1991
A Different Man : Peter Kingsbery
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Drums, Percussions, Boxes : Pat Mastelotto
Produced By Pete 'N' Pat
元クック・ロビンのピーター・キングスベリーのファースト・ソロ・アルバム。
シャレオツな音楽をタレ流していたクック・ロビンのメンバーの作品だけに、毒にも薬にもならない曲がひたすら続き、聴き終えた後には時間を無駄にしたなという後悔しか残らない。
そんな作品に、パット・マステロットはドラムの演奏のみならず、キングスベリーとの共同プロデューサーとしてもクレジットされている。 マステロットはクック・ロビンのファースト・アルバムからの付き合いとなるが、ここまで肩入れする背景には個人的関係があったのかもしれない。
とにかく、マステロットの黒歴史にさえならない中途半端な作品である。
(追加:2021年6月25日)
Perspex Island : Robyn Hitchcock And The Egyptians
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Pat Mastelotto > Extra Percussion On " She Doesn't Exist ", " Ultra Unbelievable Love ", " Ride ", " Oceanside ", " So You Think You're In Love "
ロビン・ヒッチコックが、ロビン・ヒッチコック&ジ・エジプシャンとしてリリースした作品。
ヒッチコックに対しては、正統派のロック・アルバムを安定リリースするミュージシャンという印象がある。 オーソドックスなことに固執することもなく、トンガリ過ぎた実験性がそのまま表面に出てくるようなこともなく、元々の曲の良さを引き出すような演奏が展開されている。
こうした楽曲を支えるにはやはりしっかりとしたリズム隊が必要になると思うのだが、パット・マステロットはゲスト参加扱いながら見事にその役割を果たしている。 ヒッチコックは後にロビン・ヒッチコック & ザ・ヴィーナス3でビル・リーフリンをドラマーとして採用するのだが、クリムゾンのこの2人のドラマーが正統派ロック・アルバムで機能することを証明したことになる。
(追加:2022年6月25日)
So You Think You're In Love : Robyn Hitchcock And The Egyptians
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『 Perspex Island 』 からの 12inch 作品。
原曲が良いだけに、無理矢理ロング・ヴァージョンにしなかったのが成功している。
B面の ” Watch Your Intelligence ” にはクレジットが無いため、パット・マステロットが参加しているかは不明。
(追加:2023年5月10日)
Cereal : Too Much Joy
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Pat Mastelotto did all the percussion and is a member of Mr.Mister.
トゥー・マッチ・ジョイというバンドの作品。
作りが雑なパワー・ポップというか、借用感満載のオリジナルを演奏する学園祭バンドというか、なんだか良く判らないのだが、取り敢えず1回聴けば充分な内容である。
この時期こんなバンドのセッションしか仕事がなかったのかと思うと、マステロットが不憫でならない。 しかも1991年にもなって、「member of
Mr. Mister」とクレジットしてしまうような適当なバンドで叩かなければならなかったマステロットの心中は計り知れない。
(追加:2016年11月10日)
1992
Buffy The Vampire Slayer Original Motion Picture Soundtrack
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ホラー映画のサウンドトラック。
大抵のホラー映画では早い段階で殺される金髪のチアリーダーが主人公になってバンパイヤを殺すという、その設定が凄いというか全てな気がする作品。
収められた曲は緩く、広く多岐にわたり、ラップあり、ヘヴィ・メタルあり、パンク(のカヴァー)あり、といったところ。
マステロットはマシュー・スゥイートのオリジナル楽曲に参加しているが、完全なセッション・ミュージシャン扱い。
(追加:2016年6月10日)
Untitled : The Rembrandts
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additional musicians :
Pat Mastelotto : drums & assorted percussion
レンブランツのセカンド・アルバム。
前作に続き達者な内容ではあるが、地味な作品である。 その原因の一つは収録曲数の多さにある。
CD時代に即した1時間弱もの曲を収録すると玉石混交状態は激しくなる。
これがアナログ時代であれば40分程度の作品となり、捨て曲が少なくなった結果作品全体の完成度は上がったはずである。
パット・マステロットは前作に続き全面参加、 「 drum sounds assisted 」ともクレジットされている。
当時のマステロットはセッション・ドラマーとして終わりかねなかった状況で、本人にもその危機感がありセッション以上の活動に手を広てたものと思われる。
後のマステロットの成功を考えると、示唆に富む判断である。
(追加:2016年2月10日)
1993
In Thrall : Murray Attaway
Drums - Pat Mastelotto
バンド活動を経てソロ・シンガーとなったマレー・アタウェイのソロ・アルバム。
R.E.M.
