1991
Achtung Baby : U2
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Produced By Daniel Lanois with Brian Eno
U2 がその音の肌触りを変えた作品。
『 The Unforgettable Fire 』 にせよ、『 The Joshua Tree 』
にせよ、イーノの関与は大きく、イーノ抜きだったら優劣は別にして大きく異なった作品になったと思わせるのに充分な作品であった。
それだけに難しい仮定ではあるが、この 『 Achtung Baby 』 がイーノが関与した初の U2
の作品とならなくてよかったと思う。 この音の肌触りの変化の責任を、全てイーノによるものと糾弾されていたはずである。
表面上の音の変化がある一方で、どの曲も 『 The Joshua Tree 』
以前の楽曲でみられたアレンジでも成り立つ可能性があり、むしろこの辺りのギリギリで抑えるところがイーノによる貢献であったとしたら、嬉しい。
(追加:2015年6月25日)
1992
The Shutov Assembly : Brian Eno
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Recorded between 1985 and 1990
1990年のジョン・ケイルとの 『
Wrong Way Up 』、1992年のソロとしての 『Nerve Net 』
とアンビエントでない、ヴォーカルが入っている、といったアルバムが続いた後に、突如リリースされたアンビエント小作品集。
特にインターネット普及以前においては事前情報が流れることは少なく、イーノの作品はショップに唐突に置いてある印象が強かった。
『 Wrong Way Up 』、『Nerve Net 』
と続いただけに期待して購入し、自宅に戻って落ち込んだことを今でも覚えている。
イーノについては、音楽関連以外の雑誌等で特集される際に文化人気取りの連中にありがたく祭り上げられることが多いが、そうした連中はこのような作品を本当に聴いているのであろうか?
作品の良し悪しを論じるつもりは全くないが、アンビエント系の作品を不用意にあがめること自体が無意味であることを、明確にしてくれる作品。
(追加:2002年9月10日)
Cobalt Blue : Michael Brook
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4AD からリリースされたマイケル・ブルックのソロ・アルバム。
マイケル・ブルックにとって、この作品がリリースされたのはレイン・トゥリー・クロウのアルバム制作に参加したのと、シルヴィアン&フリップのツァーに参加した間の時期である。
つまり元来地味ながら手堅い活動をしていたブルックが、そんな地味なキャリアの中では最もメジャーな活動をしていた時期にリリースされた作品である。
そんな時期の作品ながら、内容に派手なところも、ギターリストとしてそのテクニックを判りやすく提示することない。
かと言ってアンビエント風作品に落ち着くこともないバランスのよい作品となっている。
イーノとラノアがクレジットされているものの、エコーのかかり方も比較的少なく、二人の存在感は少ない。
(追加:2019年9月10日)
Us : Peter Gabriel
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Additional keys : Brian Eno
ジェネシス時代の 『 The Lamb Lies Down On Broadway
』 以来のピーター・ガブリエルとの共演。
薄く鳴り響くシンセ音がイーノによるものだと思われる。
(追加:2015年8月10日)
Complete Service : YMO
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Producer : Brian Eno
Mixing Team : Brian Eno with Ben Fenner
YMO の散会コンサートを収録したライヴ・アルバム。 『 After Service 』
というタイトルで1984年に発売した作品に曲目を追加した上で、イーノがプロデュースとミックスを担当している。
今回改めて『 レコード・コレクターズ 』 誌(2003年2月号)や、『 ピコエンタテイメント 』 誌(1993年Vol.1)といった YMO
特集号でも確認したのだが、本作品に対するイーノの音質面での関与はあまりない。
実際に聴いてみても、まぁこんなとこがイーノかな、程度の感触しかない。
つまるところ、イーノによるプロデュース手法の1つである、「ほとんど関与しない」がとられた作品である。
イーノの名前など借りなくてもセールスが期待できたはずの YMO と、既に U2
のプロデュースで金銭的余裕の出てきたはずのイーノの双方にとって、どれだけのメリットがあったのか、よくわからない。
(追加:2013年8月25日)
Songs From The Cool World
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Producer : Brian Eno
Mixing Team : Brian Eno with Ben Fenner
実写とアニメを融合した映画のサントラ。
映画は未見なのだが、実写とアニメの融合ということだけで、 『 ロジャー・ラビット 』
の二番煎じであることは否めないのだが、サントラは豪華。 勿論、全ての楽曲が素晴らしいとは言えないが、 寄せ集め楽曲集としては良くできていると思う。
イーノが提供しているのは当時未発表であった 『
My Squelchy Life 』 に収録されていた ” Under ”。 イーノの他編集盤にもこの段階では収録されておらず、初公開楽曲であった。
(追加:2018年10月10日)
