースで演奏を始める。
4:00辺りからそのベース・ソロが始まるのだが、混沌としているだろうステージ上で、余裕でベース・ソロをかますウェットンは、神々しい姿だったと思われる。
目撃することができたら失禁確実な演奏を、聴くことができるだけでも幸せである。
(追加:2012年8月10日)
1974/ 4/29 Stanley Warner Theatre, Pittsburgh, PA
ラジオでの放送、海賊盤での大量のリリース、『 The
Great Deceiver 』
での正規リリースを経た後、遂にリリースされたピッツバーグでの(多分)完全収録音源。
『 The Great Deceiver 』 でのフラストレーションは、” Larks Tongues In
Aspic Pt II ”
が短縮版で収録されていたことだったが、本作品ではそんな出し惜しみが見事に解消されている。 収録曲数が11曲から15曲に増えたことよりも、短縮版問題が解消されたことが何よりも嬉しい。
ダウンロード開始直後は、” Fracture ”
の一部に空白があったが、現在は補正版がリリースされている。
演奏は充実しており、ボリュームもたっぷり、さらに音質も良好なだけに、DGM
Live Library の中でもベストな作品の一つである。
(追加:2009年4月25日)
1974/ 5/ 1 Felt Forum, New York, NY
『 The Road To Red 』 で1974年のライヴは全て蔵出しされた、と思っていた。
にもかかわらずリリースされたのが本作品である。
内容も選曲も良い意味で無難なもので、これでなければならない作品ではないが、聴かないでいる理由もない。
改めて DGM Live の1974年のライヴ一覧を確認すると、まだまだ未発掘の音源はあり、これはきっとこの後
『 The Road To Red II 』 としてリリースされ、更にその後には 『 The Complete The Road To Red
』 として、2つのボックスをさらに一つにまとめた作品が出るに違いない。 などと考えていたら嬉しいのか嬉しくないのかわからなくなってきた。
(追加:2014年4月10日)
1974/ 5/ 4 Mcmasters University, Hamilton, Canada
久々にリリースされた1974年音源。
現行クリムゾンがこの時期の楽曲を積極的に取り上げていることもあり、本来は、「現行編成での演奏がベストだ」とか「やはりオリジナル編成での演奏の方を聴くべきだ」とか、不毛かもしれないけど考えているだけで楽しくなるような時間を、本作品を聴きながら過ごしたかった。
ただそんな期待は驚く程の音の悪さで打ち砕かれる。 特にベース音は殆ど収録されておらず、この時期激しく展開されていただろうはずの ” Fracture
” のベース・パートはなんだか判らないうちに終了してしまう。
大きく収録されている喋り声の主による録音音源と思われるが、テープを切替える必要が生じたのかぶつ切り状態で” Starless ”
が終了しているのが、なんともやるせない。
(追加:2019年1月10日)
1974/ 6/ 6 Tarrant County Convention Centre, Fort Worth, TX
コンパクトにまとめられた良品。 安易な表現かもしれないが、本作品を一言で言うとこうなる。
インプロを挟みながら、” Fracture ”、” The Talking Drum ”、” Larks Tongues In Aspic Pt
II ”、” 21st Century Schizoid Man ” と続く流れは見事としか言いようがない。
” Larks Tongues In Aspic Pt II ” 演奏後に、「 21st Century Schizoid Man !