のような音楽に憧れたけど、憧れだけで夢を達成することができなかった、というミュージシャンはアメリカに多くいるんだと思うが、このマレー・アタウェイもそんな一人だと思う。
裏ジャケットのティアドロップ型メガネをかけた極普通のオジさん姿を見て萎えた気持ちは、作品を通して聴いた後も変わることが無い。
こうした華のないヴォーカル・アルバムにマステロットがクレジットされているのはもったいないが、マステロットにしてみれば同時期に力を入れていたレンブランツに活かそうとしたのかもしれない。
(追加:2016年6月10日)
One Thousand Years : Trey Gunn
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Trey Gunn
- Stick, Voice
Serpentine - Voice
Bob Muller - Tabls, Percussion, Drums
Pat Mastelotto - Drums on "Killing for London"
Xan - Additional Voice on Tr 4 & 7
ガンのファースト・アルバム。
マステロットは ” Killing for London
” 1曲のみに参加している。
(更新:2007年1月10日
1994
Arrive All Over You : Danielle Brisebois
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Matt Lang played drums and percussion on every song except for two of them on which Pat Mastelotto played.
子役出身の歌手、ダニエル・ブライズボアのアルバム。
これもジャケットの写真からは過激な内容が期待できるが、凡庸でつまらない楽曲が並んでいる。
さびで声を張り上げるだけの唄い方にも深みは全く無く、セールス的に成功しなかったのも尤もな作品である。
本作品がリリースされたのは、シルヴィアン&フリップからダブル・トリオ・クリムゾンとマステロットがフリップとの関係を深めていた時期ではあるが、勿論それだけで収入が成り立つわけはなく、こうしたセッション活動をこなさざるを得なかったものと思われる。
(追加:2016年6月10日)
Prometheus : Prometheus
Steve Ball - Vocals, Guitars, Keyboards, Percussion Sanford Ponder - Guitars, Audio Frame, Percussion Pat Mastelotto - Drums, Percussion Nigel Gavin - Bass, Voice Chris Rhyne - Solo Synth and Organ Steuart Liebig - Basses
ギター・クラフト出身のスティーヴ・ボールを中心としたユニットの作品に、マステロットが参加している。
時期としては、シルヴィアン&フリップのライヴ 『 The VROOOM Session
1994 』 の間と思われる。
多彩と言うべきか、節操がないと言うべきか。 産業ロックのような大袈裟な曲から、ちょっとインダストリアル系な曲までめいっぱい詰め込まれた作品。 やりたいことをやりきっているのは天晴れだと思うが、ターゲットをもう少し絞っても良かったのではないか。
そんな作品ではあるが、マステロットは全曲見事に対応。 スタジオ・ミュージシャンとしての経験が活かされているのだと思う。 このあたりの器用さがフリップに受けたのかもしれない。
(追加:2008年4月25日)
Don't Ask : Tina Arena
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オーストラリアのシンガー、ティナ・アリーナの作品。 2000年のシドニー・オリンピックのオープニング・セレモニーにも出演する程オーストラリアでの人気は高く、本作品もオーストラリアのチャートで1位を獲得している。 と、カタログ情報の羅列になって申し訳ないのだが、本作品はロスアンゼルスで録音されており、この辺りがマステロットの参加に繋がっているものと思われる。 この時期、マステロットはシルヴィアン&フリップからダブル・トリオ・クリムゾンと現在に繋がる活動に軸足を移していたが、やはり経済的基盤を築くためにはこうしたセッション活動も必要だったものだろう。 残念ながらマステロットでなければならない、という演奏ではない。 (追加:2015年12月24日)
1995
L.P. : The Rembrandts
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Pat Mastelotto - Drums & Percussion
レンブランツのサード・アルバム。
本作品を語る上で、やはり重要なのは ” I'll Be There For You ( Theme From Friends ) ” である。
本曲は、決まったグループの中でくっついたり離れたりを繰り返す典型的アメリカの青春ドラマ 『 フレンズ 』
のテーマ曲として作られ大ヒットしている。
レンブランツの他の楽曲に比べると、多少ノリが軽すぎる気もするが、アメリカだけではなく日本においてもレンブランツの名を広めるのに貢献している。
