1976
High And Mighty : Uriah Heep
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Bass, Guitar, Mellotron, Electric Piano, Vocals
デヴィッド・バイロンを差し置き、いきなりウェットンがリード・ヴォーカルをとる
” One Way Or Another
”
は、実は曲としてもそれほど格好良くはなく、ウェットンのヴォーカルも高音にのびがなく聴いていてちょっと辛かったりする。
ウェットンが作曲に絡んでいるのは2曲。 ” Weep In Silence ”
は大した曲ではないが、” Footprints In The Shadow ” ではプリプリ (
ブリブリの一歩手前の音と思って下さい )
したベースで裏メロを弾きまくり格好良い。
逆に ” Can't Stop Singing ” や ” Woman Of The World ”
といったウェットンが作曲に絡んでいない曲の方がウェットンのベースを堪能することができる。
Let's Stick Together : Bryan Ferry
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Bass
EP、シングルB面の編集盤としてリリースされているだけに、曲の趣向はバラバラなアルバム。 そのためかウェットンのプレイも色々なパターンが楽しめて、実はお得な一枚。
ポップにはねる ” Let's Stick Together ” や ” The Price Of Love ”
。 ロキシーの原曲のベースに妙なフックをくわえる ” Casanova ” や ” Re-Make / Re-Model
”、ポール・マッカートニーのベースをコピる ” It's Only Love
”、セッション・プレイに徹底する ” You Go To My Head
” と ” Hear On My Sleeve
"。 ほんとお買い得。
また、ソプラノ・サックスとして、メル・コリンズもクレジットされている。
Vocals on Track 4, Side One. Steve Harley.
Vocals on all other Tracks. John Wetton.
Duncan Mackay : Keyboards, Yamaha Grand Piano, Hammond B3, Clavinet D6, Wurlitzer 200,
Roland Sequencer, ARP 2600, ARP 2800, ARP 2701, ARP 2100, ARP 2200.
Clive Chaman : Bass, Fender Precision Bass.
Andrew McCulloch : Drums
& Percussion.
Mel Collins : Flute (
Side 1, Track 4 )
Members of the London Symphony Orchestra (Side 1, Track 1.)
Produced by John Wetton
ウェットン初のプロデュース作品。 過去の実績から考えれば、ウェットンにプロデュース能力など期待されるわけなどなく、当然名前貸しだと思われる。 ベースでの参加はなく、ヴォーカルのみの参加であるのも残念。
ヴォーカルの出来具合としては、” No Retrurn ” のほうが
” Pillow Schmillow ”
よりまし。
1977
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個人的にはフェリーのソロ・アルバムの中でもお気に入りの1枚なのだが、残念なことにクレジットが正確になされていないため、ウェットンがどの曲に参加をしているのかは不明である。
ブリブリ、バリバリとベースをならしてくれると嬉しいのだが、ウェットンの場合他人のアルバムにゲスト扱いで参加した場合あまり自己主張しないことが多く、欲求不満がたまってしまう。
また、本作品にはコリンズもクレジットされている。
1978
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Voice And Bass
セッション的な仕事しかしていなかった (
できなかった )
ウェットンとブルーフォードにとって会心の作品であり、プログレ名盤
( の最後のほう ) に挙げることができる作品。
作品の内容については特に述べることはないが、クリムゾン解散後のウェットンの活動が何も活かされていないことは、やはり特筆すべき事だと思う。 ウェットンがまさにセッションとしてしか仕事をしていなかったことを後付で見事に証明した作品である。
Live Toronto, June 26th 1978 : UK
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リリースは2019年
Bill Bruford (Drums), Allan Holdsworth (Guitars), Eddie Jobson (Keyboards & Electric Violin), John Wetton (Bass & Vocals )
Live from the El Mocambo, Toronto on June 26th 1978.
