1973
デヴィッド・ボウイー・ベスト・デラックス : David Bowie
デヴィッド・ボウイの初来日公演後にリリースされた日本独自企画の作品。
レーベル面や内ジャケットに原題表記もあるのだが、裏ジャケットに日本語タイトルのみが記載してあることを踏まえ、ここでも日本語タイトルを記載した。
A面は 『 Ziggy Stardust 』 からの楽曲、但しタイトル曲は無し、B面は 『 Aladdin Sane 』 からの楽曲と、グラム色満載の選曲となっている。
C面はファーストと 『 The Man Who Sold The World 』 からの選曲、そしてD面は 『 Hunky Dory 』と再び 『 The Man Who Sold The World 』 からの選曲されている。
” Ziggy Stardust ” を外しているのは意図的だと思うが、それを踏まえると 『 Aladdin Sane 』 までの「ベスト・デラックス」というタイトルに相応しい内容である。
(追加:2024年7月10日)
1976
Changesonebowie : David Bowie
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ワールド・ワイドで発売されたデヴィッド・ボウイ初の公式ベスト・アルバム。
完璧である。 LP時代に発表されたベスト・アルバムの中で、ロック史上これ程完璧な作品は無い。 年代順にヒット曲を収録する王道の編集にもかかわらず、一つのトータル・アルバムのような完成度がある。
勿論抜けている重要な楽曲はある。 ただそれらの楽曲を足そうが他の楽曲と入れ替えようが、本作品以上の完成度に至るとは思えない。
CD時代に入る前に、『 Low 』 以降の楽曲で本作品の正当後継作品が編集されなかったことだけが残念である。
(追加:2024年7月10日)
Special : David Bowie
1973年に発売された 『 デヴィッド・ボウイー・ベスト・デラックス 』 の再発盤。
再発売時のシン・ホワイト・デュークの写真を使ったジャケットに変更されているため選曲とのアンマッチを生じているが、こうした「洋楽」っぽい適当さもまた懐かしかったりする。
(追加:2024年7月10日)
1977
Bowie Now : David Bowie
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アメリカでプロモーション用に制作されたコンピレーションで、2018年4月21日の Record Store Day 2018 で再発された作品。
『 Low 』 と 『 "Heroes" 』 からの曲が交互に収録されているのだが、最大の特徴は両アルバムの代表曲と言って良い ” Warszawa ” と ” "Heroes" ” が収録されていないことである。 ただその思い切りの良さは失敗しており、微妙な後味が残ってしまっている。
フリップが参加している楽曲としては、” Joe The Lion ” と” Blackout ” が収録されている。
(追加:2018年4月25日)
(更新:2024年7月10日)
1979
Chameleon : David Bowie
オーストラリアで編集された作品
各時代のボウイのルックスを組み合わせたジャケットと、カメロン、というタイトルのマッチングが格好良い。
しかし特筆すべきはその選曲である。『 Ziggy Stardust 』 から 『 Lodger 』 までの作品をほぼ年代順に並べているのだが、『 Young American 』 と 『 Station To Station 』 からの選曲は無し。 しかもB面の 『 "Heroes" 』 と 『 Lodger 』からの曲以外は、アルバムを代表する楽曲とは必ずしも言えない。
オーストラリアでのボウイの売れ方を反映しているのか、編集者が自分の好みだけで選曲したのか判らないが、後者の方が夢があって楽しい。
フリップが参加している楽曲としては、” Heroes ” と” Beauty And The Beast ” が収録されている。
(追加:2024年7月10日)
1981
Changestwobowie : David Bowie
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『 Changetwobowie 』 というタイトルからして完璧なベスト・アルバムである 『 Changeonebowie 』 の続編として期待されたにもかかわらず、 その役割を果たしていない作品。
『 Changeonebowie 』 以降発表された 『 Low 』、『 "Heroes" 』、『 Lodger 』、そして 『 Scary Monsters 』 という4枚のオリジナル・アルバムと ” Crystal Japan ” で続編を制作することができた筈なのに、『 Hunky Dory 』 時代まで遡って選曲していることが理解できない。 「続編」だけではなく「補完+続編」を意図したとしても、「補完」も「続篇」も中途半端な印象は避けられれない。
『 Changeonebowie 』 での ” John I'm Only Dancing ” に続いて ” John I'm Only Dancing ( Again ) 1975 ” を収録しているところは連続性を意識した良い仕事だと思うのだが、全体としては焦点がボケた作品と言わざるを得ない。
