2002
Heathen : David Bowie
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Tony Levin : Bass
デヴィッド・ボウイが、トニー・ヴィスコンティを改めてプロデューサーに迎えて制作した作品。
レコード会社の移籍を挟んでいるものの、本作及びその前後の 『 Hours 』 と 『 Reality 』
を個人的には秀逸のヴォーカル・アルバム3連作と捉えている。
本作品もボウイとヴィスコンティを中心に演奏が構築されており、音触りの複雑さより、ヴォーカルを前面に出した楽曲としての完成度高さを強調している。
こういうヴォーカル・アルバムのバックだと、レヴィンのメロディアスなベースは最高に格好良いのだが、ヴィスコンティ他もベース奏者としてクレジットされており、特定が出来ない。
このベースがレヴィンか、と想像しながら聴くのも楽しいが、本作品においてはやはりクレジットが明確だと嬉しかった。
(追加:2017年1月10日)
UP : Peter Gabriel
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ピーター・ガブリエルの、『 Us 』 以来10年ぶりのスタジオ・アルバム。
殆どの曲が7分前後で、重く表面上の綺羅びやかな音触りが排除されているため、取っつき難い印象を与える作品である。
その結果、マーケット上でも従来のガブリエルの作品と比べると、若干の見劣りがしている。
ただそんな表層上のことを気にせず全体をちゃんと見なさいよ、というメッセージはジャケットにも表現されていて、ガブリエルの顔のアップに気づくためには手前の水玉を無視する必要がある。
個人的には、スティーヴ・ガッドが1曲だけ参加している ” Signal To Noise ”
にトニー・レヴィンが参加していないことが残念である。 ガッドのドラムが目立つ楽曲ではないが、黄金のリズム隊が復活してほしかった。
(追加:2020年1月25日)
The Barry Williams Show : Peter Gabriel
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ピーター・ガブリエルの 『 UP 』 からのシングル。
ガブリエルのシングルには参加ミュージシャンが掲載される場合もあるのだが、本作品には残念ながら掲載は無い。
従ってトニー・レヴィンの参加が確認できるのは、『 UP 』 収録曲の ” The Barry Williams Show ” のみとなる。
潰れることない極低音は、録音技術以前にトニー・レヴィンによる正確な演奏があってこそである。
(追加:2020年1月25日)
Pieces Of The Sun : Tony Levin
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Produced by Tony Levin
トニー・レヴィンの3枚目のソロ・アルバム。
ジェリー・マロッタやラリー・ファストといったピーター・ゲイブリエルのバンド時代からの旧知のミュージシャンとライヴを重ね、そのままバンド形態でレコーディングを行ったためか、ロック色が濃い作品となっている。
過去2作は、どちらかと言えば曲自体のバラエティさや演奏能力のキャパシティの広さがそのまま提示されている感が強かったが、本作品は
「バンド」というフォーマットにこだわった(?)ことが幸いしたのか作品としての統一感があり、個人的には名作だと思う。
(過去のソロと同様に)1曲毎の解説やクレジットが明確になされている。 自ら作品の理解を深めるためのヒントを与えてくれる姿勢はとっても正しいと思う。
(追加:2002年3月10日)
Double Espresso : Tony Levin Band
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THE BAND :
Larry Fast : synthesizers, bass drum on Ooze
Jesse Gress : guitars, vocals on Tequila, Dog One, I Go Swimming
Tony Levin : bass, cello, Chapman Stick, acoustic guitar on Apollo ; lead vocals
on L'Abito della Sposa, Elephant Talk ; vocals on Tequila, Dog
One, Sleepless, I Go Swimming
Jerry Marotta : drums, sax, percussion on Tequila : acoustic guitar on Apollo
: Funk Finger guitar on Ooze ; lead vocals on Sleepless, Back in
N.Y.C. , vocals on Tequila, Dog One, I Go Swimming