2019年にリリースされた1978年のライヴ3枚の内、最初期の作品。
ファースト・アルバム 『
U.K. 』 がイギリスでパンクが隆盛していた時期にリリースされたこともあってか、U.K. は北米でも長期ツアーを行っている。 そのため各地の
FM放送局がレコーディングした音源が、数々の海賊盤化を経てハーフ・オフィシャル(多分)としてリリースされた。
本音源では、後に Bruford
の 『 One Of A King 』 に収録される ” The Sahara Of Snow ” が収録されている。
ただカッチリと楽曲はビル・ブルッフォード好みだったかもしれないが、U.K. では窮屈そうな演奏に思える。
それよりも、『 Danger
Money 』 に収録される ” Carrying No Cross ” の16分弱にも及プログレッシヴな展開が面白い。
(追加:2019年10月25日)
Concert Classics Volume 4. : UK
リリースは1999年
Eddie Jobson - electric violin, keyboards
John Wetton - lead vocals, bass guitar
Allan Holdsworth - guitars
Bill Bruford - kit drums and percussion
Recorded in 1978, Boston, Massachusetts
CDの曲順が実際のライブと同じであるとするならば、前半のウェットンは声もあまり出ておらず、ベースも平凡でつまらない。 が、” Carrying No Cross ”
のインスト部からベースがブリブリ鳴りだし、そのままブルーフォードとのユニゾンに突入し先ず昇天することができる。
” Thirty Years
”
もベースの音が異様に太くなりブリブリバリバリ。 タウラス・ペダル・ベース・シンセサイザーも鳴りまくり。
” In The Dead Of Night
” から ” Caesar's Palace
Blues ”
の流れの中では、若干ベースがおとなしくなるものの、それでも充分堪能することができる。
Live In Boston 1978 : UK
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リリースは2019年
Bill Bruford (Drums), Allan Holdsworth (Guitars), Eddie Jobson (Keyboards & Electric Violin), John Wetton (Bass & Vocals )
Live from the Paradise Theater in Boston, on September 11th 1978.
2019年にリリースされたライヴの1枚。
ボストンのパラダイス・シアターの音源は、既にハーフ・オフィシャルとしても 『 Concert Classics Vol.4 』
としてリリースされている。
本作のライナーには新たに「オリジナル・マスターが発見」と記載されているが、まぁ、いつもながらの表現だと思って聴けばよいレベルである。
Bruford の 『 One Of A Kind 』 に収録される ” Forever Until Sunday ” が収録されているが、やはり
U.K. の作品に収録されなかったのも判る気がする。
(追加:2019年10月25日)
Live.... Agora Ballroom, Ohio 1978 : UK
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リリースは2019年
Bill Bruford (Drums), Allan Holdsworth (Guitars), Eddie Jobson (Keyboards & Electric Violin), John Wetton (Bass & Vocals )
Live from the Agora Ballroom, Cleveland, OH on November 9th 1978.
2019年に U.K. のライヴは3枚リリースされたが、内容的に一番濃い作品である。
ファーストと 『 Danger Money 』
の2枚からのバランスの良い選曲と、ライヴを重ねたことにより演奏そのものが熟れたことが完成度を高めている。
ただアラン・ホールズワースのギターは、楽曲の一部として上手く構成されているものもあれば、「はい、ここからがホールズワースのギター・ソロですよ」といった感じで唐突感のある演奏がそのまま提示されたりする。
この辺り、この後のビル・ブルッフォードの脱退よりもホールズワースの脱退の納得感の方が高いことにも繋がっている。
何れにせよ、今回の4人編成のライヴに続き、3人編成でのライヴの蔵出しを期待したい。
(追加:2019年10月25日)
The Bride Stripped Bare : Bryan Ferry
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Bass
ウェットンの参加は、最終曲 ” This Island Earth ”
のみ。
「 メランコリックなベース 」
という表現に多分該当すると思うのだが、ウェットンにそんなことされてもちっとも面白くない。
また、本作品にはコリンズもクレジットされている。
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”Numbers ”
は、マンザネラ、サイモン・フィリップスとのトリオにも拘わらず、ベースは演奏せず歌うだけ。 エイジア時代ほど声が出ておらず、あまり面白くない。 フィリップスとのデュエットの完成度が今一つであったため後からヴォーカルを被せました、といったところか。
曲の前後半で極端なまでに印象が変わる ” Walking Through Heaven's Door ”
は、前半の穏やかなベース・パートが多分ウェットン、後半のベースはビル・マコーミックと思われる。 また、本曲ではコリンズがソプラノ・サックスを演奏している。
801での成果が現れた結果なのか、『 Diamond Heads 』
と比べてウェットンのウェイトは極端なまでに低い。
1979
Danger Money : U.K.
