1996
SMAP 009 : SMAP
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Bass : Tony Levin
SMAP の9作目のアルバム。
Wiki で確認した所、6作品目からバックの演奏を海外ミュージシャンが務めているとのこと。 トニー・レヴィンの参加は本作が初めてで最後となるのだが、もっと早く参加に至っても良かったのではないかと思う。 単にスケジュールの問題だけだったのかもしれないが。
しっかりと作り込まれたヴォーカル・ナンバーとレヴィンのベースの相性が悪いわけはなく、特に ” シャンプー3つ ” では曲の展開に合わせて様々な演奏を披露している。 レヴィンの歌モノでの演奏のベスト・トラックの一つと言って過言ではない。
(追加:2024年6月10日)
B-III : Kankawa
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オルガン奏者 KANKAWA(寒川敏彦)の作品。
本作品を、KANKAWA
自身が「ハード・ロック・ジャズ」とカテゴライズしているが、正にその名称通りの内容である。
ハード・ロックのドラムとは微妙に異なるビートに、ハモンドとギターがハードに絡み、さらにそこにホーンセクションが加わり、スリリングかつ聴いていて楽しくなる作品である。
本作品はトニー・レヴィンの兄、ピート・レヴィンがプロデュースを担当し、トニー・レヴィンも3曲に参加している。 スローな ”
Family
” も、ハード・ロック・ジャズそのものにカヴァーされた ”
Stone Free
” も良いが、ジャズ色が一番薄いハードなナンバー、”
Indy
” での弾きまくりベースからは、参加していることを楽しんでいるトニー・レヴィンの姿が浮かぶ程である。
(追加:2019年9月25日)
1997
From The Caves Of The Iron Mountain : Steve Gorn Tony Levin Jerry Marotta
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Steve Gorn East Indian Flute, Reeds
Tony Levin Chapman Stick, Basses
Jerry Marotta Taos Drums, Percussion
Recorded inside the Window Jane Mine Catskill Mountains, New York
レヴィン、ジェリー・マロッタ、そしてリード奏者のステイーヴ・ゴーンによる作品。
ニューヨークにある洞窟の中で録音されたとのことで、残響音やその場のノイズ等全てが演奏と一緒になって提示されている。 所謂ロック的なノリは全く無く、音響効果の面白さを除けば冗長的な面があるのも否めない。 たまにCD棚から取り出して聴くのに適していると思う。
当時、Pony Canyon
がクリムゾン関連の作品を積極的にリリースしていたのが懐かしい。 今後同じような状況になるとは思いがたく、こうした作品が紹介される機会が益々減っていくのは、残念である。
(追加:2006年11月10日)
Black Light Syndrome : Bozzio Levin Stevens
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Terry Bozzio Drums
Tony Levin Basses and Stick
Steve Stevens All Guitars
テリー・ボジオとスティーヴ・スティーヴンスが、レヴィンを巻き込んだセッション・アルバム。 レヴィンのスケジュールに合わせたこともあり、顔合わせからレコーディングまでわずか5日間で終了している。
3人ともスタジオ・ミュージシャンとしての活動、セッション・メンバーとしての活動が中心になっていることは否めないが、そんな3人がロック・ミュージシャン魂(笑)をポジティブに発揮しているところが本作品の魅力だと思う。 レコーディングまでの期間が短かったためか、1曲1曲が長く冗長的な所も散見するが、それを補って余りあるほどの緊張感が溢れた作品である。
発表された年に来日公演が予定、告知されたにも拘わらず、あっさりキャンセルされてしまったのが残念でならない。 3人のスケジュール(とギャラ)を考えれば、想像できたことではあるが。
(追加:2004年8月25日)
1998
Liquid Tension Experiment : Liquid Tension Experiment
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Tony Levin - Bass, Stick And NS Electric Upright Bass
John -
Petrucci - Guitars
Mike Portnoy - Drums
Jordan Rudess - Keyboards
Magna Carta の企画で始まったリキッド・テンション・エクスペリメントの作品。
新旧のドリーム・シアターのメンバーとトニー・レヴィンが、1回のリハーサル後、バンドとしてのレコーディングを1週間で終わらせた作品で、テンションが高めのテクニカルなプログレ・ハードな楽曲で埋め尽くされている。
同時期のボジオ・レヴィン・スティーヴンスと比べると一本調子な所もあるが、演ってて楽しいんだろうなぁ雰囲気はこちらの方が感じ取ることができる。
編集を一切行っていない30分にも及ぶセッションをそのまま収録した ” Three Minute Warning ”
みたいな曲がどうやって捻り出されたのかが不思議なのだが、それ以上に ” Paradigm Shift ”
の血管がブチ切れそうになるテンションの高さには圧倒される。 年をとり、最近は風呂に入る時にヒートショックを起さないよう気をつけているのだが、”
Paradigm Shift ” を聴くにあたってはそれ同等の心構えが必要である。
(追加:2019年2月25日)
Canzoni Per Me :Vasco Rossi
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Basso : Tony Levin
イタリアのシンガー、バスコ・ロッシの作品。
キャリアを通じて多くの作品をリリースしているシンガーらしいが、その中で本作がどういう位置付けなのかは良く判らない。 作品を聴いた印象だけで述べると、大味な音色を奏でるデジタル・シンセサイザーが煩いアレンジをバックに、朗々と歌い上げるヴォーカルが絡む曲が多い。
トニー・レヴィンが本作品に参加した経緯は判らないが、渡されたスコアを見ながら一気に演奏した印象が強い。 アレンジャーのセンスによる所が大きいと思うが、ヴォーカルのバックで聴き惚れてしあうような裏メロは全く無く、レヴィンの無駄遣いだと思う。
(追加:2023年6月10日)
First : 黒沢健一