」と叫んだ男性が、その直後に ” 21st Century Schizoid Man ”
が演奏されたため喜ぶ様子がダイレクトに収録されており、微笑ましくも羨ましい。
(追加:2012年8月10日)
1974/ 6/ 7 Fairground Arena, Oklahoma City, OK
DGM Live
の解説にも記されているように、演奏にはミスがあるし、録音も欠けてる部分があったりして、ダウンロード販売だからこそリリースできた作品だと思う。
とは言えこの時期のクリムゾンのライヴだけに、「クリムゾンのファンだから」というエクスキューズを抜きにしても、充分に楽しむことができる作品である。
” Lament ” での歪んだフリップのギターも良いが、” Improv II ”
でのノイズすれすれにまで歪んだウェットンのベースが何よりも素晴らしい。 ベースが曲の骨格を成していて、他の楽器はそこに時々絡む程度という、ウェットンの一人舞台と言っても過言ではない。
多分こうした破天荒な演奏が、当時のクロスには耐え切れなかったのだと思うが。
(追加:2010年8月25日)
1974/ 6/22 Performing Arts Centre, Milwaukee, WI
久々に DGM Live からリリースされた1974年音源。
やっぱり後から出てくるものは残り物感が、などということが全くないのが、この時期のライヴの凄いとこだと思う。 曲数が少ない上に、” Lark's Tongues In Aspic Pt II
” はインコンプリートだし、” Starless ” ではウェットンが歌詞ごまかしたりするのだが、そんなハンディなど全く感じられない。
モニターの調子が悪くてお互いの演奏が良く聴こえないないのか、そもそも聴こうとしてないのかわからないのが、破綻寸前のギリギリの演奏が異常なまでの緊張感に溢れている。
” Lament ” のギター・ソロの出だしもいつもとちょっと違うのだが、その違ったところがゾクゾクとくる。
(追加:2012年7月25日)
1974/ 6/25 Convention Centre, Quebec City, Quebec, Canada
解散が 近い1974年6月のカナダでのライヴ音源。 この時期の音源が徐々にリリースされてきているのが嬉しい。
” 21st Century Schizoid Man ” は最初の部分が無く、” Starless ”
はラスト近くでぶった切られるなど、残念な所もあるのだが、演奏は充実している。
冒頭がカットされてしまっている ” 21st Century Schizoid Man ” には珍しいベース・ソロがあり、” Fracture
” にはラスト近くにはベース・ソロ前にフリップによる格好良いギター・ソロが収録されている。
この時期のライヴが観たかった、と改めて悔やまれる罪づくりな作品である。
(追加:2010年2月10日)
1974/ 6/27 Kennedy Centre, Washington D.C. June 27, 1974
ライヴの全貌が収録されているわけではない。 2曲のインプロが他の日と比べて突出して良いわけでもない。
などと書くと地味な作品に思えてしまうかもしれないが、本作品の最大の特徴は、低音、特にウェットンのベース音が異様なまでに大きく聴こえるところである。 特に
” Fracture ” の最後の辺りなど、DGM Live Library
の解説通り、ウェットンのソロのような状態である。
かつてクロスがステージ上でまともにモニタリングができないことをこぼしていたが、そんなクロスの気持ちを疑似体験することができる作品である。
(追加:2010年12月25日)
1974/ 6/28 Casino, Asbury Park, New Jersey June 28, 1974
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DGM Live から最初のダウンロード販売作品としてリリースされたもの。
『 USA 』 での不満点として ” Asbury Park ” と ” Easy Money ”
の後半部分がカットされていたことが挙げられていたが、本作品にはその完全版が収録されているということで人気があり、未だに DGM Live の 「
Top Downloads 」 にランキングされている。 また、日本ではパッケージ版もリリースされた。
ただこのカットされた部分は、あまり冴えない。 ” Asbury Park ”
についてはカットされていた部分の後半の盛り上がりは格好良いが、その前半の中途半端なファンクもどきは中弛みしている。 また、” Easy
Money ” の後半も、他の日の演奏パートに比べて特筆すべきところはない。
勿論、これは期待が高かった(勝手に盛り上がっていた)反動に過ぎないわけで、全体としての完成度は非常に高い作品となっている。
(追加:2014年1月10日)
1974/ 6/29 Penn State University, University Park, Pennsylvania
1974年6月29日からは、” Improv Is There Life Out There? ”、”
Improv Its For You But Not For Us ”、” Easy Money ” が、既に 『 The
Great Deceiver 』
に収録されているが、本音源は同日の全容を収録している。
その 『 The Great Deceiver 』
に付属しているフリップの日記によると、前日の28日に食べたハマグリで彼は腹痛をおこし、当日朝食べたプルーンとともにウンコとして排出した後、本演奏を行っている。
そんな体調面と、ツアー終盤での精神的ダメージもあり、アンコールも行わなかったらしいが、演奏自体は悪いものではない。 展開が激しい
” Improv Is There Life Out There? ” はインプロとして完成度は高いし
、” Fracture ” や ” Starless ”
もミスこそあれ緊張感高い演奏である。 この辺り、当人達の意識とは異なるバンドのケミストリーが感じられて面白い。
(追加:2010年9月25日)
1974/ 6/30 Palace Theatre Providence, Rhode Island
本作品は、『 The Great Deceiver 』
の CD1 と CD2 として販売されたものと同じもの。
(追加:2013年11月10日)
1974/ 7/ 1 Live in Central Park , NYC 1974
本作品は、D.G.M. Collectors' Club の10作品目として販売されたものと同じもの。
(追加:2013年11月10日)