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DGM Live Library - Frippertronics, 1979

1979/ 5/ 7    Theatre Populier, Amsterdam, Netherlands

1. Music For Theatres And Solo I / 2. Music For Theatres And Solo II / 3. Music For Theatres And Solo III / 4. Music For Theatres And Solo IV / 5. Music For Theatres And Solo V

1979年5月に行われたヨーロッパでのプロモーション・ツアーの初日、オランダのアムステルダムでの音源。
フリッパートロニクスによるループにソロを重ねるという手法が披露されている。
(追加:2018年10月10日 )

 

1979/ 5/12    Le Trompe L'Oiel, Paris, France

1. Music For Restaurants I / 2. Music For Restaurants II

パリの Le Trompe l'Oiel で行なわれた演奏の初日の音源。
発信音がループされ次第に衰弱してい、その上に新たな発信音がループされ次第に衰弱していく、その上に新たな発信音が...という、フリッパートロニクスの典型的なパターンが提示される。 30分強の2曲が収録されているのだが、両曲とも途中でループが終わってしまうところが何回か出てくる。 この辺り、フリッパートロニクスの制御(テープの制御)がまだ熟れていないことが理由だと思う。

(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/13    Le Trompe L'Oiel, Paris, France

1. Music For Restaurants I

前日と同じ、Le Trompe l'Oiel で行なわれた演奏の音源。
収録曲は1曲のみだが、その演奏時間は1時間を超える。 前日の評判を聴いて駆けつけた、という人は少ないと思うが、それでもノン・ストップの1時間に付き合うにはそれなり以上の緊張感を保ち続ける必要があったと思われる。

(追加:2018年4月10日)

 

1979/ 5/17    Malmen Club, Stockholm, Sweden

1. Experiments In Music For Journalists I / 2. Experiments In Music For Journalists II / 3. Music For Bo / 4. Experiments In Music For Journalists III

スウェーデンに移動してのライヴ。
Malmen Club という会場がどのような所かわからないが、曲タイトルから現地のジャーナリスト向けに演奏を行ったものと思われる。 勿論、ジャーナリスト向けということで演奏内容が変わることはなく、いつものフリッパートロニクスである。
(追加:2016年4月10日)

 

1979/ 5/18    Wintergarden, Carlsberg Glyptotek, Copenhagen, Denmark

1. RF Announcement / 2. Green Music For Libraries I / 3. Green Music For Libraries II

コペンハーゲンでの演奏を収録した音源。
ビールで有名なコペンハーゲンのカールスバーグの図書館の庭園での演奏とのこと。 ジャケ写を見ると、建物内ではなくオープンな環境で演奏した上に、音源にはブートのカセット・テープ音源も使われているため、フリッパートロニクスの音はモコモコとしている。
ただもしかすると、現場でフリッパートロニクスを現場で聴いた時の状況をもっともリアルに再現しているのかもしれない。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/22    D.G.G. Offices, Munich, Germany

1. Unknown I / 2. Unknown II / 3. Unknown III / 4. Unknown IV / 5. Unknown V

この日からフリップは8日間で10回の演奏を行っている。 しかもその間、ミュンヘン→パリ→ハンブルク→チューリッヒと移動しながらである。
本作品のジャケットには、テープレコーダー2台とエフェクターボードとともにフリップの写真が採用されているが、正にフリッパートロニクスの機動性が8日間で10回という演奏を可能にしたことがわかる。
D.G.G. というのは、ドイツ・グラモフォンと思われるが、どのような人達を対象に演奏していたのかが気になる。
(追加:2016年4月10日)

 

1979/ 5/23    Polydor, Paris, France

1. Music For Journalists I / 2. Music For Journalists II / 3. Music For Journalists III / 4. Music For Journalists IV

パリのポリドールでジャーナリスト向けに行った演奏を収録したもの。
フリッパートロニクスのツアーは、この年1月にレコーディングを終えた 『 Exposure 』 のプロモーションを兼ねていたことが DGM Live のライナー、及びエリック・タム著の 『 ロバート・フリップ キング・クリムゾンからギター・クラフトまで 』 に記載してあるが、ここに収録されたフリッパートロニクスの演奏に前後して、ジャーナリストの質問に受け答えながら、フリップはプロモーションをしていたものと思わえる。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/24    Theatre Le Palace, Paris, France

