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12CD+2DVD+2Blu-rayのボックス、CD+DVDの2フォーマットで発表された、40th Anniversary Series CDの 『 THRAK 』。 CD+DVDフォーマット版は、本ボックスの5,13が採用されている。
90年代以降のクリムゾンのライヴは全てサウンドボードで録音されており、DGM Live から既に凄い数がダウンロード販売されている。
よってとんでもない枚数のボックスにするポテンシャルがあるのだが、流石にそこまですると売れなくなるだろうとの判断もあったのか、ライヴについては3(地域)公演のみ収録されている。
一方、The King Crimson Collectors' Club からリリースされた 『 The VROOOM sessions 1994 』
と 『 Nashville Rehearsal 1997 』 は全曲収録されていないのが残念である。
また、1995年の来日映像が収録されているが Blu-ray とは別に、お遊びコンテンツも含まれていた 『 deja VROOOM 』
をDVDフォーマットでそのまま収録して欲しかった。
もちろんそうなっていないのは、各々買いなさいよ、という意向なのだと思うが。
1 JurassiKc THRAK
『 THRAK 』 は、1994年の10月24日から11月19日と11月27日から12月4日の2回に渡ってレコーディングされている。
本作品は、その1回目のレコーディングを 『 THRAK 』 の曲順にほぼ準拠しながら1曲に編集している。 手法としては、『 Larks'
Tongues In Aspic 』 のBOXセットのCD10と同じである。
編集作業によって成り立つ企画ではあるが、レコーディング風景が疑似体験できるこの企画は楽しい。
2 Maximum VROOOM
1994年にリリースした 『 VROOOM 』 全曲に、1999年に The King Crimson Collectors' Club としてリリースした 『 The VROOOM Sessions 1994 』 の11曲から7曲を収録した作品。
シド・スミスによる、本BOXのライナーと 『 クリムゾン・キングの宮殿~風に語りて 』 によると、” Krim 3 ” はブリューが持ち込んだ ” I Remember How To Forget ” が原曲で、デモ音源を聴かせた後リハーサルしたが満足せず却下されたとのこと。 後のブリューのソロ 『 Op Zop Too Wah 』 には、その時聴かせたでデモ音源を収録したと記載してあるが、当該の 『 Op Zop Too Wah 』 のライナーには、「 Saturday, April 13, 1996 」とのクレジットがあり、実態はよくわからない。
3 THRAK original mix ( 2002 remaster )
『 THRAK 』 のオリジナル・ミックス。
4 ATTAKcATHRAK ( The Vicar's THRAK )
『 THRaKaTTaK 』 と同じく、” THRAK ” のインプロ・パートを中心にまとめた作品。 『 THRaKaTTaK 』 が1995年のライヴからの編集したものなのに対し、本作品は1995年、1996年のライヴから編集されている。
編集の方法も異なっており、『 THRaKaTTaK 』 は、1曲目と最終曲ががメインリフで途中が全てインプロパートとなっており、アルバム全体が曲としての ” THRAK ” の拡張版のような編集であった。 一方本作品は、1曲目から4曲目は全てメインリフ→インプロパートで終了、ラストの ” Witnessing Dumb Whodunnits ” がメインリフ→インプロパート→メインリフという展開をしている。
5 THRAK 2015 mix
2015年ジャッコとフリップが新たにミックスした 『 THRAK 』。
パーカッションや装飾音の一部を強調されており、オリジナルを聴き慣れている耳には、違和感があったりする。
本作品は、公式リリースされたシングル 『 Dinosaur 』 と 『 Sex Sleep Eat Drink Dream 』 を中心に edit された楽曲を収録、更に The King Crimson Collectors' Club としてリリースされた 『 Nashville Rehearsals 』 から3曲が収録されている。
公式シングルからは、『 Dinosaur 』 収録の ” VROOOM ” がオミットされ、『 Nashville Rehearsals 』 からは20曲中3曲しか収録されておらず、結局全部購入しろよ、という意図を明確に確認することができる。
7&8 Kcensington THRAK 1&2
1995年のロンドンでのライヴをジャッコが新たにミックスしたものとクレジットされている。 同年ロンドンでは5月17,18日のローヤル・アルバート・ホールでのみライヴが行われていることから、本作品もそこからの抜粋となる。
両日の演奏は、DGM Live から既にリリースされており、それらとの比較で顕著なのは、『 THRAK 2015 mix 』 と同じくドラムやパーカッションの音の処理である。 唐突感があり全体の音と馴染んでいない処理もあり、個人的には好みではない。
個々の曲が17,18日のどちらから採用されていうのか、あるいは編集されているのか聴きこめていないが、” Indiscipline ” でのブリューのヴォーカル・パートでブルーフォードが誕生日であることが紹介されており、17日の音源が使われていることが判る。