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バンド L⇔R や、森高千里の名曲 ” 気分爽快 ” の作曲等で知られる黒沢健一のソロ・アルバム。
5曲においてトニー・レヴィンがベースで参加している。
シングル・カットされた ” Rock'n Roll
” 以外は花のある楽曲はなく、レヴィンの参加・不参加によるクオリティの差は感じられない。 ただ、その ” Rock'n Roll
” の躍動感は素晴らしく、これはレヴィンでなければ出せなかったであろうと思える程の説得力がある。
レヴィンのセッション活動の中でも、極めて記名性の高い楽曲である。
(追加:2013年6月25日)
1999
Liquid Tension Experiment 2 : Liquid Tension Experiment
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Tony Levin - Chapman Stick & Bass Guitar
John - Petrucci - Guitars
Mike Portnoy - Drums & Percussion
Jordan Rudess - Keyboard
リキッド・テンション・エクスペリメントのセカンド・アルバム。
ボジオ・レヴィン・スティーヴンスのファーストとセカンドとの関係と同じように、本作のレコーディングはファースト・アルバムよりは時間をかけている。
ただボジオ・レヴィン・スティーヴンスとの違いは、そのレコーディングへの時間のかけ方の差が作品の違いに大きく現れていない。
ということで、本作品は前作同様のハイテンションなインストがこれでもかと収録されている。
そのテンションの高さには何とかついていくことができても、テクニカルな演奏には流石に満腹感を感じてしまうことは否めない。
自分の気持ちを上げたい時に聴くには最適だが、上がりきった所で止めておくのが、本作品への正しい接し方だと思う。
(追加:2019年2月25日)
Spontaneous Combustion : Liquid Trio Experiment
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リリースは2007年
Tony Levin - Bass
Mike Portnoy - Drums
Jordan Rudess - Keyboards
本作品は、リキッド・テンション・エクスペリメントのセカンド・アルバムのレコーディング中に、ギターリストのジョン・ペトルーシの妻が早産となり離脱、その間のセッションを収録した作品である。
ドリーム・シアターには及ばないまでも、リキッド・テンション・エクスペリメントのセールスに Magna Carta が興奮したのも判らないではない。
ただやはり本作品の内容はトリオによるセッションそのままであり、ライナー記載してあるマイク・ポートノイの思い入れが伝わってくる内容ではない。
せめてリリースのタイミングをリキッド・テンション・エクスペリメントのセカンド・アルバム直後にしておけばよかったのにと思う。
(追加:2019年2月25日)
2000
Waters Of Eden : Tony Levin
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Tony Levin : Ghapman Stick & Vocals
Pat Mastelotto : Traps &
Buttons
Markus Reuter : Touch Guitar & Vocals
トニー・レヴィンの2作目のソロ・アルバム。
世界各地でのマテリアルを集めた前作と異なり、ウッドストックをレコーディングの拠点として制作されている。
自らライナーに、ワールド・ミュージックとクラッシックの融合を試みた、と記載してあるように所謂ロックのアルバムではないが、ワールド・ミュージック色もクラッシック色も強くない。
それよりもレヴィンが共演者と対峙することより調和することを意識しているようで、リズムとメロディの重なり合いを堪能することができる作品となっている。
ファースト・ソロ・アルバムでレヴィンの懐の深さを再認識することができたが、本作ではその深い懐が多方面にあることが判る。
(追加:2020年11月10日)
Aura : ASIA
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Tony Levin - Bass: Chapman Stick, Music Man
ジョン・ペイン時代のエイジアの作品。
エイジアはジョン・ペイン時代の編成が最も素晴らしい。 スター・プレイヤーこそいないが、バンドとしての結束は逆に高まっている。 そんなベストな編成で制作された本作品は、ドラマチックでシンフォニックで美メロに溢れ、エイジアの最高傑作と呼んでも過言ではない。
...ウソです。 そんなわけありません、駄作です。 黄金期のメンバーがいないから厳しい評価になるわけではありません。 エイジアの冠が無かったとしても評価は同じです。
そんな作品にレヴィンが1曲のみクレジットされている。 ベース・プレイヤーであるジョン・ペインがいる中、レヴィンが参加する意義がどこにあったのかよくわからないのだが、少なくとも私のようにレヴィン目当てで購入した人もいるはずで、それが狙いだったのかもしれない。
レヴィンがいいように使われてしまっているようで、また悔しい。
(追加:2012年10月10日)
Situation Dangerous : Bozzio Levin Stevens
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Terry Bozzio - drums Tony Levin - bass and stick Steve Stevens - guitars
『 Black Light Syndrome 』
に続く、テリー・ボジオ、スティーヴ・スティーヴンス、レヴィンによるセッション・アルバム。
前作はレコーディングをわずか5日間で終了させた文字通りのセッション・アルバムであったのに対し、本作品ではレコーディング前に1週間ほどのリハーサルを行っていることが大きく異なっている。
リハーサルの結果、冗長的な所は見られなくなっているものの、緊張感については前作に劣っている。 この辺りが1週間という微妙な期間の難しさなのかもしれない。 一発勝負での問題点はクリアにできるかもしれないが、バンド(セッション)としてのケミストリーが生じるところまでいっていない。 曲の完成度こそ上がっているものの、前作の最大の特徴であった緊張感があまり感じられなくなってしまっているのが残念である。
となると、次はリハーサルなしで観客を前にしたライヴ・レコーディングだ、などと勝手に妄想してみたが、残念ながら本作品以降このメンバーでのセッションは実現していない。
3人のギャラとスケジュールを踏まえれば、妙案だと思うんだけどなぁ...