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Lead Voice & Bass
プログレ・アルバムとして優秀な作品であることは事実だと思う。 ドラマーがテリー・ボジオに交代したためか、アンサンブルを重視した(?)変拍子も格好良いし、” Nothing To Lose ”
のような名曲もある。
ただ視点をウェットンにおくと、やはりこの作品は中途半端だと思う。 クリムゾン時代のような凄まじいベース・プレイがあるわけでもなく、エイジア時代のようにポップな作品で浪々と歌い上げることもない。
U.K.というバンド自体は好きなのだが、ウェットンのこととなると欲求不満が残る。
Night After Night : U.K.
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Lead Voice And Bass Guitar
広く知られているとおり、本アルバムはU.K.のライブをそのまま伝えるものではない。 曲順の大幅な変更、オーヴァー・ダブ、差し替え等加工されている部分が非常に多いライブ・アルバムである。
元々インプロを主体とした緊張感あふれるライブを行っていたバンドでは無いだけに、加工されていることがマイナス要因になることも無く、むしろ曲の整合感が出て良い結果となっている。
ウェットンのヴォーカル、ベースとも上記観点からみると完成度は非常に高い。
I Wish You Would : Jack-Knife
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Lead Voice ,Bass, Keyboards
ジャック・ナイフ名義にはなっているものの、実質的にはウェットンのソロ・アルバム。 ウェットンはU.K.のファーストをレコーディングした直後の1978年2月に本アルバムをレコーディングしている。
作品自体はブルースよりのロック・アルバムといったところで、ウェットンのヴォーカル、ベースともそれ風のもの。 凄まじいプレイはないものの、他人のアルバムでの中途半端なセッションより楽しむことができる。
とは言え、この路線を続けなかったことはウェットンの選択の中では
( 珍しく ) 正しかったと思う。
1980
Caught In The Crossfire : John Wetton
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Voices, lead guitars, basses, keyboards
下世話なポップス・アルバム。 これは決してけなし文句ではなく誉め言葉。 本作品をプレ・エイジア的とらえ方する聴き方もあるが、エイジアのゴージャスさ
( これも決してけなし文句ではない )
は欠片もなく、別系列ととらえたほうが楽しむことができると思う。
ヨーロッパの場末のライブ・ハウスで演奏されていそうな楽曲群は、聴いていると確かにはまる。 ” Turn On The Radio ”
などは、知らずに口ずさんでいる自分に気づいたことがなんどかあり、その度に自慰行為を目撃されたときのような
( そんな経験ないけど ) 恥ずかしさを覚える。
1999年にリリースされたCDにはボーナス曲が2曲収録されているが、多分 『 Voice Mail 』 時のアウト・テイクと思われる。 当然つまらない。
Mail Order Magic : Roger Chapman
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バック・バンドには一応 The Short List
なる名前がついているものの、実質はチャップマンのソロ・アルバム。 クレジットは明確にされていないためどの曲に参加してるかもよくわからない。
ファミリーの恩もあるのだろうが、ここまで地味なアルバムで、ここまで地味な演奏をしなくてもよいのではと思うのだが。