1996
Secret Island : Theo Travis
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The Band
Theo Travis - Tenor and Soprano
Saxophones
David Gordon - Piano
Rob Statham - Bass
Marc Parnell -
Drums
with Guest
John Etheridge - Guitars
Gary Hammond -
Percussion
Dave Sturt -Bass
Andrew Small - Drums
セオ・トラヴィスのサード・アルバム。
メインとなっている楽器は当然トラヴィスのサックスなのだが、ピアノやジョン・エサリッジのギターがソロを取ることもある。
ソロ名義の作品とはいえ、サックスだけがソロ楽器となってしまうと単調になってしまう可能性があり、懸命な判断であったと思う。
ただ、本作品はそのターゲットがよく判らない。 ジャズ色が非常に濃い作品ではあるが、純粋なジャズのファンに受けるようなものではないと思う。
一方ジャズ・ロックとして聴くには緩いところが多い。 制作する側としてリスナー層を意識する必要は無いと思うがいずれにせよ中途半端である。
本アルバム制作後、トラヴィスは暫くソロ・アルバム制作の機会に恵まれなくなったのも、何となく判る気がする。
(追加:2019年5月10日)
1998
Bass Communion : Bass Communion
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drugged also features a seven second sample of
robert fripp
looped transposed, layered, filtered and processed into infinity
the sample is taken from a tape of soundscapes improvised by robert in
no-man's land in 1993
ロバート・フリップも参加しているベース・コミュニオンの作品。
全編アンビエントな楽曲が続く中、セオ・トラヴィスが参加している ” Drugged
” は、深くエコーのかかったサックスにキーボードがの持続音がひたすら絡む楽曲。
この時期、地味目な作品に多くセッション参加していたトラヴィスにしてみると、自分の演奏が単なるマテリアルとして使われるのは想定内のことだと思う。
(追加:2019年5月10日)
1999
Bass Communion : Bass Communion
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flute / saxophones by theo travis
セオ・トラヴィスが再び参加したベース・コミュニオンの作品。
アルバム全体としての印象は前作と全く同じで、ひたすらアンビエントな音楽が続く。
スティーヴン・ウィルソンが、No-Manからポーキュパイン・トゥリーに移行するにあたり、テクノ・アンビエント系要素を全て出しきっておくことがベース・コミュニオンの目的ではなかったかと思うのだが、作品としては聴き続けるのは苦行に近い。
セオ・トラヴィスは今回はサックスだけでなくフルートも演奏し、共同作曲者としてもクレジットされてはいるのだが、サンプリングされているだけであることは変わりない。
(追加:2019年5月10日)
2005
Snow Borne Sorrow : Nine Horses
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シルヴィアンとジャンセン兄弟を中心としたユニットの作品で、シルヴィアンのヴォーカルが大々的にフィーチャーされている作品。
単に歌ものというだけでなく、個々の楽曲が力強く魅力的な作品であり、セオ・トラヴィスの演奏もそこに見事に華を添えている。
サックスのソロも良いが、シルヴィアンのヴォーカルと絡むフルートやサックスは絶品である。
もしシルヴィアンのソロ・アルバムへの参加だったとすると、ドローンの中に埋もれるだけで終わってしまった可能性もあったはずで、(JAPANには遥かに及ばないまでも)こうしたポピュラリティの高い作品で活躍する機会に恵まれたのは、トラヴィスにとって非常に良いことであったはずである。
(追加:2019年5月10日)
2007
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Theo Travis Tenor and soprano saxes wah-wah sax, flute,
alto flute, clarinet, loops
Mike Outram Electric guitar
Pete Whittaker Hammond organ
Roy Dodds Drums, gongs
with Special guest
Robert Fripp Guitar, guitar soundscapes ( Track 2,4,5
)
ロバート・フリップが参加したセオ・トラヴィスのソロ・アルバム。
フリップとトラヴィスの共演の始まりが本作であり、結果としてトラヴィスのキング・クリムゾンの参加に繋がった作品である。
私自身もトラヴィスの存在を意識したのは、本作品からである。
当時、フリップのサウンドスケイプスが生楽器の絡みというパターンは珍しく、サウンドスケイプスが別録音ということを差し引いても新鮮であった。
一方フリップが参加していない楽曲は、トラヴィスの管楽器をメインにしたジャズというよりフュージョンである。 特にピンク・フロイドの ” See
Emily Play ” は、スーパーのBGMとして流れていても違和感が無いようなアレンジは悪意を感じてしまう。
トラヴィスが何を意図して本ソロ・アルバムを制作したのか判りかねる所があるが、何れにせよキング・クリムゾン史における本作品の意義は大きい。
(追加:2019年5月10日
Steam : Soft Machine Legacy
