1974
Diamond Dogs : David Bowie
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Tony Newman....Drums
Anysley Dunbar....Drums
Herbie Flowers....Bass
Mike Garson....Piano
Bowie....Guitar, Saxes and
Mellotron
Strings on 1984 arranged by Tony Visconti
Guitar on
1984 ・ Alan Parker
Ziggy Stardust 自体を封印したものの、その後処理の過程で生まれた作品。
”
Sweet Thing ” メドレーでのプログレッシヴな展開、" Rebel Rebel " から ” We Are The Dead ”
でのジギー時代の精算、頓挫したジョージ・オーウェルの 『 1984 』 の舞台化構想から生まれた
” 1984 ” と ” Big Brother ”、といったバラバラなマテリアルを、” Diamond Dogs ” と ”
Chant of the Ever Circling Skeletal Family ”
で括り、更に印象的なジャケットを持ってくることでトータル・アルバム風にまとめたデヴィッド・ボウイの手腕は素晴らしい。
勿論その前提には個々の楽曲の良さあるわけで、「何をやっても許される」のではなく「何をやっても上手くいく」70年代のボウイを象徴している作品である。
個人的には、ボウイが好きな曲だけを集めたとされる 『 iSelect 』 にも収録されている ” Sweet Thing ”
メドレーでのボウイのギターが、一番のお気に入りである。
(追加:2019年6月10日)
David Live : David Bowie
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Earl Slick : Guitar
Herbie
Flowers : Bass
Gui Andrisano : Vocak Backings
Warren Peace : Vocal
Backings
Michael
Kament : Electric Piano, Moog, Oboe
Tony Newman : Drums
Pablo Rosario
: Percussion
David Sanborn : Alto Sax, Flute
Richard Grando :
Baritone Sax, Flute
Mike Garson : Piano
David Live was culled from performances on the 14th & 15th July 1974 at the Tower Theater, Philadelphia.
デヴィッド・ボウイ、初の公式ライヴ・アルバム。
本作の評価が低い理由はいくつかあると思う。
そもそもの演奏に覇気がないのは勿論だが、発売当時から80年代頃までの間(もっと長かったかもしれない)この時期のデヴィッド・ボウイがアメリカ・マーケットを明確に意識した音楽を試みていたことへの認識が低かったことを挙げられると思う。
『 Young Americans 』 と、タイトルから判りやすく表現する前、既に 『 Diamond Dogs 』
制作過程からボウイがアメリカ・マーケットを狙っていたことなど、私も全然判っていなかったので、” Rock 'n' Roll Suicide ”
を演奏・収録するなら、” Ziggy Stardust ” が何故無いんだ、などと思っていた。 本当に申し訳ありません。
ボウイの情報が有り余るほど普及している今の状態で聴くと、アメリカ・マーケットを意識していたとは言え、まだまだ模索状態ということもあり、デヴィッド・サンボーンのサックスとパブロ・ロサリオのパーカッションがブラック・ミュージック色が、ボウイの楽曲との微妙なミスマッチが面白かったりする。
(追加:2019年6月10日)
David Live (2005 Mix) : David Bowie
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リリースは2005年,2016年
David Bowie : Vocals
Earl Slick : Guitar
Herbie Flowers : Bass
Gui
Andrisano : Vocak Backings
Warren Peace : Vocal Backings
Michael
Kament : Electric Piano, Moog, Oboe
Tony Newman : Drums
Pablo Rosario
: Percussion
David Sanborn : Alto Sax, Flute
Richard Grando : Baritone Sax, Flute
Mike Garson : Piano
David Live was culled from performances on the 8th, 9th, 10th, 11th and 12th of July 1974 at the Tower Theater, Philadelphia.
