1986
Wetton Manzanera ( One World ) : Wetton Manzanera
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Lead Vocals, Backing Vocals, Bass, Guitar and Keyboards
つかず離れず、という関係は本作品を出すまでのウェットンとマンザネラとの関係を言うのであろう。 お互いの作品に客演したり、ロキシー関連の作品で共演こそするものの、一緒に作品をつくることなどなかったのだから。
しかしつかず離れずの関係である以上やはりくっついてはいけないわけで、本作品の失敗後二人の共演は、マンザネラの
『 Southern Cross 』 のみになってしまう。
下世話なシンセ、マンザネラである必然性ゼロのギター、思い出したかのようにブリブリするウェットンのベース、時々ハッとするような美しいメロディ、と玉石混合の作品である。
” Talk To Me ” はアウトテイクで、マンザネラの 『 The Manzanera
Collection 』
に収録されていたもの。 CD化の際に追加収録されたが、実際には10曲目に収録されており、”
Have You Seen Her Tonight? ” が最終曲である。
(追加:1999年11月10日)
1987
King's Road : John Wetton
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Compiled by John Wetton
EGでの編集盤。 ウェットン名義になっているものの、クリムゾン、UK時代の共作まで含まれていて、過去のバンド時代の曲に頼っている現在のウェットンのライヴ活動を予見したような作品。。
クレジットこそされているものの、ウェットンがどこまで選曲に関与しているのかはわからないが、それでもやはり名曲が多く、「昔のウェットンでもちょっと聴いてみるか」なんて時には結構重宝する。
(追加:2001年7月10日)
Don't Leave Me Now : Vow Wow
Produced By John Wetton
Arranged By John Wetton And Vow Wow
ウェットンをプロデューサーに迎えた
Vow Wow
のシングル。 シングルなのに見開きのジャケット、期するところがあったのだろうが、爆発的なヒットには結びついていない。
クレジットこそされていないが、厚見玲衣氏のインタビュー( 『
Euro-Rock Press Vol.7 』
)によると、ウェットンはコーラスも担当している。
曲自体はハードなギターにシンセが絡む大味なアレンジで時代を感じさせる。
(更新:2003年11月25日)
Revive : Vow Wow
Produced By John Wetton
Arranged By John Wetton And Vow Wow
John Wetton : Guest Bass Guitars 1
ウェットンのネーム・バリューを最大限活用するため、EPに続いて発売されたミニLP。
” Don't Leave Me Now ( Remixed & Extended Version )
”
には、ウェットンがベースを演奏している旨クレジットされているが、シングルに収録されているバージョンのほうがベースは目立っている。 コーラスがクレジットされていないのと同様に、両ヴァージョンともウェットンのプレイが収録されている可能性が高い。 このあたりは、『
Euro-Rock Press Vol.7 』
での厚見玲衣氏のインタビューで明確になればうれしかった。
シンセによるイントロ部分が終わった後唐突に挟み込まれるベースのブリブリ、これは是非ウェットンであってほしい。
(追加:1999年11月10日)
(更新:2003年11月25日)
Over The Top : Original Motion Sound Track
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正直に言って、これは醜い。
プロデューサーであるジョルジオ・モルダーによるものと思われる安っぽいシンセの上に、ウェットンの情けないヴォーカルが被るだけのだけの曲。
この時期エイジアとして活動していないことは明かであり、エイジア・ブランドを利用され、サントラの穴埋めにされただけにすぎない。
(追加:1999年11月10日)
1988
Dream Runner : Phenomena II
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ヘビー・メタルを格好悪くする3大要素は、デジタル・シンセ及びサンプリングの多用、サビでヴォーカルに過剰なまでにかかるエコー、歪んでいるにも拘わらずクリアにレコーディングされているギターだと思うのだが、その3大要素が見事なまでに組み込まれているヘビー・メタルのセッション・アルバム。
ニール・マーレィが参加しているため仕方がなかったのかもしれないが、ウェットンにはヴォーカルだけではなくベースも弾いてもらいたかった。
本セッションに参加したことがきっかけで、スコット・ゴーハムが再結成エイジアに加入することになる。
(追加:1999年11月10日)
1990
Then & Now : ASIA
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エイジアとしての活動再開にあたり、ゲフィンよりリリースを強要されたアルバム。 中途半端な新曲を本作に収録しているにも拘わらず、何故か馬鹿売れした。
90年代以降、ウェットンはスタジオ・アルバムをじっくりと制作することなくライブ・アルバムを多発することになるのだが、そのきっかけは、本作及び本作リリース後のモスクワでのライブ・アルバムだと思われる。
ベスト・アルバムで復活宣言→ライブ大入り→充実した新作発表という段階を踏んでいれば、今頃別な人生を歩んでいたと思うのだが。
(追加:1999年11月10日)
Andromeda - ASIA's Greatest Hits Live : ASIA
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リリースは1991年
映像作品としてリリースされている本作品におけるウェットンは、格好良い。 本当に格好良い。