1993
Brian Eno I instrumental : Brian Eno
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Disc 1
1. Another Green World 2. Energy Fools the Mountain 3.Dover Beach 4.
Slow Water 5. Untitled 6. Chemin de Fer 7. Empty Landscape 8.
Reactor 9. The Secret 10. Don't Look Back 11. Marseilles 12. Two
Rapid Formations 13. Sparrowfall I 14. Sparrowfall II 15. Sparrowfall
III 16. Events in Dense Fog 17.'There Is Nobody' 18. Patrolling Wire
Borders 19. A Measured Room 20. Task Force 21. M386 22. Final
Sunset 23. The Dove 24. Roman Twilight 25. Dawn, Marshland 26.
Always Returning I 27. Signals 28. Drift Study 29. Approaching Taidu
30. Always Returning II 31. Asian River
Disc 2
1. Theme from 'Creation' 2. Saint Tom 3. Warszawa 4. Chemistry
5. Courage 6. Moss Garden 7. Tension Block 8. Strong Flashes of Light
9. More Volts 10. Mist / Rhythm 11. Ho Renomo 12. Stream
with Bright Fish 13. Fleeting Smile 14. An Arc of Doves 15. Stars
16. An Index of Metals ( edit )
Disc 3
1. 1/1 2. Ikebukuro ( edit ) 3. The Lost Day 4. Thursday Afternoon (
edit ) 5. Discreet Music ( edit ) 6. Dunwich Beach, Autumn 1960 7.
Neroli ( edit )
イーノ箱のインスト編。 フリップが参加作品しているのは、” Slow Water ” と ” An Index of Metals ( edit ) ” の2曲。 (追加:2011年4月10日)
Brian Eno II vocal : Brian Eno
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Disc 1
1. Needless in the Camel's Eye 2. Baby's on Fire 3. Cindy Tells Me 4.
On Some Faraway Beach 5. Blank Frank 6. Dead Finks Don't Talk 7. Some of
Them Are Old 8. Here Come the Warm Jets 9. Seven Deadly Fins 10.
Burning Airlines Give You So Much More 11. Back in Judy's Jungle 12. The Great
Pretender 13. Third Uncle 14. Put a Straw Under Baby 15. The True Wheel
16. Taking Tiger Mountain 17, The Lion Sleeps ( Wimoweh ) Returning II 31.
Asian River
Disc 2
1. Sky Saw 2. Over Fire Island 3. St. Elmo's Fire 4. In Dark
Trees 5. The BIg Ship 6. I'll Come Running 7. Sombre Reptiles 8.
