1991
AWAKENING : 高野寛
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Bass : Tony Levin ( 2,7 )
高野寛の4枚目のフル・アルバムで、前作 『 CUE 』 と同じくトット・ラングレンがプロデュースを行っている。
前作のオリコンのアルバム・チャートでの2位には及ばなかったものの同8位とチャートでも成功した作品である。 おもちゃ箱をひっくり返したような、などという陳腐な表現を使って申し訳ないのだが、様々なタイプの曲が展開され聴いていて楽しい。
前作に収録された ” 虹の都へ ” と同じくミズノのスキーウェアのコマーシャル・ソングに採用され大ヒットした ” ベステンダンク Besten Dank ” に次いでシングル・カットされた ” 目覚めの三月 ” と、短めのインスト ” Another Proteus ” にトニー・レヴィンが参加している。 大沢誉志幸の ” そして僕は途方に暮れる ” と同じように日本国内でポピュラリティの高い ” 目覚めの三月 ” にレヴィンが参加していることは、やはり嬉しい。
(追加:2024年6月10日)
目覚めの三月 : 高野寛
Hiroshi Takano : Vocals, Instruments & MC-500
Yasuo Kimoto : PC-9801 & Synthesizers Operation
Additional Mucicians
Drums : Jerry Marotta
Bass : Tony Levin
『 AWAKENING 』 からシングル・カットされた ” 目覚めの三月 ” にアルバム未収録の ” ドゥリフター
” が収録されている。
ハーパース・ビザールの楽曲を原曲に近いアレンジでカヴァーしているため、ヴォーカルの裏で弾むようなメロディを奏でるトニー・レヴィンのベースを堪能することができる。
(追加:2024年6月10日)
1992
Us : Peter Gabriel
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Bass : Tony Levin
ピーター・ガブリエルの 『 So 』 に続くオリジナル・アルバム。
一聴地味な印象があるが、各曲の良さ、アルバムとしての完成度は高く聴いていて飽きない作品である。
過度な大衆性が無いだけで、意外なほど 『 So 』 と路線は同じである。 知ってもらうこと、が必要無くなったガブリエルが、『 So 』
を突き詰めていった作品なのかもしれない。
本作品がリリースされた1992年は、クリムゾンの存在がフリップの脳内にしかなかった頃で、レヴィンは本作、そして本作品後のライヴにおいて、正にピーター・ガブリエル・バンドの一員として大活躍している。
(追加:2015年8月10日)
Steam : Peter Gabriel
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『 US 』 からのシングル。
アルバム・ヴァージョンの ” Steam ” と、そのリミックスにレヴィンのベースがレヴィン。
スティームを爆発( let off )させてはマズいと思うが、なんとなくそんな風のミックスがされている。
(追加:2017年6月25日)
Digging in the Dirt : Peter Gabriel
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『 US 』 からのシングル。
” Digging in the Dirt ” はアルバム・テイクとインストを収録。 そして ”
Steam ” は爆発 ( let off ) ではなく、穏やかな( Quiet ) なヴァージョンが収録されている。
(追加:2017年6月25日)
Blood of Eden : Peter Gabriel
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Bass Tony Levin
『 US 』 からのシングル。
『 So 』 から ” Mercy Street ” のリミックスと、”
Sledgehammer ” も収録されている。
クレジットは ” Blood Of Eden ” にのみ記載されているが、『 So 』
のクレジットによれば残り2曲にもレヴィンは参加していることになる。
(追加:2016年6月25日)
Urban Dance : 氷室京介
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沢口靖子が榊マリコになる前に主演したドラマ 『 …ひとりでいいの 』 の主題歌としてシングル先行リリースされた氷室京介の作品。
後に収録されるリミックス・アルバム 『 Masterpiece #12 』 やオリジナル・アルバム 『 Memories Of Blue 』 には曲毎のクレジットはないが、本シングルにはトニー・レヴィンの演奏が明確にクレジットされている。
オリコン・チャートで2位にまで上がった本曲は、プロデューサーでもある西平彰のキーボードが大々的にフィーチャーされる一方、レヴィンの活躍度は高いと思うものの音量が抑えられたミックスとなっている。
(追加:2024年6月10日)
Masterpiece #12 : 氷室京介
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氷室京介のリミックス・アルバム。