トニー・ヴィスコンティによって、新たにプロデュース、ミックスされた 『 David Live 』。
新たなミックスによって、『 David Live 』
の本質が判った、のなら良いのだが、やはり元の演奏状態が良くないだけに大きく印象が変わるところはない。
ジャケットの写真が綺麗になったことと、追加収録曲を楽しめば良いと思う。
更に、2016年に 『 Who Can I Be Now 』
に収録ヴァージョンにおいては、ジャケットの写真の反転が修正された後、単独作品でも修正写真が採用されている。
(追加:2019年6月10日)
Cracked Actor ( Live Los Angeles 74 ) : David Bowie
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リリースは2017年
David Bowie - vocals, guitar, harmonica
Earl Slick
- guitar
Carlos Alomar - guitar
Mike Garson - piano, Mellotron
David Sanborn - alto sax, flute
Pablo Rosario
- conga
Doug Pauch - bass
Greg Enrico - drums
Warren Peace, Gui
Andrisano, Anthony Hinton, Luther Vandross, Ava Cherry, Diane Sumler and
Robin Clark - Backing vocals
Recorded live at the UNIVERSAL AMPHTHEATRE , LOS ANGELES on 5th September, 1974
7月に一旦ダイアモンド・ドッグ・ツアーを終了させた後、未完に終わったセッション 『 The Gouster
』 に着手、その後再び行われた2回目のダイアモンド・ドッグ・ツアーからの音源。
『 David Live 』
以上に演奏のソウル度が高まっているのは、『 The Gouster 』 のレコーディングからの流れかもしれない。 ただ、同作収録予定でもあった ” It's Gonna Be Me ” や ” John, I'm Only Dancing ( Again ) ”
が秀逸なソウル・ナンバーとなっている一方、” Changes ” や ” Space Oddity ”
での演奏の中途半端さが違和感を高めている。
この後、ボウイは 『 The Gouster 』 の制作に頓挫して 『 Young Americans 』
をまとめていくのだが、そこには前述の ” It's Gonna Be Me ” や ” John, I'm Only Dancing ( Again ) ” は収録されていない。
過度なソウル指向を抑えた結果が、「プラスティック・ソウル」だとするならば、そのきっかけとなったのは、この2回目のダイアモンド・ドッグ・ツアーでの演奏なのかもしれない。
(追加:2019年6月10日)
Slaughter On 10th Avenue : Mick Ronson
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ミック・ロンソンのファースト・ソロ・アルバム。
冒頭に ” Love Me Tender ”
を持ってきたのは流石に拍子抜けするところがあるが、70年代のロックの格好良さが詰め込まれた作品である。
それだけにデヴィッド・ボウイの参加が、曲作りだけなのが惜しまれる。 英詩を手掛けただけの ” Music Is Letha
” はともかく、ボウイ単独の ” Growing Up And I'm Fine ” や、ロンソンと共作した ”
Hey Ma Get Papa
” は展開が読めないワクワク感がある佳曲だけに、ここにボウイの声が前面に出てきたら、とてつもない楽曲になっていたと思う。
勿論そうしなかったのは本人達が合意の上での判断だったのだろうが、この時期の二人のケミストリーを踏まえると、つくづく残念である。
(追加:2020年3月25日)
Weren't Born A Man : Dana Gillespie
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This album was produced by Dana Gillespie and Robin cable for MainMan except for 'Andy Warhol' and 'Mother Don't Be Frightened' which were produced by David Bowie and Mick Ronson.
デヴィッド・ボウイの元恋人と言われている、ダナ・グリスピーのソロ・アルバム。
2曲のみボウイとミック・ロンソンがプロデュースをしており、その内 ” Andy Warhol ” にボウイは演奏でも参加している。 ボウイのソロ
『 Hunky Dory 』 に収録されている同曲のアレンジは実験色が強かったが、本作品ではオーソドックスなアレンジとなっている。
私を含め殆どの人が 『 Hunky Dory 』
で同曲を先に聴き、耳に馴染んでしまっているため認め難いが、商業的完成度は本作品収録テイクの方が高かったりする。
(追加:2020年3月25日)
1975
Young Americans : David Bowie
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Drums Dennis Davis, Andy Newmark
Bass Emir Ksasan and Willie Weeks
Guitar
Carlos Alomar, Bowie, John Lennon ( Across The Universe / Fame ),Earl
Slick
Keyboards Bowie, Michael Garson
Saxophone
David Sanborn
Percussion Ralph McDonald, Pablo
Rosario and Larry Washington
Vocal Backups Bowie,
Ava Cherry, Robin Clark, Jean Fineberg ( Fame ), Anthony Hinton, John
Lennon ( Fame ), Jean Millington ( Fame ),Warren Peace, Diane Sumler,Luther
Vandross.
