1976
Oh! For The Edge : Elton Dean's Ninesense
Elton Dean - Alto Sax, Saxello.
Alan Skidmore -
Tenor Sax.
Harry Beckett - Trumpet, Flugelhorn.
Mark Charig -
Trumpet, Tenor Horn.
Nick Evans - Trombone.
Keith Tippett - Piano.
Harry Miller - Bass.
Louis Moholo - Drums.
Recorded Live At Grass Roots Jazz Club At The Ido Club, Ido Oxford Street, London W.I. On Monday, March 22 1976.
エルトン・ディーンズ・ナインセンスのファースト・アルバム。
ディーン自らのライナーには、「1969~70年に自分達(キース、チャリグ、ニック、そして自分)が参加していた六重奏団の拡張版で、スピリットは似ている」と記載してあるのだが、この六重奏団というのは当然キース・ティペット・グループということになる。
とういことで本作品は、アンサンブルとソロのぶつかり合いが交差する激しいジャズ・ロックとなっている。
時折差し込まれる判りやすい美メロさえも、毒っけたっぷりで、緊張感を正しく強いられる感じがする。
バンド名に自分の名前が有る無しなど関係なく、キース・ティペットはピアノを弾きまくっている。
ジャズ・ロック系の作品を多く残した70年代の作品の中でも、本作品でのティペットの演奏は秀逸である。
(追加:2018年6月25日)
They All Be On This Old Road : EDQ
リリースは1977年
Elton Dean alto sax, saxello
Keith Tippett piano
Chris Lawrence
bass
Louis Moholo drums
Recorded live at the Seven Dials, Shelton Street, London WC2 on 18 November 1976
エルトン・ディーンが、カルテットで演奏したライヴを収録した作品。
ジョン・コルトレーンの ”
Naima ” や、コルトレーンやソニー・ロリンズも取り上げたジャズのスタンダード( ” Nancy ( With The Laughing
Face ) ” と ” Easy Living ” が演奏していること、そして 「 They All Be On This Road 」
というタイトルから、正統派ジャズ・カルテットを意識した作品と思われる。
そうした趣旨から本作品の中心奏者はエルトン・ディーンとなる。
サックスを主としたカルテットでのピアノ奏者の標準的な演奏というのがどういうものか判らないが、キース・ティペットの演奏は目立たない。
ディーンとティペットの火花を散らすようなソロの応酬が楽しめないのは残念であるが、これはこれで珍しい演奏を楽しむことができる。
(追加:2017年9月25日)
They All Be On This Old Road The Seven Dials Concert : EDQ
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リリースは2021年
Elton Dean alto sax, saxello
Keith Tippett piano
Chris Lawrence
bass
Louis Moholo-Moholo drums
Tracks 3-8 issued on LP in 1977 as OG410.
Tracks 1,2,9 & 10 previously unreleased.