2ヶ月前に発売された ” Urban Dance ” のリミックス・ヴァージョンが収録されている。
ニール・ドーフスマンという方がリミックスを行っているのだが、シングル・ヴァージョンに比べて全体に派手さが抑えられた内容となっている。
(追加:2024年6月10日)
Drawing : 大貫妙子
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大貫妙子のソロ・アルバムに、レヴィンはジェリー・マロッタとのリズム隊で参加している。
シャレオツの音楽は私の日時用生活の範疇外なのだが、レヴィン&マロッタのリズム隊のタイトな演奏がそこにフィットしていることは良く分かる。
クレジットを見るとレコーディングは複数箇所で行われており、レヴィン&マロッタの演奏はニューヨークで行われたものと推測されるのだが、そこでケミストリーが発生する機会があったとは思えず、スタジオに到着したレヴィンがスコアを渡されてそのまま演奏した、という可能性が非常に高い。
(追加:2015年10月25日)
1993
Spin 1ne 2wo : Spin 1ne 2wo
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Paul Carrack
Lead vocals, backing vocals and Hammond
Steve Ferrone Drums and percussion
Rupert Hine Keyboards, harmonica and backing vocals
Tony Levin Basses and stick
Phil Palmer Guitars
ロック・スタンダードのカヴァー・アルバム。 1993年に発売された(らしい)作品が、この度再発された。
アレンジはオーソドックス。 こうしたカヴァーの場合、当人達にしてみると一捻りしたつもり、でも聴いている側にしてみると奇をてらいすぎ、というパターンが多いのだが、本作品の場合そのようなことはなく、安心して聴き続けることができる。 この辺りは、プロデュースも行ったルパート・ハインのセンスの良さによるものだと思う。
レコーディングの準備にどれだけ時間をかけたかはクレジットがないため不明だが、レヴィンにしてみれば一瞬の作業であった可能性が高い。 ただ、後に
Tony Levin Band で ”
Black Dog ”
をとりあげたりするきっかけは、このあたりにあったのかもしれない。
(追加:2010年2月25日)
Memories Of Blue : 氷室京介
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Bass : CHIHARU MIKUZUKI, TAKESHI ASADA, TONY LEVIN
氷室京介の4枚目のソロ・アルバムで、オリコンのアルバム・チャートで1位を獲得している。
本作品のクレジットを見るとレコーディングは国内複数箇所で行われており、先行シングル 『 Urban Dance 』 をレコーディングしたニューヨークの Sky Studios でミックスは行っているもののレコーディングはしていないことになる。
その一方で先行シングル 『 Urban Dance 』 にクレジットされているレヴィンを含む外国人ミュージシャン4名の名前が本作品にもクレジットされているが、この4人が揃って来日してレコーディングしたとも考えにくい。
この辺りのクレジットの実態がどういうことであったか考え始めると眠れなくなってしまうのだが、取り敢えずここで止めておく。
(追加:2024年6月10日)
静かの海 : dip in the pool
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dip in the pool の作品、オシャレである。
バンド名は Dip In The Pool ではなく dip in the pool、オシャレである。
アルバム・タイトルは 静かな海 ではなく、静かの海、オシャレである。
アレンジは AメロだBメロだなどと考えることが間違っていると思えてくる、オシャレである。
ヴォーカルは 絶唱等は程遠く汗臭さが全く無い、オシャレである。
トニー・レヴィンはベースとスティックを演奏、それがオシャレなのかどうかは判らない。
(追加:2024年6月10日)
1994
Healing Bones : Jules Shear
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Musicians
Jules Shear with
Jerry Marotta ・ drums
Tony Levin ・ basses
Elliot Easton ・ guitar
Rod Argent ・ keyboards
セッション・ミュージシャンとしてのレヴィンの活動を的確にとらえた作品。
ライナーによれば、ジュールズ・シアーという人はシンディ・ローパーやバングルスのヒット曲の作者であったり、MTVアンプラグドの初代司会者であったりしたとのこと。 好意的にとらえようとすれば通好みのキャリアということになるのだろうが、実際のところは二線のミュージシャンなのだと思う。
楽曲も平凡でヴォーカルに魅力があるわけでもなく、それなり以上のミュージシャンを揃えておいてこれはないだろう、と思わず突っ込みたくなるような作品。
レヴィンのプレイは正しくセッション・ミュージシャンとしての演奏で、目立つことなく淡々とこなされている。 レコーディングに来て譜面渡されて1時間で演奏、そんな世界なんだと思う。