1. Music For Palaces I / 2. Music For Palaces II / 3. Music For Palaces III / 4. Music For Palaces IV

パリの Theatre Le Palace という場所での演奏を収録したもの。
小曲2曲の後、20分強の曲を2曲続けているのは、最初聴衆の反応を見てから思い切ったものと思われる。 ジャケットの写真を見る限り、比較的小規模な儀軌上での演奏と思われる。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/25    The Music Box, Paris, France

1. Music Box I / 2. Music Box II

パリの The Music Box という場所での演奏を収録したもの。
この日は場所を変えて2公演ということもあるのか、2曲で30分以内と短めである。 一番の特徴は、ループに新しいループが重なることが少ないことである。 その結果ループの衰退が進むと全体の音量が小さくなくことがあり、フリッパートロニクス用のテープレコーダーの制御に問題が発生したかのようにも思える。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/25    Theatre Le Palace, Paris, France

1. Music For Palaces I / 2. Music For Palaces II

前述の通り、5月25日には2ヶ所で演奏を行っているのだが、その順番は明確ではない。 順当に考えれば翌日以降も同じ場所で演奏を続けた本公演が後で、その前に The Music Box での演奏を挟んだものと思われる。
その The Music Box と同じ2曲ではあるが40分と長め、新しいループも次々と重なり迫力もある。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/26    Theatre Le Palace, Paris, France

1. Music For Palaces I / 2. Music For Palaces II / 3. Music For Palaces III / 4. Music For Palaces IV / 5. Music For Palaces V

Theatre Le Palace, Paris, France での4連続の3日目。 トータル演奏時間も曲数も多いのだが、流石に演奏は控えめ。 3曲めの後半で音量が思いっきり上がるが、それまではとても地味な演奏を行っている。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/27    Theatre Le Palace, Paris, France

1. Music For Palaces I / 2. Music For Palaces II / 3. Music For Palaces III / 4. Music For Palaces IV

Theatre Le Palace, Paris, France での最終日を収録したもの。 同会場での連続したことが功を奏したのか、機材が良くコントロールされていて安定した演奏となっている。 更に ” Music For Palaces III ” のラストでは、「ゆったりとした長めのフレーズがループしながら衰退していく」というフリッパートロニクスの定石パターンではなく、「激しく短めのフレーズが衰退することなくループする」という珍しいパターンも披露している。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/28    D.G.G Offices, Hamburg, Germany

1. Music For Offices I

ドイツに戻り、ハンブルグのドイツ・グラモフォンで行った演奏を収録したもの。
1曲のみ15分程度の演奏だが、その間の変化は目まぐるしく様々なループが出てくるため、集中力を保ちながら聴くにはちょうどよい内容となっている。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/28    Schallplatten Record Store, Hamburg, Germany

1. Music For Record Stores / 2. Music For Record Stores And Solo / 3. RF Audience Chatter

ハンブルグのレコード店での演奏を収録したもの。
キング・クリムゾンを期待している聴衆に応えようとしたのか、それとも店頭での演奏が売上に直結することを意識したのか、多分後者だと思うが、激しく歪んだロング・トーンが出てくる。
最後に収録されている聴衆との会話は、ソースが異なるカセットテープ音源のため、何を話しているのか判別不明。
(追加:2018年10月10日)

 

1979/ 5/29    Kammertheater, Zurich, Switzerland

1. Unknown I / 2. Unknown II / 3. Unknown III / 4. Unknown IV

スイスに移動して、チューリッヒの Kammertheater での演奏を収録したもの。
とは言いながらも、音源テープ、及びその外箱に日付が記載されていなかったため、ツアー最終日の6月1日は Revox が不調で演奏が行なわれなかったとのことで、消去法で5月29日音源と定めたとのこと。
内容は良くも悪くも平凡で、当事者含めクレジット以外でフリッパートロニクスの音源を特定が難しいことが伺える。
(追加:2018年10月10日)
2022年に 『 Exposures 』 がリリースされた際、この音源は1979年5月9日の The Club, Brussels  の音源と修正された。
(追記:2022年9月25日)

