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Keith Tippett Discography / the early 2010s

2011

From Granite to Wind : Keith Tippett Octet

  1. From Granite to Wind

リリースは2011年

tenor & soprano saxes    Paul Dunmall
alto sax    James Gardiner - Bateman
drums    Peter Fairclough ( cymbal sculptures by Steve Hubback )
alto & baritone saxes    Kevin Figes
double bass    Thad Kelly
voice, seed pods, Balinese xylophone, toy xylophone, struck thumb piano    Julie Tippetts
tenor sax ( System 54 ), bass clarinet    Ben Waghorn
piano, keyboard & interior, pebbles, maraca, woodblocks, music box    Keith Tippett 

Recorded & mixed by Mat Arnold at Real World Studios on 30/31 January 2011.

キース・ティペット・オクテット名義での作品。
同一名義では、後にリリースされた 『 The Nine Dances Of Patrick O'Gonogon 』 という2014年レコーディングの作品があるが、メンバーは異なっている。
大人数編成での演奏ということもあり、事前に構成を決めていたと思われ、静と動のコントラストが明確になっている。 静のパートの中心はジュリー・ティペッツのヴォーカル、動のパートはインストゥルメンタルが中心で、それはそれで面白いのだけど、ちょっと判りやすすぎる気もする。 破綻ギリギリの所でせめぎあうような演奏を期待したいのだが、流石にオクテットともなるとそうもいかないのか。
(追加:2020年8月10日)

 

2012

Mujician Solo IV : Keith Tippett

  1. Piacenza

リリースは2015年

Keith Tippett : Steinway Grand Piano

Recorded live at Conservatorio Nicolini, Piacenza, Italy, January 14, 2012

四半世紀を超えてリリースされた、ソロとしての Mujician 作品。
Mujician I,II,III は関連性のある作品として捉えることができた一方で、本作品を Mujician IV として位置づけることに無理があるのは否めまい。 売るためのタイトルとして使用したに過ぎない。
ただ、そんなことはどうでも良い。
Mujician の冠を使おうが使うまいが、ティペットが一人でピアノに対峙た時の凄まじさは尋常ではない。 本作品では、ステンウェイの弦をこれでもか活用しており、他のティペットのピアノ・ソロとの差異化がなされている。 ただこの差異化は、作品の為に意図的に行っているのではなく、ティペットがその日に演奏した結果がそのまま現れたものである。
凄まじい。
(追加:2016年5月10日)

 

2013

Songbook #1 : The Vicar

  1. Girl with the Sunshine
  2. Childhood Days  [ Fretless Bass : Tony Levin ]
  3. That Boy's Not Cool
  4. The Moony Song  [ Electric Guitar : Robert Fripp ]
  5. Twenty Two 
  6. Three Sides of Me
  7. Man With a Woman
  8. Forever
  9. San Manuel
  10. She Closes Her Eyes
  11. In Dying Fire  [ Backing Vocals : Jakko Jakszyk ]
  12. Count y our Blessings
  13. Inside My Head
  14. Lonely Sunday

Piano : Keith Tippell

デヴィッド・シングルトンによる、企画モノ色が強い作品。
「 Tippett 」 ではなく、「 Tippell 」 とクレジットされているティペットは、” Twenty Two ” 1曲に参加している。 弦楽器を中心とした生楽器群とティペットのピアノの相性は良く、大々的にソロがフィーチャーされているわけではないが、存在感が十二分に感じられる。
本作品の ” The Moony Song ” にはフリップが参加しているのだが、ティペットとの共演の機会は無かったのだろうか。 現在の2人の間で画期的な何かが生まれる可能性は低いだろうが、ニアミスしているだけに非常に勿体無い。
(追加:2017年12月25日)

 

2014

The Nine Dances Of Patrick O'Gonogon : Keith Tippett Octet

Group 1

  1. The Dance And Return Of The Swallows
    segue
  2. The Dance Of The Intangible Touching
    segue
  3. The Dance Of The Sheer Joy Of It All

Group 2

  1. The Dance Of The Walk With The Sun On His Back
    segue
  2. The Dance Of The Day Of Observance
  3. The Dance Of The Longing

Group 3

  1. The Dance Of The Bike Ride From Shinanagh Bridge With The Wind At His Back
  2. The Dance Of Her Returning
  3. The Dance Of The Wily Old Fox Of The Ballyhoura Mountains

Coda a

  1. The Dance Of Her Returning (with voice)

Coda b

  1. The Last Rose Of Summe

リリースは2016年

Fulvio Sigurta - trumpet / flugelhorn
Sam Mayne - alto & soprano saxophone / flute
James Gardiner Bateman - alto saxophone
Kieran McLeod - trombone
Rob Harvey - trombone
Tom McCredie - bass
Peter Fairclough - drums / percussion
Keith Tippett - piano / composer
with
Julie Tippetts - voices on The Dance Of Her Returning

Recorded and produced at Real World Studios on 24/25 October 2014

キース・ティペット・オクテット名義で発表された作品。
久々のスタジオでのレコーディング作品であり、オクテット+ジュリー・ティペッツの大所帯だけに、レコーディング前に作曲とアレンジは綿密に行われたものと思われるが、型にはまってしまった堅苦しさは全く無い。 スタジオという場を活用したライヴ作品と捉えた方が正しいかもしれない。
ただリリースにあたっては資金が足りなくなったらしく、Discus は Kickstarter を使って資金を集めている。 こうした音楽への需要が無くなったことを端的に表しているが、本当に残念なことである。 本作を含めティペットの作品には、「 May music never just become another way of making money 」とクレジットされているものが多い。 ポピュラリティの高い作品にお小遣い稼ぎのゲスト参加をしていないティペットの姿勢を反映したクレジットだと思うが、無尽蔵にライヴ・レコーディングされているだろうティペットの音楽を聴く機会がもっと増えたら嬉しい。
また、本作品はティペットが心臓発作と肺炎の合併症で療養した際に、売上がその支援に使われている。 お金のためだけに音楽に取り組むことを良しとしないティペットが、音楽によって救われる。 意義が大いにある作品である。
(追加:2019年5月25日)