ヴォーカルには伸びがあるし、ベースもブイブイ、足下のベース・ペダルを要所で演奏する姿も格好良く、短期間で再結成エイジアから脱退したことが悔やまれる程充実した姿。
選曲が良い上に、バンドとしての演奏も充実しており作品としての完成度は非常に高い。 パット・ストロールが口をだらしなく開けながらソロを弾く姿には閉口するが、こぢんまりとしたステージでの演奏が逆に功を奏し、映像的にも完璧でおすすめの作品。
(追加:2001年4月10日)
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リリースは1997年
Lead Vocals and Bass
ライブ・ビデオとして販売されていた
『 Andromeda 』
が、1997年になってCDとして発売されたもの。 録音レベルが低いという欠点こそあるものの、エイジアの公式ライヴとしては、本作品がベストだと思う。
ウェットンはヴォーカルもさることながら、リード・ベースをブリブリいわせており、気合いがかなり入っている。 ブランクがあっただけに、それなり以上の練習を重ねたものと思われる。
(追加:2001年4月10日)
Live In Hyogo : ASIA
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リリースは2003年
From The ASIA Archives シリーズによる、1990年9月24日に兵庫のアルカイック・ホールでのライヴを収録した作品。 音質は悪く、風呂場でラジカセをならしているような音。。
再結成、『 Then & Now 』
のリリース&ヒット、ウェットン入りでの初来日、しかもその初日ということもあり、観客の盛り上がり方は凄い。 特に、後にウェットンのライヴ盤で嫌と言うほど聴かされることになるとは露とも知らず、クリムゾンやUKの楽曲への反応は尋常ではない。 その気持ちはわかる。 事実私も数日後サンプラザで絶叫していた。
演奏自体は初日ということもあり、まとまりがかけるところもあるが、バンドとしての完成度はやはり高い。 1年足らずで再結成エイジアが解体してしまったことが、あらためて悔やまれる。
(追加:2004年7月25日)
Dragon Attack : ASIA
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リリースは2003年
From The ASIA Archives シリーズによる、1990年10月1日の中野サンプラザでのライヴを収録した作品。 音質は
『 Live In Hyogo 』 よりはましだが、悪いことには変わりない。
聴き所は、” Sole Survivor ”
演奏後の「キミタチサイコダヨ」だと思う。 UKの 『 Night After Night
』
でシビレタ決め台詞の復活! ということで大いに盛り上がった記憶があるのだが、こうやって音源を聴いてみると、既にギャグとして笑いをとっていることが良くわかる。 特に最後に「出た!」という観客の声が収録されているのが秀逸だと思う。
連日のライヴの成果か、演奏は先の 『 Live In Hyogo 』
より手堅い。 ただこの時期のエイジアはセットリストに大きな違いがなく、細かな違いを楽しむことができないため、音源発掘(というよりブートの流用)は打ち止めとしてもらいたい。
(追加:2004年9月10日)
Live In Moscow : ASIA
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リリースは1991年
Lead Voice, Bass Guitar, Grand Piano(*), Acoustic Guitar(**)
モスクワでのライブ・アルバム。 ベスト・ヒット的な
『 Live In Nottingham 』 と比べて若干マニアックな選曲になっている。
当然クリムゾン・ナンバーに耳がいくわけだが、残念ながらウェットンはピアノやアコースティック・ギターを演奏しており、ベースは演奏していない。
エイジアの曲ではベースをそれなりにブリブリ言わせているだけにもったいないとも思うのだが、開き直って完コピをする最近のウェットンに比べて、まだこの頃は良い意味での照れがあって別アレンジをしているのであろう、とまで書いたら深読み過ぎだよね。
(追加:1999年11月10日)
ASIA Live In Moscow : ASIA
リリースは1991年
Acoustic Guitar, bass, lead vocals
格好よいなぁ、エイジア。格好良いなぁ、ウェットン。
音源、映像作品とも何度か再発が続いているモスクワでのライヴだが、2003年にクラッシック・ロック・リジェンズからDVDでリリースされた作品を観ているとあらためて、格好良いと思う。
オリジナル・エイジアのまともなライヴ音源、映像が残っていないことは確かに残念でならない。(あるのかもしれないけど) しかし本作品やノッティンガムでのライヴ映像を観ていると、この時期のエイジアのバンドとしての完成度の高さに素直に感動することができる。
映像からも口臭がただよってくるようなパット・ストロールのだらしなく開いた口、ダウンズのピエロのような赤いズボンとサンダルのような中途半端な靴、パーマーのドラム・ソロでの意味もない上半身ヌードとか、情けないところもあるが、黒の皮のパンツを穿きこなし、タウラス踏みながらベースをブリブリ、ノビのある声で朗々と歌い上げるウェットンを観ていると全てが許されると思う。
個人的には、” The Heat Goes On ”
において、ショルダー・キーボードでステージ全面に出てきたダウンズとウェットンがのけ反りながら背中合わせで演奏する場面で、そのあまりの格好良さに5mlほど失禁してしまった。
(追加:2003年11月10日)
Southern Cross : Phil Manzanera
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ウェットン&マンザネラでの扱いに余程不満が残っているのであろうか。 そう思うわざるえない程マンザネラのウェットンに対する仕打ちは酷い。
ベースは弾かせない、リード・ヴォーカルはとらせない、バック・コーラスだけの参加はないだろうと思う。 まぁ、断らなかったウェットンもいけないとは思うけど。
なお、本作品にはコリンズも参加している。
(追加:1999年11月10日)