1981
Number The Brave : Wishbone Ash
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Vocals, Bass Guitar, Keyboards
クリムゾン解体後のウェットンが様々なバンドに参加していた時期の作品で、ツアーに参加することなくアルバムのみの参加にもかかわらず、メンバーとしてクレジットされている。 しかし、ウェットンによる
”
That's That
”
以外は他のメンバーによる作品で、セッション的参加であることは明か。
エイジア結成後は聴くことができないごりごりしたベースを堪能することができ、ウェットンのファンには充分機能する作品である。
”
That's That
”
はアルバム全体から完全に浮いているのだが、そのポップさはエイジアというより
『 Caught In The Crossfire 』 といったところ。
(追加:1999年9月10日)
Rock Puzzle : Atoll
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リリースは1993年
Lead Vocal, Bass
『 組曲「悪魔」 』
で有名なというか、キングのヨーロピアン・ロック・コレクションの御用達バンドというか、あのアトールとのセッションが、再発されたアトールの本アルバムに収録されている。 ウェットンにしてみれば後のポップ路線を模索するための秘密練習みたいなものだったのかもしれない。
”Here Comes The Feeling
”
はエイジアのファーストと歌詞、メロディともほぼ同じ。 それだけに演奏のダサさがとても鼻につく。 エイジアの曲の良さを味わうためには、あの豪華なアレンジが必要であることをあらためて認識できる。
”No Reply
” は、コーラス部分に ” Heat Of The Moment ”
と似たコード進行があるが、曲の完成度は低い。
エイジアのセカンドに同名曲があるものの ”Eye To Eye ”
は、歌詞、メロディとも全く別曲である。
エイジアとしてのリハーサルにさえ使われたことがないのは確実なほどの駄曲。
(追加:1999年9月10日)
Hyenas Only Laugh For Fun : Roger Chapman
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Bass Guitar ; Jerome Rimson & John Wetton
Editing Blocks : Raymond Burrell
前作 『 Mail Order Magic 』 と同じく、The
Short List
をバック・バンドにしたことにしているチャップマンのソロ。
前作と同様、ウェットンのベースは殆ど目立っていない。 シンセサイザーの音が多少うるさくなっている以外は、アルバム全体の印象も前作と変わらず、同時期にレコーディングされている可能性もある。
(追加:1999年9月10日)
1982
ASIA : ASIA
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Geoffrey Downes - Keyboards and Vocals
Steve Howe - Guitars and Vocals
Carl Palmer - Drums and Percussion
John Wetton - Lead Vocal and Bass Guitar
この際だからはっきりとさせておきたい。 ASIA
のファースト・アルバムは歴史的名盤である。
アトールとのセッション、『 Caught In The Crossfire 』
といったポップ路線での下積みの成果を、ウェットンが見事に開花させている。 リリース当時には産業ロックと揶揄され、その後まともに評価されることなく今に至っていることが本当に残念でならない。
” Heat Of The Moment ” や ” Only Time Will Tell
”といったヒット曲も見事だが、” Wildest
Dream ” から ” Here Comes The Feeling
”
への流れ、構成は本当に素晴らしいと思う。 A面、B面という古き良き時代の概念が見事に機能している作品だと思う。
(追加:1999年9月10日)
(変更:2004年6月25日)
Live In Buffalo : ASIA
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リリースは2003年
From The ASIA Archives
と題されたエイジアの海賊盤音源の公式化シリーズの中で、最初期のライヴを収録した作品。 The Official Asia Web Site
で確認したところ、タイトルが正しいのであれば、1982年5月3日の演奏ということになる。
何よりも音質が良いのが素晴らしい。 『 Alive In Hallowed Halls 』
にしろ、『 QUADRA 』
にしろ、とにかく酷い音源ばかりだったため、初期エイジアのライヴをこれだけの音質で確認できるのが嬉しい。