 

1979/ 6/14    Record Revolution, Cleveland, USA

1. Music For Revolutions I With Origination Solo / 2. Music For Revolutions II With Origination Solo / 3. Music For Revolutions I With Playback Solo / 4. Music For Revolutions II With Playback Solo

1. Music For Revolutions I Loop Only / 2. Music For Revolutions II Loop Only

1ヶ月弱のヨーロッパでのプロモーションを終えた後、フリップは3ヶ月にも及ぶ北米でのプロモーション・ツアーを行う。
DGM Live からはこのツアーの演奏は単発でリリースされており、この日の演奏がその初期のものとなる。
ループ音2つが最後に収録されているが、その各々に「 Origination Solo 」と「Playback Solo 」が加わっているのだが、その違いはよく判らない。 公式音源のループ音とブート音源のソロという組み合わせで再現される音源についての説明が、タイトルからでももう少し読め解けるようにしてくれればと思う。
(追加:2022年9月25日)

 

1979/ 6/18    The Sound Warehouse, Chicago, Illinois, USA

1. Improv I / 2. Improv II / 3. Improv III / 4. Q And A / 5. Improv I And Solo / 6. Improv II And Solo / 7. Improv III And Solo / 8. Q And A*

* source recording incomplete

シカゴでのライヴのオーディエンス録音作品。
フリッパートロニクスのライヴは、録音された/されていくループ音源が前提となるため、その録音したテープを破棄しない限り最低でもループ音源だけは公式に残ることになる。 その結果、DGM Live からリリースされているフリッパートロニクス音源の多くは公式の音源、もしくは公式音源にブート音源のソロを加えたものである。 ただループ音のみの音源テープを整理することや、そこにブート音源を加えるという作業はやはり大変だったらしく、DGM Live のダウンロード販売開始は遅かった。
一方本音源は会場のノイズもそのまま残った公式音源を一切使用していないオーディエンス録音ということもあり、比較的早期からダウンロード販売されていた。 そのことはこの日の DGM Live の解説から今でも伺うことができ、当時のフリップの活動やフリッパートロニクスについての基本的な解説が中心となっている。
ライヴ全編が収録されているためループとループ+ソロという構成も判りやすく、ブート音源の補正で充分なのではないかとも思う。 なんて言ったら怒られるか。
(追加:2022年9月25日)

 

1979/ 6/22    Walker Arts Center, Minneapolis, USA

1. Loop I / 2. Loop II / 3. Loop III / 4. Loop I And Solo I / 5. Loop II And Solo / 6. Loop III And Solo I / 7. Loop I And Solo II / 8. Loop III And Solo II

ミネアポリスでのフリッパートロニクスを収録した作品。
前述した6月18日のシカゴでの音源と対象的に、公式のループ音源にブートレグ音源のギター・ソロを被せた作品である。 ただ、” Loop II And Solo ” については、” Loop II ” と異なりループの開始と最後に会場のノイズや拍手が収録されており、もしかしたら全てブート音源かもしれない。
また、『 Let The Power Fall 』 には、「 1988 is drawn from the concert at the Walker Arts Centre, Minneapolis on June 22nd 」とだけ記載があるのだが、” Loop III ” だと思われる。
その ” Loop III ” に手応えを感じたのか、それにソロを加えた ” Loop III And Solo I ” と ” Loop III And Solo II ” も完成度が高くなっている。
(追加:2022年9月25日)

 

1979/ 7/ 6    WMCF Studio, Rochester, NY, USA

1. Loop I / 2. Loop II / 3. Loop III / 4. Loop IV

フリップがWMCFラジオ・スタジオで録音した音源。 ” Loop I ” と ” Loop III ” が「 used 」されたとのことで、多分放送されたのだと思う。
その ” Loop I ” と ” Loop II ” の出だしは ” Exposure ” の出だしと似ていて、アルバムとしての 『 Exposure 』 のプロモーションを兼ねていたと思われる。
(追加:2022年9月25日)