1977年にアナログ・リリースされた EDQ ( Elton Dean Quartet ) の 『 They All Be On This Old Road 』 は、正統派ジャズ・カルテットを意識した作品であった。 一方、当日のライヴ演奏曲を追加収録して2021年にCD化した本作品は、その印象が大きく異なっている。
追加された4曲の中にもジャズ・スタンダードの ” Here's That Rainy Day ” が収録されてはいるのだが、冒頭の ” Edeeupub ” とラストの ” Echoes ” の印象があまりにもジャズ・ロックで作品全体の印象を変えてしまっている。
両曲ともキース・ティペットの活躍度は高く、「ドラムの音の隙間から湧き出てくるようなピアノ」という表現は音楽的には正しくないのだろうが、そうとしか聴こえない演奏を繰り広げている。
(追加:2023年4月25日)
Full Steam Ahead : Harry Miller's Isipingo
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リリースは2009年
ハリー・ミラーと奥さんのヘーゼル・ミラーによって設立された Ogun からリリースされたハリー・ミラーズ・イシピンゴの発掘音源集。 ライヴで演奏されていた楽曲のスタジオ・テイクや別ライヴ・テイクが発掘収録されているのが嬉しい。
自身の名前があるもののハリー・ミラーズ・イシピンゴにおいてベースが突出して目立つ場面は少なく、トランペット、トロンボーン、サックスの活躍度が高い楽曲が多い。
ライヴでは3管のソロ・パートが挿入され長尺となる ” Family Affair ” は6分程度にコンパクトに纏められているものの、ティペットのソロはしっかりとフィーチャーされている。
ライヴの ” Dancing Damon ” は録音の問題なのかピアノの音が引っ込んでしまっているが、ソロも管楽器との絡みも充分に堪能することができる。
(追加:2024年4月10日)
Warm Spirits ・ Cool Spirits : Keith Tippett ・ Jullie Tippett ・ Trevor Watts ・Colin McKenzie
リリースは1977年
Keith Tippett
(piano/autoharp/percussion)
Julie Tippett
(voice/percussion)
Trevor Watts (alto/soprano)
Colin McKenzie (bass guitar)
Recorded at Riverside Studios 15 December 1976
キース&ジュリー・ティペット、サックス奏者のトレバー・ワッツ、初顔合わせのベーシスト、コリン・マッケンジーによるスタジオ録音作品。 1日でレコーディングされていることから即興一発録りと思われる。
各々の名前が題された4曲は2分以内の独演曲で、その他が4人での演奏となる。 特異な楽器構成での演奏は緊張感が溢れる場面もあれば、4つの音がただ同時に発信しているだけのこともある。 何か新しいことが生まれるかを試みた正にフリー・ジャズなのだが、残念ながら成功しているとは思えない。
独演曲が収録されているのも、当人達に達成感が無かった証かもしれない。
(追加:2024年4月10日)
1977
Happy Daze : Elton Dean's Ninesense
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Elton Dean : Alto Sax, Saxello
Alan Skidmore :
Tenor Sax
Harry Beckett : Trumpet, Flugelhorn
Marc Charig : Cornet,
Tenor Horn
Nick Evans : Trombone
Radu Malfatti :
Trombone
Keith Tippett : Piano
Harry Miller : Bass
Louis Moholo :
Drums
Recorded At Redan Recorders London W.2. On July 26. 1977
エルトン・ディーンズ・ナインセンスのセカンド・アルバム。
今回のライナーにもわざわざとナインセンスが、「1969/1970年のキース・ティペット・グループの精神的後継者」と記載されており、実際その音の肌触りは
『 You Are Here ... I Am There 』 や 『 Dedicated To You,
But You Weren't Listening 』 と似ているところがある。
などと簡単に記載してみたが、この2作と似ているということは、それだけで大傑作ということである。
キース・ティペット・グループの作品程のポピュラリティは獲得していないものの、70年台後半においてもこれだけのテンションを保つだけのケミストリーが、このメンバーの間であったものと思わる。
一方このライナーには、本作品が Bracknell Jazz Festival から委託され、The Arts Council Of Great
Britain から基金が提供されたと記載されている。
つまりこれだけの演奏を披露する機会とLPとして発表するためには、金銭的支援が無いと成り立たなかったということである。
ミュージシャンが、所謂ジャズ・ロック、フリー・ジャズを演奏するだけでは生活が成り立たないだけではなく、そもそも演奏する機会に恵まれないことを、本作品は明らかにしている。
70年台後半においてである。 中々考えさせる作品である。
(追加:2018年6月25日)
Cruel But Fair : Hopper / Dean / Tippett / Gallivan
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Hugh Hopper : bass
Elton Dean : alto saxophone & saxello
Keith Tippett : piano
Joe Gallivan : drums, percussion & synthesizer
ヒュー・ホッパー、エルトン・ディーン、キース・ティペット、ジョー・ギャリヴァンのカルテットによる作品。
前3人の名前から思いっきり期待されるジャズ・ロックな楽曲もあるが、もっと混沌として無秩序な音も提示されたりする。
そして凄いのがその「混沌として無秩序」なことが、「勢いだけで制作して未整理」なのではないことである。
ド真ん中のジャズ・ロックが苦手な人にも、本作は好まれるかもしれない。
他流試合にも強いキース・ティペットの凄さは本作でも充分に発揮されているのだが、ギャリヴァンの演奏するシンセサイザーと絡む生ピアノというのも聴きどころである。
(追加:2016年12月25日)