OTHER MUSICIANS
Doug Stringer : drums on Tequila
California Guitar Trio : acoustic guitars on Peter Gunn
Pete Levin : keyboards on Belle
Recording :
Recorded Live at Bearsville Theater, Woodstock, NY
except Peter Gunn recorded at Blueberry Hill, St.Louis
トニー・レヴィン・バンド名義による、2枚組ライヴ・アルバム。
『 Pieces Of The Sun 』
リリース前から固定メンバーで行ってきたライヴを収録していることもあり、演奏はタイトでしっかりしている。 複雑な楽曲が見事なまでの演奏力で提示され続けることに圧倒されるが、圧倒されすぎて息苦しさを感じてしまうところがあるのも事実。 それだけに絶妙なタイミングで差し込まれるツェッペリンやクリムゾンのカヴァーにほっとさせられる。
” Sleepless ” と ” Elephant Talk ”
といった誰もが納得する選曲だけだはなく、日本盤のみのボーナス・トラックとして収録されている
” Jam back at the House ”
のコーダに ” Red
”からのフレーズを借用するなど、聴き手のツボがちゃんど押さえられており、レヴィンのエンターテイメント性の高さをあらためて感じることができる。
(追加:2003年6月10日)
CG3 + 2 : California Guitar Trio with Tony Levin and Pat Mastelotto
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Bert Lams - Guitar, Tenor Guitar
Paul Richards - Guitar, Slide Guitar
Hideyo Moriya - Guitar, Mando - Cello
Tony Levin - Bass, Chapman Stick
Pat
Mastelotto - Traps And Buttons
カリフォルニア・ギター・トリオと、レヴィン、マステロットの共作。
(追加:2006年1月25日)
Willy Porter : Willy Porter
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アメリカのギターリスト、ウィリー・ポーターのソロ・アルバム
とにかく達者な演奏である。 私のような素人にも判る超絶技法での演奏や粒立ちの良い音色が惜しみもなくヴォーカルのバックで使われている。 しかもこの歌のバックはこの演奏じゃなければな、と思わせる程の説得力がある。
こうしたテクニカルな所が楽曲の魅力とヴォーカルにフォーカスされるような作品と、トニー・レヴィンの相性はとても良い。 使い古されたかもしれない、歌心のある演奏という表現がこれ程似合うベーシストは貴重である。
(追加:2023年10月10日)
Chinatown : Vonda Shepard
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アメリカのヴォーカリスト、ヴォンダ・シェパードの作品。
シェリル・クロウになりたかったけどなれなかったフィメール・ヴォーカリスト、というのが妥当な線だと思う。 歌声だけで勝負するのが難しいのは判っていたのか、アレンジに色々と凝った結果その歌声が埋もれてしまうという負のスパイラルに迷い込んだような作品である。
トニー・レヴィンは参加曲の全てでジェリー・マロッタのドラムと共演している。 ヴォーカル・アルバムのバックで泣きの裏メロを弾くのが得意なレヴィンであるが、ここまで没個性の作品のバックだと活躍しようがない。
(追加:2023年10月10日)
2005
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John
Wetton - Vocals, Bass ( Disc 1-7 ) Lead Vocal, Bass ( Disc 2-1 )
Tony Levin - Bass ( Disc 1-2,12,13 ) Bass, Stick (Disc 2-10)
Adrian Belew - Lead Vocal (
Disc 1-1,Disc 2-7) Lead Guitars ( Disc 1-7 ) Acoustic Guitars ( Disc 2-1 )
『 The Wall 』
のトリビュート・アルバム。
プログレ界からからの参加ミュージシャンの多さにこだわった作品だけに、レヴィンもクリムゾン・ブランドとして大いに期待された活用だったと思われる。
一方レヴィン自身にとってみれば、セッションの一つとして完璧な演奏をこなしただけで、クリムゾンとかプログレとか一切意識はしていないように思える。
その方が、レヴィンらしくて格好良いと思う。
(追加:2006年2月10日)