Golden Hours 9. Becalmed 10. Zawinul / Lava 11. Everything merges With
The Night 12. Spirits Drifting 13. No-One Receiving 14. Backwater
15. Kurt's Rejoinder 16. King's Lead Hat 17. Here He Comes 18. Julie
With... 19. By This River 20. Through Hollow Lands 21. Spider & IT
Disc 3
1. R.A.F. 2. America Is Waiting 3. Regiment 4. The Jezebel
Spirit 5. Wire Shock 6. Ali Click 7. Spinning Away 8. Empty Frame
9. River 10. The Soul of Carmen Miranda 11. The Belldog 12. I Fall Up
13. Stiff 14. Are They Thinking of Me ? 15. Some Words 16. Under 17.
Over
イーノ箱のヴォーカルあり編。
フリップが参加しているのは、”
Baby's on Fire ”、” Blank Frank ”、” St. Elmo's Fire ”、” I'll Come Running
”、” Golden Hours ”、” King's Lead Hat ”、” Regiment ”、” I Fall Up
” の8曲。
(追加:2011年4月10日)
I Feel You : Depeche Mode
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Producer : Brian Eno
Mixing Team : Brian Eno with Ben Fenner
デペッシュ・モードの 『 Songs Of Faith And
Devotion 』 からのシングル。
イーノは最初の2曲をリミックスしており、1曲目はアルバム収録テイクからミニマル度を高めたようなミックスを、2曲目は1曲目から更にミニマル度を高め、抑揚度を更に無くしたミックスをしている。
イーノとデペッシュ・モードの接点というのは殆ど無いし、本作が実現した背景もよくわからない。
記名性があるわけでもなく、あらたなケミストリーも発生しておらず、イーノである必要は全く無い。
更なる発展が期待できなかったのは、当事者同士が一番わかっていたのかもしれない。
(追加:2018年2月25日)
Laid : James
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Produced by Brian Eno.
Additional bass and
keyboards by Brian Eno.
Additional vocals on Sometimes ( Lester Piggott
), Dream Thrum and Five-O by Brian Eno and Martine McDonagh.
ジェイムスの5thアルバムで、イーノがジェムスに初めて関与した作品。
イギリスではアルバムは常時ベスト10入りする程の人気があるにもかかわらず、日本では売れなかった。
マンチェスターの盛り上がりに乗ずる機会もあったはずなのだが、売れなかった。 雑誌受けが悪かったのか、それともレコード会社のプロモーションが足りなかったのかよくわからないが、インターネット普及前の洋楽事情に巻き込まれたようにも思える。
所謂ロック・バンドのプロデュースについては、イーノはこの時期既にU2と経験済みで、朗々と歌い上げるヴォーカルのバックに、シンセを薄く上品に鳴り響かすという手法をここでも展開している。
ただイーノは、ジェイムスとの作業に可能性を見出したのか、あるいは本作品に満足できなかったのか、この後一気に過激な方向に舵を切ることになる。
(追加:2017年7月10日)
When I Was A Boy : Jane Siberry
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カナダの SSW シェーン・シベリーの作品。
イーノが参加した女性ヴォーカルものの中でも、本作品は突出して素晴らしい内容となっている。
元々シベリー自体のポテンシャルが高いのためか完成度が高い楽曲が並んでおり、イーノが参加している2曲は楽曲の良さにさらなる深みが加わっている。
イーノが参加している曲だけが浮いていることも、イーノが参加している曲だけが良いのではなく、イーノが参加していることで更に良くなっていることが素晴らしい。
あ、イーノだ、という記名性を判りやすく提示しながらポピュラリティが高いアウトプットがなされている稀有な楽曲である。
(追加:2019年4月10日)
"Low" Symphony : Philip Glass
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Music composed by Phillip Glass From the Music of David Bowie and Brian Eno
Performed by The Brooklyn Philharmonic Orchestra
Dennis Russell Davis, Principal Conductor
