1972
|
Bryan Ferry - Voice & Piano
Graham Simpson - Bass Guitar
Andrew Mackay - Oboe & Saxophone
Eno - Synthesiser & Tapes
Paul Thompson - Drums
Phil Manzanera - Guitar
Produced by Peter Sinfield
イーノの、ミュージック・シーンへのデビュー作。
(追加:2004年7月25日)
Virginia Plain / The Numberer : Roxy Music
ロキシー・ミュージックのファースト・シングル。
” Virginia Plain ”
は代表曲の一つとしてコンピレーションにも多く収録されている作品で、” Re-Make / Re-Model ” から毒気を抜いた楽曲となっている。
一方の ” The Numberer ” は、A面のを補って余りある程の毒気が溢れる曲で、その結果イーノの活躍度が異常なまでに高いインストである。
アンディ・マッケイのサックスとイーノのシンセサイザーが只管活躍する、ポピュラリティは低いものの格好良い楽曲である。
(追加:2019年1月10日)
1973
Plays the Popular Classics : Portsmouth Sinfonia
|
Clarinets / Suzette Worden, Brian Eno, Tony Talbot, Gwen Fereday
Sound Production : Brian Eno
ポーツマス・シンフォニアの初レコーディング作品。
冗談音楽の代表として語られたり、その背景にある深遠な音楽的意義を見出そうと議論されたり、と色々な聴き方はあるが、当該楽器に対しての素人が演奏したクラッシクの楽曲集、というコンセプトそのままのを理解すれば良い作品である。
イーノはクラリネット奏者と「サウンド・プロダクション」としてクレジットされている。
後者は販売プロモーションのための名義貸しの位置づけが強いと思われる。
また、後にオブスキュア・シリーズの幾つかに参加するギャヴィン・ブライアーズとイーノの作品上での出会いは、本作品となる。
(追加:2017年11月10日)
For Your Pleasure : Roxy Music
|
Bryan Ferry - Voice and Keyboards
Andrew Mackay - Oboe and Saxophone
Eno - Synthesizer and Tapes
Paul Thompson - Drums
Phil Manzanera - Guitar
Guest artiste : John Porter - Bass
ロキシー・ミュージックのセカンド・アルバム。 本作品をもってイーノはロキシーを脱退することになる。
プロデューサーが異なることもあり、アナログ時代のA面はポップなナンバー、B面はプログレ臭の強いナンバーと、極端なまでに作風が異なっている。
イーノの活躍が目立つのは当然ながらB面で、特に ” For Your Pleasure ” にの後半のテープ操作はイーノならではのものだと思う。
ただ、個人的にはその「いかにも」といったイーノの活躍にちょっと興ざめしてしまう。 それよりもポップなA面、特に
” Do The Strand ” や ” Editions Of You ”
といったロック色が強い曲にノイズを差し込み、毒をこっそりと撒き散らすイーノの方が好きだ。
もしかしたら、フェリーがイーノを嫌がったのも、そんなとこかもしれない。
(追加:2007年5月30日)
Pyjamarama / The Pride And The Pain : Roxy Music
ロキシー・ミュージックのセカンド・シングル。 セカンド・アルバム 『 Four Your Pleasure 』
と同時期にリリースされながら同アルバムに収録されていないという手法は、ファースト・シングルの時と同じである。
” Pyjamarama ”
は、売れ線を狙うにはちょっとキツかったかなとも思うが、『 Four Your Pleasure 』 のB面の暗黒のような内容とは大きく異なる。
一方 ” The Pride And The Pain ” は、アンディ・マッケイのオーボエとイーノのシンセサイザーをメインにした楽曲で、『
Four Your Pleasure 』 のB面の習作のような内容である。
(追加:2019年1月10日)
1974
Here Comes The Warm Jets : Eno
|
Keyboards: Nick Kool and Koolaids (7) Nick Judd (4,8) Andy
Mackay (6,9)
Guitars : Robert Fripp
(3,5,7) Phil Manzanera (1,2,4) Paul Rudolph (3.10) Chris 'Ace' Spedding
(1,2)
Bass Guitar : Busta Cherry Jones (2,4,6,8) BIll MacCormick (1,7) Paul Rudolph
(3,5,10) John Wetton (3,5)
Percussion : Simon King (1,3,5,6,7,10) Marty Simon (2,3,4) Paul Thompson (8)
Saxophone septet on 9 : Andy Mackay
Slide guitars on 9 : Lloyd Watson
Backing vocals on 6 and 7 : Sweetfeed
Extra Bass on 2 : Chris Thomas
Eno sings all other vocals and (occasionally) plays simplistic keyboards, Snake guitar, electric larynx and synthesizer, and treats the other instruments.