フリップが参加している楽曲としては、” Fashion ” が収録されている。
(追加:2024年7月10日)
Original Soundtrack From the Film Christiane F. : David Bowie
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映画 『 クリスチーネ・F 』 のサウンドトラック。 数多いデヴィッド・ボウイのコンピレーションの中での No.1 は 『 ChangeOneBowie 』 だが、No.2 を挙げると本作になるはずである。 『 Station To Station 』、『 Low 』、『 ”Heroes” 』、『 Lodger 』 からの選曲というは、殆ど反則のような行為としか思えない。 西ドイツでの実話に基づく映画のストーリーは、当時極東にいた中学生の私にはリアリティがゼロであったが、この奇跡のような選曲に度肝を抜かれたことは今でも覚えている。 ベルリン3部作の定義や正しさの議論を成り立たせなくなるだけの凄さが、本作品にはある。 そして本作品に ” ”Heroes”/”Helden” ” が収録されていることには、必然性以外感じられない。
フリップが参加している楽曲としては、” Heroes / Helden ” が収録されている。
(追加:2018年4月10日)
(更新:2024年7月10日)
1982
Bowie Rare : David Bowie
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タイトル通り、デヴィッド・ボウイのレア・トラックを集めた編集盤。
今だと 『 Five Years [ 1969-1973 ] 』、『 Who Can I Be Now? [ 1974-1976 ]』、そして 『 A New Career In A New Town [ 1977-1982 ] 』 という3つのボックスに全トラックが収録されており、目新しさはない。
ただオリジナルで収集するにはとてつもない労力がかかるトラックばかりで、本作がリリースされた段階での価値は非常に高い。
フリップが参加している ” Helden ” は、英語→ドイツ語ヴァージョン、つまり正しくは ” ”Heroes”/”Helden” ” ということになる。
レアと名乗りながらこの辺りのクレジットが曖昧で、緩いところがまた本作品の魅力だったりする。
(追加:2018年4月10日)
(更新:2024年7月10日)
1983
Golden Years : David Bowie
デヴィッド・ボウイの楽曲名には、そのままベスト・アルバムのタイトルにできるものが多い。 ” Golden Years ” などはその典型である。
にも関わらず、である。 『 Let's Dance 』 の大ヒットに乗じて発表された本作品は、そのタイトルとは裏腹に編集者が好きな曲を集めたとしか思えない内容である。 ベスト・アルバムでもないし、特定のコンセプトに基づき編集した作品でもない。 ただただ編集者が好きな楽曲を集めたとしか思えない内容である。
しかしながら内容としては良い。 ダメ作品どころか良編集盤である。 この流れでこの曲くるのか、という意外性とともについつい聴いてしまう。 なんか悔しいけど名編集である。
フリップが参加している楽曲としては、” Fashion ” と ” Scary Monsters ( And Super Creeps ) ” が収録されている。
(追加:2024年7月10日)
1984
Fame And Fashion ( David Bowie's All Time Greatest Hits ) : David Bowie
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ボウイのヒット曲名をアルバム・タイトルに引用しようとした結果、Fame & Fashion というトホホな名前がついた作品。
前年に発売された 『 Golden Years 』 と同じく 『 Let's Dance 』 のヒットに乗じて発売されのは明らかなのだが、その編集方法は異なっている。
『 Golden Years 』 が編集者が自分の好きな曲をぶち込んだ内容なのに対し、本作品は All Time Greatest Hits というサブ・タイトルを意識した内容となっている。 その結果 『 Changesonebowie 』 の更新盤といった内容になっており、LP時代の作品として悪くないは出来上がりとなっている。
本作品には、フリップが参加している楽曲としては、” 'Heroes' ” と ” Fashion ” が収録されている。
(追加:2024年7月10日)
1989
Sound + Vision : David Bowie
Sound + Vision I
Sound + Vision II
Sound + Vision III
Sound + Vision Plus AUDIO
AUDIO