Pipedream : Mark Charig with Keith Tippett, Ann Winter
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Mark Charig cornet, tenor horn
Keith Tippett organ, zither, piano, voice, bell
Ann Winter voice, bell
Recorded on 14 and 15 January 1977 at St. Stephen's Church, Southmead, Bristol
マーク・チャリグ名義の作品。
オルガンを使いたい、というキース・ティペットのアイディアに基づき教会でレコーディングされている。 従ってティペットのメイン楽器もピアノではなくオルガンという珍しい作品となっている。
細かく弾きまくらないオルガンをベースに、教会特有のエコーがかかったコルネットとアルトフォンが絡むという珍しい作品となっている。 勿論ティペットがピアノの連打、弾きまくりを聴きたいという欲求もあるが、唯一無二の世界が展開されておりアルバム全体の味わいは深い。
(追加:2021年7月10日)
Supernova : Stan Tracey - Keith Tippett
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リリースは2008年
Keith Tippett - piano ( right channel )
Stan Tracey
- piano (
left channel )
Recorded live at the ICA, London on 21st August 1977
スタン・トレイシーとキース・ティペットによる2枚目のデュオ・アルバム。
前作での1974年のライヴから3年経ているわけだが、メディア化されていないだけでその間にも二人での演奏の機会はあったものと思われる。
ただそうした経験を重ねたことが演奏に反映しているということはなく、前作同様ガチンゴで演奏に向かい合っている。
クレジットから左右のチャンネルが前作と反対になっていることがわかるが、そもそも二人の演奏が塊になって出てきているので、その差を感じることはない。
デュオでの成果を踏まえ、ティペットは全ての楽器の奏者を2人揃えた、Keith Tippett's ARK による 『 Frames 』
で、スタン・トレイシーに起用することにしたのだと思う。
(追加:2019年3月10日)
1978
In Conference : Harry Miller
Harry Miller bass
Willem Breuker
soprano, tenor saxophones, bass clarinet
Trevor Watts
alto, soprano saxophones
Julie Tippetts voice
Keith Tippett piano
Louis Moholo
drums
Recorded on 27 January 1978 at Redan Recorders, London W2.
ハリー・ミラー名義の作品。
レコーディングは、ルイ・モホロ・オクテット名義の作品 『 Spirits Rejoice ! 』
と同じ1978年1月にロンドンで行われており、一連のイヴェントの中で演奏されたものと思われる。
B面での管楽器とジュリー・ティペッツのヴォーカルのダブル・リードに絡むキース・ティペットのピアノも良いが、アップテンポな ”
Orange Grove ” でリズム隊をバックに演奏するのソロ・パートがとても良い。
ティペットにしては珍しいと言って良いのか判らないが、跳ねるように楽しげに演奏しており、ティペットの柔軟性が見事に表現されている。
(追加:2020年3月10日)
Frames Music for An Imaginary Film : Keith Tippett's Ark
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Keith Tippett - piano, harmonium
Stan Tracey - piano
Elton Dean - alto sax, saxello
Trevor Watts - alto & soprano saxes
Brian Smith - tenor & soprano saxes, alto flute
Larry Stabbins - tenor & soprano saxes, flute
Mark Charig - trumpet, small trumpet, tenor horn, Kenyan thumb piano
Henry Lowther - trumpet
Dave Amis - trombone
Nick Evans - trombone
Maggie Nicols - voice
Julie Tippetts - voice
Steve Levine - violin
Rod Skeaping - violin
Phil Wachsmann - electric violin, violin
Geoffrey Wharton - violin
Alexandra Robinson - 'cello
Tim Kramer - 'cello
Peter Kowald - bass, tuba
Harry Miller - bass
Louis Moholo - drums
Frank Perry - percussion
ティペットによる2枚組ジャズ・オーケストラ。
これだけの大作を作曲・アレンジしたティペットのミュージシャンとしての底力には圧倒される。 似たコンセプトの作品に
Centipede 名義の 『 Septober Energy 』
があるが、破壊力は本作が遙かに上回っている。
大勢の奏者を使ったこうした作品を世に問い続けるには、準備期間を含め相当のお金が必要なはずで、セールス面で成功した経験のないティペットには厳しいのかもしれない。 ピアノ・ソロや小人数の
Mujician
での作品も素晴らしいが、もし金銭面の問題でティペットが本作のような大作をリリースし続けることができないのであれば、とても残念なことである。
どこかに良いスポンサーはいないものだろうか。
(追加:2008年6月10日)
Sprits Rejoice ! : Louis Moholo Octet
Louis Moholo :
Drums
Evan Parker tenor sax
Kenny Wheeler
trumpet
Nick Evans trombone
Radu Malfatti
trombone
Keith Tippett piano
Johnny Dyani
bass
Harry Miller bass
Recorded on 24 January 1978 at Redan Recorders, London W2.