『 Low 』 のボウイとイーノの音楽を元にフィリップ・グラスが作曲した楽曲をオーケストラで演奏した作品。
従って、『 Low 』
の楽曲をオーケストラで演奏した作品ではなく、フィリップ・グラスによるオリジナル作品と捉えた方が正しい。
ジャケットにボウイとイーノの写真まで大々的に使われているのは、大人の事情、つまり売上を増やすことを目的にしたものである。
現代音楽に造詣が全く無い私は、殆ど原曲が判らなくなっている ” Subterraneans ” と ” Some Are ”
が楽しめなかったのに対し、” Warszawa ” の重厚なフレーズが原曲に近い形で再現されているところに、やはり興奮してしまう。
イーノの本作品に対する音楽的関与は、クレジット通りであれば何も無い。
(追加:2017年11月10日)
Zooropa : U2
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Produced By Flood, Brian Eno and The Edge
U2 がその音の肌触りだけではなく、音そのものに微修正を施した作品。
『 Achtung Baby 』 では、従来の U2
路線の演奏フォーマットでも成り立つ曲が多くあったが、本作においては、このフォーマットでしか成り立たない楽曲が多い。
この変化は U2 とプロデューサーとして新しくクレジットされた Flood によるもので、イーノのプロデュースによる影響は少ないものと思われる。
前作 『 Achtung Baby 』 以上にイーノは演奏者としても多くクレジットされていること、そして次作 『 Pop 』
でイーノのクレジットが無くなっていることからも、そのように推測することができる。
本作品において、プロデューサとしてのイーノは、彼のプロデュース手法の一つである、「なにもしない」を選択していたのかもしれない。
(追加:2015年6月25日)
1994
Brian Eno I & II Sampler : Brian Eno
2つのイーノ箱からの抜粋盤。
フリップ収録曲は、vocal
から3曲選ばれている。
(追加:2011年4月10日)
Mamouna : Bryan Ferry
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brian eno : sonics ( 1,7,10 ) sonic awareness ( 4 ) sonic ambience ( 5 ) sonic emphasis ( 6 ) swoop treatments ( 8 ) sonic distress ( 9 )
ブライアン・フェリーの9枚目のソロ・アルバム。
ロキシー脱退の経緯から不仲が伝えられたいたイーノが、フェリーの作品にミュージシャンとしてクレジットされている。 フェリーとの共演は、そのロキシーでのセカンド以来となる。
ロキシーだと 『 Avalon 』 以降、ソロだと 『 Boys And Girls 』
以降、フェリーの作品アレンジはゴージャス路線を突き進み、音の隙間がほとんど無いほど分厚いものとなっている。 本作品においてもその路線は貫かれており、音の隙間を埋める、という観点ではイーノのシンセサイザーは見事に機能している。
フェリーにしてみれば、従来の路線を崩すことなく「イーノとの共演」という話題性でアルバムのプロモーションを行えたことになる。 一方イーノにしてみれば、U2での手法をそのまま使っただけで、「sonic
~」といういかにもイーノらしい造語群をフェリーのアルバムにクレジットさせることに成功している。
お互いの思惑が見事に合致した作品である。
(追加:2006年2月10日)
Wah Wah : James
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23 compositions written and performed by James and
Brian Eno
Recorded at Real World during " The Laid Session 1993 "
All tracks written and performed by James and Brian
Eno.
Produced by Brian Eno.
Tracks 1, 5, 6, 11, 13, 14, 15, 18, 22,
23 mixed by Brian Eno.
Tracks 7, 9, 10, 12, 19 mixed by Markus Dravs
and Brian Eno.
『 Laid 』 レコーディング時のセッションの断片を、イーノがこねくり回した作品。
こねくり回し方は多様で、断片をそのまま提示したように思えて思いっきり編集しているものや、このまま発展させていけば滅茶苦茶格好良くなりそうなのに突然終了したりしたりするものもある。
自分との化学反応でオーソドックスなロック・バンドであるジェイムスがどのような変化をしていくのかイーノは試そうとしたのだろうが、ジェイムス自体はそこまでの興味が無かったのかもしれない。
そこに気づいたイーノは、ジェイムスとの双方向でのチャレンジを止め、一方的な作業によって密室性の高い本作品を生み出したとしか思えない。
ただ、イーノはそれでも満足できなかったのか、更に過激な方向に舵を切ることになる。
(追加:2017年7月10日)
JAM J : James VS The Sabres of Paradise
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Written and performed by James.
