1977
Low : David Bowie
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フランスと旧西ドイツでレコーディングされ、西ドイツでミックスされた作品。
ベルリン3部作、という表現にはどうしても違和感がある。 ドイツでレコーディングされていない 『 Lodger 』 を加えていることも勿論だが、アメリカン・マーケットに振り切ったボウイが本作品をもってヨーロッパ(旧西ドイツ)に回帰したと括ることに無理がある。
サイドによって印象が大きく異なる本作品のA面はファンクにストリングス・シンセサイザーと ARP や Mini-Moog が融合した全くユニークなサウンドであり、地域で語る事自体適切ではない。
インスト中心のB面もシンセサイザーの重厚感やワルシャワという地名からヨーロッパの印象が強いが、その ” Warsazwa ” の衝撃は唯一無二のものと言って過言ではない。
勿論、インターネット普及以前の時代において「ベルリン3部作」と括られたことは事実とは異なるものの正しいことと思うが、情報が行き届いた今において違和感は拭いきれない。
(追加:2024年3月10日)
The Idiot : Iggy Pop
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Recorded by David Bowie
デヴィッド・ボウイが、制作に大々的に関与した作品。
『 Low 』
と同時期、同プロダクションでありながら、音の肌触りは大きく異なっている。
それはシンセサイザーによる綺羅びやか且つ憂鬱な音色が存在しないこともあるが、『 Low 』
でのドタバタとしたファンク・ビートとは異なる粘っこいリズムによる所が大きい。
この辺り、プロデューサーとしてこそクレジットされることがなかったイーノの存在の有無が影響しているように思える。 もしボウイがイーノ抜きで 『
Low 』 を制作していたら、同じとは言わないまでも本作品と音の傾向は似ていたはずである。
参加することで新たなアイディアを加えるだけではなく、音そのものを変えてしまう程のケミストリーが生じてしまう何かがこの時期のボウイとイーノの間に存在していたことを、図らずも本作品が証明している。
(追加:2018年11月25日)
TV Eye 1977 Live : Iggy Pop
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リリースは1978年
live-treated piano David Bowie
1977年から1978年のデヴィッド・ボウイの活動が量的にも質的にも充実していることを証明する作品。
自身の 『 Low 』 と 『 "Heroes" 』、そしてイギー・ポップとの 『 The Idiot 』 と 『 Lust For Life
』 と、歴史的名作を次々とリリースした上に、イギー・ポップとはライヴまで行っている。
デヴィッド・ボウイが宇宙人であることを差し引いたとしても、この時期ボウイは地球上に複数名存在していたと私は睨んでいる。
ボウイが参加している4曲は、『 The Idiot 』
リリース直後のライヴから収録したもので、同作のプロモーション活動にまで関与していることを示している。
当時のライヴの写真をみると、ボウイはキーボード奏者に徹し前面に出ていないようにしている。
ただそれは、その思わせぶりがまた話題になることを充分に承知した上でのボウイの策略であり、見事に成功している。
(追加:2018年11月25日)
"Heroes" : David Bowie
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David Bowie vocals, keyboards, guitar, saxophone, koto
Carlos Alomar rhythm guitar
Dennis Davis percussion
George Murray electric bass
Eno synthesizers, keyboards, guitar treatments
Robert Fripp lead guitar
David Bowie, Tony Visconti and Antonia Maass background vocals
Produced by David Bowie and Tony Visconti
この世の中に ” 21st Century Schizoid Man ” に匹敵する楽曲があるとすれば、それは ” "Heroes" ” である。
『 In The Court Of The Crimson King 』 に匹敵するアルバムがあるとすれば、それは 『 "Heroes" 』 である。
(追加2022年5月10日)
"Heroes" / V-2 Schneider : David Bowie
” "Heroes" ” はポピュラリティも高い名曲だけにシングルもリリースされている。
6分超の楽曲を4分弱に短縮されており、デヴィッド・ボウイのコンピレーションには殆どこのシングル・ヴァージョンが収録されている。
(追加:2022年5月10日)
Heroes / Helden Heroes / Héros : David Bowie
