- Discipline / ディシプリン
- Thela Hun Ginjeet / セラ・ハン・ジンジート
- Red / レッド
- Elephant Talk / エレファント・トーク
- Matte Kudasai / 待ってください
- The Sheltering Sky / ザ・シェリタリング・スカイ
- Indiscipline / インディシプリン
- Larks' Tongues In Aspic (Part II) / 太陽と戦慄パート II
Adrian Belew guitar & vocal
Robert Fripp guitar
Tony Levin Stick, bass guitar
Bill Bruford drums & percussion
April 30, 1981
Music by King Crimson Words by Adrian Belew
King Crimson Collectors' Club
の第11弾としてリリースされた本作品は、「King Crimson」と改名する前の、バンド名未だ「Discipline」だった頃のファースト・ライヴを収録したもの。
Discipline Crimson
時期のライヴは食傷気味なところがあるが、この作品のリリースは素直に嬉しい。 音質こそ悪いが、資料的にも貴重な作品だと思う。
演奏自体はさすがに未だこなれていないところがあるものの、Discipline
Crimson
の重要な曲がこの段階で既に完成してことがわかる。 逆にファン・サービス(とレパートリー不足の補完)として演奏される70年代のクリムゾンの楽曲は、ライヴの現場では受けたのかもしれないが、アルバムで聴くのにはつらいところがある。
日本では、『 The Collectors' King Crimson Volume 4 』
の1作品としてリリースされたが、オリジナルと比べ ” Indiscipline
” の次に ” Frame By Frame ” が収録されていないことが異なる。
- ” Discipline ”
は、スタジオ・ヴァージョンとほぼ同じ形態で演奏されている。 2本のギターの絡みが曲の骨格(というか全て)を成しているだけにその後発展させようがなかった為なのかもしれないが、ごく初期の段階でこれだけの演奏をしていたことはやはり驚異的だと思う。 ただ、初体験のバンドのライヴの1曲めが本当に本曲だったとしたら、少し引いてしまうとは思う。
- ” Thela Hun Ginjeet ”
は、タイトル・フレーズを繰り返す部分が大きく異なる。慣れの問題なのかもしれないが、後のヴァージョンの方が良いと思う。 ブリューのギミック・プレイが遠慮がちなのも確認できる。
- ” Red ”
は、スタジオ・テイクをコピーしました的演奏で、ちょっと残念。 ディシプリン・クリムゾンでの後のテイクと比べても、おっかなびっくりな演奏。
- ” Elephant Talk ”
は、後のテイクに比べるとテンポが若干遅め。 ブリューの歪んだギターのソロの後、再度フリップによるギター・シンセ・ソロに戻り、強引に曲が終了する点が大きな違い。
- ” Matte Kudasai ”
も、後のヴァージョンとの違いはほとんど無し。
- ” The Sheltering Sky ”
は、演奏ミス、ギター・シンセの制御ミスが多く、後の演奏と比べるとちょっと辛い。 ただ、ギター・シンセをこれだけフィーチャーした曲は当時なかったはずで、ライヴで目撃したらかなりたまげたと思う。
- ” Indiscipline ”
は、ブルーフォードのドラムが目立っていないことが何よりも残念。 イントロでの叩きまくりも無いし、間奏部分でのリズム・キープを放棄したようなハチャメチャな演奏も無い。 楽曲としての完成度を優先していたのだろうが、曲自体がコンパクトにまとまりすぎてしまっている。
- ” Larks' Tongues In Aspic (Part II) ” は、” Red ”
と同じく単なるコピー。 演奏は中途半端に重く、後のテイクでの疾走感が感じられず、このメンバーでの良さが活かされていない。
(追加:2001年8月10日)