1986
Mujician II : Keith Tippett
Piano solo
Recorded Live On June 13th, 1986 During The "Just Music" Concert Series At The FMP-Studio, Berlin
キース・ティペットの 「 Mujician 」
シリーズの2作品目で、前作から5年後のレコーディングとなる。
長尺1曲をLPフォーマットのため2曲に分けたのではなく、1曲めが終了したところで観客の拍手も収録されている。
プリペイドピアノを多用した1曲めも、低音の不気味なフレーズから始まる弾きまくりの2曲めも、どちらもいかにもティペット!、と言わんばかり内容である。
ただ、マイクの設置位置の問題だと思うが、ピアノの低音部がこもりながら割れていてしまっており、聴いていると気になってしまう。
ジャケットには長めのコートを着て演奏するティペットの姿が捉えれているのだが、実際の演奏時にも着用しているとは考えられず、宣材用写真と思われる。
(追加:2019年8月25日)
Cathanger '86 : Dreamtime
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リリースは2004年
Roberto Bellatalla double bass
Gary Curson saxes
Jim Dvorak
trumpet
Nick Evans
trombone
Jim Lebaique drums
Keith Tippett
piano
Recorded and produced by Wally Brill at Cathanger Studios, Somerset, June 1986
ドリームタイムのセカンド・アルバムとして1986年に録音されながら、後述する 『 Zen Fish 』
レコーディング後の2004年にリリースされた作品。
1986年にリリースできなかったものが2004年にリリースされているからといって、2004年においてジャズ・ロック市場への状況が好転したわけではない。 埋もれることなく本作品が発掘されたことを感謝するしかない。
90年代になってバンドとしての Mujician
として活動するまでの間、特に80年代後半におけるキース・ティペットの録音作品はピアノ単独によるものが多く、こうした所謂ジャズ・ロック作品は殆ど無い。
管楽器3本と対峙するとなると期待は滅茶苦茶高まるのだが、正直な所活躍度は高くない。
スタジオ録音作品でありながら参加していない曲もあり、当人としても客演というスタンスが強かったのかもしれない。
(追加:2021年2月10日)
1987
Mujician III ( august air ) : Keith Tippett
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リリースは1989年
Recorded live during the 'JUST MUSIC' concert series on June 25th + 26th 1987 at the FMP-Stusio, Berlin) In Berlin.
ティペットがソロでリリースした「
Mujician 」三部作のラスト。
妻への愛をそのままタイトルにした23分にも及ぶ1曲目も良いが、47分にも及ぶタイトル曲の演奏が凄まじい。
後半の高音部の早弾きとプリペアード・ピアノの組み合わせに至るまで、なんと30分超も低音部の連打を中心とした演奏が続くのである。 低音部を中心とした演奏、ではなく、低音部の連打である。
ジャズ・ミュージシャンとしての演奏能力と精神力の成せる技だと思うが、聴く側にも相当な覚悟が必要とされる。 「8月の空気」などというタイトルとはほど遠い緊張感がそのままパッケージされた作品だと思う。
(追加:2006年5月25日)
Mr. Invisible and the Drunken Sheilas supported by Mr. & Mrs. Disgraceful presented by Honest Spiv Faber and Eric Wetherall with the kind permission of The Sheila Duncan Trio : Tippett ・ Nicols ・ Tippett
リリースは1989年
Julie Tippett - voice
Maggie Nicols - voice
Keith Tippett
- piano
Recorded live on June 27th + 28th, 1987 during the 'Just Music' concert series by Jost Gebers at the FMP-studio.
キース・ティペットのピアノとジュリー・ティペットのヴォーカルといういつものデュオに、女性ヴォーカリスト、マギー・ニコラスが加わった作品。
ティペット夫妻だけのデュオ作品、夫妻の他に多くのメンバーが参加した作品というのは多くあるが、夫妻に女性ヴォーカリスト一人だけが参加したという作品は珍しい。 特にデュオ作品はパートナー同士だからこそ成り立った世界があったと思われるだけに、そこにジュリー・ティペットと同じヴォーカリストが参加することは、劇薬の注入に等しかったのではないかと思う。
ただその劇薬は見事に機能している。 ジュリー・ティペットとマギー・ニコラスはほぼ全編徹底的に張り合っている。 そしてキース・ティペットもそこから生まれる緊張感に触発されたかのような激しい演奏もすれば、時には二人の緊張感を解すような優しいメロディを奏でたりしている。
予想を遥かに上回る完成度の高さとともに、インプロの真骨頂を堪能することができる作品である。
(追加:2022年1月10日)
Low Flying Aircraft : Low Flying Aircraft
Dan Maurer - drums, EMU II, whirled tube
Jim Juhn - guitar, bass, EMU II, percussion, whirled tube
David Cross
- violins
Keith Tippett - piano
also featurin :
Ron Linton - tenor sax on "Baptism" and "Rad", bass clarinet on
"Poolside"
Eric Drew Feldman - DX7 on "Poolside"
Paul Burwell - percussion squeek drum, bowed metal and whirled tube on
"Moronathon"
Produced by Dan Maurer an JimJuhn
ダン・モーラーとジム・ジューンによるプロジェクトに、クロスとティペットが加わったセッションを収録した作品。
(追加:2003年12月25日)
1988
Couple In Sprit : Keith & Julie Tippett
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Mixed by Robert Fripp
Produced by Keith and Julie Tippett
