1971/ 4/12 Zoom Club, Frankfurt, Germany
Lineup 2 による最初期のライヴ音源。 Lineup 1
からの定番、レコーディングだけで終わっていた2曲、そして新曲と満遍なく演奏されており、妥当な選曲となっている。
ライヴ慣れしていないがために旧曲、新曲とも演奏に粗いところがあるが、方向性を模索しているところを垣間見ることができるのが面白い。
例えば、
” Cirkus ” で歌メロに絡むフリップのギター・カッティング
” Get Thy Bearings ”
前半の思いっきりブルージーな演奏
” The Sailor's Tale ” の途中にでてくる ” Larks' Tongues In Aspic Part
I ” のフレーズ
といったところで、1年足らずで崩壊するのも最初から必然だったのかもしれない。
(追加:2009年12月10日)
1971/ 4/13 Zoom Club, Frankfurt, Germany
Lineup 2 によるフランクフルトのズーム・クラブでの2日目。
オリジナルに忠実な演奏を試みる初期ナンバーと、発展途上の新曲が混在しているのが、この時期の最大の魅力である。 バンドとしての新しい音を模索している後者も興味深いが、やはり前者の居心地の悪さは特筆ものである。 既製服をそのまま着るのは嫌だけど、着崩し方がよくわからないからそのまま着てる、といった感じの演奏は、最後のアメリカ・ツアーで原曲を解体した演奏以上に、破壊力がある。
(追加:2011年7月25日)
1971/ 4/14 Zoom Club, Frankfurt, Germany
Lineup 2 によるフランクフルトのズーム・クラブでの3日目。
録音テープに起因するのか、実際に演奏された曲目が少なかったのかわからないが、 収録曲数は少ない。
その結果消化不良なものが提示される割合は減っており聴きやすい作品となっている。
” Cirkus ” のギターは相変わらず面白く、この時期の演奏になれてしまうと、スタジオ盤収録テイクに違和感を感じてしまうことがある。
(追加:2013年9月25日)
1971/ 4/15 Zoom Club, Frankfurt, Germany
ズーム・クラブでの4連続公演の最終日。
他の3日間と違って演奏曲目が少なく、前半の演奏が収録されていないものと思われる。
未だライヴでの演奏として成熟度が足りないところもあるが、流石に4日目ということもあり熟れたところも出てきている。 それだけに ” Cirkus ”
と ” 21st Century Schizoid Man ” が未収録なのが残念であり、本公演の完全版の発掘に期待したい。
(追加:2017年5月10日)
1971/ 5/11 The Guild Hall, Plymouth, England
本作品は、King Crimson Collectors' Club の14作品目 として販売されたものと同じもの。
(追加:2013年7月25日)
1971/ 5/28 Green's Playhouse, Glasgow, England
クリムゾンを、 普通のロック・バンドとして捉えることが出来る作品。
冒頭の ” Pictures Of A City ” からして、ムーディーな演奏で驚く。 ” 21st Century Schizoid Man
” の焼き直し、と揶揄されることが多い楽曲であるが、本テイクを聴くと、そんなことを全く狙ってなかったのではないかと思えてくる。
めくるめくバトルこそクリムゾンのライヴの真骨頂なのかもしれないが、本ライヴでの「普通な」演奏が、間口を広げるためには正しい選択のように思える。
本作品は、当初 『
Town Hall, Birmingham, England May 22, 1971 』 としてリリースされていたが、収録日が変更されている。
(追加:2012年6月25日)
(変更:2018年5月10日)
1971/ 5/29 City Hall, Sheffield, England
Lineup 2 の 比較的初期のライヴをCD2枚相当に収録した作品。
よって Lineup 1 と Lineup 2 両方からの曲が収録されているため、お得感が強い。
さらに、” The Sailors Tale ” でのドラムとフルートのデュオ、” In The Court Of The Crimson
King ” でのギターとフルートのデュオといった、美しい演奏が収録されているのが特徴である。
ただ問題なのはその音質。 『 Earthbound 』
の音質など全くOKと思えてしまう程、音質が悪い。 この日の高音質音源が発掘されたら、神盤になると思う。