イーノのファースト・ソロ・アルバム。 ロキシー人脈の他、フリップやウェットンも参加している豪華盤。 (追加:2010年1月10日)
Taking Tiger Mountain ( By Strategy ) : Eno
|
Produced by Eno
Eno : Vocals, Electronics, Snake Guitar, Keyboards
Phil Manzaner : Guitars
Brian Turrington : Bass Guitar
Freddie Smith : Drums
Robert Wyatt : Percussion + backing vocals
Special Guests :
Portsmouth Sinfonia : strings on 7
Randi + The Pyramids : chorus on 8
The Simplistics : chorus on 2 + 10
Andy Mackay : Brass on 3
Phil Collins : Extra drums on 4
Polly Eltes : vocals on 4
ロキシー・ミュージック脱退後のセカンド・アルバム。
前作 『 Here Come The Warm Jets 』
でのフリップを始めとした多彩なゲストによる、「イーノのソロのお披露目だー!」的派手さは本作品にはない。 とは言え、ぶっきらぼうなまでに情緒感ゼロの楽器群とイーノによる抑揚のないヴォーカルとの絡みが、妙な統一感を出していて癖になる作品。
意外にまともな演奏をしているポーツマス・シンフォニアをフィーチャーした
” Put A Straw Under Baby ”
の静かさも不気味ではあるが、やはり特筆すべきは ” Third Uncle ”
である。 ルーズなベースに先導されるように始まる忙しない楽曲は、ヘタウマ感が爆発したイーノの代表作の一つだと思う。 801による
『 801Live 』
にも収録されているが、本作品でのスタジオ・テイクの方が遙かに破壊力を持っている。
(追加:2003年3月25日)
Dali's Car : Eno
リリースは1999年
*Brian Eno and the Winkies Top Gear / BBC Radio London /
19.2.1974
**Brian Eno and the Winkies Top Gear / BBC Radio London /
26.2.1974
Brian Eno : Vocals, Keyboards, Guitar, Synthesizer, Treatments
Gun Humphreys : Guitar, Vocals
Mike Desmarais : Drums
Brian Turrington : Bass
Phillip Rambow : Guitar, Vocals
***Brian Eno and 801 Reading Festival / 26.8.1976
Brian Eno : Vocals, Synthesizer, Guitar, Treatments
Phil Manzanera : Guitar
Simon Philips : Drums, Rhythm box
Lloyd Watson : Guitar, Vocals
Bill MacCormick : Bass, Vocals
Francis Monkman : Fender Rhodes, Clarinet
微妙にオフィシャル臭が薄い、イーノのライヴ演奏のコンパイル。
BBCで放送されたイーノとしての演奏と、801での演奏が収録されているのだが、イーノが所謂ロック系、プログレ系の演奏をライヴで披露していた時期の断片を堪能することができる。
(追加:2015年7月25日)
The Lamb Lies Down On Broadway : Genesis
|
Michael ; Bass and Twelve String Guitar
Phil ; Percussion, Vibing and Voicing
Steve ; Guitars
Tony ; Keyboards
Peter ; Voice and Flute
Enossification ; Eno
ピーター・ガブリエルが脱退する前にリリースされたジェネシスの2枚組大作。
コンセプト、ストーリー、全体像が掴みにくい作品であるこや、ガブリエルとガブリエル以外のメンバーとの嗜好の違いがあきらかになった作品として語られることが多い作品であるが、個々の曲の良さはそうしたことと関係なく堪能することができる。
作品全体を捉えようとしてないのは正しくないのかもしれないが、意外な発見があったりする。
「Enossification」とクレジットされているイーノが、どこでどう活躍しているのかよくわからない。 ” The Grand Parade Of Lifeless Packaging
” の編集作業という説もあるが、そう思って聴けばそう思えるという程度である。
(追加:2015年7月25日)
Fear : John Cale
|
Keyboards : John Cale
Guitars : Phil Manzanera, John Cale