Produced by Brian Eno, remade
and remodelled by Marcus Dravs.
Additional production and mix by The
Sabres of Paradise.
『 Wah Wah 』 に収録されていた ” Jam J ”
を、イーノのプロデュース下で、セイバース・オブ・パラダイスというテクノ&リミックス・グループがリミックスした作品。
このセイバース・オブ・パラダイスのアンドリュー・ウェザオールという人は後にトゥー・ローン・スウォーズメンというプロジェクトで、現在イーノが契約しているワープ・レコーズから作品をリリースしている。
行き着くとこまで行き着いたような作品である。 イーノによって解体&再構築された ” Jam J ”
が、A,B面とも各々15分強にリミックスされているのだが、沈み込むような緩いビートが延々と展開される。
この手の楽曲が好きな人には堪らないだろうが、果たしてジェムスのファンやメンバー自身にとって、本作品にどれだけの意味があるのか判らない。 『
Laid 』、『 Wah Wah 』、そして本作は、イーノには珍しいやり過ぎ感満載のプロジェクトである。
(追加:2017年7月10日)
The Wild Ones CD2 : Suede
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Eno's introducing The Band remixed by Brian Eno
スウェードのセカンド・アルバム、『 Dog Man Star 』 からのシングル。
ギターリストの脱退でバンドとしては安定していなかった時期の作品らしい。
原曲は、『 Dog Man Star 』 冒頭の2分半程度の楽曲なのだが、本シングルに収められている ” Eno's
Introducing The Band ” は、15分半強に拡大している。
ヴォーカルは完全に削除、それなりに起伏のあった楽器群もひたすら反復の繰り返しとなっており、イーノがやりたい放題やったリミックスである。
U2、ジェイムスに続き、イーノがスウェードに関心を示したのかもしれないが、双方に発展性がなかったのか、アルバム制作にまで繋がることなく終わっている。
(追加:2018年2月25日)
1995
Spinner : Brian Eno / Jah Wobble
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Brian Eno : Synthesizer and Treatments
Jah Wobble : Bass, Drums, Keyboards, Atmospheres
Mark Ferda : Atmospheres, Keyboards, Percussion
Justin Adams : Keyboards
Richard Bailey : Drums
Jaki Liebeziet : Drums
Sussan Deyhim : Vocals
(追加:2015年1月25日)
イーノの作品の中でも、珍しい制作パターンがなされたもの。
元々はデレク・ジャーマンの映画のサウンドトラックとしてイーノが単独で制作していたがジャーマンの死去で頓挫、映画との関連を断ち切るために、元PILのジャー・ウォブルに託し完成させている。
イーノ自身のライナーによれば、楽曲はイーノの演奏そのままのもの、演奏を追加したもの、雰囲気を残して新たに構築されたものにわかれているらしい。
『 Metal Box 』
のような、とまで言うと大袈裟だが、ウォブルの超低音ベースが強調されており、躍動感に溢れた楽曲が多く収められている。
この組み合わせ、1回で終了してしまったのが、残念である。
(追加:2009年10月25日)
1. Outside : David Bowie
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Produced by Davie Bowie & Brian Eno
Musicians:
David Bowie - Vocals, Saxophone, Guitar & Keyboards
Brian Eno - Synthesizers, Treatments & Strategies
Reeves Gabrels - Guitar
Erdal Kizilcay - Bass & Keyboards
Mike Garson - Grand Piano
Sterling Campbell - Drums
Carlos Alomar - Rhythm Guitar
Joey Baron - Drums
Yossi Fine - Bass
Tom Frish - Additional Guitar on "Strangers When We Meet"
Kevin Armstrong - Additional Guitar on "Thru' These Architects Eyes"
Byrony, Lola, Josey & Ruby Edwards - Backing Vocals on "The Hearts Filthy
Lesson" and "I Am With Name"
1979年の 『 Lodger 』
以来、四半世紀を越えて実現したボウイとイーノとの共演。 久しぶりといってもフェリーとの場合と異なり仲が悪かったのではなく、ボウイの迷走期間にイーノの出番が単に無かっただけだと思う。
重苦しい内容のコンセプト・アルバムに仕上がったのは、イーノの参加によるものなのか、あるいはそういう作品だからこそイーノが必要とされたのかどちらが先かはわからないが、ボウイのアート魂(笑)にイーノが見事に共鳴した作品となっている。 ただ個々の曲の魅力は乏しく、”
Hallo Spaceboy ” クラスの曲があと2,3曲あれば全体の印象はもう少し異なっていたはずだ。
イーノはボウイの作品を初めてプロデュースするとともに、演奏の他、「Strategies」とクレジットされている。 これ、イギリス人の感覚だとありなんだろうか? 日本だと「戦略」なんて言葉は、実践力ゼロのサラリーマンが、MBAという冠がついたビジネス書を読んだ直後に会議で多用する単語になってしまっているため、使うのにはそれなりの勇気が必要なのだけど..
