2000
Rocks The West : California Guitar Trio
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Bert Lams, Paul Richards, Hideyo Moriya     Acoustic 
        Guitars
        
	  Tony Levin    
        Fretless bass, Chapman Stick (Tracks 1,5,6,8,10,11,13)
        Bill Janssen    Saxphone (Tracks 7,8,10,11,13)
  カリフォルニア・ギター・トリオのライヴ・アルバム。 サウンド・プロダクションにフリップの名が無い初の作品であるとともに、現在までの所CGTの最高傑作だと個人的には思っている。
  ベンチャーズやクラッシックの楽曲の採用、ディストーションをかましたアコギのソロ等、リーグ・オブ・クラフティ・ギタリスツ時代からフォーマットはほとんど変わらないものの、本作品が前3作と決定的な違うのは、「お笑い」の要素があることだと思う。
  ” Bohemian Rhapsody ” をコーラス・パートを含め完コピしたり、ご丁寧にクレジットまでした上で ” Caravan ” でドラム・ソロを再現したりする几帳面さはとにかく笑うしかない。 当人達がシャレでやっているのか、まじめにやっているのかはわからないが、過剰なまでのギター・アンサンブルを聴いていると、そんなことさえどうでもよくなってくる。
  (追加:2003年5月10日)
2002
CG3 + 2 : California Guitar Trio with Tony Levin and Pat Mastelotto
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Bert Lams - Guitar, Tenor Guitar
        Paul Richards - Guitar, Slide Guitar
        Hideyo Moriya - Guitar, Mando - Cello
        
	  Tony 
        Levin - Bass, Chapman Stick
        Pat 
        Mastelotto - Traps And Buttons
  カリフォルニア・ギター・トリオの最新作。 名義としては、トニー・レヴィンとパット・マステロットとの共作ということになる。
  過去のレパートリーの再演、イエスやクリムゾンのカヴァー、そして ” 21世紀のズンドコ節 ” という秀逸な邦題がつけられた ” Zundoko Bushi ” が目玉というか売りの作品。
  完全に好みの問題だと思うが、ライヴ・アルバムの 『 Rocks The West 』 が大傑作だと思っている立場にしてみると、本作品はちょっと残念であったりする。
  ” Bohemian Rhapsody ” のコーラス・パートをギターだけで再現したりとか、ベンチャーズ・ナンバーのドラム・ソロのパートまでギターでカヴァーするとかいった、ギター・アンサンブルへの異常なまでのこだわりがCGTの魅力であったと思う。 リズム隊の参加でダイナミズムは増しているものの、お笑いと紙一重なまでの圧倒的なギター・アンサンブルを堪能できなかったのが心残りである。
  (追加:2002年12月25日)
2004
Whitewater : California Guitar Trio
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Tony Levin : Fretless Bass on "Mee-Woo" Tyler Trotter : Delay and filter effects on "Whitewater", "Cosmo Calypso", "Relative Illusion" and "Red Iguana"
  カリフォルニア・ギター・トリオが、最小限のゲスト・プレイヤーとともに制作した作品。
  息をつくのを忘れるような興奮を覚えるのではなく、堅苦しくて息が詰まってしまう作品である。 鍛錬を重ねた演奏、精緻に作り込まれた楽曲とそのアレンジの完成度は高いのだが、正座を要求されるような窮屈さを感じてしまう。
	こんな風に感じてしまうのは、私がカリフォルニア・ギター・トリオの正しいファンでないことに原因があるのは明らかなのだが、ある一線を超えたところでどうしても「笑い」が欲しくなる。 コミカルな楽曲を演奏してほしいのではなく、ギターでそれやっちゃうの、と笑うしか無い凄さに接したいのである。
  ラストのドアーズのカヴァーだけでも、もう少しはじけてほしかったと思う。
  (追加:2020年12月10日)
2008
Echoes : California Guitar Trio
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Bonnie 'Prince' Billy : vocals on And I Know and Freebird
Pat 
		Mastelotto : Oil Can on Freebird
Tony Levin : Bass and NS UPright on 
		Freebird and Tubular Bells
Kevin Ratterman : Tambourine and Shaker on 
		Freebird
Pamelia Kurstin : Theremin on Echoes and Tubular Bells
		Davide Rossi : Violectra on Echoes
Jamie Masefield : Mandolin on And 
		I Know
Tom Griesgraber : Bass and Chapman Stick on Tubular Bells and 
		Echoes
Tyler Trotter : Melodica, Fender Rhodes, Bell and 
		Moogerfoogers on And I Know, Tubular Bells and Echoes
Recorded May 9-13, 2007 at The Funeral Home, Louisville, Kentucky.
  カヴァー楽曲だけで構成されたカリフォルニア・ギター・トリオの作品。
  プログレ大曲やペンギン・カフェ・オーケストラの楽曲、ヴェンチャーズによるカヴァー曲のカヴァーとか寺内タケシによる運命のカヴァーのカヴァーといった重箱の隅を突き尽くした選曲、3人だけの演奏に固執することなく要所を締める外部ミュージシャンの起用、” Bohemian Rhapsody ” の再録、と何でもありの姿勢で全編貫かれている。 『 Whitewater 』 の所でも記載したが、私はカリフォルニア・ギター・トリオのあるべきファンではないかもしれないが、そんな私には最高に楽しめる作品だる。
  そのなかでもピンク・フロイドの ” Echoes ” での各楽器の残響音へのこだわりに、思わず笑ってしまう程の凄さを感じてしまう。
  (追加:2020年12月10日)