2008
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theo travis - alto flute, soprano sax
robert fripp - guitar
all tracks composed by theo travis & robert fripp
フリップ&イーノ、サマーズ&フリップ、シルヴィアン&フリップ、フェイマン&フリップに続く、5つ目のアンドものは、ジャズのフィールドで活動しているセオ・トラヴィスの作品。
セオ・トラヴィスのソロ 『 Double Talk 』 のために、フリップは2007年1月5日に演奏を行っている。
本作品はその日のレコーディング・マテリアルと、あとから追加したトラヴィスの演奏によって構成されている。
収録されたフリップの演奏はサウンドスケイプスを中心としたものだが、意外に聴きやすい。 モノフォニックで持続音が難しいフルートやサックスとだけ対峙しているためか、サウンドスケイプスがフニャフニャと鳴り続けたりしないことが功を奏したものと思われる。
パーマネントなプロジェクトにはならないだろうが、トラヴィスのソロ、『
Double Talk 』 と同じく愛聴盤になりそうな気がする。 。
(追加:2008年8月26日)
(変更:2018年9月10日)
2012
Live at Conventry Cathedral : Travis & Fripp
First Set
Second Set
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Theo Travis - Alto Flute, Soprano Saxophone
Robert Fripp - Guitar
Recorded Live at Conventry Cathedral on 23 May 2009
コベントリー大聖堂でのライヴを収録した作品。
売り手としては、” Moonchild ”
の収録を全面に出していくのもわかるが、それだけを期待すると、逆に肩透かしを食わされることになる。
それよりも、フリップがサウンドスケイプスだけではなくギター・ソロを演奏するところが、最大の特徴である。 次に何がくるのかわからない、というワクワク感(ちょっと大げさかな?)を楽しんだほうが、本作品と長く付き合うことができると思う。
客演、スタジオ作品、ライヴと徐々に活動の幅を広げているだけに、Travis
& Fripp には今後も期待したい。
(追加:2010年4月10日)
CD
Bonus Tracks
DVD Video content
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Theo Travis - Flute, Alto Flute, Bass Flute, Soprano,
Tenor and Baritone Saxophones, Clarinet
Robert Fripp - Electric Guitar, Soundscapes, Frippertronics
Recorded April 2010 to June 2011
except Frippertronics on 1979 recorded July 1979 in NYC, USA
トラヴィス&フリップの3作品目。 2010年4月から2011年6月にかけて、断片的にレコーディングされている。
フリップ&イーノやシルヴィアン&フリップに比べれば話題性に乏しいことは否めないが、その内容はコンスタントに良い。 『 Thread 』
のところでも述べたが、キーボードではなく、単音楽器でかつ音の持続が難しいフルートやサックスと絡むため、フリップはサウンドスケイプスが鳴りっぱなしという手法をとっていない。 短めのサウンドスケイプスや、サウンドスケイプスをバックにしたギター・ソロとヴァラエティに富んでいる。 その結果、総じてアンビエントものではあるが、聴きやすい作品になっている。
更に本作においてフリップは、激しめのギター・リフを ” So There ” において披露するという、大サービスまでしている。
DVDの特典映像は、2010年10月29,30日のライヴ映像も収録されており、本作品を購入しない理由は無い。
(追加:2012年10月25日)
2014
2 Disc edition - CD/DVD-A
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Robert Fripp - Guitar Theo Travis - Alto Flute and Soprano Saxophone
コンスタントに、本当にコンスタントに作品をリリースし続けるトラヴィス&フリップの4作品目。
フリップについては、「 Guitar 」 とクレジットされている通り、サウンドスケイプス一辺倒ではない。
これはセオ・トラビヴィスとの作品に総じて言えることなのだが、単音楽器のフルート&サックスのソロとそのバック(サウンドスケイプス)という構図を避けた結果が功を奏している。
前作 『 Follow 』 での ” So There ”
のような激しいリフが炸裂するまでのことは本作品では見られないが、ギター・ソロを含め多彩な演奏を行っている。
本編では、” The Power To Believe
” を前後に挟んでトータル性を高めているが、やはりボーナス・トラックとして収められた ” Rhapsody On The Theme From Starless ” が素晴らしい。
再結成クリムゾンが ” Starless ” を演奏しているとは言え、必聴だと思う。
(追加:2014年10月25日)
2018
Between the Silence : Travis & Fripp
All Saints Church, Broad Chalke - 21 May 2009
Spiegeltetn, Bath Festival - 5 June 2010
All Saints Church, Pittville, Cheltenham - 16 July 2010
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Theo Travis Alto flute and soprano sax
Robert Fripp Guitar and soundscapes
DGM Live からダウンロード販売されていた3公演を、3枚組CD化したフィジカル・メディア作品。
『 Live
at Conventry Cathedral 』