Bass Guitars : Archie Leggatt, John Cale
Drums : Fred Smith
Girls : I & D Chanter, L Strike
Eno : Eno
ジョン・ケイルがアイランド・レーベルに移籍して発表したソロ・アルバム。
奇抜なアレンジはなく、シンプルな演奏にもかかわらず、ケイルのヴォーカルの凄みだけで、恐ろしさをも感じてしまう作品である。
こういった作品でのイーノは巧さは、「イーノが参加していること」と「イーノが参加していることを感じさせないこと」を両立させるところである。 自らの演奏楽器を 「 Eno 」
とクレジットさせているが、これは、本作品におけるイーノの位置づけを見事なまでに表現していると思う。
(追加:2017年2月25日)
Lady June's Linguistic Leprosy : Lady June
|
初期カンタベリー人脈のパトロンのような役割をしていたと言われる、レディ・ジュン(本名はジュン・キャンベル・クレイマーらしい)のソロ・アルバム。
主にケヴィン・エアーズがサウンド・プロダクツを担っているのだが、そこにノン・ミュージシャンであるレディ・ジュンの語りを中心とした声が被さってくる。
彼女の声をフィーチャーしようとした結果、バックの音は目立つことなく平坦。 それを補おうとしたのか声にエコーをかけたりする手法が今の耳には古臭く、「カンタベリー」という括りが無いと聴き続ける動機を見つけるのが難しい作品である。
イーノの参加で少しだけバラエティに富んだアレンジになってはいるが、大勢に影響は無い。
(追加:2019年4月10日)
The End : Nico
|
Nico voice and harmonium
Phil Manzanera electric guitar
Eno Synthesizer
John Cale bass guitar, xylophone, acoustic guitar, synthesizer, organ,
marimba, triangles, cabasa, glockenspiel, percussion, piano and electric piano.
Vicki Woo, Annagh Wood backing vocals
” The End ”
のカヴァーを収録したニコのソロ・アルバム。
参加ミュージシャンの豪華さ、個性が音として全く出ておらず、ニコの世界として完結しているところが、本作品の凄いところだと思う。 もちろんジョン・ケイルのプロデュースによる所もあると思うが、全てを吸収してしまうようなニコのヴォーカルが圧倒的である。
当然「イーノでなければならない」といった演奏は皆無なのだが、「イーノである必要がない」役割を見事に果たすことができるのが、イーノの凄いところだと思う。
(追加:2009年4月25日)
June 1, 1974 : Kevin Ayers - John Cale - Eno - Nico
|
エアーズがニコを誘って、ニコがケイルを誘って、ケイルがイーノを誘って、といった経緯で開催されたライヴを収録した作品。 経緯がホントかウソかはよくわからないが、とにかく豪華なメンバーによる作品だと思う。
『 Here Comes The Warm Jets 』 からの2曲、特に ” Baby's
On Fire ” の収録がそれなりに嬉しかったりするが、” The End ” の dead end
な凄まじさの前には全てが霞んでしまう。
持続音中心のイーノのシンセだけをバックに絶唱するニコも凄いが、そんなニコのヴォーカルに触発されることなくひたすら持続音を発信し続けるイーノも又凄い。 一緒に演奏することによって発生するケミストリーがゼロにも拘わらず、二人が一緒でなければ出来得なかった演奏だと思う。
4人で一緒に演奏している曲がなかったり、『 悪魔の申し子たち
』
という邦題からイメージされるドロドロした雰囲気は感じられない作品なのだが、とにかく
” The End ” だけでお腹いっぱいになってしまう。
(追加:2005年9月10日)
Hallelujah : The Portsmouth Sinfonia
Clarinets : James Lampard, Suzette Worden, Brian Eno, Tony Talbot, Susan Featherstone, Michael Flower, Sawa Savva, William Hodgson, Andrew Tomsett, Simon Turner, Noelle Sasportas
Sound Production : Brian Eno
ポーツマス・シンフォニアのロイヤル・アルバート・ホールでのレコーディング作品。
聴衆の前で演奏する、というコンセプトが前作との違いで、それ以上でもそれ以下でもないが、やはり気になってしまうのはその聴衆の反応である。
腕を組んでしかめっ面で聴く音楽では勿論ないが、稚拙な演奏をも楽しむ余裕があると言わんばかりのスノッブ達の笑い方が、余りにも鼻持ちならない。
多分イーノは、音楽的に成り立たないことをやってみたい、ただそれだけだったのだと思う。
それに対して音楽的意義が語られることについては笑い飛ばすことができたのかもしれないが、高尚な立場からご意見を宣われることについては気に食わなかったのだと思う。