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John Etheridge electric guitar
Hugh Hopper
bass guitar, loops
John Marshall drums, percussion
Theo Travis tenor & soprano sax, flute, loops
エルトン・ディーンが亡くなった後、セオ・トラヴィスがメンバーとして加わったソフト・マシーン・レガシーの作品。
生まれて始めて購入するカンタベリーものが本作品、などという人は世界中に一人もいないと思うが、所謂ジャズ・ロックが苦手な人をこの道に引き込むことができる魅力的な作品である。
ディーンのエグさを求める人には物足りなさが残るかもしれないが、根っからのバック・ミュージシャン気質から手堅い演奏をするセオ・トラヴィスと、対峙するリード奏者が格下のトラヴィスになったことで思いっきり弾きまくっているジョン・エサリッジの活躍で、シュアでありながらスリリングな作品となっている。
『 Third 』 から 『 5 』
辺りを好きな人にはソフト・マシーンではないのかもしれないが、この後バンド名そのものをソフト・マシーンに改名していくに値する内容である。
(追加:2019年5月10日)
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デヴィッド・シルヴィアンがヴォーカルとギターで参加しているスティーヴ・ジャンセンの作品。
とても上品なエレクトロニクス作品である。
80年代の New Wave
全盛時を彷彿させるところもありながら、音色の選択から配置、音数の絞り込みまで、本人の経験とセンスと時間を注ぎ込んだことがよく判る。
そして、そこに絡んでくるセオ・トラヴィスのサックス、フルート、そしてクラリネットの生音にも必然性が感じられる。
電子音と生音が乖離してないのはレコーディングにおけるテクノロジーの進化に負う所が大きいことは承知しているが、楽曲の中での溶け込み方が素晴らしい。
ジャンセンの意図に見事にまで応えたトラヴィスの実力を堪能することができる作品である。
(追加:2019年5月10日)
Truth? : Sugizo
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LUNA SEA、X JAPAN の SUGIZO のファースト・アルバム。
LUNA SEA
のファンの人がどのように受け取ったか判らないが、アバンギャルド系の楽曲が多く収録されている。
セオ・トラヴィスが参加している2曲は、共にインストで、その参加経緯は知りたい。
”
Europa ” では中盤に薄めのフルート・ソロ、”
Sperma ”
ではミック・カーンのブヒブヒとしたベースをバックにサックスを演奏している。
(追加:2019年5月10日)
A Prayer : Sugizo
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SUGIZO の 『 Truth? 』 からの先行シングル。
オリコンで7位にチャートされたシングルに、セオ・トラヴィスが参加しているのは感慨深い。
(追加:2019年5月10日)
2011
Torn Sunset : John Foxx And Theo Travis
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ジョン・フォックスとセオ・トラヴィスのコラボレーション作品。
フォックスによるライナーを読むと、トラヴィスがステージ上でループやディレイを使っているところを観て共演を考えたとのこと。
声を重ねたり等を試みようとしたが、結局のところ薄くシンセを重ねた、というなことを言っている。
その結果、トラヴィスが狭い風呂場の中で演奏しているのを遠くから聴いているような音がひたすら続くことになる。
フリップにしろフォックスにしろ、管楽器の生音を使わないトラヴィスのアプローチに惹かれて共演したのだろうが長くは続かなかった。
単音楽器が故に機材で音のバラエティさを試みたのだろうが、逆に効果音としてはにワン・パターンに陥いりやすいことがその原因だったのかもしれない。
(追加:2021年3月10日)
2013
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デヴィッド・シングルトン によるプロジェクト。
どの楽曲も基本は弦楽器を中心に構成されており、そこにセオ・トラヴィスのフルートやサックスが入ってくるのだが、違和感が無いというより目立つ演奏ではない。
トラヴィス&フリップとしての活動が、本作品への参加に繋がったものと思われるが、こうした地道な活動期間というか下積み期間が長かったミュージシャンだとつくづく思う。
(追加:2019年5月10日)
2016
Blind Energy : Chivo Funge and the Extensions
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Chivo Funge - vocals, guitars, keyboards,
programming, space-time warping
Ayo Akintonwa - rhythm, ebow and
acoustic guitars, solo on 6
Dudley Phillips - bass
Nic France -
drums
Theo Travis - saxes and flutes
Chivo Funge(読めない!)の作品。 当然のことながら the Extensions
はパーマネントなバンドではない。
所謂ロック・フォーマットの中に地中海というか中近東というかそんな香りが漂う作品で、2016年という段階でマーケットをどこと捉えたのか判りにくい作品である。
セオ・トラヴィスのサックスとフルートはそんな地中海/中近東の雰囲気を醸し出すのではなく、逆にロック・フォーマットに貢献っする演奏をしている。
長めのソロがフィーチャーされていたりして、飛び道具ではない管楽器奏者としての貢献度が高いのだが、トラヴィスとしてみれば面白くなかったのかもしれない。
(追加:2021年3月10日)