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リリースは1982年
” "Heroes" ” はその楽曲としての途方も無い重要性から、ドイツ語とフランス語ヴァージョンがリリースされた。 様々なシングル、編集盤に断片的に収録されているのだが、1982年にリリースされた本12inchには、英語→ドイツ語ヴァージョンと、英語→フランス語ヴァージョンが収録されている。
この2曲にドイツ語単独ヴァージョンとフランス語単独ヴァーションを加えた 『 "Heroes" E.P. 』 が2017年に発売されたボックス
『 A New Career In A New Town 』 に収録されているのだが、単独販売は今のところされていない。
(追加:2022年5月10日)
"Heroes" : David Bowie
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リリースは2017年
40th Anniversary Edition としてリリースされたデヴィッド・ボウイのピクチャー・シングル
A Side の ” "Heroes" ” はシングル・ヴァージョンなのだが、アルバム・ヴァージョンの収録といった工夫をしてほしかった。
AA Side はマーク・ボランがホストを務める番組での ” "Heroes" ”。 同収録でボランとボウイが共演した ” Sleeping Next To You ” ではボランがステージから足を踏み外してコケる有名なシーンがあるのだが、ここではコンセプト外のため収録されていない。
(追加:2022年5月10日)
Peace On Earth / Little Drummer Boy : David Bowie & Bing Crosby
12inch
7inch
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リリースは1982年
ビング・クロスビーがホストを務めた番組にゲスト出演した時の楽興。
12インチ盤には登場シーンの語りの部分から収録されているが、7inch盤には語りの部分が割愛され楽曲部分のみが収録されている。 そしてCD化されたときには12インチ盤と同じテイクとその映像が収録されている。
楽曲としてはたいしたことはないが、サブスクでクリスマスというプレイリストで楽しむのなら充分かもしれない。
(追加:2022年11月25日)
Lust For Life : Iggy Pop
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Drums - Hunt Sales
Bass - Tony Sales
Guitars -
Carlos Alomar, Ricky Gardner
Piano - David Bowie
Vocals - The Band
Produced by Bewlay Bros. for RCA Records / Recorded by David Bowie
『 Trainspotting 』 の冒頭の映像が脳内再生されてしまう ” Lust for Life ”
から始まるイギー・ポップの作品。
前作 『 The Idiot 』
と同じく、ボウイのベルリン時期にレコーディングされているが、音の傾向はまた異なっている。
ジャスト感が無いというか、意図的にずらしているとしか思えないリズムをバックにしたギター・オリエンテッドな作品となっている。
結局の所、一緒に曲を創ろうが、演奏しようが、レコーディングしようが、デヴィッド・ボウイっぽさが全く作品に反映しないのがイギー・ポップとの関係の面白いところである。
しかもそこに、イギー・ポップがボウイを拒否したところもなく、ボウイのプロデュース能力の欠如を感じさせることもなく、あぁこうなるよなぁ、としか思えないところが凄い。
後にボウイが、大ヒットすることが前提だった自己の作品にこの時期のイギー・ポップの楽曲を多く取り上げているが、そこにイギー・ポップさが全く感じられないところも、また面白い。
(追加:2018年11月25日)
1978
"Beauty And The Beast" / Sense Of Doubt : David Bowie
『 "Heroes" 』 からのタイトル曲に続くシングル。
” "Heroes" ” に準拠したのか、クレジット上は” "Beauty And The Beast" ” となっている。
(追加:2022年5月10日)
Beauty And The Beast : David Bowie
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リリースは2018年
40th Anniversary Edition としてリリースされたデヴィッド・ボウイのピクチャー・シングル。
AA Side のライヴ・テイクの ” Blackout ” は、『 Stage 』 と 『 Welcome To The Blackout 』 の間の時期の演奏となる。
(追加:2022年5月10日)
Stage : David Bowie
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Carlos Alomar Rhythm Guitar
