- Pictures of a City ( Fripp, Sinfield ) / 冷たい街の情景
- Formentera Lady ( Fripp, Sinfield ) / フォーメンテラ・レディ
- The Sailors Tale ( Fripp ) / 船乗りの話
- Cirkus ( Fripp, Sinfield ) / サーカス
- Ladies of the Road ( Fripp, Sinfield ) / レディーズ・オブ・ザ・ロード
- Groon ( Fripp ) / グルーン
- 21st Century Schizoid Man ( Fripp, Lake, McDonald, Giles, Sinfield ) / 21世紀のスキッツォイド・マン
- Earthbound ( Fripp, Collins Burrell, Wallace ) / アースバウンド
- Cadence and Cascade ( Fripp, Sinfield ) / ケイデンスとカスケイド
Boz Burrell - bass, lead vocal
Robert Fripp -guitar, mellotron
Mel Collins - flute, sax, mellotron
Ian Wallace - drums, vocals
February 27, 1972
King Crimson Collectors' Club
の23作品目としてリリースされた本作品は、フロリダ州オーランドでのライヴを収録したもの。
既発表作と比較しても収録曲に大差はなく、この時期のライヴについては食傷気味であることは否めない。 本作品のウリを挙げるとすると、『
Earthbound 』
のタイトル曲が収録されたライヴの全容、ということになるのだが、それで終わってしまうのが残念なことである。
- ” Pictures Of A City ”
スタジオ・テイクの忠実な再現+コリンズによるフリーなサックス・パートというパターンで、他のライヴでの演奏とほとんど差が無い。 冒頭チューニングしているらしき音と、MCが入るところがちょっと変わっている程度。
- ” Formentera Lady ”
でも、曲後半コリンズが好き放題に吹きまくっている。 ” Pictures
Of A City ”
でのコリンズのソロのバックでは目立った演奏をしていないフリップも、ここでは様々なカッティングを試みていることをあらためて確認できる。
- ” Sailor's Tale ”
は、やはり名曲であることがわかる。 本テイクでも主役は完全にフリップで、コリンズのサックスとの絡み、メロトロンをバックにした緩やかなソロ、ラストの激しいソロ、そしておきまりのギターかき鳴らしと続く。
- ” Cirkus ”
は、メロトロンの活躍度合いがとても高い曲なのだが、ウォーレスのドラムが一番目立っている。 元々荒々しいドラミングは得意な人だと思うが、本曲では意図的なまでに激しく演奏している。
- ” Ladies Of The Road ”
では、1曲の中でフリップのやる気度の違いを確認することができる。 ヴォーカルのバックやソロの時と、コリンズのバックの時とでは落差がとても大きい。
- ” Groon ” は、ドラム・ソロが生ヴァージョンからVCS3ヴァージョンになだれ込むパターン。 ドラム・ソロ終了後はサックスがちょっとだけ絡んで終了。
- ” 21st Century Schizoid Man ”
のソロは、フリップが先でコリンズに続く。 コリンズはいつもながら好き勝手にブロウしまくっているのだが、フリップのソロには覇気が無く残念。
- ” Earthbound ”
は、静かなエンディングからコリンズのフルートで次曲につながっていくのが、『
Earthbound 』 収録テイクとの違い。 フェード・アウト気味に ”
Groon ”
になだれ込んでいった展開に慣れた耳にとっては新鮮ではあるが、それ以上のものはない。
- ” Cadence and Cascade ”
は、コリンズのフルートの独壇場。 ただそうならざるを得ないのは、やはりボズのヴォーカルに無理があるからだと思う。 何故この時期まで本曲を演奏し続けたのか疑問が残る。
(追加:2004年5月25日)
(更新:2004年11月25日)