1996
Couple In Spirit II Live At The Stadtgarten, Cologne : Keith And Julie Tippett
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リリースは1997年
Keith : piano, woodblocks, pebbles, maraca, bells
Julie : voice, thumb piano, recorder, wind chimes
キース&ジュリー・ティペットによるライヴ・アルバム。
これは素晴らしい作品である。 即興演奏であることは前作 『 Couple In
Sprit 』 と同じなのだが、ライヴという環境が良い方向に触発したのか、緊張感溢れる内容になっている。
2人による判りやすいコール&レスポンスはなく、お互いに常に対峙しあっている。
対峙しあってはいるが一方的に自分がやりたいことを投げつけあっているのではなく、絡み合っている。 このあたりのギリギリのバランス感覚が、本作品の最大の魅力である。
(追加:2017年3月10日)
1997
Baldik : Dean / Dunmall / Levin / Rogers / Roswell / Tippett
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Elton Dean Saxes
Paul Dunmall Saxes
Tony Levin Drums
Paul Rogers Bass
Roswell Rudd Trombone
Keith Tippett Piano
エルトン・ディーンとポール・ダンモールという2人のサックスと、Mujician が競演した作品。
エルトン・ディーンとキース・ティペットが一緒に演奏する、というのは魅力的なフレーズなのだが、一緒に演奏することによるケミストリーは感じられない。 感じられない、というよりもケミストリーの必要性がない、と言った方が的確なのだと思う。
一聴すればわかるように、凄まじいまでの破壊力を持つ作品である。 このクオリティは2人の作品のいつものことであって、2人が一緒に演奏する!、という聴く側の期待や思い込みなど、ましてや必要ない。
インプロを中心とした3曲とも長尺な演奏だが、聴き終えると1つの音の固まりを短時間にぶつけられたような疲労感を感じる作品である。
(追加:2012年12月10日)
Colours Fulfilled : Mujician
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リリースは1998年
Tony Levin - drums
Keith Tippett - piano [ woodblock, pebble ]
Paul Dunmall - tenor and soprano saxes, E♭ clarinet, bagpipes
Paul Rogers - double bass
Recorded at Gateway Studio, Kingston, UK May 18th 1997
Mujician が1997年に行ったライヴを収録した作品。
私は、キース・ティペットの2013年の来日公演を観る機会に恵まれた。
小さなライヴ・ハウスでのピアノ独演は、ティペットとピアノのとの対峙を目の当たりにすることができる素晴らしい機会であった。
あとはもう
Mujician のライヴを観たかった。 ある程度の決め事に基づくだろうインプロがどのような過程で構築されていくのか、その瞬間を目の当たりにしたかった。
大勢の観客数は期待できないと思うので興行的には厳しかったかもしれないが、本作品を聴いていると益々そう思えてくる。
プリペアード・ピアノの活躍度が目立つ作品ではあるが、勿論通常のピアノを弾きまくるティペットを堪能することができる。
(追加:2017年5月25日)
Friday The 13th : Keith Tippett
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Produced by Keith Tippett
Recorded on Friday the 13th, June, 1997 in Sendai Japan
キース・ティペットの初来日コンサートを収録したライヴ・アルバム。
50分弱の楽曲が1曲収録されているだけだが、とにかく凄まじい演奏。 インプロを中心とした50分もの曲を一人で演奏していれば、通常なら中だるみに近いスローなパートが差し込まれるのだろうが、ティペットはただただ、ひたすら弾きまくっている。
50分もの間、たった一人で緊張感を維持しながらこれだけの演奏を続けることができるのか不思議に思えてくる。
木片や石等をピアノの中に入れたプリペアード・ピアノによる偶発的な音や、サスティン・ペダルを踏みっぱなしにすることによる分厚い音などトリッキーな奏法も含まれているが、そのトリッキーさがだけが目立ったりしていないことが、この演奏の素晴らしさを物語っていると思う。
聞き流してしまうことなく、スピーカーの前でティペットに対峙してしまう名盤。
(追加:2003年3月10日)
1998
Mujician I & II Piano Solo : Keith Tippett
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Recorded On December 3rd And 4th, 1981 (Tracks #1,#2
and #5)
And on June 13th, 1986 (Tracks #3 and #4) In Berlin.
本作品はティペットがソロでリリースした「 Mujician
」三部作の最初の2作品を1998年にCD化したもの。 1,2,5が1982年にリリースされた 『 Mujician I 』
から、3,4が1986年にリリースされた 『 Mujician II 』 からで、4,5が短縮化されている。
『 Mujician II 』 のジャケットを、『 Mujician 』 の薄い紺色を使って再現したジャケットには、長めのコートを着たままピアノを演奏するティペットの姿が収められており、唯一無二の彼の演奏と見事にマッチしている。 作品トータルの完成度も非常に高い名盤だと思う。
(追加:2005年2月11日)
(変更:2018年8月25日)
Zen Fish : Dreamtime
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Roberto Bellatalla bass Gary Curson alto & soprano saxophones Nick Evans trombone Jim Le Baique drums Keith Tippett piano, woodblocks & pebbles, piano interior & maracca
Recorded at Gateway Studios, Feb 98.