本作品でポーツマス・シンフォニアとの関与を止めたイーノのセンスは、また素晴らしい。
(2017年11月10日)
1975
The Sinking Of Titanic : Gavin Bryars
|
Produced by Brian Eno
オブスキュア・レーベルの1作品目としてリリースされた作品。
ギャヴィン・ブライアーズはポーツマス・シンフォニアに参加しており、オブスキュア・シリーズへの参加はその繋がりからと思われる。
同じテーマが繰り返される中でバックの演奏に強弱が生じていく手法が両面通じて行われている。
その手法の判りやすさと、A面の「沈没していくタイタニック号で演奏されていたであろう音楽」というコンセプトからポピュラリティも高く、フォーマットを変えながら再発が続いている。
個人的にも、イーノの 『 Discreet Music 』、ペンギン・カフェ・オーケストラの 『 Music From The Penguin
Cafe 』 に次いで聴いた回数が多い作品である。
(追加:2021年5月24日)
Ensemble Pieces : Christopher Hobbs / John Adams / Gavin Bryars
Produced by Brian Eno
オブスキュア・レーベルの2作品目で、早くもこのシリーズの曖昧さが良くも悪くも表出している作品。
クリストファー・ホブスとギャビン・ブライアーズは相手名義の作品にも参加している一方、ジョン・アダムス名義の作品は、The San Francisco
Conservatory New Music Ensemble による演奏にラジオの音声と思われるものがコラージュされている。
各曲の雰囲気もバラバラで、『 Ensemble Pieces 』 というタイトルの由来もよく判らない。
イーノは全曲のプロデュースを行うとともに、" 1,2, 1-2-3-4 " ではコラージュされたようなヴォーカルが採用されている。
(追加:2021年5月24日)
Discreet Music : Brian Eno
|
Produced by Brian Eno
オブスキュア・レーベルの1作品としてリリースされたイーノの作品。 イーノ個人名義の作品ということもあり何度も再発されており、オブスキュアとは切り離されて単独で語られることも多い作品である。
A面はイーノによる演奏を、B面はギャビン・ブライアーズが指揮をしたパッヘルベルの ” カノン ” が、イーノによるテープレコーダーを使ったディレイ・システムで一度録音したものをランダムに再生しながら新たな音を重ねていく、というフリッパートロニクスのプロトタイプのような手法で編集されている。
アナログがデジタルに、テープがストレージに移行してもイーノは大枠ではこの手法を続けており、「環境音楽」というコンセプトとともに正に歴史が生まれた作品である。
(追加:2021年5月24日)
New And Rediscovered Musical Instrument : David Toop / Max Eastley
Side One Max Eastley
Side Two David Toop
|
Produced by Brian Eno
Side One にマックス・イーストレイによる楽曲を、Side Two にデヴィッド・トゥープによる楽曲を収録したがオブスキュア・レーベルからの作品。
Discogs によるとイーストレイは「音響彫刻と自作楽器」を使ったアーティストとのこと。 アルバム・ジャケットの裏には自然な力を利用して発音するだろう楽器の図が記載されており、この各楽器が奏でた曲が収録されている。
図を見る限り意図的には発音できそうもなく、偶発性を良しとするイーノ好みの作品となっている。
一方トゥープの楽曲は、クレジットを見る限り既存の楽器を使って敢えて意図せぬ発音を試みており、こちらもイーノが好む手法である。
イーストレイとトゥープのどちらが 「 New 」 でどちらが 「 Rediscovered 」 という訳ではなく、双方の試みとも 「 New
」 であり 「 Rediscoverd 」 だと思う。
(追加:2021年5月24日)
Slow Dazzle : John Cale
|
Piano, organ, clavinet, vocals : John Cale
Guitars : Chris Spedding, Phil Manzanera
Bass : Pat Donaldson
Drums : Timi Donald, Gerry Conway
Violin, electric piano : Chris Thomas
Synthesizer : Eno
Harmony ( on ' Guts ' and ' Darling I Need You ' ) : Geoff Muldaur
アイランド・レーベルからのジョン・ケイルのソロ2作品目。
初期のロキシー・ミュージックを彷彿させる演奏があったりするが、基本路線は前作の延長線上にあり、完成度が高い作品である。
『 June 1,
1974 』 に収録されていた ” Heartbreak Hotel ” の再演や、ラストの ” The Jeweller ”