9&10 New Yorkc THRAK 1&2
ベースとなるのは、The King Crimson Collectors' Club でリリースされた 『 On Broadway 』 で、そこから全曲収録されている。
それに加えて、一般販売された 『 VROOOM VROOOM 』 から ” Free As A Bird ” が収録されている。
いずれにせよ、今回新たに編集&リマスターされたことで、1995年のニューヨークでのライヴの編集完全盤ということになる。
11&12 AzteKc THRAK 1&2
1996年8月のメキシコ・シティでのライヴ。
やっと、という思いが大変強い作品である。 メキシコ・シティのライヴは、先ず Bootleg TV 立上げの宣伝も兼ね1999年に WMA フォーマットで12曲が 『 Live In Mexico City 1996 』 としてフリー・ダウンロードで提供された。 その後 『 VROOOM VROOOM 』 の CD1 に重複含め異なる12曲が提供された。
出し惜しみに焦らされたことを差し引いたとしても、演奏の充実度は素晴らしく、本BOXの目玉と言っても過言ではない。
13 DVD-A
Audio Content
MLP Lossless 5.1 Surround
DTS 5.1 Digital Surround
MLP Lossless Stereo (24/96)
LPCM Stereo (24/96)
THRAK
5.1 Surround
original mix
2015 mix
『 THRAK 』 のオリジナル、2015mixをハイレゾで、そして2015mixをサラウンドで収録したDVD-Audio。
14 DVD
Video Content
LPCM Stereo (24/96)
DTS-HD Master Audio
LPCM Surround
Live at the Warfield Theatre, San Francisco, CA June 26, 1995
Tony's Road Movies
1995年6月のサンフランシスコでのライヴ映像は初公開されたもの。 映像が粗いのは、フリップ側から提示された撮影条件が日本でのライヴと同じように厳しかったことによるものと思われる。 ただ若干ステージの照明が明るかったのと、一人ひとりの手元まで追うの諦めた潔さによるためか、日本でのライヴ映像よりも見やすく思えるところもある。
Tony's Road Movies は、『 deja VROOOM 』
に収録されていたものだが、タイトルと曲順が微妙に変更されている。
1.The Race → 1.The Race
2.Rehearsal → 3.Rehearsal I
3.Mr. Bill → 6.From the Hotel
4.Tokyo → 5.Tokyo
5.Rehearsal ( Part 2 ) → 2.Rehearsal II
6.At The Train Station → 7. Mr Bill at the Station
7.Dressing Room → 4.Dressing Room
15 BLU-RAY DISC ONE
Audio Content
DTS Master Surround
LPCM 5.1 Surround
THRAK 2015 mix
Kcensington THRAK
ATTAKcATHRAK ( The Vicar's THRAK )
LPCM Stereo (24/96)
DTS-HD Master Audio
THRAK 2015 mix
THRAK original mix ( 2002 remaster )
LPCM Stereo (24/48)
DTS-HD Master Audio
ATTAKcATHRAK ( The Vicar's THRAK )
Kcensington THRAK
THRaKaTTak
JurassiKc THRAK
B'Boom
本ボックスのCD1,3,4,5,7,8のハイレゾ音源に加え、未収録だった 『
THRaKaTTak
』 と 『 B'Boom 』 のハイレゾ音源を収録した Blu-ray。
本BOXの全てを、Blu-ray2,3枚で全てがカヴァーできるのではないか、などということは気づいても口にしてはいけない。
16 BLU-RAY DISC TWO
Video Content
LPCM Stereo (24/96)
DTS-HD Master Audio
LPCM Surround
Live at the Warfield Theatre, San Francisco, CA June 26, 1995
Live at the Nakano Sun Plaza, Tokyo, Japan October 5&6, 1995
Tony's Road Movies
THRAK EPK
DVD14 にも収録されたサンフランシスコでのライヴと Tony's Road Movies に加え、Video と LD でもリリースされていた 『 Live In Japan 』 と デジタル版のプレスキットが収録されている。
個人的には、LDプレイヤーが壊れてしまったこともあり、久しく観ることができなかった日本でのライヴが観られるようになったことが嬉しい。 ただ Blu-ray フォーマットになったとしても、元の撮影コンディションの悪さは補えようがなく、1990年代の映像とは思い難い。 ステージ上でオーラが出ていた、という表現が使われることがあるが、アップにした際にでてくるボケ具合が、オーラに観えなくもない。
(追加:2016年6月10日)