1983
Let's Dance : David Bowie
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Bass Carmine Rojas
Drums Omar
Hakim, Tony Thompson
Guitar Nile Rodgers
Lead Guitar Steve Ray Vaughn
Keyboards
Rob Sabino
Trumpet Mac Gollehon
Tenor & Flute
Stan Harrison
Baritone & Flute Steve Elson
Percussion Sammy Figueroa
デヴィッド・ボウイが、商業的に大成功をおさめた作品。
個人的には、先行してラジオで流れた ”
Let's Dance ” に度肝を抜かれ、アルバムを購入して1曲めの ” Modern Love ”
で完全に虜になったことを今でも覚えている。 この頃既に生活の大半はクリムゾンだったし、ボウイについても初期から 『 Scary Monsters
』 まで聴いていたけど、本作に対しては当時も今も、ただただ凄い作品だという思いしかない。
1981年にキング・クリムゾンの 『
Discipline 』 をトーキング・ヘッズだと否定し、1982年に ASIA の 『 ASIA 』
を産業ロックと揶揄したように、1983年にデヴィッド・ボウイの本作品をデヴィッド・ボウイじゃないと斜に構えることが当時の心あるロック・ファンのあるべき姿だったのかもしれないが、そんなことは関係なく好きなものは好きと聴けたのは、我ながら幸せな人生だったと思う。
カルトのヒーロー時代も本作品も、ビジュアルだけでデヴィッド・ボウイを一貫して肯定してきた 『 MUSIC LIFE 』
誌が、今更ながら一番正しかったのかもしれない。
(追加:2020年6月10日)
Let's Dance Demo : David Bowie
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リリースは2018年
Recorded on 19th December, 1982 at Mountain Studios, Montreux, SwizerlandBass
2018年の Record Store Day にリリースされた ” Let's Dance ”
のデモ・ヴァージョン。
曲の展開は既にほぼ完成しているのだが、決定的な違いはイントロのヴォーカル・パートが無いことである。
オリジナルを初めて聴いた時には、イントロからして売れ線を狙ったなと、多くの人達と同じような感想を漠然と持ったのだが、このヴォーカル・パートがあってこそ
” Let's Dance ” が名曲になったことが、本デモ・ヴァージョンを聴いて初めて判った。
このことに気づくのに、オリジナルを初めて聴いてから四半世紀以上。 ロックの奥深さに改めて驚かざるを得ない。
(追加:2020年6月10日)
Let's Dance : David Bowie
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リリースは2018年
” Let's Dance ( Nile Rodgers' String Version ) ” は、オリジナルにストリングスを後乗せした編集。
歌メロに絡むだけではなく、ストリングスだけの中間セクションがあったりするのだが、完成形に余計なものを付け足した印象しかない。
前述のデモ・ヴァージョンは不満足感が、本ヴァージョンは過剰感が強く、つくづくオリジナルの ” Let's Dance ”
が素晴らしいことが判る。
(追加:2020年6月10日)
Serious Moonlight ( Live '83 ) : David Bowie
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リリースは2019年
David Bowie - vocals, acoustic guitar
Carlos Alomar - guitar
Earl Slick - bass
Tony Thompson - drums
Carmine Rojas - bass
Steve Elson - horns
Stan Harrison -
horns
David LeBolt - keyboards
Lenny Pickett - horns
Frank
Simms - backing vocals
George Simms - backing vocals
Recorded live at PACIFIC NATIONAL EXHIBITION
COLISEUM, VANCOUVER, BRITISH COLUMBIA, CANADA, 12th September, 1983
except ' Modern Love ' recorded live at THE FORUM, MONTREAL, CANADA,
13th July, 1983
デヴィッド・ボウイが、『 Let's Dance 』
の勢いそのままに行ったツアーから収録されたライヴ・アルバム。
当時のライヴを余すところのなく収録した作品ではなく、収録時間の制限からか ”
Star ” や ” TVC15 ” 等が外されている。 ただ、全体としてみれば最大公約数としての名曲選となっており、『 Let's Dance
』 以降のファンもカヴァーできる内容となっている。
フリップ視点でこの時期の作品を捉えようとすることが間違っているのかもしれないが、個人的には ” Fashion ” はともかく、”
"Heroes” や ” Scary Monsters ( And Super Creeps ) ”
のアレンジと演奏には違和感を感じ続けている。 『 Let's Dance 』
は掛け値なしの名作だと思うし、そのフォーマットでこれらの曲を披露してもらえれば別の感動があっただろうが、両方おさえようとした結果中途半端な内容に留まったしまったのが、残念である。
(追加:2020年6月10日)
1984
Tonight : David Bowie
