1982
Ship Arriving Too Late To Save A Drowning Witch : Frank Zappa
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Steve Vai Impossible Guitar Parts
スティーヴ・ヴァイの名前が広く知られるきっかけとなったフランク・ザッパの作品。
ヴァイは1981年頃からザッパと活動しており本作前にも複数の作品に参加していたのだが、その全てがザッパ得意の長尺かつ初心者向けの内容ではなかった。 一方本作品は1枚もので内容も判りやすくセールス面で成功したこともあり、ヴァイのその後の活動展開に大きく寄与したと言える。
ヴァイのギターは、シングル・カットされた ” Valley Girl ” を含むA面よりも、B面での活躍度が高い。 なんだか不思議なギターが鳴りまくっており、正に Impossible Guitar である。
(追加:2025年8月25日)
1984
Flex-Able : Steve Vai New!
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スティーヴ・ヴァイのファースト・ソロ・アルバム。 1984年にリリースされた後、1988年に「 Leftovers 」をボーナス曲として加えてリリースされている。
例えば Disk UNION に行った時、ある程度以上の作品を所有しているミュージシャン/バンドのコーナーは必ず見ると思う。 その結果思わぬ作品に出会えるという喜びがあるのだが、同時にある程度以上の確率で必ず置いてある安値がついた作品の存在に気付いてしまう。 ヴァイの本作品は正にそれである。
1988年というのはホワイトスネイクでの活動、そして名作 『 Passion & Warfare 』 リリースの前後だが、本作がレコーディングされた1984年頃はフランク・ザッパとの活動から離れた直後である。 ハード・ロック系のスーパー・ギタリストの作品を期待して購入しても、殆どはザッパの影響が強く残った実験的で敷居の高い楽曲で、期待にはそぐわず売却するというパターンなのだと思う。
もちろん人のしゃべりを模した ” Next Step Earth ” や、人のしゃべりとユニゾンする ” So Happy ” を始め異次元のギター演奏は満載で、ヴァイのギターを楽しみたい、という欲求には見事に応えてくれる。
(追加 : 2026年1月10日)
Flex-Able Leftovers : Steve Vai
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リリースは1998年
『 Flex-Able 』 及び 『 Flex-Able Leftovers 』 について改めて整理してみる。
1984年に 『 Flex-Able 』 が11曲入りでリリースされた後、同年8曲入りの 『 Flex-Able Leftovers 』 がリリースされる。 その後1988年に 『 Flex-Able 』 が再発される際に、『 Flex-Able Leftovers 』 から4曲がボーナス・トラックとして追加収録される。 それから更に10年後の1988年に 『 Flex-Able Leftovers 』 が再発される際に5曲( ” #?@! Yourself ”、” Natural Born Boy ”、” Massacre ”、” San Sebastian ”、” The X-Equalibrium Dance ” )が追加されている。
ここで紹介するのは最後の1988年の再発 『 Flex-Able Leftovers 』 である。
レコーディング時期からしてやはりフランク・ザッパの影響が色濃く出ている楽曲が多い。 ギター・パートの凄さはスティーヴ・ヴァイならではなのだが、曲調、ヴォーカルの使い方はザッパそのものである。 この後ヴァイがハード・ロック・バンドに加入したことは、脱ザッパという観点では大正解だったのかもしれない。
(追加 : 2026年1月10日)
1985
Disturbing The Peace : Alcatrazz
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Graham Bonnet Vocals and Backing Vocals
Steve Vai Guitars and Backing Vocals
Jimmy Waldo Keyboards and Backing Vocals
Gary Shea Bass
Jan Uvena Drums, Percussion and Backing Vocals
グラハム・ボネットのバンド、アルカトラスのセカンド・アルバム。
マイケル・ジャイルズも参加しているレインボー加入前のソロ・アルバム 『 Graham Bonnet 』 も、メル・コリンズが参加している脱退後のソロ 『 Line Up 』 も、ボネットが本来志向しているポップな面がよく出た作品だと思っている。 レインボー、MSG、そして自らのバンドであるアルカトラスでも当初はイングヴェイ・マルムスティーンを迎えたハードな路線だった理由が、当人の意向よりも当人に求められていたものが優先されたためだったとしたらフラストレーションは相当溜まっていたのではないかと思う。
本作品は滅茶苦茶速弾きができるけどヘヴィ・メタルにはなりきらないスティーヴ・ヴァイのギターがフィーチャーされたことで、独特な味わいのある作品となっている。 ただ初聴から感じたバンド感の希薄さ通り、ヴァイは直ぐに脱退してしまっている。
(追加:2025年8月25日)
1986
Album : Public Image Ltd.
