1973
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Produced by Robert Fripp & Eno
”The
Heavenly Music Corporation ” は1972年9月8日にイーノ宅のスタジオでレコーディングされている。 イーノはこの曲ではテープ操作のみ行っている。 すなわち音を発振させているのはフリップだけである。 この曲の意義、方法論についてはあまりにも多くのところで語られているので割愛。
”Swastika Girls
” は、2人の共作の中では音数が多い部類に属する。 1973年の8月4日、5日にレコーディングされた本曲では、イーノはデジタル・シーケンサー
( 1973年当時にそんなものが本当にあったのか?) に接続したVCS3をコントロールしている。
(追加:1998年10月10日)
2008年に本作品は2枚組CDとして再発されている。
CD1 には、オリジナルにプラスして、”The
Heavenly Music Corporation ” の逆回転したものが収録されている。
ライナーには、1973年12月18日に本楽曲がBBCで放送された際に逆回転であったことが記載されており、これを再現していることになる。
CD2には、”The
Heavenly Music Corporation ” のハーフ・スピード版と
”Swastika Girls
” の逆回転版が収録されている。
(追加:2014年6月10日)
Seven Deadly Finns / Later On : Eno WIP.6178
Produced by Eno
イーノ名義のシングル。
クレジットにある通り、B面は 『 No Pussyfooting 』
からの抜粋をコラージュして、5分弱に編集したもの。
いかにも、といった貼り付け作業ではなく、見事なまでに一つの作品として完成している。 デジタル化前の作品なので、当然テープによる編集作業なのだが、よくもここまで丁寧に作り込んだものだと思う。
こういうセンスは、やはりイーノならではのもの。
(追加:2008年3月25日)
1975
Olympia, Paris, France May 28, 1975 : Fripp & Eno
リリース は2011年
Robert Fripp
Brian Eno
DGM Live からリリースされているフリップ&イーノのライヴ。 誰もが貴重な音源と思うだけに、未だに
DGM Live の Top Downloads のベスト5内にランクされている。
フリップとイーノが何かをやってくれる! という期待に盛り上がる観客が、だんだんと落ち着いていくのがリアルにわかるのが面白い。
もちろんこんなことは40年近くたった今だから言えることであって、当時の観客の反応の変化は当然のことだと思う。
イーノによって予め用意されたループに音を被せている結果、インプロがだらだらと続くのではなく、それなりにメリハリがある。
更に、そのループだけがCD3に収録されており、種明かしまでされている。
また、” Wind On Water ” は、『 Evening Star 』 収録の同曲の元音源となる。
(追加:2014年6月10日)
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Robert Fripp - guitar
Brian Eno - loops, devices
DGM Live のダウンロード販売時から予告されていたCDフォーマットでの販売は、2014年に実現した。
時間がかかったのは、色々な権利関係のクリアが必要だったのかもしれない。
ボーナス・トラックとして、CD three ( Disk 3 ではなく、CD three と表記されてる )に以下2曲が追加されている。
7. Loop Only : Wind On Water Reversed
8. Later On ( Single Version )
(追加:2014年11月10日)
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Robert Fripp - Guitar Brian Eno - Loops and Synthesizer
Produced by Eno and Fripp
” Wind On Water ”
はパリでのライブ・テイクを、ロンドンでオーバー・ダビングしたもの。 どこからがスタジオ・テイクかなどと考えることは、当然無意味である。
” Evening Star ” は ( 多分 )
フリップ主導で進められた曲。 フリップによるクリアなアルペイジオとコード・カッティングの上に、歪んだギター・ソロが重ねられている。
” Evensong ”
は歪んだギターのアルペイジオが重ねられている。
” Wind On Wind ” はイーノのソロ・アルバム 『 Discreet Music 』
のタイトル曲からの抜粋。 フリップは本曲、及び ” Discreet Music ”
においてギターは演奏していない 。
” An Index Of Metals ”
はフリップ&イーノの曲にしては珍しく落ち着かない曲。 フリップ&イーノの曲は、アバンギャルドなことをやっているようで、音自体はゆったりとしたものが殆どであるが、本曲は不協和音(?)が多く、ループも不安感を募らせるようになっている。
(追加:1998年10月10日)
1994
The Essential Fripp And Eno : Robert Fripp / Brian Eno
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Produced by Robert Fripp And Brian Eno
1曲目から4曲目までは既発曲。 『 No Pussyfooting 』
はアルバム丸ごと収録されていることになる。
” Healthy Colours ” は1979年から1980年頃にニュー・ヨークでレコーディングされたといわれているが、正式にクレジットはされてはいない。
いままでのフリップ&イーノの曲調とは全く異なり、一定のリズムの上に声、ギターがコラージュされていく。 コラージュされるフリップのギターはブリューのような音(「パオーン」ってやつ)で、フリップの意志はあまり感じられない。
(追加:1998年10月10日)
2004
The Equatorial Stars : Fripp & Eno
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All music performed and composed by Brian Eno and Robert Fripp
Produced by Brian Eno
フリップ&イーノの新作。
二人の共演に対して、ロック史に残るように位置づけられる作品を期待する人は、今はもういないと思う。 雄弁な二人がこの作品にいくら意味づけを行ったところで、その事実は変わらないと思う。
事前に予想したパターンとしては、
i イーノのドローンとフリップのサウンドスケイプ
ii
イーノによるアンビエント・ミュージックの一部に、サンプリングされたフリップのギターが使われる
iii
中途半端にリズミックなビートの上に、二人のソロが適当に絡む
の3つだった。 しかし、本作品は (
そういったパターンが皆無とは言えないものの
)、予想に反し二人のギターとキーボードがそのままの音として提示されている。
確かに画期的な作品ではない。 しかし予想を裏切ったところが本作品の最大の特徴であり、また魅力だと思う。
(追加:2004年8月10日)
2007
Beyond Even ( 1992-2006 ) : Fripp & Eno
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All music performed and composed by Brian Eno and Robert Fripp
Except track 10 : Fripp & Eno with Tim Harries track 13 : Fripp & Eno with Trey Gunn
Produced by Brian Eno
DGM Live! において 『 The Cotswold Gnomes 』
として発売していたものを、パッケージ化した作品。
前作 『 The Equatorial Star 』 同様イーノが主導をとった作品で、1970年代の作品のような両者による純粋なコラボレーションというより、フリップのギターをサンプリングしたイーノの楽曲集といった雰囲気が強い。 その結果残念ながら、二人によるケミストリーは感じられず、中途半端な作品であることは否めない。 フリップの最高のスタジオ・パフォーマンスのひとつ、という売り文句がついた
” Cross Crisis In Lust Storm ” は確かにアップ・テンポで格好良いと思うが、例えば 『 Another Green World
』 の ” St. Elmo's Fire ” を最初に聴いた時程の衝撃はない。
初回限定盤は2枚組で、前述した ” Cross Crisis
In Lust Storm ”
以外の楽曲がシームレスになっている通常盤の他に、シームレスになっていないもう1枚がついている。 はったりにも、もう少し捻りがほしかった。
(追加:2007年11月11日)