などは、シンセサイザーの演奏だけではなく楽曲自体からイーノ臭がプンプンとするのだが、こうした判りやすい楽曲以外にも実はイーノが活躍していたりしそうで、奥が深い作品である。
(追加:2017年2月25日)
Helen Of Troy : John Cale
|
John Cale......Keyboards, Guitar and Vocals
Chris Spedding......Guitar
Pat Donaldson......Bass
Timmy Donald......Drums
Brian Eno......Synthesizer
ジョン・ケイルは、アイランド・レコードと契約していた短期間に3枚の作品を発表しているが、本作品はその最終作となる。
特に前作とは参加メンバーが被っているが、その印象は大きく異る。 核となるのがケイルのヴォーカルであるのは変わりない。
印象を大きく変えているのはミキシングである。
アレンジ自体に奇抜さはないのだが、ギター・ソロやキーボードが、全体との調和を無視するがごとく大きな音で時折フィーチャーされることで、楽曲全体に歪な印象が与えられている。
アイランド・レコード自体の作品はどれも傑作で、どの作品が好きになるかは個人の趣向に大きく依存すると思うのだが、そんな作品群に関与しているイーノの機を見る嗅覚も素晴らしい。
(追加:2017年2月25日)
Diamond Head : Phil Manzanera
|
マンザネラの傑作アルバム。
本作においてイーノはシンセサイザーを弾いておらず、ヴォーカル、ギター・トリートメント等が中心の演奏である。
ヘタウマ感が爆発するヴォーカルの魅力は相変わらずだが、音としての魅力は妙なうねりが感じられるギター・ソロへの加工だけである。
充実した作品であるだけに、もうちょっと目立ってくれたら嬉しかった。
(追加:2015年7月25日)
Main Stream : Quiet Sun
|
Charles Hayward : Drums, Percussion, Keyboards, Voice
Dave Jarrett : Fender Rhodes & Steinway Grand Pianos, Farfisa & Hammond
Organs, VCS3
Phil Manzanera : Electric 6 & 12 string Guitars, Treated Guitars, Fender
Rhodes, Piano
Bill MacCormick : Electric Basses, Treated Bass, Back-up Voices
with
Eno - Synthesiser, Treatments & Oblique Strategies
Ian MacCormick - Back-up Voices
マンザネラが 『 Diamond Head 』
と同時期にレコーディングした、クワイエット・サンとしての唯一の作品。
この歪な疾走感に溢れた作品が生まれた背景はつくづく謎である。
元々のクワイエット・サンとしての活動はレコーディングにまで至っていないし、チャールズ・ヘイワードの This Heat
での衝撃も本作の数年後のことで本作品からの連続性は無い。
『 Diamond Head 』 をも遥かに上回る傑作は、正に突然生み出されたのだが、個人的にはイーノの関与が大きいのではないかと考えている。
イーノが後々まで使い続ける 「 Oblique Strategies 」
が機能した結果が、本作品の成功に寄与しているに違いない。
(追加:2015年7月25日)
Ruth Is Stranger Than Richard : Robert Wyatt
Side Ruth
Side Richard
|
名作との誉れ高い 『 Rock Bottom 』 に次いでリリースされた、ロバート・ワイアットのソロ・アルバム。
本作を前後してワイアットは政治活動の比重を高めたとのことで、結果次作まで7年近くブランクが開いてしまうのだが、そういった背景とは一切関係なく充実した演奏とワイアットのヴォーカルが織りなす世界は美しく格好良い。
後のワイアットの作品では意図的に個性を出さないような演奏をしているイーノも、本作品では訳の分からないクレジットとともに存在感を充分に示している。
(追加:2016年1月10日)
Peter And The Wolf : Various Artists
|
多彩なメンバーが参加していることもあり語られる機会の多い本作品は、プロコフィエフの
『 ピーターと狼 』
のロック版。 難解度ゼロのストーリーに併せ、各楽器が登場人物の役割を与えられている。
イーノのシンセサイザーの役割は、物語のなかでも重要な役割(笑)である敵役の狼。 この時期、イーノは既に
『 Discreet Music 』
をリリースしていたこともあり、環境音の便利屋として使われる可能性もあったわけだが、準主役を与えられたことが幸いしたのか、ビヨヨ~ンとシンセでメロディをちゃんと演奏している。
特に ” Wolf And Duck ”
におけるノイズ混じりのシンセサイザー・ソロは素晴らしく、ロキシー時代、初期ソロ作品においてもこれほど格好良い演奏はない。
アルバム全体の出来もよいが、イーノの演奏だけでも充分元が取れる「買い」の作品である。
(追加:2004年3月25日)