ロバート・フリップがミックスを担当した、キース&ジュリー夫妻の作品。
夫婦ならでは、と安易に言い切れるようなケミストリーは、本作品においては発生していない。
キースのピアノのジュリーによるヴォーカル(発声)の絡みの妙はゼロとまでは言わないものの、あまり感じられない。 デュオによる楽曲と各々のソロを1曲ずつという整合性のある構成で、小さくまとまっていることにも原因があるように思える。
2人でやってみたら期せずして歪な構成のこんな作品になりました、なんて感じで提示された作品であったら、もっと凄いことになっていたに違いない。
フリップがクレジットされていることだけでありがたく拝聴するまでには至らない作品である。
(追加:2017年3月10日)
1989
Fire In The Mountain : Working Week
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Keith Tippett Piano on Waiting in Vain and Fire from the mountain
おしゃれジャズを標榜する、泣きたくなる程ウンコ以下のバンドの作品。
ウィークエンドからの流れで、サックス奏者のラリー・スタビンスが一時の気の迷いで結成しただろうワーキング・ウィークの作品に、律儀にキース・ティペットが参加する必然性な無かったと思う。
「シャレオツ、シャレオツ、シャレオツ...」と念じながら吹いていたであろうスタビンスのサックスのバックでティペットはピアノを演奏しているのだが、サックスを前面に押し出したミックスがなされているためピアノの演奏が目立っていない。
おしゃれに付き合うことなく自分の演奏を繰り広げるティペットの潔さは素晴らしいが、その弾きまくっている演奏が目立っていないのが残念である。
(追加:2017年12月25日)
1990
The Dartington Concert : Keith Tippett
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リリースは1992年
Performed by Keith Tippett in The Great Hall, Dartington on 2nd August 1990 during the Dartington International Summer School
キース・ティペットのピアノ・ソロ作品。
今年2013年の来日公演は凄まじかった。
少人数しか入らない会場で1時間弱の演奏に集中するティペットを観ることができたのは幸せだった。
これをラッキーと思う一方で、残念ながら今のティペットに大人数を集める集客力が無いのも事実だろう。
本作品がレコーディングされた The Great Hall なる場所も、千人収容できる施設とはとても思えない。
中々難しい関係である。 人気が殺到すれば大ホールでの演奏が必要となるがソロ・ピアノ・コンサートとしては成り立たない。
一方これだけの演奏に接する機会が少ないのはもったいない。
その穴埋めをしてくれるのが、本作品のようなライヴ・レコーディングである。
ティペットが一体何枚のピアノ・ソロ作品をリリースしているかわからないが、どれをとっても本作品と同じように高品質なのだろう。
ただティペットのピアノ・ソロを聴くには、体調が良い時に限る。
テンションの高さに圧倒され、ある程度以上の疲労感を感じてしまうからだ。 まぁ、それがまた快感なのだが。
(追加:2013年3月25日)
The Vortex Tapes : Elton Dean
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リリースは2002年
Elton Dean, Keith Tippett, Louis Moholo, Marcio Mattos
エルトン・ディーンが、1990年9月に The Vortex Club (多分現在の
Vortex Jazz
Club )で行ったライヴを収録した作品。
5日のライヴから1曲ずつ収録されているため、日によって参加メンバーが異なるのか、曲毎に参加メンバーが異なっているのか判らないが、キース・ティペットが参加している楽曲は2日目の1曲のみ収録されている。
ただ、この1曲は凄い。
ソリスト2人の対決と言えば良いのだろうか、お互いの演奏に煽り煽られ、というより、相手を煽ることだけに徹したような演奏が繰り広げられている。
ティペットとエルトン・ディーンの組み合わせが最良な形で現れた楽曲の1つである。
(追加:2017年9月25日)
Ophelia's Shadow : Toyah
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Thank you to Keith Tippett for Keyboards on " Lords Of The Never Known ”
トーヤは EG からソロ・アルバムを3作出しているが、これはその3作品目。
その3作の中でフリップの関与は一番少ないのだが、キース・ティペットが凄まじいピアノ・ソロを演奏している。 最終曲の ”
Lords Of The Never Known
” で3分のヴォーカル・パートが終了した後、1分30秒にも及ぶ演奏を繰り広げている。
トーヤのヴォーカルどころか、他の楽器との絡みも一切なく、只々独りピアノを演奏している。
トーヤに対しては大変申し訳無いのだが、本作品はラスト1分30秒を繰り返し聴くことが多い。 それだけ凄い演奏である。
(追加:2017年12月25日)
The Journey : Mujician
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リリースは1992年
Paul Dunmall - Eb clarinet, soprano, tenor, baritone
saxophones
Tony Levin - Drums, percussion
Paul Rogers - Double bass
Keith Tippett - Piano
Recorded June 2nd, 1990 at St. Georges Hall, Bristol,
England - Bath Festival
Broadcast on Radio 3
First Broadcast Data : June 9th, 1990
キース・ティペットが、ソロとして発表した作品に「
Mujician
」とタイトルされた作品があるが、本作品は彼がカルテットで演奏するグループ「
Mujician 」の作品。
紛らわしいついでに記載すると、本作品にクレジットされているドラマー「Tony
Levin」はクリムゾンの人とは別人だし、ベーシスト「ポール・ロジャース」もフリー(最近ではクイーンか)の人とも異なる。
1曲55分の作品は、どの程度の決まり事がなされた上でのインプロなのかわからないが、だれることなく一気に演奏されている。 ティペットのソロ作品と比べて楽器がバラエティに富んでいるだけ敷居が低くなっており、ティペット入門作品として適しているかもしれない。 ただティペットのピアノに圧倒される場面は、当然ソロ作品より少なくなってしまっているのが残念。
(追加:2006年10月25日)