2002
"Progress" circa 1978 : Michael Giles
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All words and music composed, recorded and produced by Michael Giles
21st Century Schizoid Band
としての来日直前にひっそりとリリースされたジャイルズのファースト・ソロ・アルバム。
タイトルに記載してあるとおり1978年頃にレコーディングされた作品で、彼自身がインタビューで何度かリリースの可能性を示唆していたもの。
ルパート・ハイン関連の作品で充実したプレイししていた時期の作品だけに、地味ながらも素晴らしい演奏をしており、来日公演で演奏された
” Progress ”
のイントロ部分をはじめ、ジャイルズのドラムを堪能することができる。
ただ、「あのクリムゾンのマイケル・ジャイルズのソロ・アルバム」的に盛り上げるには派手さが無く、一端お蔵入りしてしまったのもなんとなくわかる。 マクドナルドの
『 Drivers Eyes 』
がリリースされた時の肩すかしをくらった気持ちを思いだしてしまった。
(追加:2002年11月10日)
2009
The Adventures Of The Michael Giles MAD BAND : The Michael Giles MAD BAND
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Michael Giles
Adrian Chivers
Daniel Pennietar
Produced by Michael Giles
The Michael Giles MAD BAND 名義の作品。 3人のメンバーの頭文字がMADということらしい。
1曲毎に楽器(発音器?)が克明にクレジットされているが、その殆どがわからないものばかりである。 パーカッションを中心にした楽曲がほとんどであること、The Michael Giles MAD
BAND の HP
に掲載されている写真から、打楽器に名前をつけたものが多いと推測される。
前述した通りのパーカッションを中心とした演奏は、アヴァンギャルドすれすれで、好き嫌いは好みによって大きく分かれる所だと思う。
今のジャイルズがやりたいこと、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、繊細なシンバル・ワークは皆無、プリミティブな演奏に終始している。 クリムゾンの
40th Anniversary Edition
がリリースされ、自身の再評価に繋がるタイミングで正反対の演奏を中心とした作品をリリースするジャイルズの性格は、屈折していると思う。
(追加:2009年12月25日)
2011
In The Moment : The Michael Giles MAD BAND with guest Keith Tippett
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Michael Giles Drums, Percussion, Voice
Adrian Chivers Found Sounds, Horns
Daniel Pennie Guitar, Prepared Guitar, Loops
Keith Tippett Piano, De-tuned Piano, Fun Machine
Produced by Michael Giles
キース・ティペットがゲストとして参加している、The
Michael Giles MAD BAND のセカンド・アルバム。
打楽器中心のフリーキーなバンドの演奏に、「 De-tuned Piano 」や「
Fun Machine 」でティペットが加わった素晴らしい演奏が続く。 You
Tube
でティペット入りのライヴ映像が公開された時は、それこそ腰を抜かさんばかりに驚いたのだが、本作品も視覚効果が無いにもかかわらず充分な破壊力を持っている。 12曲目以降親しみやすいメロディが出てくるところに、逆に悪意まで感じさせる程である。
ポピュラリティこそ低いが、名作である。
(追加:2011年5月25日)