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Carlos Alomar guitars
Derek
Bramble Bass Guitar, Guitar, Synthesizer, Background
Carmine Rojas Bass Guitar
Sammy Figueroa
Percussion
Omar Hakim Drums
Guy St. Onge
Marimba
Robin Clark Vocals
George Simms
Vocals
Curtis King Vocals
Vocals on "Tonight" By
David Bowie And Tina Turner
Vocals On "Dancing With The Big Boys" By
David Bowie And Iggy Pop
Mark Pender Trumpet,
Flugal Horn
The Borneo Horns
大ヒット作 『 Let's Dance 』 に続く作品。
マーケット的にはそこそこに成功した作品ではあるが、『 Let's Dance 』 の勢いそのままに、というより 『 Let's Dance
』 後の狂騒に疲れ果てた上での作品となってしまっている。
曲の出来不出来が激しく、” God Only Knows ”
などは原曲の良さを潰してしまっている。
立て続けての大ヒットへの期待とプレッシャーがあったのかもしれないが、曲作りにもっと時間をかけるか、捨て曲を外したミニ・アルバムにしたら良かったのではないかと思う。
実際 ” Loving The Alien ”、” Neighborhood Threat ”、” Blue Jean ”、” I Keep
Forgetting ” の4曲だけでを選択して聴くと、結構な名作に思えてくる。
(追加:2020年10月10日)
Do They Know It's Christmas? : Band Aid
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言わずとしれたバンド・エイドのチャリティ作品。
チャリティという行為について当時色々と議論されたが、個人的にはベストヒットUSAで流れた本作品のミュージック・ヴィデオを観た時のメンバーの凄さにはクラクラきたし、本作品を契機に企画された Live-Aid
でレッド・ツェッペリンが再集結して、Queen が最ピークに向かうきっかけになったことは特筆に値する。
そんな作品にボウイはヴォーカルとして参加しているのではなく、” Feed The World ” でナレーションのみを担当している。
(追加:2020年10月10日)
1985
Dancing In The Street : Mick Jagger / David Bowie
7inch
12inch
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『 Do They Know It's Christmas 』
に参加していなかったミック・ジャガーと、ナレーションのみの参加だったデヴィッド・ボウイが Live-Aid 用意した楽曲。 結局 Live-Aid
のステージで披露されること無く終わってしまったのだが。
元々の楽曲の良さに合わせ、PV での二人の絡みも艶っぽく、『 Do They Know It's Christmas 』
という枠の中に2人が収まらなかったことが、素晴らしいアウトプットに継っている。
ただ、ボウイのファンという立場であっても認めざるを得ないほど、ミック・ジャガーの完勝である。 Queen との ” Under Pressure ”
はフレディ・マーキュリーとの役割分担がはっきりとしていたため、お互いの魅力が充分に発揮されていた。
一方本作品ではボウイがガチに向かい合った結果、ミック・ジャガーに圧倒されてしまっているのが、残念である。
(追加:2020年10月10日)
Tina Live In Europe : Tina Turner
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リリースは1988年 Album
Live at the Stadtgarten, Cologne
全盛期のティナ・ターナーのライヴ編集アルバム。
『 Private Dancer 』、『 Break
Every Rule 』
というビッグ・セールスを叩き出し、ミニ・スカートからパンツが見えても構わず唄いまくっていた頃のティナ・ターナーと、真正面からデヴィッド・ボウイが立ち向かおうとした理由は判らないが、残念ながら声量だけでは圧倒的に負けてしまっている。
オリジナルにもゲスト参加していた ”
Tonight
” だけでなく ”
Let's Dance
” をも、ターナーはバック・コーラスの域を超えて完全に自身の楽曲としてしまっている。
この時期、ボウイの関心はロックよりエンターテイナーの世界にあったのだろうが、流石に寂しくなってくる。
(追加:2020年10月10日)
1986
Blah-Blah-Blah : Iggy Pop
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Produced And Mixed By David Bowie And David Richards
デヴィッド・ボウイがプロデュースを行い、そのボウイの 『 Never Let Me Down 』
がダメ作品になった戦犯として位置付けられているアーダル・キジルケイが殆どの楽器を演奏しているイギー・ポップの作品。
商業的に久しぶりに成功した作品と言われているが、それはイギー・ポップのセールス尺度での話であって、ボウイのそれとは異なる次元の話である。
それだけにボウイが本作品に手応えを感じ、その後断続的にキジルケイを音楽パートナーとして重用してしまったのは残念である。
このデジタル・シンセサイザーにデコレートされた音に興味は全く湧かないが、ことイギー・ポップのヴォーカルだけとってみれば他の作品と全く変わりはない。