本作品から、マステロット以外にもドラム奏者もクレジットされており、フリップ、クリムゾンとの活動に伴いレンブランツへの関与度が下がってきていることがわかる。
シルヴィアン&フリップ、ダブル・トリオ・クリムゾンのメンバーにマステロットの名前が上がり、その経歴紹介の中で 「 元MR.ミスター 」
というクレジットを見て不安を感じたのを覚えているが、「アメリカン青春ドラマの主題歌のバックでドラムを叩いていた」と紹介されるよりは、良かったんだと思う。
(追加:2016年2月10日)
A Testimonial Dinner The Songs of XTC
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Pat Mastelotto - drums
XTCの楽曲のカヴァー・アルバム。 マステロットは、レンブランツによるカヴァー ”
Making Plans for Nigel ”
に参加している。
マステロット自身、XTCの 『 Oranges & Lemons 』
にセッション・ドラマーとして参加しているので、同作からのカヴァーだと面白かったのだが、カヴァーされた楽曲は 『 Drums & Wires 』
からである。
ただこのカヴァーのアレンジ、ミックスともマステロットのドラムがやたらと強調されている。
レンブランツのオリジナル・アルバムではここまで目立つことは少なく、カヴァー曲ということで自由度が増したものと思われる。
(追加:2016年2月10日)
1996
Shelter Me : Richard Page
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元Mr.ミスターのリチャード・ペイジのソロ・アルバム。
Mr.ミスター解散後10年近くもの年月を経て発表されたソロ・アルバムなのだが、地味。 地味だけど味があるのではなく、単に地味。
ペイジズ、Mr.ミスターという流れから期待されるのは当然華やかなポップ・ソングなはずだが、当人がそれを望もうとしなかったのではなく、そういう曲が既に書けなくなっていたと考えるのが妥当である。
当時クリムゾンでの活動が中心となっていたマステロットは、ゲスト・ミュージシャンとして2曲に参加。
既に彼自身の興味外の音楽なのだと思うが、昔仲間への義理なのか律儀にスタジオ・ミュージシャン然の演奏をしている。
ちなみに、その他殆どのドラムを演奏しているのはジェリー・マロッタ。 マステロットとマロッタの立ち位置も、シルヴィアン&フリップのスタジオ・アルバム前後で大きく変わっているだけに、中々感慨深い。
(追加:2017年9月10日)
1998
Spin This : Danny Wilde + The Rembrandts
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Drums on Tomorrow's Mine Pat Mastelotto
デュオ・フォーマットから1名脱退、実質ダニー・ワイルドのソロ・アルバムとなったレンブランツの作品。
地道にキャリアを重ねてきたバンドが、大ヒット1曲で歯車が狂い解体、という絵に書いたようなストーリーなのだが、それだけ ” I'll Be There For You ( Theme From Friends )
” の呪縛が強かったということなのか。
既にダブル・トリオ・クリムゾンの活動が頓挫していたとは言え、マステロットの参加は1曲のみ。
レンブランツのこの状態を踏まえれば潮時だったのであろう。
(追加:2016年2月10日)
1999
'99 : Mastica
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Gum B. Basses, Cello, Mandocello,
Voice
MunKey Reeds, Guitars, Bontempi, Voice
Pat Traps, Buttons, Knobs & Membranes
Recorded by Bill Munyon & Pat Mastelotto
Produced by Pat.
クリムゾン自体の活動が停止していた時に発表された、マステロットによるプロジェクト。
編集する素材が与えられたものではなく、自ら用意したものであることが、ProjeKct
との大きな違い。 素材にありがたみが無いだけに、音自体のつまらなさがクローズ・アップされてしまっている。
ガンビーとマンキーなるトホホな名前のメンバーの必然性と存在感はゼロ。 マステロットとビル・ムニヨンによる編集作業作品の中でも、最もが辛い作品だと思う。
(追加:2007年8月30日)
Encores, Legends & Paradox ・ A Tribute To The Music Of ELP
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John Wetton - Vocals ( 2,7 )
Pat Mastelotto - Acoustic and Electric Drums and Percussion ( 2, 3 )
ELPのトリビュート・アルバム。
” Bitches Crystal ”
では、ウェットンのヴォーカルと共演。
(追加:2006年1月25日)