(追加:2005年6月10日)
SW Live EP : Peter Gabriel
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bass, vocals : Tony Levin
『 Secret World Live 』 に先行して発表されたピーター・ガブリエルのライヴEP。
同作未収録の ” San
Jacinto ” と ” Mercy Street ” が含まれており、特に 『 Plays Live 』
との重複を避けるためにオミットされたと思わえる ” San Jacinto ” が嬉しい。
アルバムからのシングル・カットではなく、先行作品と位置づけられているためか、レヴィンの参加もしっかりとクレジットされている。
(追加:2016年6月25日)
Secret World Live : Peter Gabriel
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Peter Gabriel harmonica
Manu Katche drums
Tony Levin bass, vocals
David Rhodes
guitar, vocals
Jean Claude Naimro keyboards, vocals
Paula Cole vocals
Shankar violin, vocals
Levon Minassian doudouk
16-17,11,93
Palasport Nuovo, Modena, Italy
1993年にイタリアで行われたライヴ・アルバム。
『 So 』 と 『 Us 』 の楽曲を中心としたこの時期のベスト選曲であり、『 Plays Live 』 と唯一重複収録されている ”
Solsbury Hill ” もこの時期の音の肌触りになっている。
アルバムは世界中で大ヒット、ライヴは超満員。
そんなガブリエルとの活動に一旦区切りを着け、レヴィンはこの作品後ダブル・トリオ編成のクリムゾンで活動していくことになる。
(追加:2015年8月10日)
7 : dip in the pool
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dip in the pool の作品。 オシャレである。
本アルバム制作時は既にバブルは崩壊しており、それにもかかわらず海外でレコーディングとミックスを行っていることから、レコード会社側にもそれなり以上の期待があったものと思われる。
浮遊感あふれるヴォーカルが、抑揚の少ないバック、そして意図的に目立たないようミックスしているだろう楽器のソロに包み込まれている。
もし本作品がアナログでもリリースされていたら、何だかよく判らない昨今のシティ・ポップ・ブームに乗って中古盤が高値で取引されたに違いない。
トニー・レヴィンは9曲中7曲に参加している。 クレジット上、ベースだけではなくスティックも演奏しているが、何れにせよ主に低音部を担っている。
(追加:2019年9月25日)
1995
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Tony Levin Stick & Bass
with
Shankar Double Violin & Vocal
Ayub Ogada
Nyatti & Vocal
Brian Yamakoshi Koto
Jerry Marotta
Taos Drums
Bendik Tenor & Soprano Sax
Bill Bruford
Electronic Percussion
Nexus Percussion Ensemble
Levon Minassian Doudouk
Manu Katche
Drums
トニー・レヴィンのファースト・ソロ・アルバム。
ビル・ブルーフォードの自宅を含め、世界各地で現地のミュージシャンとの共演した楽曲を集めた作品であるが、寄せ集め感は全く無い。
各楽器とレヴィンのベース&スティックが正面から対峙することで、徒に民族音楽に傾斜することなく魅力的な楽曲、演奏となっている。 Double Trio
Crimson のライヴが開始された時期にリリースされた作品だけに、” Etude In The Key Of Guildford ” や ” Jewels
” といったビル・ブルーフォードとの共演曲に当時は耳が奪われてしまったが、今改めて魅力的な作品だと思う。
自身の名前を冠した最初の作品をプライベートに録り溜めたような楽曲で構成し、気負いなく名作を創り上げるレヴィンの凄さ、判ってなかったことを反省せざるを得ない。
(追加:2020年11月10日)
What's Inside : Joan Armatrading
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ジョアン・アーマトレイディグというソウル系ヴォーカリストの作品。
取り立てて特徴もない作品とヴォーカルだが、ベースだけが唐突に豪華。 レヴィンの他にクレジットされているのが、ストーンズと活動をしているダリル・ジョーンズで、”
Everyday Boy ”
はツイン・ベースで演奏されている。
正直ちょっと、もったいない...
なお、” Shape Of A Pony ” には、ボズが Penny
Whistle を演奏(?)している。
(追加:2006年10月10日)