これはボウイが制作に関与した他のイギー・ポップの作品と同じことで、ジャケットでケミカルウォッシュのジーンズを履いていることを除けば、イギー・ポップはの良さは損なわれていない。
80年代の音触りだけを利用したイギー・ポップと、80年代台の音そのものに自らハマっていったボウイの違いが明確に提示されており、つくづく残念である。
(追加:2018年11月25日)
Break Every Rule : Tina Turner
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『 Private Dancer 』 の大ヒットから続いたティナ・ターナー黄金期の作品。
実際には、『 Private Dancer 』
のセールスには程遠いし、ソウルとロックが見事に融合した内容から大味なヴォーカル・アルバムに成り下がっている。
本作品には、デヴィッド・ボウイの 『
Tonight 』 のタイトル曲にティナ・ターナーが参加した流れから、ボウイによる楽曲 ” Girls ” が収録されている。
後に日本語ヴァージョンを含めボウイによってセルフ・カヴァーもされる同曲だが、残念ながらオリジナルの段階で魅力の無さが露呈しており、アルバム全体の曖昧さを増長させている。
一番最初にボウイの日本語ヴァージョンを聴いたときに、日本語で唄ってるからしょうがないんだと思い込もうとしたが、その後ボウイによる英語ヴァージョン、そしてティナ・ターナーによるオリジナルを聴いた段階で、そんな思い込みも無駄になってしまった。
(追加:2021年1月10日)
1987
Never Let Me Down : David Bowie
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guitar, guitar synthesizer Carlos Alomar keyboards, drums, bass Erdal Kizilcay lead guitar Peter Frampton additional guitar and keyboards David Bowie additional bass Carmine Rojas mellotron, moog, harmonica David Bowie piano Phillipe Saisse tamborine David Bowie, Carlos Alomar percussion Crusher Bennett trumpet Laurie Frink, Erdal Kizicay, Earl Gardner flugelhorn Earl Gardner The Borneo Horns ....
LPからCD移行期にリリースされた 『 Never Let Me Down 』
にはフォーマットによって収録数の長さが異なっていたり、日本盤には ” Girls ( Japanese Version ) ”
が収録されていたり、再発移行 ” Too Dizzy ” が収録されなかったりと、色々な違いがある。 とりあえず1987発売の日本盤の LP と
CD を揃えていればそこそこに抑えることができる。
違う、こんなことを言いたいんじゃない。
言いたいんじゃないけど本題を避けたい思いが上回ってしまう。
......頑張る。
どうしょうもない作品である。
個々の楽曲にも、アレンジにも魅力が無いし、ボウイのヴォーカルにも惹かれるところが無い。 『 Tonight 』 には ” Loving The
Alien ” 等ボウイの代表曲と言っても過言ではない名曲も含まれていて、作り込み不足で収録したと思われる捨て曲さえ無ければ愛すべき作品であった。
しかし本作品は、時間をかけても捨て曲レベルの楽曲しかできなかった当時のボウイの状況が顕になっているのが悲しい。
エンターテインメントを追求した結果、周囲のビック・ビジネスに巻き込まれてしまったことが、本当に残念である。
(追加:2021年1月10日)
Glass Spider ( Live Monreal '87 ) : David Bowie
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リリースは2017年
David Bowie - vocals, guitar
Peter Frampton - guitar
Carlos Alomar - guitar
Carmine Rojas - bass guitar
Alan Childs - drums
Erdal Kizilcay -
keyboards, trumpet, congas, violin
Richard Cottle - keyboards,
saxophone
Recorded live at the OLIMPIC STADIUM, MONTREAL, 30th August, 1987
『 Never Let Me Down 』
リリース後に行われたツアーの中から、モントリオールでの演奏を収録した作品。
まぁ改めての確認に過ぎないが、この時期のデヴィッド・ボウイのツアーは、ライヴというより音楽ショウである。
是非の話ではなく、ボウイが目指していたのはエンターテインメントの世界での成功であり、所謂ロックには興味を失っていたに過ぎない。
そんなショウを収めた作品だけに” ”Heroes” ” や ” Scary Monsters ”
のギターが情けないとか真剣に考えるだけ野暮である。
ただ間違っても、音だけだと判らない世界が映像を観れば判るのではないか、などと血迷って映像作品を観たりしない方が良いと思う。
絶望感に苛まされるだけである。
(追加:2021年1月10日)
1988
Never Let Me Down - Special CD : David Bowie
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『 Never Let Me Down 』 のタイトル曲のリミックス集。
そもそもが大味の楽曲だっただけに、それに手を加えても、差し引いても印象は余り変わらない。
この時期に限らずボウイは、自身の楽曲のリレコーディングには取り組んでも、リミックス自体には興味が無かったように思える。
(追加:2021年1月10日)