ルイ・モホロによるオクテットでの作品。
殆どの曲が、メイン・テーマ → フリー・パート →
メイン・テーマ、という展開で、全体像が掴みやすい作品である。
キース・ティペットはつくづく自己主張が激しいミュージシャンだと思う。
演奏者が少ない時やソロ作品においてだけでなく、本作品のように演奏者が多い場合でも弾きまくっていることがよく判る。
本作品においては、フリー・パートでは管楽器と激しく渡り合うのも凄いが、メイン・テーマに絡みまくる演奏を聴いていると素晴らしいミュージシャンだなと思わずにはいられない。
(追加:2018年3月25日)
1979
The Unlonely Raindancer : Keith Tippett
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リリースは1980年
The pianos were not prepared except for the last 1/2 minute of "The Muted Melody", where the strings are dampened by a piece of wood .( Music boxes are also used.)
The final piece, "Midnight snow walk", is played on a zither
キース・ティペットのLP2枚組のピアノ・ソロ・アルバム。
ティペットが Mujician シリーズとしてピアノ・ソロ・アルバムをリリースし始めたのは1982年(レコーディングは1981年)であり、本作品はティペットの最初期のピアノ・ソロ作品となる。 オランダでのライヴから収録されており、当初はオランダでのみリリースされていた。
プリペアド・ピアノ、ツィターの導入だけでなく、高音部を中心にしたタイトル曲 ” The Unlonely Raindancer ” や低音部を中心にした ” Steel yourself / the Bell, the Gong, the Voice ”、そしてメランコリックな ” Dear Ireland ” や ” The Pool ” と、お披露目の意図があったのか判らないが、バラエティに富んだ内容となっている。
もちろん個々の楽曲は緊張感溢れる内容なのだが、編集の妙で聴きやすい作品となっている。
(追加:2023年11月25日)
The 100 Club Concert 1979 : Elton Dean's Ninesense
CD One : First Set
CD Two : Second Set - Augmented by Jim Dvorak, trumpet
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リリースは2000年
Elton Dean : alto sax, saxello
Alan Skidmore :
tenor, soprano saxes
Marc Charig : cornet, tenor horn
Harry Beckett
: flugelhorn, trumpet
Nick Evans : trombone
Radu Malfatti : trombone
Keith Tippett
: piano
Harry Miller : bass
Louis Moholo : drums
The 100 Club, 100 Oxford St, London, England ~ March 5th 1979
エルトン・ディーンズ・ナインセンスの1979年のライヴを収録した作品。
同バンドのライヴの全容を捉えた作品は、本作品が初めてということになるのだが、それに寄与しているのが、SONY の
TC-D5M、通称「デンスケ」の導入である。 ライナーの表紙に同機の写真が大きく鎮座している。
ただ、同機なのか使用したマイクロフォンの性能によるのか判らないが、キース・ティペットのピアノの録音状態が良くない。
クレジットにも、ステージの左側、バンド全体から離れた所に位置するピアノの音が非常に遠く感じてしまう。
ソロ回しが1曲毎にクレジットされているのが判りやすいのだが、一方で何だか判らないけど凄くて圧倒されてしまう、という楽しみ方ができなくなるので、私はクレジットを見ないで聴くようにしている。
(追加:2018年6月25日)
On Italian Roads Live In Milan 1979 : Elton Dean Quartet
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Elton Dean - Saxophones
Keith Tippett - piano
Harry Miller - double bass
Louis Moholo-Moholo - drums
Recorded 25th February 1979, Teatro Cristallo, Milan, Italy.