Adrian Belew Lead Guitar
Dennis
Davis Drums, Percussion
Simon
House Electric Violin
Sean
Mayes Piano, String Ensemble
George Murray Bass Guitar
Roger
Powell Keyboards and Synthesizer
David
Bowie Chamberlain
Background Vocals Carlos Alomar, Adrian Belew, Sean
Mayes, George Murray, Roger Powell
複数回あるデヴィッド・ボウイの絶頂期の一つをパッケージングしたライヴ・アルバム。
よく知られている通り、本作品は当時の実際の曲順の概ね前半と後半を入れ替え、ジギー時期→ステーション&ステーションとアメリカ時期を経て、ベルリン時期に至る曲順となっている。 本作品にライヴ感が希薄な理由の一つはこの編集した曲順があるのだが、このライヴ感の希薄な点がマイナスには振れておらず、むしろ孤高のオリジナル・アルバムのような印象を与えている。
エイドリアン・ブリューやロジャー・パウエルを筆頭にミュージシャンの演奏の完成度はメチャクチャ高いのだが、ボウイが凄すぎて全てが霞んでしまっている。 『 Low 』 や 『 "Heroes" 』 といった作品をスタジオで生み出した勢いが、ライヴという体をとった本作を生み出したに違いない。
(追加:2022年5月10日)
Stage (2017 Edition) : David Bowie
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リリースは2017年
David Bowie - Vocals, chamberlain
Carlos Alomar - Rhythm
guitar
Adrian Belew - Lead guitar
Dennis Davis - Drums,
percussion
Simon House - Electric violin
Sean Mayes - Piano,
string ensemble
George Murray - Bass guitar
Roger Powell -
Keyboards, synthesizer
Carlos Alomar, Adrian Belew, Sean Mayes,
George Murray, Roger Powell - Backing vocals
Recorded live by Tony Visconti with the RCA mobile Unit at the Spectrum Arena, Philadelphia,28th and 29th APril, 1978, Civic Center, Providence, 5th May, 1978 and New Boston Garden Arena, Boston, 6th May, 1978.
オリジナルの 『 Stage 』 の曲順を、実際のライヴの曲順にほぼ戻した作品。
オリジナルの 『 Stage 』 が 『 Low 』 や 『 "Heroes" 』 の流れで生み出された編集盤だったとしても、本作品が当時のデヴィッド・ボウイのライヴの全容だとしたら、ライヴ自体がとんでもない完成度であったことが判る。
こうなるともう1977年から1978年のボウイの活動は、質・量とも常軌を逸したレベルであったとしか言いようが無い。 イギー・ポップの 『 TV Eye 1977 Live 』 のところでも記載したが、自身の 『 Low 』 と 『 "Heroes" 』 のリリースとワールド・ツアー、イギー・ポップの2作品のプロデュースとライヴへの参加といった活動とその内容を踏まえると、いくらボウイが宇宙人だったとしてもこの時期は複数名地球に存在したとしか考えられない。
(追加:2022年5月10日)
Breaking Glass : David Bowie
Taken from the Album STAGE
『 Stage 』 からの3曲入EP。
『 Stage 』 の曲順とも、『 Stage (2017 Edition) 』 の曲順とも異なっているが、何れにせよ最後は ” Ziggy Stardust ” で帳尻を合わせようとしているところが判りやすい。
(追加:2022年5月10日)
Welcome To The Blackout ( Live London '78 ) : David Bowie
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リリースは2018年
Carlos Alomar Rhythm Guitar
Adrian Belew Lead Guitar
Dennis
Davis Drums, Percussion
Simon
House Violin
Sean Mayes
Piano
George Murray Bass
Roger
Powell Synthesizers
Program
Design Bowie
Recorded Live At Earls Court, London, 30th June And 1st Jlly, 1978.