を除けば、従来のトラヴィス&フリップのフィジカル・メディア作品は、ライヴ音源を素材に使いながらも丁寧に作り込まれたスタジオ作品であり、ライヴとの差異化を図った作品であった。
よって DGM Live
からのダウンロード販売作品を全て追うのが大変と思う人は、本作品でトラヴィス&フリップのライヴがどのようなものか充分に確認することができる。
特に2010年7月16日の演奏はベストと言っても良い内容だけに必聴である。 ただ収録時間に余裕があるにもかかわらず、何故か ”
Moonchild ” がオミットされており、この辺り DGM Live への誘導と取れなくもない。
(追加:2018年9月25日)
DGM Live Library
2009/ 5/21 All Saints Church, Broad Chalke
DGM Live
からリリースされている、トラヴィス&フリップの最初期のライヴ音源。
DGM Live
のツアー・データを見ると本ライヴが初めてのものとしてリスティングされているが、本ライヴの解説には前日ウィンボーン・ミンスターでライヴを行ったと記載されている。
また同リストには、『 Live at Conventry Cathedral 』
の元となった5月23日のコベントリー大聖堂でのライヴが含まれていない。 この辺り、今後さらなる発掘があるものと思われる。
セオ・トラヴィスのソロ作 『 Double Talk 』
でのレコーディングから始まったトラヴィス&フリップであるが、同じアンドもの中でも継続したライヴ活動まで発展したのはフリップ&イーノ以来のことである。
まだまだお互いを探り合いながら演奏しているような所もあるが、レコーディング済みのマテリアルから編集した 『 Thread
』 を殆ど活かさず、新たなものを創り出そうとする意思が感じられる。
(追加:2018年9月25日)
2009/ 5/22 St. Michael & All Saints, Bishop's Cleeve
3連続(4連続?)ライヴということもあり、構成、選曲に大きな変化はない。 その結果 ” Moonchild ”
が収録されていないことで作品としては損してしまっている。
トラヴィス&フリップが教会を演奏場所に選択している理由の一つににその残響音の偶発的、かつ効果的な活用があるとはずだが、本作では特に単音楽器である管楽器が深く雄大に響いている。
(追加:2018年9月25日)
2010/ 4/30 Teatro Echegaray, Málaga, Spain
約1年振りに活動を再開したトラヴィス&フリップの3日目のライヴ。
こなれていないのは久しぶりだからなのか、それとも手探り状態のまま進めるのが2人での手法なのかは良くわからない。
新曲にはフリップによるサウンドスケイプス作品をわざわざ二人で再現しているような要素ある一方、” Steel Eyes, Velvet Heart ”
でフリップのギターが吠えまくるところや、サウンドスケイプスとエコーのかかったフルートをバックにフリップがギター・ソロを演奏する ” Soaring And Gliding
” 等は純粋に格好良いと思う。
(追加:2018年9月25日)
2010/ 6/ 5 The Spiegeltent, Bath, UK
スペインでの活動を終えたトラヴィス&フリップのイギリス初日の演奏を収録した音源。
DGM Live
の解説によると、バースで行われたフェスティバルにおいてテントのような会場で演奏されたとのことで、音の響きが他の音源と比べて明らかに異なっている。
元々フリップのギター(サウンドスケイプス)だけでなく、トラヴィスのフルートやサックスもデジタル的な加工がされているのだが、教会のような狭く高い会場でのアナログな残響音がいかに効果的であるかが良く判る。
また、会場にセキュリティが無かったことをフリップが気にするのではないかと心配していた、とのトラヴィスのコメントが微笑ましい。
(追加:2018年9月25日)
2010/ 7/15 Gloucestershire College Atrium, Gloucester, UK
DGM Live の解説によると、本音源はキング・クリムゾンのジャケットも手がけている
P.J.クルックが三連画を発表したお祝いの席での演奏とのこと。 演奏曲が5曲と少ないのは、通常のライヴとは異なっていたことが理由というのが判る。
80人程度の聴取の前での演奏されたとのことで、この80人というのがトラヴィス&フリップのライヴでの聴衆者数として多いのか少ないのか判らないが、各曲演奏後の拍手まで微妙な間があり、トラヴィス&フリップの演奏を聴くため来たのでは無い人達、の反応が面白い。
(追加:2018年9月25日)
2010/ 7/16 All Saints Church, Pittville, UK
久しぶりに教会で行われたトラヴィス&フリップのライヴ。
久しぶりということもあってか、新曲(笑)” The Power To
Believe ” も演奏されているのだが、肝心の主旋律はフリップではなくトラヴィスが演奏している。
教会というトラヴィス&フリップの演奏にとってベストな環境、それによる演奏の充実度、そして収録曲のバラエティさを踏まえると、本演奏はトラヴィス&フリップのベスト・ライヴと位置づけて間違いない。
(追加:2018年9月25日)
2010/ 7/16 All Saints Church, Pittville, UK
7月16日のライヴは、当人達にとっても達成感があったのか、ムーンチャイルド1曲だけではあるが同日のサウンド・チェック音源もリリースされている。
(追加:2018年9月25日)
2010/10/29 All Saints Church, Falmouth, UK
断続的な演奏活動をしているトラヴィス&フリップは、2010年10月にイギリス南部で2夜連続でライヴを行っている。
2日間の演奏は、フリップがパトロンとなっている
Shallal Dance Theatre のためのベネフィット・ライヴとして行われたとのこと。
二人の演奏の前後に別のなんだかの企画があったのかもしれないが、演奏は短めである。
(追加:2018年9月25日)
2010/10/30 St Peter's Church, Newlyn, UK
2連続の2日目、ニューリンでの演奏を収録したもので、初日に比べて演奏時間は長め。
初日に演奏されなかった” The Power To
Believe ” が演奏された一方、初日に演奏された ” Moonchild ”
が演奏されないといいう、なかなか罪づくりな2日間ではあるが、内容としてはこちらの方が充実している。
この後トラヴィス&フリップは同年11月にライヴを行ったが、以降の活動は途絶えている。
(追加:2018年9月25日)