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『 Metal Box 』 から 『 Flowers Of Romance 』 をほぼ現役体験してしまった世代として、Public Image Ltd. にはキング・クリムゾンに対してとはまた異なる思い入れがある。 『 Metal Box 』 のオリジナルを探し求めたり、初来日公演での ” Anarchy In The UK ” で心中複雑な盛り上がりをしたことは今でも強烈に覚えている。
頓挫した 『 Commercial Zone 』 から制作し直された 『 This Is What You Want... This Is What You Get 』 こそ期待外れだったが、『 Album 』(リリース当時は未だCDプレイヤーを所有していなかったので 『 CD 』 とは書き難い)はお気に入りであった。 ブルース色が薄いハード・ロックにジョン・ライドン独特のヴォーカルが絡むのは、『 Flowers Of Romance 』 までのPiLとはまた異なる魅力があった。
スティーヴ・ヴァイはプロデューサーのビズ・ラズウェルに呼ばれて、アルカトラズのツアーの途中に短時間のセッション参加をしたらしい。 参加楽曲が明確にクレジットされていないが、ほぼ全曲にアクロバティックなギターが挿入されているだけに全面参加しているのではないかと思う。
(追加:2025年8月25日)
Eat 'Em And Smile : David Lee Roth
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The Band
David Lee Roth : Vocals
Steve Vai : Guitar
Billy Sheehan : Bass
Gregg Bissonette : Drums
ヴァン・ヘイレンを脱退したデヴィッド・リー・ロスのソロ・アルバム。
スティーヴ・ヴァイ、ビリー・シーンといったメンバーが揃っているのは、音楽志向の合致というよりも、エドワード・ヴァン・ヘイレンに負けないテクニカルな演奏をバックにロスが豪快に唄うというコンセプトありきのものだと想像している。
そしてその狙いは見事に成功しており、ベタベタとした情緒が全く感じられないカラッとしたサウンドで、ビルボード4位を獲得している。
コミカルではないにもかかわらず、その豪快さに思わず笑ってしまう ” Yankee Rose ” を筆頭に作品としての完成度は高い。
個人的にはその ” Yankee Rose ” のイントロでのロスのヴォーカルを真似るヴァイのギターには相当惹かれている。
(追加:2025年8月25日)
1988
Skyscraper : David Lee Roth
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デヴィッド・リー・ロスのセカンド・アルバムで、スティーヴ・ヴァイ、ビリー・シーンが参加した超技巧派バンドとしては本作品がまでとなる。
前作との大きな違いは、プロデュースをヴァン・ヘイレン時代からのテッド・テンプルマンではなくロス自身が行っていることである。 ロスにしてみればより自分自身がやりたい目指す方向性を出せたのかもしれないが、シンセサイザーの活躍が目立つ大味のサウンドになってしまっている。 このあたり、プロデユーサーによる第三者視点の重要さを物語っているのではないかと思う。
ロスが狙ったことなのかもしれないが、ヴァイのギターはより早くテクニカル面が徒に強調された内容になっている。
(追加:2025年8月25日)
1989
Slip Of The Tongue : Whitesnake
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Unfortunately due to injury, Adrian was unable to perform on this recorded work. Our thanks to Steve for fulfilling all guitar responsibilities
ホワイトスネイク、というかデヴィッド・カヴァデールがプロフェッショナルを極めたハード・ロック・アルバム
『 Slide It On 』 以降のメンバー変更の連続がカヴァデールが自身の理想を具現化するためのものだったとすると、本作レコーディング時のエイドリアン・ヴァンデンバーグの不参加と代役としてのスティーヴ・ヴァイの起用は唯一計算外であったのかもしれない。 ただそれをもろともせず本作を完成させたのはカヴァデールの執念に他ならない。
ヴァンデンバーグのツアーでの復帰を前提にしたヴァイのツイン・ギター演奏は見事だと思う。 ” Fool For Your Loving ” についても、私は本作より先に 『 Ready An' Willing 』 でのオリジナル・テイクを聴いていたが、全く別物として楽しむことができた。
(追加:2025年8月25日)
Super Girl ( Super Remix ) : Rebecca New!
レベッカがその活動末期にリリースしたシングル。 スティーヴ・ヴァイが ” Super Girl ( Super Remix ) ” にリード・ギターとして参加している。
メンバーの他にもう一人ギタリストがゲスト参加しているが、最初と最後の40フレット位まで駆け上るギター・ソロと、ツイン・ギター・ソロはヴァイが演奏していると思われる。
(追加:2026年1月10日)
1990
Passion And Warfare : Steve Vai
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スティーヴ・ヴァイがフランク・ザッパの元を離れ、いくつかのバンドに参加(客演?)しながらその名を拡げていき、ホワイトスネイクでの活動中に発表したソロ・アルバム。
各曲とも練りに練られたギター・オーケストレーションによって構築されており、構想から時間をかけ発表するタイミングまで計算されつくされた作品である。 個人的にもヴァイのソロ作品の中でも最もお気に入りで、” Erotic Nightmare ”、” I Would Love To ”、そして ” Greasy Kid's Stuff ” といったキラー・チューンはしばしば単独でも聴いたりしている。
一方活動中のホワイトスネイクでは ” For The Love Of God ” や ” The Audience Is Listening ” が披露されており、本作のプロモーションに大きく寄与している。 このあたりホワイトスネイクへの加入にあたり強かな契約が締結されていたのかもしれない。
(追加:2025年8月25日)
1993
Sex & Religion : Vai New!