Elton Dean Quartet として1979年にイタリアで行ったライヴを収録した作品。
1976年のライヴ作品 『 They All Be On This Old Road 』 と同じ Elton Dean Quartet 名義ではあるが、もう全く別グループによる演奏と言って良い程の違いがある。
同作と違いジャズ・スタンダートのカヴァーはなく、Elton Dean Quintet の ” Oasis”、Soft Heap の ” Fara ”、Elton Dean Quartet の ” Dede-Bup-Bup ”、複数名義での 『 El Skid 』 の ” That's For Cha ”、そしてElton Dean Ninesense の ” Seven For Lee ” とディーンのオリジナルで構成されているということもあるが、ジャズ・ロックど真ん中の演奏が続く。
発掘音源であるが故に音質的に厳しい部分もあるが、それでもキース・ティペットのピアノは存分に味わうことができる。 好みの問題以外の何物でもないが、『 They All Be On This Old Road 』 よりも本作品の方が楽しめる。
(追加:2023年4月25日)
1980
Boundaries : Elton Dean Quintet
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Elton Dean saxello, alto saxophone
Mark Charig cornet
Keith Tippett piano, marimba, voice, bottle
Louis Moholo drums
( Sonor )
Marcio Mattos bass
Recorded February 1980 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg
エルトン・ディーンが、クインテットで演奏したスタジオ録音作品。
カルテットで演奏した EDQ
では、ジャズのスタンダード曲を取り上げる等エルトン・ディーン流の正当ジャズへの取り組みが試みられていたのに対し、本作品はフリー・ジャズやジャズ・ロック。
つまり、管楽器がエルトン・ディーンのサックスとマーク・チャリグのコルネットの2つだけになったエルトン・ディーン・ナインセンスである。
よってティペットの煽りまくり弾きまくりのピアノを充分に堪能することができる。
更に、スタジオ録音であるということと管楽器が少なくなったことにより、ティペットのピアノが埋もれることなく再現されているのが嬉しい。 また、”
Out Of Bounds ” では、ティペットによるマリンバの演奏と雄叫び(「voice」とはクレジットされているが)を確認することができる。
(追加:2017年9月25日)
No Gossip : Keith Tippett & Louis Moholo
リリースは1982年
Keith Tippett - piano & Louis Moholo - drums
Recorded during the " Workshop Freie Musik " March 20th and 23rd, 1980 at the " Academy of Arts", Berlin
キース・ティペットとルイ・モホロによるデュエット・アルバム。
モホロが南アフリカの出身であることを踏まえると、各曲のタイトルは相当の思いを込めてつけられたものと思われる。
1,4曲目がティペット、2,3曲目がモホロによる楽曲とクレジットされているが、どちらかが主導を取っているということはなく、生ピアノと生ドラムという打楽器同士のぶつかり合いがひたすら続く。
ジャケット裏にステージの写真が掲載されているのだが、お互いを見合えるような近距離にセッティングされており、正にガチンコの勝負であったことがわかる。
本作品は1980年に行われたベルリンでのワークショップ、多分フェスティバルで行われた演奏を収録している。
こうしたフェスティバルでは、メンバーを入れ替えながら多くの演奏が繰り広げられたはずで、そんな中から二人の素晴らしい演奏が作品化されたことは貴重である。
(追加:2018年3月25日)