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DGM Live Library - Soundscapes, 2004

2004/ 6/13    Arrow Rock Festival, Lichtenvoorde, Netherlands

1. Improv Lichtenvoorde*

1997年に続き、2004年に、ロバート・フリップはジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ヴァイとの G3 のツアーに参加する。 本作品はその初日、オランダでのフェスティバルでの演奏を収録している。 ただその全容は残されていなかったのか、13分弱の演奏の断面のみが残されている。
(追加:2022年3月25日)

 

2004/ 6/14    KB Hallen, Copenhagen, Denmark

1. Bell Threshold / 2. Improv I / 3. Threshold Bells / 4. Improv II / 5. Improv III

デンマークで行われた G3 ツアー2日目の演奏。 このツアーでフリップはオープニングを務めているのだが、DGM Live の解説には大不評であったことが記載されている。 それはそうだろう。 ジョー・サトリアーニとスティーヴ・ヴァイを観に来た人たちに、サウンドスケイプスの演奏を40分弱聴かせるのである、不評を買うのももっともである。
ただフリップにすればそんなことは判っていたはずで、確信犯的行為と思われる。
(追加:2022年3月25日)

 

2004/ 6/15    Lisenbergellen, Gothenburg, Sweden

1. Paradise / 2. Bell And Breath Threshold / 3. Paradise Lost / 4. Bell Hover / 5. Paradise Regained

G3 ツアー3日目のスウェーデンでの演奏。
DGM Live の解説に記載してあったので確認してみたのだが、2曲めの ” Bell And Breath Threshold ” の冒頭に観客の歓声が聞こえる。 ただこれはサウンドスケイプスの演奏を受け入れたことによる歓声ではないと思う。 10分強の1曲目 ” Paradise ” が終わったことで、フリップによるロックな曲が始まるのではないかという期待があっての歓声である。 残念ながらオーディエンスのその期待は裏切られ、この後更に25分にも及ぶサウンドスケイプスを聴き続けることになる。
(追加:2022年3月25日)

 

2004/ 6/16    Goeta Lejon, Stockholm, Sweden

1. Improv I / 2. Bell Hover / 3. Improv II / 4. Bell Threshold / 5. Improv III

G3 ツアーでのスウェーデンでの2日目の演奏。
ベルのような音を使った ” Bell Hover ” と ” Bell Threshold ” というインタールードのような2曲を挟みながらのインプロ3曲という構成は判りやすく、サウンドスケイプスものとしてはお勧めなのだが、実際の会場では受けなかったであろう。 30分という長さもプロパーだと思うのだが、その場にいた観客にとっては冗長だったんだと思う。
(追加:2022年3月25日)

 

2004/ 6/18    Icehall, Helsinki, Finland

1. Bell Hover / 2. Paradise / 3. Threshold Bell Shift / 4. Paradise Lost / 5. Bell Hover / 6. Paradise Regained

フィンランドに移動しての G3 ツアーでのライヴ。 DGM Live のこの時期のライヴの解説には、オーディエンスの戸惑う反応、嫌悪の反応についてばかり記載してある。 そんな反応になったことなど記載しなくても判ることなのだが、自虐的なのか、それとも本当に不本意と思っているのか律儀に記載されている。
一方このツアー5日目を迎えたフリップ自身は、ここでもブレることなくひたすら40分弱のサウンドスケイプスの世界を展開している。
(追加:2022年3月25日)

 

2004/ 6/20    Konserthuset, Oslo, Norway

1. Paradise / 2. Bell Threshold / 3. Paradise Lost / 4. Bell Hover / 5. Paradise Regained

G3 のヨーロッパでのツアー最終日、ノルウェーでのライヴを収録した作品
ここまで40分弱の演奏を行っていたフリップのサウンドスケイプスは、ここでは20分の演奏となっている。 まぁ興行サイドからみれば当然の判断であっただろう。 テクニカルなギター演奏を楽しみにしてきた人達にとって、その後の演奏の期待を高めるのに、20分程度は適切だと思うが40分だと「早くしろ」になったと想像できる。
一方私のようなクリムゾン、フリップのファンの立場だと、20分だとちょっと短いかなと思う。
(追加:2022年3月25日)

 

2004/ 6/23    Clyde Auditorium, Glasgow, Scotland

1. Threshold Bells / 2. Paradise / 3. Threshold Bells / 4. Paradise Lost / 5. Paradise Regained

ヨーロッパ・ツアーを終えたG3は、そのまま英国ツアーを行う。 本作品はその初日グラスゴーでの演奏で、ロバート・フリップは前ツアーと同じくオープニングを担当している。
ヨーロッパ・ツアーでの不評を反省してポピュラリティの高い演奏をしている、などということは全く無く、スティーヴ・ヴァイやジョー・サトリアーニの演奏を期待している聴衆の出鼻を見事に挫いている。
(追加:2024年9月25日)