 

1979/ 8/13    National Art Center Studio, Ottawa, Canada

1. 9th Aug Loop 13th Aug Solo / 2. 11th Aug Loop 13th Aug Solo / 3. 8th Aug Loop 13th Aug Solo / 4. 25th July Loop 13th Aug Solo / 5. 25th July Loop 13th Aug Solo

カナダのオタワでのフリッパートロニクスの演奏を収録した作品。
曲名からは、当日のループ音は採用されておらず7月末からのループ音にソロを加えていることになる。
これをどのように判断するか難しい。 DGM Live には 「Bootleg Cassette and Quarter Inch Reel to Reel Tape」 とクレジットされているのでループが公式音源、ソロが海賊音源と推測できるが、何故当日のループ音源を採用しなかったのかが判らない。
考えられるパターンとしては、
① 当日はループの演奏はしなかったので過去のループを使い、当日の海賊音源から抽出したソロを被せた
② 当日もループの演奏はしたが公式音源を紛失したため、過去のループ音源に当日の海賊音源から抽出したソロを被せた
のどちらかだが、この辺りのことを DGM Live の解説に記載してほしかった。
(追加:2022年9月25日)

 

1979/ 8/19    Le Pretzel En Chaine, Montreal, Canada

1. Loop And Solo I / 2. Loop And Solo II / 3. RF Dialogue / 4. Loop And Solo III / 5. RF Dialogue / 6. Loop IV / 7. Dialogue / 8. Loop And Solo IV The Perfect of Us All / 9. RF Dialogue / 10. Berkeley Loop Montreal Solo

フリップはカナダでのフリッパートロニクスのツアーを8月4日に始め、この8月19日で終了している。
この日の演奏は地元のラジオ局で放送されたらしいが、DGM Live の解説によるとその元音源ということになる。
『 God Save The Queen / Under Heavy Manners 』 や 『 Let The Power Fall 』のライナーを読むと、7月末から8月にかけてのフリッパートロニクス音源がこの2作品に使われていることが判る。 そしてこの日の DGM Live の解説を読むと、この2作品にも使われているのと同じループ音源をベースにフリップがソロを演奏しているという種明かしがされている。
(追加:2022年7月25日)

 

1979/ 9/ 8    Tribal Stomp Festival, Monterey, USA

1. Announcement And Setup / 2. Loop And Solo I / 3. Loop and Solo II

モントレーで行われた Tribal Stomp Festival でのライヴでの演奏を収録した作品。
クラッシュがオープニングを務めたフェスでのブートレグ音源で、オープニングでの司会者によるフリップの紹介やオーディエンスの反応も収録されたことで、音の悪さよりも会場の生々しさが伝わって来る。
小規模かつ密室のような会場で演奏する機会が多かったフリッパートロニクスだが、この日はオープンな会場でそれなりのオーディエンスの前で演奏したものと思われる。 1曲目の ” Loop And Solo I ” での反応が薄かったのか、フリップは2曲目の ” Loop And Solo II ” でソロ演奏の比率を高めているのが判る。
(追加:2022年9月25日)

 

1979/12/20    Blue Rock Studios, New York, United States

1. Music For Blue Rocks I / 2. Music For Blue Rocks II / 3. Music For Blue Rocks III / 4. Music For Blue Rocks IV / 5. Music For Blue Rocks V

ニューヨークのブルー・ロック・スタジオでレコーディングされたフリッパートロにクス音源。
録音時期、場所から、イーノとデヴィッド・バーンの共作である 『 My Life In The Bush Of Ghosts 』 のためにレコーディングされた音源の可能性が高いとされていが、実際に使われているとの確証は無い。
何れにせよ、演奏内容はループによる衰退音や発信音が積み重なったものでソロはフィーチャーされておらず、コラージュされることを前提に演奏していたものと思われる。
(追加:2022年7月25日)