An album of Frippertronics
Produced and Engineered by Robert Fripp
フリッパートロニクスのアルバム、とわざわクレジットされているように、全編フリッパートロニクスのみで構成された初めての作品。
日本盤LP帯の、『ギターとテープの連動システム「フリッパートロニクス」を駆使してフリップが描く、神秘で荘厳な音宇宙・・・』という煽りが、当時この作品をセールスする上での難しさを物語っている。 「神秘」とか「音宇宙」という言葉に頼らざるを得なかったのはわからないでもないが、不必要に崇める必要は無いと思う。 フリップが、大好きなフリッパートロニクスの演奏を収録した作品、と捉えれば良いのだと思う。
同様に、Drive to 1981
の3部作の一つ、という本作品に対するフリップの位置づけも、70年代後半から80年代初頭にかけてフリップが多用した標語の一つに過ぎないと割り切れば良いと思う。
ただ、個人的にはフリップのはったりと雑誌での絶賛記事を鵜呑みにし、この作品の良さがわからなければいけないという思いこみから、かなりの回数聴きこんでいる。 良い悪いは未だわからないし、そういう判断をする必要がないこともわかっているが、聴いた回数が多い分耳に馴染んでいる。 アナログ・テープのループに頼っているだけに、後のサウンドスケイプほど音色にバラエティさはないが、フリッパートロニクス/サウンドスケイプものの中では最も気に入っている。
本作品は1979年4月から8月に行われたフリッパートロニクス・ツアーから収録されている。
” 1984 ” は、8月4日のバンクーバーのロブソン・スクエアー・シアターでの2曲目。
” 1985 ” は、8月4日の1曲目。
” 1986 ” は、7月30日のバークレイのタワーレコードでの2曲目。
” 1987 ” は、8月6日のバンクーバーのロブソン・スクエアー・シアターでの演奏。
” 1988 ” は、6月22日のミネアポリスのウォーカー・アーツ・センターでの演奏。
” 1989 ” は、7月29日のサンフランシスコのマビュヘイ・ガーデンズでの演奏。