 

2004/ 6/24    Apollo, Manchester, United Kingdom

1. Threshold Bells / 2. Paradise / 3. Paradise Lost / 4. Paradise Regained

G3の英国ツアー2日目、マンチェスターでの演奏。
勿論何も変わらない。 前日より1曲少ないように見えるが、そもそもシームレスで30分演奏しているなかで、「ピロリロリン」というベルのような音を鳴らす機会が1回少なかっただけ(2回目の ” Threshold Bells ” が無いだけ)のことである。
DGM Live の解説にサウンドスケイプスが初めてと思われる聴衆のコメントが記載してあるのだが、 playing pretty much the same thing over and over and over again と over が3回繰り返されているとこに気持ちがよく表れていると思う。
(追加:2024年9月25日)

 

2004/ 6/25    City Hall, Newcastle, England

1. Threshold Bells / 2. Paradise / 3. Paradise Lost / 4. Threshold Bell Shift / 5. Paradise Regained

ニューキャッスルに移動して行われた演奏。
DGM Live の解説には自虐てな程 G3 の観客には不評であったことが記載されているが、何故ここまで意固地に演奏を続けているのかが判らない。
通常であれば G3 の観客の前で演奏する意義について饒舌に語り煙に巻くだろうフリップが、翌日の日記でこの日の演奏を振り返り probably of greater appeal to adults than the young と思いっきり客層のせいにしているところが可愛い。
(追加:2024年9月25日)

 

2004/ 6/26    NIA Academy, Birmingham, United Kingdom

1. Paradise / 2. Threshold Bell Shift / 3. Paradise Lost / 4. Paradise Regained

バーミンガムで行われた英国ツアー4日目の演奏。 ちなみにこの英国ツアーは7日間連続で行われている。 各人のスケジュールの調整とコストの削減が理由だと思われるが、かなり強引なブッキンである。
サウンドスケイプスの演奏の差異を見出すのは難しいが、この日の演奏の起伏は特に少なく、この日の観衆にはより厳しかったと思う。
(追加:2024年9月25日)

 

2004/ 6/27    International Centre, Bournemouth, UK

1. Paradise / 2. Paradise Lost / 3. Paradise Regained

フリップの生まれたドーセットに近いボーンマスで行われたライヴを収録した作品。
全3曲の演奏だが、演奏時間が短くなっている訳では無い。 また昨日の演奏より起伏はある。 ただそれでも「ピロリロリン」という音色の ” Threshold Bells ” が無いため変化は乏しい。
” Threshold Bells ” が拠り所になってしまうのもどうかとは思うが、サウンドスケイプス独演の中では重要なパートであることが図らずも判った。
(追加:2024年9月25日)

 

2004/ 6/28    Royal Concert Hall, Nottingham, UK

1. Threshold Bells / 2. Paradise / 3. Bell Threshold / 4. Paradise Lost / 5. Threshold Shift / 6. Paradise Regained

ノッティンガムで行われたライヴを収録した作品。
DGM Live の解説を読むと、G3でのライヴの回数が重なることによってフリップの演奏も好意的に受け止められるようになったとの記載がある。 ただそれは、そんな意見も出てきただけのことであって、会場全体の相対的満足度は相変わらず低かったはずである。 フリップが悪いわけでも、観衆が悪いわけでもなく、只々ミスキャストだっただけの話である。
前2日と異なりベル音が復活していいるが、これもフリップが判りやすい音を観客に提示しようとしたのではなく、単に演奏したかったから演奏しただけ、と考える方が納得感がある。
(追加:2024年9月25日)

 

2004/ 6/29    Royal Albert Hall, London, England

1. Threshold Bells / 2. Paradise / 3. Threshold Shift / 4. Paradise Lost / 5. Paradise Regained

G3のイギリス・ツアーの最終日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴを収録した作品。
ロイヤル・アルバート・ホールである、それなり以上に心して演奏に望んだのだと思う。 先のヨーロッパ・ツアーでは当初40分だったフリップの演奏時間は最終的には20分に縮小されたが、このイギリス・ツアーではこの最終日まで30分の演奏時間が確保されていた。 契約によって担保されていたのだろうが、ロイヤル・アルバート・ホールでしっかりと演奏したいうという思いもあったはずである。
演奏は音の厚みで終始圧倒するのではなく、起伏は激しい内容である。 もちろん起伏が激しいと言ってもサウンドスケイプスの演奏内のことではあるが。
(追加:2024年9月25日)