2018年のレコード・ストア・ディで LP フォーマットで発表された後、一般発売された作品。
デヴィッド・ボウイ自身が絶頂期な上に、『 Stage 』 の2ヶ月後のライヴということもあり各メンバーの自由度が増えながらもバンドとしてのまとまりが高まっている。 クレジットによれば1979年段階でデヴィッド・ボウイ自身がミックスを行っており、パッケージ化する予定が当初からあったと思われる。 それだけに作品としての完成度はとても高い。
リリースから時間を経たことで 『 Stage 』 が古典化している一方、本作の位置付けはそこには及んでいない。 それでも 『 Stage 』 だけで満足してしまうのはもったいなく、本作品も是非聴いてもらいたい。
(追加:2022年5月10日)
Prokofiev - Peter And The Wolf ( David Bowie, Narr. ) ・ Briten - Young Person's Guide To The Orchestra
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David Bowie narrates Prokofiev's Peter and the Wolf
プロコフィエフの 『 ピーターと狼 作品67 』
をユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団が演奏したものに、ダヴィッド・ボウイがナレーションを加えた作品。
本作品がリリースされたのは、『 "Heroes" 』 と 『 Lodger 』
の間で、ボウイがカルト・ヒーロー的位置づけだった時期だけに、意外性はかなりあった作品だった。 日本盤の対訳を見ながら聴いていると、ボウイがかなり丁寧にナレーションをしていることがわかり、息子のために本企画を引き受けたというの説も、本当のことと思われる。
(追加:2019年5月25日)
1979
Lodger : David Bowie
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『 Low 』、『 "Heroes" 』 に続いてイーノが関与しているデヴィッド・ボウイの作品。
その2作品と比較すると分が悪い作品、ではなくボウイの全作品の中でも凡庸な内容である。 前2作との差異化としてヨーロッパではないことが念頭にあったと思われるが、「そこ」ではなく「そこ以外」を対象にしたためか作品としてのまとまりが無い。 まとまりが無くても突出したキラー・チューンがあれば良かったのかもしれないが、「そこ以外」に縛られたのか曲毎の完成度も高くない。
イーノ、そしてエイドリアン・ブリューという飛び道具があったのだから、コンセプトからはみ出した要素を取り入れることは容易にできたはずである。 そうしなかったのは、前2作品のヨーロッパ要素が余りにも強く、そこから逃れたいと思いが前面に出すぎたためかもしれない。
(追加:2022年11月25日)
The Original Soundtrack Just A Gigolo
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デヴィッド・ボウイが主演した 『 ジャスト・ア・ジゴロ 』 のサウンドトラック。
ボウイが多分コーラスで参加している ” The Revolutionary Song ” を含め、映画の舞台となった第一次世界大戦後のドイツのイメージしただろう楽曲が収録されており、ボウイのオリジナル・アルバムとは音楽傾向が大きく異なっている。
それでもこの作品を外すことができないのは、ヨーロッパの雰囲気が ” Low ”、” "Heroes" ” の流れに即しているからだと思う。
「 ” Low ”、” "Heroes" ”、” Lodgers ” をベルリン3部作というけど ” Lodgers ” はベルリン録音ではない」というのは定番かつ正しいツッコミだと思うが、その ” Lodgers ” の代わりに本作品を入れてベルリン3部作とすれば違和感は無い。
(追加:2022年11月25日)
John I'm Only Dancing : David Bowie
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John, I'm Only Dancing ( Again ) ( 1975 ) From The Young Americans Sessions ( Sigma Sound )
John, I'm Only Dancing ( 1972 ) From The Ziggy Stardust Sessions
デヴィッド・ボウイは、『 Young Americans 』 制作前に 『 The Gouster 』 というワーキング・タイトルをつけたアルバムに取り組んでおり、そのメイン楽曲が ” John, I'm Only Dancing ( Again ) ” だったと言われている。 本曲は、『 Ziggy Stardust 』 時期にレコーディングされシングルとして発表されていた ” John, I'm Only Dancing ” にディスコのリズムを取り入れにを強烈なダンス・ナンバーに仕上げたもので、ソウル期に突入したダイヤモンド・ドッグ・ツアーでも演奏されていた。