高音質のおかけで各人のおかずやちょっとしたアドリブが確認できる一方、聴く者を圧倒するようなライヴならではの演奏が繰り広げられてはいなかったことがわかる。 芸達者なメンバーがこれだけの名曲を演奏し続けるだけで充分なのかもしれないが、バンドとしてのケミストリーは感じられない。 この時期の他のライヴを確認したわけではないので断定はできないが、この辺りがエイジアの早期空中分解の原因のように思える。
(追加:2004年7月10日)
1983
Alpha : ASIA
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Vocals and Bass Guitars
多少狙いすぎとも思える ” Don't Cry ”
を別にすれば、前作よりプログレ色が若干強くなった、あるいは地味になったところもあるが、ことウェットンのヴォーカルに限れば円熟の極みである。
完成度の高い楽曲を、分厚いアレンジ、コーラスをバックに浪々と歌い上げるウェットン、正に我が世の春である。 但し年末の来日事件までは(笑)
(追加:1999年9月10日)
Live In Massachussettes '83 : ASIA
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リリースは2004年
エイジアの海賊盤音源の公式化シリーズ From The ASIA
Archives からの作品。
『 Quadra 』 の Disc 2,3 と同一公演で、同作品には8月22日とクレジットされているが、The Official Asia Web
Site によれば8月19日の公演ということになる。
『 Alpha 』
リリース後、短期間で崩壊した(崩壊させられた?)オリジナル・エイジアによる演奏は粗い。 ハウを筆頭にソロ・パートがひたすら長く、バンドとしてのまとまりはない。
本作品をもって、From The ASIA Archives
のリリースは中断しているが、音質改善を行わないままならば、そろそろ打ち止めとして欲しい。
(追加:2004年10月25日)
Alive In Hallowed Halls : ASIA
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リリースは2001年
vocals / bass
オリジナル・メンバーによるライヴ・アルバム。 音のバランスはものすごく悪く、聴いていて疲れる音。
解体寸前ということもあるのだろうが、メンバー間のコンビネーションは悪く、アンサンブルはバラバラ。 ドラマーを除けばテクニカルと言われてきた人たちの集まりとはとても思えない程。
マスター・テープのコンディションは確かに悪いが、音程が変化しないままテンポが乱れるのは、やはり演奏上の問題なんだろうなぁ...
(追加:2001年3月25日)
Primitive Guitars : Phil Manzanera
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Bass Guitar
”
Europe 80-1 ”はマンザネラとのデュエット曲。
とは言え曲のイメージはマンザネラ独りの演奏による他の9曲とほぼ同じ、環境音楽風。 エコーが深くかかったマンザネラのギターと、ウェットンのベースが静かに絡む。
(追加:1999年9月10日)
1985
Astra : ASIA
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Vocals and Bass Guitars
グレッグ・レイク事件、ハウの脱退等、ウェットンのビジネス感覚の欠如を示す一連の事件後にリリースされたエイジアのサード・アルバム。 心血を注いだだけに、ウェットンにとってこのアルバムの商業的失敗は相当ショックだったらしい。
練られたメロディ、ゴージャスなアレンジ、一体このアルバムのどこに問題点があるのでしょう、個人的にはこのアルバムの評価の低さは残念である。 時代感覚が欠如しているだけに、売れなかったのはわかるけどね。
(追加:1999年9月10日)
Eyes Of A Woman : Agnetha Faltskog
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Drums : Jaime Lane
Bass : Rutger Gunnarsson
Guitars : Rick Fenn
Keyboards And Synthesizers : Vic Emerson
Percussion And Fender Rhodes : Eric Stewart
Back Up Vocals : Anders Glenmark, Karin Glenmark, Marianne Flynner, Eric Stewart.
Mel Collins
For Sax Solos On ' We Should Be Together ' And ' One Way Love '
「エイジア」のウェットンとして、元アバのヴォーカリストのアルバムに1曲提供している。『
Astra 』
が商業的に失敗しているものの、「エイジア」ブランドが当時まだ通用していたことを証明する作品。
このままシンフィールドのように地道に作品提供活動を続けてセリーヌ・ディオンで一発丸儲け、といった選択肢もあっただけに、ウェットンが望まなかったのか、それともコンポーサーとして評価されなかったのか、気になるところである。
(追加:1999年9月10日)