(追加:2006年2月10日)
Original Soundtracks 1 : Passengers
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Brian Eno : strategies, sequences, synthesizer, treatments, mixing, chorus voices, Vocal on " Different Kind Of Blue "
U2 の 『 Zooropa 』 と 『 Pop 』 の間にリリースされた、イーノと U2 による楽曲集。
ギターの音数は少なくなりシンセサイザーの占める割合が多くなっている、という表現で一発でわかるように、U2 色が薄くイーノ色が濃い作品である。
イーノと U2 がビジネスライクな関係だけで成り立っているとは思わないが、プロフェッショナルな関係であることは確かだと思う。 本作品の最大の欠点は、そのプロフェッショナルな関係以上に趣味で楽しんでいることが全面に出てきていることである。
(追加:2015年6月25日)
Together For The Children of Bosnia : Luciano Pavarotti & friends
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L'Orchestra Filharmonica di Torino
Conductors : Michael Kament (2,4,6-8, 12,14) and Marco Armiliato (9,11,13,16,17)
Piccolo coro dell' Antoniano (Director : Mariel Ventre)
イタリアのテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティによるガラ・コンサート、パヴァロッティ&フレンズの1995年の音源。 この年はボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争の犠牲になった子供たちを支援するチャリティ・コンサートでもあったとのこと。
このパヴァロッティ&フレンズ、今年の正月に WOWOW で総集編が放送されたのだが、パヴァロッティによる公開処刑を観ているようだった。 毎回ポピュラー/ロック系のミュージシャンが参加しているのだが、パヴァロッティと並んで唄うと完全に食われてしまっている。 声量や音程の正しさだけで議論するのはナンセンスだが、とにかく次元が全く異なっている。
そんなコンサートで、イーノはパッセンジャーズの ” Miss Sarajevo ”、U2 の ” One ”、そして全員参加の ” Nessun Dorma - "Trandot" ” にクレジットされている。 WOWOW のプログラムではこの中から ” Miss Sarajevo ” が放送されており、イーノはポータブル・キーボードを操作しながらコーラスを加えているだけで、パヴァロッティと張り合うような暴挙には出ていない。
(追加:2022年5月25日)
Music From The Motion Picture Heat
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ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが出演しているアクション映画のサウンドトラック。
イーノが参加しているのは2曲。 ” Always Forever Now ” は、パッセンジャーズ名義で発表した 『 Original Soundtracks 1 』 からそのまま収録されている。
もう1曲の ” Force Marer ” は、本作品のためのオリジナル楽曲。 アンビエントでビヨビヨビヨ~ンではなく、デジタル・。ビートが強調された楽曲である。 イーノが所有する無尽蔵なサウンド・マテリアルから提供されたものと思われる。
(追加:2018年10月10日)