(追加:2012年6月25日)
1971/ 8/ 9 Marquee, London, England
1971年の8月から9月にかけて、クリムゾンは『 Islands 』 のレコーディングとライヴでの演奏を並行して行なっている。 本作品はこの時期クリムゾンがマーキーで3日連続演奏を行った初日を収録したもの。
” Formentera Lady ”
が始めてライヴで披露されたというウリはあるものの、音が悪い上に3日の間で最も音が悪く、単独購入するにはちょっと厳しい作品である。
” Improv ” は、冒頭から ” Larks' Tongues In Aspic Part I ”
のフレーズがでてくるものの、これも3日間で最も短い収録時間となっている。
(追加:2012年5月25日)
1971/ 8/10 Marquee, London, England
マーキー3連続の中日を収録した作品。
1971年の音源が DGM Live Library から一挙に16作品ダウンロード販売された中で、最大の成果が本作品である。 コンサートのほぼ全容を収録、演奏は充実、音質はハイレベル、とマーキーの他の2日とだけではなく、この時期のライヴ音源の中でも突出した出来具合である。
” Improv ” は、40th Anniversary Edition の 『 Islands 』 に ” A Peacemaking
Stint Unrolls ” として収録されている ” Larks' Tongues' In
Aspic Part I ” から ” Lament ” のパートを含み、27分強の長尺となっているが、飽きさせることはない。
本作品は DGM Live Library からダウンロード販売された後、KCCC
としてCDでもリリースされる予定とのこと。 廃盤となったCDをダウンロード販売するという手は今までもあったが、このパターンは初。 それだけの自信を持つのも頷けるほどの完成度である。
(追加:2012年5月25日)
1971/ 8/11 Marquee, London, England
マーキー3日間の最終日。 初日分と同じくCD換算で1枚ものではあるが、メロトロンのチューニングに時間をかけた後に演奏した ” The Devils Triangle
” が収録されているのが大きな特徴である。
” Improv ”
後半、VCS3でドラムの音に変化をつけているのはこの時期シンフィールドのはずだが、ライナーにクレジットされていないのが悲しい。
音質は初日よりノイズは少ないが、遠くで鳴っているような感じ。
(追加:2012年5月25日)
1971/ 8/28 Weeley Festival, Clacton, England
クレイクトンで行われたウィリー・フェスティバルでのライヴ。
DGM Live
での解説によると、27日の夜9時の出番が深夜に延びたとのこと。 また、収録曲数は3曲だが、実際には、実際には1時間の演奏で、レディース・オブ・ザ・ロード、サーカス、セイラーズ・テイル、宮殿、ケイデス・アンド・カスケイド、21世紀~等も演奏されたらしい。
深夜の演奏ということを踏まえると寝ている観客もいた上に、医者を呼ぶ声や犬の鳴きまで収録されており、演奏する側がどれだけの緊張感をもって望めたのか疑問が残る。 たった3曲では全体像がつかめないだけに、全編の発掘を期待したい。
(追加:2012年5月10日)
1971/ 9/ 4 Hyde Park, London, England
Lineup 2 による、6万人を集めたと言われているハイドパークで行われたフェスティバルでの音源。
CLUB CHITTA'川崎や今はなき新宿厚生年金会館には詳しくても、FUJI ROCK FESTIVAL
に代表される連日行われる野外フェスには足を運んだことのない現役度ゼロの私が言うのもなんだが、選曲に失敗している。
演奏時間が制限されているので仕方が無かったのかもしれないが、不特定多数の観客にとって、” Formentera Lady ”、” Lady Of The Dancing Water
”、” Cadence And Cascade ” といった楽曲のウケは芳しくない。
演奏自体は充実していてクリムゾンのファンとしては充分に楽しめる演奏だけに、もったい、という思いが強く残る。
(追加:2012年5月10日)
1971/ 9/19 Greyhound, Croydon, England
『 Islands 』 レコーディングと並行して行われた Lineup 2 のライヴ。