この曲が最終的に 『 Young Americans 』 に採用されなかったのは残念だし不思議でもあるのだが、1979年というタイミングにシングルとして発表されたのもまた不思議である。
B面は、オリジナル楽曲の再録である。
(追加:2022年11月25日)
John I'm Only Dancing : David Bowie
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John, I'm Only Dancing ( Again ) ( 1975 ) From The Young Americans Sessions ( Sigma Sound )
John, I'm Only Dancing ( 1972 ) From The Ziggy Stardust Sessions
『 John, I'm Only Dancing 』 の7inch盤。
12inch に収められたいた7分にも及ぶ ” John, I'm Only Dancing ( Again ) ” が、ここでは半分の長さに収録されている。
尚、B面については12inchと同じ内容である。
(追加:2022年11月25日)
1980
Scary Monsters : David Bowie
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David Bowie vocals + guitar
Dennis Davis percussion
George Murray bass
Carlos Alomar
guitars
Chuck Hammer guitar on Ashes to Ashes,
Teenage Wildlife
Robert Fripp guitar on Fashion, It's No Game, Scary Monsters, Kingdom Come, Up The Hill
Backwards, Teenage Wildlife
Roy Bittman piano
on Teenage Wildlife, Ashes to Ashes, Up The Hill Backwards
Andy
Clark synthesizer on Fashion, Scream Like A Boy,
Ashes to Ashes, Because You're Young
Pete
Townshend guitars on Because You're Young
Tony Visconti acoustic guitar on Scary Monsters, Up
The Hill Backwards
Lynn Maitland, Chris Porter, Tony Visconti,
David Bowie vocal backing
Michi
Hirota voice on It's No Game ( No.1 )
デヴィッド・ボウイが発表したノン・コンセプトの傑作アルバム。
曲調はバラバラである。 New Wave の代表曲と言っても良い ” Ashes To Ashes ”、ギター・オリエンテッドなディスコ・ソングの ” Fashion ”、ベルリンの空気とロバート・フリップの狂気なまでのギター・ソロをフィーチャーした ” Scary Monsters ( And Super Creeps ) ”、ピート・タウンゼントの豪快がギターが炸裂する ” Because You're Young ” 等々、1枚のアルバムに収録するにはあまりにもバラバラである。
にもかかわらず、アルバム全体としての統一感がある。 そしてこの統一感は ” It's No Game ” で最初と最後を固めるという手法によってではなく、各曲のレベルが尋常ではない程高いことによって成立している。
アルバム毎に傾向が変わりながらもデヴィッド・ボウイは凄い、と思わせてきたボウイが、1曲毎の傾向を変えながらもアルバムとして凄い、と思わせた作品である。
(追加:2023年3月25日)
Ashes To Ashes / It's No Game ( Part 1 ) : David Bowie
『 Scary Monsters 』 のリード・シングルが ” Ashes To Ashes ” であることに異論を唱えるものはいないだろう。
デヴィッド・ボウイの凄さは、活動の流れから理解しうる超名曲と、活動の流れから全く逸脱した超名曲を生み出すことなのだが、” Ashes To Ashes ” は完全に後者である。
シングル用にエディットされているものの、異型の名曲であることに変わりはない。
(追加:2023年3月25日)
Fashion ( edited version ) / Scream Like A Baby : David Bowie
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” Fashion ” の 7inch シングル。
ディスコでもウケた曲だけに、12inch や、モノ・ヴァージョン等様々なフォーマット、ヴァージョンが制作されたが、本作品はシングル・エディットを収録したオーソドックスな一般流通作品である。
B面の ” Scream Like A Baby ” はアルバム収録テイクと同じ内容である。