ドリームタイムにキース・ティペットが参加している2作品目。
ドリームタイムの活動は不定期なものだと思うが、前作 『 Cathanger '86 』 のレコーディングから10年以上を経てるが大きな違いは見られない。
ティペットの活躍度も同じく高くなく、管楽器と絡み合う楽曲の中での演奏や ” Ornett's Nest ”
でのメランコリックなピアノ・ソロもあるのだが、前者では本気の格闘とは思えないし後者はティペットじゃなくてもよい演奏である。
Mujician
としての活動を別にすると、こうしたフォーマットでの演奏に対してのティペットの関心度は、この時期頃低くなっていたのかもしれない。
(追加:2021年2月10日)
1999
Bò kay La Vi-a : Francine Luce
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Francine Luce - voice, water on 5 & 10
Evan
Parker - tenor & soprano saxophones, water on 5
Claude Deppa -trumpet,
flügelhorn, water on 5
Paul Rutherford - trombone
Keith
Tippett - piano, music box
Paul Rogers - double bass
Louis Moholo -
drums, percussion
フランス出身のジャズ・シンガー、フランシース・リュース(多分)のソロ・アルバム。
彼女がどのような経緯でこのソロ・アルバムのリリースにまで至ったのかは判らなが、バックが凄い。
キース・ティペットがいて、ポール・ロジャース(ベースのね)、ルイ・モホロ、そしてエヴァン・パーカーという人選で、ボーカリストのデビュー・アルバムをレコーディングするという発想が出てきたところが凄い。
ただその結果として、リュースのヴォーカル・スタイルが正統派ジャズというよりフリキーなのが、彼女自身の資質なのか、それともこのメンバーに触発されたものなのかは判らなくなっている。
当然ながらキース・ティペットは弾きまくっており、ジュリー・ティペッツ以外のヴォーカリストとの絡みを珍しく堪能できる。
(変更:2019年12月10日)
2000
Two's and Three's : Elton Dean
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エルトン・ディーンが1989年にカセット・テープでリリースした 『 Duos 』 と 『 Trios』 を中心に編集した作品。
ティペットの演奏は、前者には1曲、後者には2曲収録されているが、残念ながら本作品には前者からの1曲、” K.T. ” のみが収録されている。
タイトルがそのまんまの ” K.T. ” は、8曲弱のデュオ演奏。
どちらかと言えばディーンのサックスが主体の楽曲で、その隙間をティペットが埋めていく展開。 ティペット中心に聴こうとすると、物足りなさが残る。
(追加:2017年9月25日)
Viva La Black Live At Ruvo : Keith Tippett, Julie Tippetts, Louis Moholo - Moholo & Canto Generàl
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リリースは2003年 Album
Keith Tippett
piano, conduction
Julie Tippetts Voice
Louis
Moholo - Moholo drums
with
Canto Generàl : Gianna
Montecalvo, Cinzia Eramo, Gabriella Schiavone, Teresa Vallarella, Loredana
Perrini, Maristella Schiavone voices
Vittorino Curci
alto sax
Roberto Ottaviano soprano sax, alto sax
Fabrizio Scrafile tenor sax
Felice Mezzina
tenor sax
Nicola Pisani baritone sax
Marco Sannini,
Luca Calabrese, Vincenzo De Luci, Vito Mitoli trumpets &
flugelhorns
Beppe Caruso, Lauro Rossi, Franco Angiolo, Michele Marzella
trombones
Giorgio Vendola, Francesco Angiuli acoustic
& electric basses
Livio Minafra piano, keyboards
Vincenzo Mazzone drums
Linückea recorded at Gateway Studios Kingston
3-2000.
Let The Music Speak recorded at Gateway Studios for BBC Radio
Mazz On 3
ティペット夫妻とルイ・モホロが南イタリアのイタリアのカント・ジェネラルと共演した作品。
複数のサックス奏者、トランペット&フルーゲルホーン奏者、トロンボーン奏者が在籍するカント・ジェネラルと共演した結果、キース・ティペット・グループやルイ・モホロ・オクテット、センティピード、はてはティペットやモホロが参加しているマーク・チャリグのソロ作品の楽曲が収録されており、キース・ティペットのジャズ・ロックど真ん中の時期の活動が再現されている。
もちろん、ニック・エヴァンス、マーク・チャリグ、ハリー・ミラー、そしてエルトン・ディーンもここにはいないが、それでもジャズ・ロック領域で演奏するティペットの魅力を堪能することができる秀作である。
(追加:2020年10月25日)