- Presidents / プレジテンツ
- Scapeplay / スケイププレイ
- Snugel / スヌーゲル
- Off Sets / オフ・セッツ
- Big Funk / ビック・ファンク
- Jimmy Bond / ジミー・ボンド
- Have U Got? / ハヴ・ユー・ガット?
- Mulundrum / ミューランドラム
- Too many eeee's / トゥー・メニー・eeeeズ
- Pat's Meckanical Fives / パッツ・メカニカル・ファイヴズ
- Seizure / シージャー
- Circulation / サーキュレイション
- KCF / KCF
- Ragin' Drone / レイジン・ドローン
- JB in 7 / JB・イン・7
- Split Hands / スプリット・ハンズ
- Sad Woman Jam / サッド・ウーマン・ジャム
- Tony's Jam / トニーズ・ジャム
Robert Fripp guitar, soundscapes
Adrian Belew guitar
Trey Gunn Warr Guitar
Tony Levin bases, Stick
Pat Mastelotto acoustic & electronic drums & percussion
Bill Bruford acoustic & electronic drums & percussion
Music by King Crimson
Recorded at S.I.R. Studio (Room 3)
King Crimson Collectors' Club の第13弾としてリリースされた本作品は、1997年5月の
Double Trio Crimson のリハーサルを収録したもの。
フリップ自身がインタビュー等で語っている通り、リハーサルは失敗し、6人がスタジオに集合してリハーサルを行うだけで莫大な費用が発生することだけがクローズ・アップされてしまった。 本リハーサル後、多くのプロジェクトを経て、y2King
Crimson として作品をリリースするまで3年要することになる。
個人的にはこの作品は好きではない。 記録としては貴重なのかもしれないが、所詮失敗に終わったセッション。 収録曲のレヴェルも低く、楽しむこともあまり出来ない。
日本では、『 The Collectors' King Crimson Volume 4 』
の1作品としてリリースされたが、オリジナルとは ” Nice To Start
” と ”Trey, Pat & Bill ” が収録されていないことが異なる。
- ” Presidents ”
は、各楽器がバラバラに重なっているだけの、まさにセッション。 「バラバラながらも曲全体としては見事にまとまっている」と言えれば良いのだろうが、本当にバラバラなだけ。
- ” Scapeplay ”
はストリングス音とパーカッションの演奏が続いた後、エコーがかかりすぎたスローなギター・ソロが被さる。
- ” Snugel ”
は、ブルーフォードらしいタイトなドラムが曲の骨格をつくり、中盤からは歪んだギター・ソロが延々続く。
- ” Off Sets ”
は、ガムラン風の演奏で始まり、下手をすると調子はずれなだけに聴こえかねないギターが重なる。
- ” Big Funk ”
の主役は完全にブルーフォード。 他の楽器はブルーフォードのドラム・ソロに装飾音を加えている程度。
- ” Jimmy Bond ”
は、一つのフレーズを様々なパターンで演奏をしていく。 曲としてのまとまりもあり、セッションの域を本曲は出ていると思う。
- ” Have U Got? ”
は、ブルーフォードの地味な演奏に、ギターのカッティングが被さる。
- ” Mulundrum ”
は、マステロットの下品なパワー・プレイ。
- ” Too many eeee's ”
は、”太陽と戦慄”風のリフが格好良い。 あるセッションの一部だと推測されるが、全体像を是非知りたい。
- ” Pat's Meckanical Fives ”
は、ドラムの複雑な変拍子に細かいギターのフレーズが絡む
- ” Seizure ” は、後のP4や y2King Crimson
による演奏程の完成度はない。 この曲がこの段階から既に演奏されていたのがちょっと意外。
- ” Circulation ” は、” The ConstruKction of Light ”
のイントロ部分に近い。
- ” KCF ”
は、ブルーフォードとマステロットによる短いドラムの演奏。
- ” Ragin' Drone ”
は、重めのリフの上に、ギターのロング・トーンが幾重にも重なっていく曲。 y2King
Crimson の演奏に聞こえないこともない。
- ” JB in 7 ” は、P4あたりで演奏されそうな軽めの曲。
- ” Split Hands ” もリフ中心の重めの曲。 本曲や ” JB
in 7 ”
あたりを楽曲としてまとめ上げることが出来なかったことが、本セッションが失敗に終わったことを象徴していると思う。
- ” Sad Woman Jam ” は、Double Trio Crimson
の捨て曲レベルでしかない曲。
- ”Tony's Jam ”
は、本作品の中の最長尺曲。 地味ながらも微妙にフレーズを変えながら演奏されるレヴィンのベースに、これまた地味に他の楽器が絡んでいく。
(追加:2002年4月10日)