(追加:2023年3月25日)
Fashion ( Intro:27, End:Fade ) / Fashion ( Intro:16, End:Fade ) : David Bowie
” Fashion ” の12inchシングル。
「 Intro:27 」は、冒頭のヘコッといいう音が27回(26回?)続いた後リズム・ブレイクすることを表しているのだと思う。 内容としてはアルバム収録テイクである。
「 Intro:16 」は ” Fashion ( edited version ) ” と同じテイクで、冒頭のヘコッといいう音が16回(25回?)続いた後リズム・ブレイクすることを表しているのだと思う。 アルバム収録テイクより約1分半短縮されており、その殆どがフリップのギター・ソロと、ラストの「ファファファファファファション」というコーラスとフリップのギターが絡むパートである。 ” Scary Monsters ( And Super Creeps ) ” のシングル・ヴァージョンの短縮の仕方と比べるとガッカリ感がある。
(追加:2023年3月25日)
Fashion ( Stereo, Intro:16, End:Fade ) / Fashion ( Mono, Intro:16, End:Fade ) : David Bowie
” Fashion ( edited version ) ” のステレオ・ヴァージョンとモノ・ヴァージョンを収録した 7inch。
プロモーション用とはいえこうした作品が制作されたことからも、” Fashion ” の重要性がよく判る。
(追加:2023年3月25日)
It's No Game ( Part 1 ) / Fashion : David Bowie
日本独自シングルのシングルで、” It's No Game ( Part 1 ) ” がA面に、” Fashion ” がB面に収録されている。
” It's No Game ( Part 1 ) ” をA面に収録したシングルがリリースされたのは日本だけだが、これは同曲で日本語のナレーション(アジテーション)が採用されたからに他ならない。
一方欧米でシングル・カットされ、チャート上でも成功した ” Fashion ” がB面に収録されているのは残念である。 ただシングルでは短縮ヴァージョンで収録されることが多い同曲が、ここではアルバム・ヴァージョンで収録されている。
(追加:2023年3月25日)
Crystal Japan / Alabama Song : David Bowie
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『 Scary Monsters 』 レコーディング中の1980年3月、宝酒造社の宝焼酎「純」の CM 撮影のためにデヴィッド・ボウイは来日、その CM のバックで流れていたのが ” Crystal Japan ” である。 『 Scary Monsters 』 と同時期にレコーディングされながら採用されなかったインストなのだが、CM が流れるとボウイの姿とともにブラウン管が別空間になったのを強烈に記憶している。
” Alabama Song ” は1978年にレコーディングされていたブレヒトの楽曲で、ドアーズのカヴァーの方が有名かもしれない。 ちなみにボウイは、1982年にブレヒトの戯曲をTVドラマ化した『 Bertolt Brecht's BALL 』 に出演するとともにそのサントラを制作している。
(追加:2023年3月25日)
Soldier : Iggy Pop
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Personnel :
Glen Matlock
Ivan Kral
Klaus
Kruger
Steve New
Barry Andrews
イギー・ポップが、パンク~初期 New Wave 系ミュージシャンと制作した作品。
本作品の最大の良さは、バリー・アンドリューズが参加していることである。 本作品がレコーディングされたのは、アンドリューズが XTC
を脱退してリーグ・オブ・ジェントルメンでロバート・フリップと活動を始める迄の期間と推測されるが、セッションとは思えない程の記名性の高い演奏を行っている。
メインの楽器はここでもシンセサイザーではなくオルガンで、ピコピコではなくヘコヘコと鳴る細かいパッセージと、歪みが無いロング・トーンは最高である。
本作品でのデヴィッド・ボウイは ” Play It Safe
” の共作に留まっている。
演奏や制作に直接関わっている作品においてもイギー・ポップをたてること重きを置いているボウイだけに、共作曲からボウイらしさを確認することは困難である。
(追加:2018年11月25日)
1981
Scary Monsters ( And Super Creeps ) / Because You're Young : David Bowie
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” Scary Monsters ( And Super Creeps ) ” は、シングル・リリースにあたり1分40秒程短くなっており、その殆どがフリップのギター・ソロである。
