1982
Records : Foreigner
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フォリナー初のコンピレーション作品。
イアン・マクドナルド在籍時のフォリナーが大好きで、『 4 』 も好き、という私にしてみると、フォリナーのコンピレーションの最高傑作が本作品である。 こう言ってしまうとこの後のコンピレーションが紹介しにくくなるのだが、事実なのでしょうがない。
また本作品はフォリナーに限らずアナログ時代のベスト・アルバムの名作としてあげることもできる。 アナログ時代のベスト・アルバムの名作の条件として、①何故あの曲が入っておらずこの曲が入っているのか、という議論の余地があること、②全曲スタジオ・テイクにすれば良いのにライヴ・テイクが収録されていること、の2点があると思っているのだが、本作品はその条件も満たしている。
兎にも角にも ” Hot Blooded ” についてはイアン・マクドナルド脱退後の1982年のライヴではなく、スタジオ・ヴァージョンをそのまま収録してほしかった。
(追加:2023年7月25日)
1992
The Very Best... And Beyond : Foreigner
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タイトルに「And Beyond」が付いている通り新曲(最初の3曲)が収録されているコンピレーション。
多分前年発売した 『 Unusual Heat 』 が売れなかったために急遽リリースされたのだろうが、この新曲3曲が本作品の価値を下げているのは間違いない。
マクドナルドが参加している3枚からの背選曲はコンピレーション毎にバラバラなのだが、” Waiting Fof A Girl Like You”、” I Want To Know What Love Is ”、そして ” I Don't Want To Live Without You ” の定番ウエディング・ソングは、この後のコンピレーションにも必ず収録されることになる。
(追加:2023年7月25日)
1992
The Very Best Of Foreigner : Foreigner
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CD1枚でのフォリナーのコンピレーションの最高傑作、になり損ねた作品。
リリース順にシングルを集めた編集は正に「 The Best Of 」なのだが、1曲だけ違う。 ” Long, Long Way From Home ” ではなく何故か ” Starrider ” が収録されている。 いや勿論 ” Starrider ” も名曲なのだが、シングルで揃えるというコンセプトから外れてしまっている。
しかもよりによってイアン・マクドナルドのサックス・ソロが爆発する ” Long, Long Way From Home ” を外すなんて悪意があるのではないかと思ってしまう。
(追加:2023年7月25日)
1998
The Best Of Ballads : Foreigner
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タイトルからして ” Waiting Fof A Girl Like You”、” I Want To Know What Love Is ”、、” I Don't Want To Live Without You ” の3曲は入るだろうなと思って聴き始めると、その3曲が冒頭に収録された身も蓋もない編集に先ず驚かされる。
” Waiting Fof A Girl Like You” のヒット以降、アルバムにシングル・ヒットが狙える曲を収録することはレコード会社側からの要請だったと思うのだが、ずばりこの3曲に匹敵する楽曲はせいぜい ” That Was Yesterday ” 位で他はたいした曲ではない。
イアン・マクドナルド時代の3曲も収録されているのだが、巻き込まれ事故に遭遇してしまったような印象で残念。
(追加:2023年7月25日)
2002
The Definitive : Foreigner
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フォリナーのアルバムは、2002年に RHINO からボートラ入りで再発されている。 本作品はそのタイミングで発売されたコンピレーション。
曲順はリリース順ではないが、ハードな曲とバラードが満遍なく配置されているためメリハリが効いた構成となっている。
フォリナーのシングル、特に初期のものは短縮編集されているのだが、本作品にはその短縮ヴァージョンが積極的に収録されているのが特徴である。 勿論その編集には功罪があり、ラジオで流されやすくなった一方で、例えば ” Feels Like The First Time ” のようにドラマチックなイントロが短くなっていてがっかりしてしまう。
(追加:2023年7月25日)
2004
Hot Blooded And Other Hits : Foreigner
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パチモノ感がたまらないフォリナーのコンピレーション。
私が所有しているフォリナーのコンピレーションの中でパチモノ感が最も高い作品。
何よりもこの選曲である。 ハードな曲もバラードも選曲が中途半端で、肝心な曲が収録されていない。 フォリナーのファン層は幅広いと思うのだが、そのどんな層にとっても満足感が低い内容となっている。
ただ私が所有していないフォリナーのコンピレーションには本作以上にパチモノ感が強い作品もあるので侮れない。
(追加:2023年7月25日)
2008
No End In Sight The Very Best Of Foreigner : Foreigner
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RHINO からリリースされた2枚組のコンピレーションで、シングル曲は外さずにアルバム・リリース順に編集されている。
1枚目は最初の4枚からで、かつ 『 Foreigner 』 と 『 4 』 からは5曲と正しく傾斜配分されている。 この1枚目が多分私が求めるベストな内容である。
そして2枚目は大袈裟なバラードと中途半端なパワー・ポップ・バンドになった時代の作品でまとめている。
フォリナーの分岐点は 『 4 』 収録の ” Waiting For A Girl Like You ” そのものではなく、これによって同作に収録された新機軸の ” Urgent ” タイプの曲が封印されてしまったことだと、本コンピレーションを聴くとよく判る。
(追加:2023年7月25日)
2011
Juke Box Heroes The Very Best Of Foreigner : Foreigner
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RHINO からリリースされたコンピレーション。 サブ・タイトルに前作と同じく「 The Very Best Of 」がついているが、これはベストというよりも正にコンピレーション。
本作品の特徴はリリース順に編集していないことと、シングル・カットされていない曲も収録していることである。
リリース順の編集だとアルバム毎の流れが頭の中で反芻できるが、コンピレーションとしての強弱がつかないことである。 一方流れを考えての編集はそのバンドに対する相当以上の愛が無いとできないのだが、本作品はそれに成功しており流石 RHINO という編集である。
イアン・マクドナルド時代のアルバムのみの曲も収録されているのだが、ここではそのマクドナルド作曲の ” Tramontane ” が嬉しい。
(追加:2023年7月25日)
2017
40 : Foreigner
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RHINO からの今度のコンピレーションは、『 No End In Sight The Very Best Of Foreigner 』 の拡大盤で、初期、大袈裟バラード&中途半端なパワー・ポップ期に加えて最終形態である懐メロ・バンド期までをカヴァーしている。
同じ2CDフォーマットながら収録曲数が増えているのは、Radio Edit とクレジット・されてたシングル・テイクを収録しているためである。
特に初期のフォリナーの楽曲はドラマチックな展開のため収録時間が長くなることがあったので、ラジオでのオンエアーを意識してシングル・カット時にアルバム・テイクより短めに編集されることがあった。
コンピレーションへの収録曲数を増やすという目的が、結果としてシングル・カット用のテイクの網羅に繋がっていることが、本作品の特徴である。 まぁ枝葉末節な話ではあるが。
(追加:2023年7月25日)