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ライコが RCA 時代のボウイのオリジナル作品を CD 化していくタイミングでリリースされたボックス。
内容としてはデヴィッド・ボウイのコレクションというより、ライコがおさえたボウイの作品のショーケースという色合いが強い。 未発表曲が収録されている一方で、” Ziggy Stardust ” や ” Station To Station ” や ” Warszawa ” といったアルバムの代表曲がライヴ・テイクであったり、” "Heroes" ” ではなく ” Helden ” が収録されていたり、” After Today ” や ” It's Hard To Be A Saint In The City ” といったライコからのオリジナルCDのボーナス・トラックには収録しなかった楽曲が含まれていたりとやりたい放題である。
ただこの「やりたい放題」が、適当にやった感がなくボウイに対する愛が感じられ、美麗なデザインと相まって完成度が高い作品となっている。
本作品には、フリップが参加している楽曲としては、” Helden ”、” Joe The Lion ”、” Up The Hill Backwards ”、そして ” Kingdom Come ” が収録されているが、” Fashion ” をあえて収録していないのはライコの拘りなんだと思う。
(追加:2024年7月10日)
1990
Changesbowie : David Bowie
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ライコが RCA 時代のボウイのオリジナル作品を CD 化していくタイミングでリリースされた作品。
本作品は、リミックス違いがあるとは言え 『 Changeonebowie 』 そのままの内容後に、同作以降の曲を加えており、『 Changetwobowie 』 を無かったことにした上で 『 Changeonebowie 』 の正統派後継盤を意図してリリースしたに違いない。
ただ 『 Let's Dance 』 からの定番3曲を外さなかった結果、CDの容量制限から 『 Low 』 と 『 Lodger 』 からの楽が収録されなかったという新たな遺恨を残してしまっている。
フリップが参加している楽曲としては、” Heroes ” と ” Fashion ” が収録されている。
(追加:2024年7月10日)
1991
Bowie / Eno Sampler : David Bowie
セールス上の過度なプレッシャーが無くなると、ライコは本当に良い仕事をする。
プロモーション・オンリーの本作品は、「ボウイとイーノ」という括りで、『 Low 』、『 "Heroes" 』、『 Lodger 』 からの選曲という誰でも思いつくけど誰もやらなかったベタな内容である。 そして更にライコによる CD 化の際のボーナス・トラックも加えており非の打ち所が無い。
なんで公式発売しなかったんだろうか? できない事情があったのかもしれない。
ロバート・フリップの演奏が確認できるのは、” "Heroes" ” と ” Joe The Lion ” の2曲である。
(追加:2024年7月10日)
1993
The Singles 1969 to 1993 Featuring His Greatest Hits : David Bowie
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1993年にリリースされたデヴィッド・ボウイのコンピレーション。
本作品は『 The Singles Collection 』 とか 『 The Singles 1969 to 1993 』 とかタイトルも異なれば各国での収録曲も異なったりしているのだが、これはライコから北米向けにリリースされた 『 The Singles 1969 to 1999 Featuring His Greatest Hits 』 と題したヴァージョン。
ライコとしては 『 Changesbowie 』 の増補改訂盤といういう位置づけの選曲をしたのだと思う。 CD 1枚だとどうしても足りないところを2枚組にすることによって補完しようとした意図がはっきりと判る。 なのでここから先は個人の好み以外の何ものでもないのだがいくつか記載させてもらう。
リリース直後の 『 Black Tie White Noise 』 から ” Jump They Say ” を収録すること自体は良いと思うが、その結果ティン・マシーンがボウイの歴史から無かったことになってしまっているのが残念である。
また、” Cat People ( Putting Out Fire ) ” を 『 Let's Dance 』 収録ヴァージョンではなくサントラ盤から収録しているのは芸が細かいと思う。 ただ6分長のオリジナル・ヴァージョンではなくシングル・ヴァージョンで充分だった思う。 その分フリップ参加曲をシングル・ヴァージョンではなくオリジナル・ヴァージョンにしてほしかった。
そのフリップが参加しているのは、” Beauty & The Beast ”、” "Heroes" ”、” Fashion ” と ” Scary Monsters ( and Super Creeps ) ” の4曲である。