オリジナルでの3回のギター・ソロのうち、まず1回目の地の底から湧き出てくるようなギター・ソロは丸々カットされている。
2回目のギター・ソロもその殆どがカットされ、さびの歌メロと絡み始める直前からだけが残されている。
そしてフェイド・アウトまでの1分半強続く3回目のギター・ソロは前半1分程がカットされ、かなり強引にコーラスとの絡みパートの後半に繋がっていく。
総じてフリップのギター・ソロがカットされていること自体は残念なのだが、その編集が余りにも大胆で別なテイクを聴いているようなお得感がある。
なお、” Because Your're Young ” はアルバム・テイクと同じ。
(追加:2023年3月25日)
Up The Hill Backwards / Crystal Japan : David Bowie
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” Up The Hill Backwards ” は 『 Scary Monsters 』 からの最後のシングルとしてリリースされている。
元々3分台という短めな楽曲だったこともあり、B面の ” Crystal Japan ” とともにエディットされることなくアルバム収録テイクと同じ内容になっている。
この 7inch シングルは 『 Scary Monsters 』 とは関連性の無いオリジナルのジャケットなのだが、マスクをした男性の横顔が描かれている。 コロナより40年前のイギリスにおいて、マスクをした姿というのは珍しかったものと思われる。
(追加:2023年3月25日)
Up The Hill Backwards / Crystal Japan : David Bowie
12inch としてもリリースされた ” Up The Hill Backwards ” のシングル。 B面も同じく ” Crystal Japan ” が収録されている。
” Ashes To Ashes ” のジャケットをピンク単色にしたジャケットは印象的だが、同曲を収録しているだろうとの誤解を呼んだと思う。
(追加:2023年3月25日)
Under Pressure : Queen & David Bowie
Queen と デヴィッド・ボウイが共演し発表した問答無用の名曲。
ボウイ視点からだと、後のミック・ジャガーやティナ・ターナーと共演では同じフィールドで戦って声量差で負けてしまった一方で、本曲ではフレディ・マーキュリーと真っ向から対峙するのではなく各々の良さが見事に表現されている。
後半フレディが「 Give love 」と連呼した後、「 'Cause love's Such~」とボウイが唄い出すところのゾクゾクするような感動は何度聴き直しても味わうことができる。
(追加:2024年3月10日)
1982
Cat People Original Soundtrack Music By Giorgio Moroder
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ジョルジオ・モロダーによる映画『 キャット・ピープル 』 のサウンドトラック。 レコーディングとミックスはロサンゼルスで行われ、” Cat People ( "Putting Out Fire" ) ” のボウイのヴォーカルはモントレーで後録りされている。BOXでクレジットが初出している
クレジットには使用されたシンセサイザーがリスト化されているのだが、Synclavier II の他アナログ・シンセサイザーがずらっと並んでいる。 売れ線のポップな楽曲と制作するという縛りがないサウンドトラックというフィールドは、モロダーには居心地が良かったのではないかと思う。
ただ ” Cat People ( "Putting Out Fire" ) ” のアレンジ、特に女性コーラスはあまりにも安っぽく、『 Let's Dance 』 収録テイクの方が好みである。
(追加:2024年3月10日)
Cat People : David Bowie
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『 Cat People 』 の日本盤シングル。
アルバム収録テイクだと最後に延々と続く女性コーラスのパートが思いっきりカットされているため、安心して聴くことができる。
(追加:2024年3月10日)
David Bowie In Bertolt Brecht's Baal : David Bowie
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デヴィッド・ボウイが主演したBBCのドラマ 『 Baal 』 のサウンドトラック。
ベルトルト・ブレヒトの戯曲を元にしているらしいが、その戯曲に対する知識を持ち合わせていないしドラマ自体も未見のため、このサウンドトラックの印象も薄い。
私は本作品の 7inch盤と 12inch盤を所有しているのだがそこに演奏者のクレジットは無く、2017年にリリースされたボウイのボックス 『 A New Career In A New Town [ 1977–1982 ] 』 に収録された本作品で初めてそのクレジットを知ることができた。
(追加:2024年3月10日)