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Devin Townsend - Lead Vocals
T. M. Stevens ( aka Shaka Zulu ) - Bass & Vocals
Terry Bozzio - Drums & Percussions
Steve Vai - Everything Else
名作 『 Passion And Warfare 』 後に Vai というバンド名義で発表された作品。
バンド形態にしてヴォーカル・パートが入ること自体が制限事項になっているように思える。 デヴィッド・リー・ロスやデヴィッド・カヴァデールのようにヴォーカリストとしてのキャラがたっていれば、ソロどころかヴォーカル・パートでも自由に演奏できたのだろうが、張り合えないヴォーカリストに遠慮をしているかのようにスティーヴ・ヴァイのギターが弾ききれていないのが残念である。
結局バンドとしての Vai は長続きせずヴァイはソロ名義で作品をリリースし続け、次に参加したバンドは30年後の BEAT だったりする。
(追加 : 2026年1月10日)
1995
Alien Love Secrets : Steve Vai New!
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Steve - All Guitars, Bass, Keyboard & Drum Programming
Deen Castronovo - Drums on " Die To Live "," The Boy From Seatle ", " Kill The Guy With The Ball" & " Tender Surrender "
Julian Vai - Munchkin Vocals on " Ya-Yo Gakki "
Tommy Mars plays organ on " Tender Surrender "
再びソロに戻り、制作中だった 『 Fire Garden 』 を一旦休止してレコーディングされた作品。
『 Fire Garden 』 の制作にどれ程のプレッシャーがあったのか判らないが、そのプレッシャーから解放されたのか思いついたことをそのまま実行に移しかつそれが上手く廻っているように思える。 重いリフとテクニカルなギター・ソロやアーミングの絡みが心地よく、派手さを抑えかつコンパクトにまとめた 『 Passion And Warfare 』 といった内容である。
個人的にはこの路線を聴き続けたかったのだが、ヴァイ本人の思いは次第に次の方向に向かっていったのだと思う。
(追加 : 2026年1月10日)
1996
Fire Garden : Steve Vai New!
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Phase 1
Phase 2
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Phase 1 にプログレ的組曲 ” Fire Garden ” を含むインストを、Phase 2 にスティーヴ・ヴァイ自らのヴォーカルをフィーチャーした楽曲を集めた作品。
インストとヴォーカル曲がバラバラに配置されていればアルバム全体を聴く機会はもっと増えたと思うのだが、どうしても Phase 1 中心に聴いてしまう。 それは勿論 Phase 1 があまりにも格好良いということもあるのだが、Phase 2 ではヴォーカル・パートがあることがヴァイのギターを邪魔しているように思えてしまうからである。 ヴォーカル曲を創ること、そしてそれを自ら唄うことについてはヴァイとしてこだわりがあるのだろうが、聴く側としては派手でトリッキーなギターを聴きたいという思いの方が勝ってしまう。 『 Sex & Religion 』 でも述べたが、ヴァイのギターに対峙できる程のヴォーカリストを迎えないとこの点の解消は難しいと思う。
(追加 : 2026年1月10日)
1997
Merry Axemas : A Guitar Christmas New!
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Album concept by Steve Vai
スティーヴ・ヴァイが取りまとめを行った、ギタリストによるクリスマス・アルバム。好きなギタリストや気になるギタリストが、誰でも一人や二人や三人……と参加している豪華な内容である。
ヴァイは取りまとめの立場を正しく利用して、自身のソロ・アルバムでの定番である「7曲目でのハード・ロック・バラード」を収録している。
(追加 : 2026年1月10日)
1999
The Ultra Zone : Steve Vai New!
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Vai 名義の 『 Sex & Religion 』 を含めるとスティーヴ・ヴァイの7枚目のソロ・アルバム。 7という数字にこだわりを持つヴァイにとっても記念すべき作品のはずである。
ハード・ロックの出自でないにもかかわらず、ヴァイのギターはハード・ロックと相性が良い。 疾走感溢れる楽曲に閃走するギターが絡むところや、ゴージャスなハード・ロック・バラードに早すぎるギターが絡むのを聴くと、笑うという手法以外でその感動を表現することができなくなってしまう程である。
残念ながら本作品にはそうした楽曲は殆ど無い。 ヴァイ自身としてみれば迷っているわけではなく色々なことを試しているだけなのだろうが、実験的な面が強く出過ぎて今ひとつ乗り切れなかったりする。
大好きなギターリストなのだが、この時期のヴァイの作品は個人的にはちょっと敷居が高く感じられてしまう。
(追加 : 2026年1月10日)