String arrangements by Tony Visconti
Vocal arrangements by Bowie and Luther
Vandross
未完に終わった 『 The Gouster 』 のマテリアルを使いながら、新たに完成された作品。
2016年にリリースされたボックス 『 Who Can I Be Now ? 』 で日の目をみた 『 The Gouster 』
と本作品を聴き比べると、個人的には本作品の方が好みである。 勿論、後から完成された 『 The Gouster 』
はボウイが当時目指していたものとは違うだろうし、そもそも本作の方が聴き慣れているということを差し引いても、である。
そう感じてしまうのは、やはり ” Young American ” と ” Fame ” といった強烈な2曲の存在である。
本作のみならずボウイのキャリアの中でも秀逸なこの2曲の、表面のきらびやかな装飾の裏にあるヘヴィでドロドロとした異質なリズムは余りにも強烈である。
そしてこの強烈かつ異質な2曲を作品の最初と最後に配置しながらも、全体としては「プラスティック・ソウル」というコンセプトで纏めているとこに、ボウイの凄さがある。
(追加:2019年12月25日)
1976
Station To Station : David Bowie
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Guitar
Carlos Alomar
Piano Roy Bittan
Drums
Dennis Davis
Bass George Murray
Vocals
Warren Peace
Guitar Earl Slick
『 Station To Station 』
は、デヴィッド・ボウイの作品の中でも孤高なものと位置づけることができる。
ボウイ関連の書籍を読んでいると、本作のレコーディングについて薬物の影響が大きかったボウイは殆ど記憶が無いらしい。
それがどこまで本当のことなのか今や知る由もなく、ヘヴィなリズムにハード・ロックのようなアール・スリックのギターが絡んでくる展開が何故完成したのか、謎のままである。
ボウイについて後付の知識が得やすくなった今だと、『 Low 』 から 『 "Heroes" 』 への流れだけではなく、『
Diamond Dogs 』 から 『 Young Americans 』 の流れも理解することができる。
しかし本作については、一切の議論無しにスピーカーやヘッドフォンから放出される異型なサウンドをそのまま浴び続けることしかできない。
(追加:2019年12月25日)
Live Nassau Coliseum '76 : David Bowie
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リリースは2010年
David Bowie : vocals
Carlos Alomar
: guitar
Dennis Davis : drums
Stacey Heydon : guitar
Tony Kaye
: keyboards
George Murray : bass
Recorded live at the Nassau Coliseum Uniondale, NY, USA March 23 1976
2010年に 『 Station To Station 』
が新装リリースされた際に同梱された作品で、後に単独作品としてもリリースされたもの。
突然変異、なライヴ作品である。
『 Station To Station 』 自体が特異な作品であることを差し引いても、そのノリをそのままライヴ化した作品でもないし、ダイヤモンド・ドック・ツアーとISOLAR2ツアーのミッシング・リンクを補ってもいない。
何故トニー・ケイがキーボードなのか、という以上に、スティシー・ヘイドンのギターが本作品の印象を決定付けている。 ” Station To
Station ”
の冒頭のフィード・バックも常軌を逸しているが、全編にフィーチャーされたゴリゴリのギターは、アール・スリックやエイドリアン・ブリューのギターとも明らかに異なっている。
このタイミングでスティシー・ヘイドンが起用されたのは大人の事情があったのだろうが、ワン・アンド・オンリーのタイミングでこのような演奏が残されたことに、ロックを聴き続けている喜びを噛みしめることができる。
もちろんこんな奇跡を呼び込んだのは、デヴィッド・ボウイの凄さなんだと思う。
(追加:2019年12月25日)