- Dangerous Curves ** / デンジャラス・カーヴス
- Level Five ** / レベル・ファイヴ
- The ConstruKction Of Light * /
ザ・コンストラクション・オブ・ライト
- ProzaKc Blues * / プロザック・ブルーズ
- EleKtriK * / エレクトリック
- Thela Hun Ginjeet * / セラ・ハン・ジンジート
- Virtuous Circle ** / ヴァーチュエス・サークル
- Elephant Talk ** / エレファント・トーク
- Larks' Tongues In Aspic : Part IV ** / 太陽と戦慄パートIV
- The Deception Of The Thrush * /
ザ・ディセプション・オブ・ザ・スラッシュ
- Red *
Adrian Belew - guitar and vocals
Robert Fripp - guitar
Trey Gunn - Warr guitar
Pat Mastelotto - drumming
* 9th November
** 10th November
Music by King Crimson, words by Adrian Belew.
King Crimson Collectors' Club
の第19弾としてリリースされた本作品は、2001年11月から12月に行われた
the LEVEL FIVE tour
から、初日と2日目のナッシュヴィルでのライヴを収録したもの。
” Dangerous Curves ”、” Level Five ”、” EleKtriK ”、” Virtuous Circle ”
といった 『 The Power To Believe 』
にも収録されることになる新曲群は出来不出来の差が激しく、それよりも
『 The ConstruKction of Light 』
収録曲の進化の方を素直に楽しむことができる。 特に ” EleKtriK
” と ” Virtuous Circle ”
の2曲については、そのまま工夫されることなく 『 The Power To
Believe 』 に収録されることになり、更にがっかりする。
日本では、『 The Collectors' King Crimson Volume 6 』
の1作品としてリリースされたが、 ” Red ”
が割愛されている。 これはとっても残念。
- ” Dangerous Curves ”
は、ここでもリフだけで押しまくっている。
ライヴのオープニングが本曲で、そのまま ” Level Five ”
に流れ込んでいくという展開は圧倒的に素晴らしいと思う。
- ” Level Five ”
は、ギターのリフがやはり凄まじく、格好良い。
ただ、ギターのリフに絡んでくるVドラムスの音が軽く、いかにも加工しましたと言わんばかりの音で、小うるさくあまり好きではない。
- 難曲 ” The ConstruKction of Light ”
もここでは乱れることなく演奏されている。 スタジオで加工されているとは思うが、それでもここまで見事に演奏されると圧倒される。 若干スコアを舐めたような演奏に陥りかけているところもあり、例えばここにレヴィンが絡んできたら面白い展開が期待できそうな気がする。
- ” ProzaKc Blues ”
は、ブルース色が薄くなり、迫力が増した演奏となっている。 ただ、激しくなったと言うよりは、粗雑になっているだけに思えるところもあり、そろそろ引退させても良い曲だと思う。
- 本作品で初公開となる ” EleKtriK ” は、 Discipline Crimson
の楽曲と Double Trio Crimson の楽曲を強引にくっつけたような曲。 ”
The ConstruKction of Light ”
の方が、楽曲、演奏とも充実しているだけに、二番煎じの感は否めない。
- ” Thela Hun Ginjeet ”
は、ガンの演奏に切れが無く、音もこもっていて格好悪い。 レヴィンのパートをコピーさせるにはやはり無理があると思う。
- ” Virtuous Circle ”
は、やはり楽曲として未完成であることは否めない。
ProjeKct Two の捨て曲程度なもので、この後 『 The Power To Believe 』
のタイトル組曲の一部に流用されただけなのも納得できる。
- ” Elephant Talk ”
は、ブリューとフリップの演奏に突出したところがない上に、マステロットの過剰なおかずとガンの切れのない演奏で、がっかりする。 ”
Thela Hun Ginjeet ”とともに、このラインアップで Discipline Crimson
の楽曲を演奏するには無理があると思う。
- ” Larks' Tongues In Aspic : Part IV ” は、ここでも名演。
元々の楽曲のクオリティが高い上に、緊張感の高い演奏により完成度が高まっている。
フリップのヌーヴォー・メタル理論に付き合うつもりはないが、本楽曲を現ラインアップで演奏する意義は強く感じることができる。
- ” The Deception Of The Thrush ”
は、相変わらずのつまらなさで、いいかげん封印してほしい。
- ” Red ”
は、2000年の来日公演等で演奏されていたものの、現編成で音源化されるのは本作品が始めてである。
元々の楽曲がひたすら重いものであるだけに、リズム隊に切れ味が無いところが迫力を増すことにつながっている。 ライヴで是非体験してみたいと思わせるのに充分な演奏である。
(追加:2003年2月25日)