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13CD+DVD+Blu-rayのボックス、CD+DVD、2CD、という3形態で発表された、40th Anniversary Series の 『
Larks' Tongues In Aspic 』。
40周年シリーズにおいて宮殿以来、というか宮殿以上に力のこもった作品となっている。 コンテンツの充実度に伴い価格が高くなっており、敷居が高い作品となってしまっている。 ただ、そのコンテンツは貴重性もあり素晴らしいものである。
同時発売されたCD+DVDは、DVDは箱に収録されている内容と同じだが、CDは箱の14枚目のCD全曲に、箱の13枚目のCDの1,2,5曲のみが収録されている。
更に2CDは、CD+DVD のCDと同じ内容のものと、箱の11枚目のCDから9,10曲目を削った内容となっている。
ボックスを購入すれば曲としては全て網羅されることになるのだが、このあたりの微妙な違いが、CD+DVDも2CDも購入に向かわせる仕掛けになっている。
1&2 The Zoom Club, Frankfurt October 13, 1972
本音源は、The King Crimson Collector's Club としてリリースされたもの(
CLUB 20 ) と同じである。
本ラインナップでの最初のライヴを収録した音源である。
3 Live In The Studio, Bremen October 17, 1972
本音源は、D.G.M. Collector's Club としてリリースされたもの (
CLUB 3 ) と同じである。
TV番組「ビートクラブ」用に録音した音源である。
4&5 Hull Technical College November 10, 1972
本音源は、DGM
Live からダウンロード販売されたものと同じである。
インプロの2曲めに、新たに ” Improv : Fallen Angel Hullabaloo ” という名前が付けられている。
イギリスでのツアー初日を収録してあるとともに、このメンバーで ” 21st Century Schizoid Man ” がライヴで演奏されている。
ウェットンのインタビューは、日本人2人によるもの。 かつては DGM Live からフリーダウンロードできた。
6 Guildford Civic Hall November 13, 1972
本音源は、The King Crimson Collector's Club としてリリースされたもの (
CLUB 24 )
と同じだが、クレジットを変更している。
” Book of Saturday ” 演奏後のフリップのアナウンスを、” RF Announcement ”
として独立させるとともに、” Exiles ” のラストで音が途切れた後始まるインプロ・パートを、” Improv :
A Deniable Bloodline ” として独立させている。
7 Oxford New Theatre November 25, 1972
本音源は、DGM
Live からダウンロード販売されたものと同じである。
4曲目のインプロに、新たに ” Improv : A Boolean Melody Medley ” という名前が付けられている。
8 Glasgow Green's Playhouse December 1, 1972
初出の音源。 残念なのは録音した人間が、自分の声を意図的に残そうとしていること。
隠し撮りらしく、曲によって(マイクの位置によって)音質が変わる。
秀逸なのは ” Improv : A Vinyl Hobby Job ”。 チェンバー・ロックのようなパート、フリップのギター弾きまくりのパート、フリップのカッティング+ウェットンがベースをブリブリ鳴らすパートと、断片的なアイディアの集まりではあるが面白い。
収録曲は7曲だが、CDのブックレットをミス・プリしており、2曲目と3曲めの両方を2曲目としてクレジットしまっている。
9 Portsmouth Guildhall December 15, 1972
初出の音源で、このメンバーでの最後のライヴが収録されている。 ということはつまりミューアが参加していた最後のライヴ音源となる貴重な作品である。
ライナーによると実際には ” Larks' Tongues in Aspic ( Part I ) ” も演奏されていたとのこと。
となるとこの日は、アルバムからの全曲にインプロ2曲、そして ” 21st Century Schizoid Man ”
が演奏されたことになり、コンパクトながら充実した演目である。
是非、LTIA Part I を発掘した上で、コンプリート版を DGM Live で公開してもらいたい。
10 Larks' Tongues In Aspic Session Reels
『 太陽と戦慄 』 レコーディング時のセッションを編集したもので、今回の発掘音源の目玉の一つ。
レコーディングの断片を 『 太陽と戦慄 』
の曲順に準拠しながら1曲に編集しているため、テープを回しっぱなしにしているのではないかと錯覚してしまう楽しさがある。
50周年アニバーサリー再発の時には、このセッションからオリジナル収録曲1曲ずつ1枚のCDに編集してリリースしてもらいたい。
11 Original 1973 Stereo Mix 30th Anniversary Remaster
30周年リマスターにボーナス・トラックを収録したもの。
” US Radio Ad ” は、かつては DGM Live からフリーダウンロードできたもの。 『 太陽と戦慄 』 のリリースに合わせて、1973年4月に放送されたもの。
” Easy Money ( edit ) ”、” Exiles ( edit ) ”、” Larks' Tongues in Aspic (
Part II ) ” の3曲は、1973年にアメリカでt使われたプロモーション用EPからの盤起こし。
12 DVD
Audio Content
Original Album remixed in
MLP Lossless 5.1 Surround
DTS 5.1 Digital Surround
2012 stereo album mix in
MLP Lossless Stereo (24/96)
PCM Stereo 2.0 (24/48)
Original 1973 Stereo Mix - 30th Anniversary Remaster
Alternative Take & Mixes
PCM Stereo 2.0 (24/48)
Video Content ( Audio dual mono )
映像コンテンツは、CD3の映像版。
Laser Disc 時代から有名になった LTIA Part I の放送ヴァージョンだけではなく、放送されなかった当日の演奏がそのまま残っていた歴史的価値は非常に高い。
クロスによると、インプロの時アイコンタクトが多いのは、インプロに慣れていなかったためとのことだが、慣れた時のインプロではどうだったのか、いつの日かそうした映像も発掘してほしい。
この時期のライヴを聴いた時に思う、「あの音をミューアはどのように出しているのか」という疑問の多くを、本映像が解決してくれる。
何度観ても飽きることがない、素晴らしい映像作品である。
13 Alternative Takes & Mixes
40th Anniversary Series 定番となったオルタネイティヴ・テイク集。
オルタネイティヴ・テイクは、オリジナルとの違和感が残ってしまい、「新しいものが聴けた!」というありがたさは少ない。
逆に、ミューアの演奏を徹底的にフィーチャーした ” Easy Money ( Jamie Muir solo ) ” のほうが、原曲を意識する必要がない分、新しさを楽しむことができる。
14 The 2012 Stereo Album Mix
14枚目にして登場する、40th Anniversary Series での新ミックス。 ちなみに、宮殿箱では1枚目が 40th Anniversary Series。
15 Blu-ray Disc
Audio Content
Original Albumremixed in
DTS-HD Master Surround
LPCM 5.1 Surround
2012 stereo album mix,
Original 1973 Stereo Mix - 30th Anniversary Remaster,
Alternative Takes & Mixes, LTIA Session Reels,
Original UK vinyl transfer, Original US vinyl transfer,
in LPCM Stereo (24/96)
Live in the Studio in LPCM Dual Mono (24/96)
Video Content ( Audio dual mono )
最後は、40th Anniversary Series 初の Blu-ray Disc。
(追加:2013年1月10日)