(更新:2004年9月26日)
Voices Of Life : The Bulgarian Women's Choir - Angelite
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エディ・ジョブソンがプロデュースをしたブルガリアン・ヴォイスの作品。 レヴィンは
” Utopia ”
にスティックでセッション参加している。
他の殆どの曲がコーラスを中心に曲を構成している中、本曲においては、レヴィンのスティックがその骨格をなしている。
詳細は、ブルーフォードのページを参照してください。。
(追加:2002年8月25日)
Rocks The West : California Guitar Trio
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Bert Lams, Paul Richards, Hideyo Moriya Acoustic
Guitars
Tony Levin Fretless bass, Chapman Stick (Tracks 1,5,6,8,10,11,13)
Bill Janssen Saxphone (Tracks 7,8,10,11,13)
カリフォルニア・ギター・トリオのライヴ・アルバム。
レヴィンの参加はあくまでも客演。
(追加:2006年1月25日)
OVO : Peter Gabriel
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ピーター・ガブリエルによる、ロンドンのミレニアム・ドームで行われたショーのための音楽。
家族3代をテーマに、世界中から時代を問わず様々な音楽が取り込まれている。
位置づけとしてはガブリエルのオリジナル・アルバムなのだが、他の作品と比べ取っ付きにくい作品であることは否めない。
多分本作品を理解するためには語学だけではなく、イギリスの文化、そして世界の民族音楽に対しての造詣が必要になるのだと思う。
そうした理解が無い私は、ややもすると集中して聴いていられなくなることがあるのだが、レヴィンのベースはやはり凄いと思う。
参加している3曲がそもそも聴きやすい曲であることもあるが、レヴィンのベースはメロディアスでとても美しい。
(追加:2016年6月25日)
永遠 〜Eternity〜 : 氷室京介
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アルバム 『 MELLOW 』 に先行してリリースされた氷室京介のシングルで、映画『 ISOLA 多重人格少女 』 の主題歌となっている。
折りたたみ式ジャケットにステッカーも封入、しかも1曲のみ収録という贅沢な仕様でオリコンのシングル・チャートで最高13位となっている。
演奏ミュージシャンのクレジットは無いが、『 MELLOW 』 収録ヴァージョンと比べて演奏パートに大差はないため、トニー・レヴィンの演奏テイクが採用されていると思われる。
(追加:2024年6月10日)
MELLOW : 氷室京介
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Bass : Tony Levin
氷室京介の8枚目のアルバム。
先行リリースされた ” 永遠 〜Eternity〜 ” の album mix が収録されているのだが、大きな違いは無い。
アメリカの複数のスタジオでレコーディングされており、売上に見合うしっかりとしたコスト管理の上に制作されていることがよく判る。 トニー・レヴィンが1曲のみの参加で終わっているのも贅沢なことだと思う。
(追加:2024年6月10日)
High Life : Yamagen
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小倉博和と、 松たか子の夫でもある佐橋佳幸の2人のギタリストによるとユニット、山弦の作品。
テクニカル志向になりすぎず、フュージョンにもリゾート・ミュージックにもなりすぎない、ひたすら気持ちの良い楽曲で構成されている作品である。
こうした楽曲にトニー・レヴィンの演奏はドンピシャとハマっている。
特に ”
Northern Light
” を除く3曲では、スティーヴ・ガッドとのリズム隊が久々に復活しており、そのコンビネーションの素晴らしさを堪能することができるのが嬉しい。
山弦側からのリクエスによるものか、スケジュール上ブッキングされた結果によるものか判らないが、良い仕事をしてくれたと思う。
(追加:2019年9月25日)