ウィリー・フェスティヴァルやハイド・パークといった大観衆の前での演奏や、小規模とはいえ1時間半以上にも及ぶライヴをやりながらアルバムのレコーディングも行う、などという精力的な活動が良くこなせていたものだと思う。 もちろんその代償として、シンフィールドと他のメンバーとの関係が悪化が決定的となり脱退に継ってしまったわけだが。
この後フリップと残った3人の関係も悪化し、フリップと他のメンバーとの音楽趣向の違いがステージ上で露呈していくことになるのだが、未だこの時期はそのようなことはなく、バンドとしてのまとまりある演奏をしている。 ブルース調クリムゾン、といった変化球は出てこないものの、ライヴ・バンドとしての
Lineup 2 の凄さを堪能できるのは、1971年の夏から秋のライヴかもしれない。
(追加:2012年8月25日)
1971/10/ 9 Public Hall, Preston, England
1971年10月から始まったイギリス・ツアー2日目の音源。
この後壊れていく人間関係の予兆は未だ音源上には現れていないものの、ステージ進行(特に曲間)はだらけてしまっている。
オーディエンス録音だけに、観客が戸惑い、無駄に騒いでしまっていることが確認できるが、これは取りも直さず、このステージ進行が寄与しているものと思われる。
個人的には、” 21st Century Schizoid Man ”
のインストパートに、VCS3を飛び道具のように使うところがとても格好良いとは思うが。
(追加:2013年7月25日)
1971/10/15 Winter Gardens, Bournemouth, England
音質 ...悪いです。
単に悪いだけではなく、安定してないし、ぶった切れるし、ちゃんと聴き続けるためには、相応の集中力が必要とされる。
一方、その演奏曲目は非常に珍しい。 ” Prelude ” を除く 『 Islands 』 の全曲が演奏されているからだ。
これがトレードオフとして成り立っているかどうか、判断が難しいが。
(追加:2013年7月25日)
1971/10/16 Dome, Brighton, England
本作品は、King Crimson Collectors' Club の30作品目として販売されたものと同じもの。
オリジナルの ” Cirkus ” を ” RF Announcement ” と
” Cirkus ” に分けて、" 21st Century Schizoid Man " を " My Hobby " と " 21st
Century Schizoid Man " に分けて表記している。
(追加:2013年7月25日)
1971/10/19 City Hall, Sheffield, England
ウォーレスによる「サーカース 」という雄叫びから始まる音源。
音質はこの時期の中では良好で、それなりに聴くことができる。 ただレパートリーに目新しさはなく、強いて聴き続けたいと思う程の音源ではない。
20分にも及ぶ ” Groon ” も、一番のハイライトは、最後の方で ” Peace - A Theme ”
に似てるように思えるフリップのギター・ソロである。
(追加:2013年7月25日)
1971/11/11 Massey Hall, Toronto, Ontario, Canada
10月のイギリス・ツアーの後、11月から始まった北米ツアーのトロントでの音源。
この北米ツアーが後のシンフィールドの脱退に繋がるのだが、未だそんな片鱗は感じられず、「北米(アメリカ)で成功してやるぜ」といったポジティブな野心が、演奏に正しく反映されている。
” The Sailors Tale ” の後半に簡潔にまとめられたドラム・ソロや、”
21st Century Schizoid Man
” でも遊びすぎない演奏等、聴きどころも多い。
(追加:2013年9月25日)
1971/11/13 The Eastowne Theatre, Detroit, MI, USA
本作品は、King Crimson Collectors' Club の18作品目として販売されたものと同じもの。
クレジット上のミスを修正( December → November )が施されている。
(追加:2013年9月25日)
1971/11/24 Academy Of Music, New York, NY
北米ツアー後半のライヴ。
シンフィールドは何を思いながらこの時期のライヴに参加していたのだろうか。
直接演奏しているわけではないので、「ライヴに参加」という表現も適切ではないのかもしれないが、演奏をしていないのにツアー後にバンドから脱退しているわけで、冷静に考えると何だがよくわからない。
コンセプト・メーカーがメンバーになり得た、プログレの古き良き時代をとらえた最後の音源と言える。
(追加:2013年9月25日)