1992
Songs From The Cool World
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実写とアニメを融合した映画のサントラに、ティン・マシーン後のデヴィッド・ボウイのソロ楽曲が収録されている。
デジタルなビートに管楽器が被さる楽曲、そしてプロデューサーにナイル・ロジャースの名前がクレジットされていることから、翌1993年にリリースされる 『
Black Tie White Noise 』 と同時期のレコーディング、あるいはそのプリプロダクションと想像される。
ティン・マシーン後ということで意図的に差異化を模索するのは当然だと思うが、潔い程にティン・マシーン的な要素が無い。
変化に躊躇が無いのはデヴィッド・ボウイらしいが、その変化後にまだまだ未消化な所が残る楽曲である。
(追加:2018年9月10日)
Real Cool World : David Bowie
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そして 『 Songs From The Cool World 』 に収録されていた ” Real Cool World ”
の12インチ盤。 4つのリミックスが収録されている一方、オリジナル・テイクは含まれていない。
『 Let's Dance 』
以降のシングルの別テイクにデヴィッド・ボウイが直接関与したことは殆ど無い。
デヴィッド・ボウイ自身に、そうした行為に対する興味が殆どなかった事によるものだと思うが、本作もその例外ではない。
ただ、シングル曲のリミックスよりも 『
Black Tie White Noise 』 の制作に集中して取り組んでいたことが、同作の成功に繋がったのだと思う。
(追加:2018年9月10日)
Real Cool World : David Bowie
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” Real Cool World ” の CD-Single
先に紹介している12インチ盤との違いはオリジナル・ていくとラジオ・エディット(短めな編集)が収録されているところ。
(追加:2022年3月25日)
1993
Black Tie White Noise
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David Bowie - vocals, guitar and dog alto
Nile Rodgers - guitar
Poogie Bell - drums
Sterling Campbell - drums
John Regan -bass
Barry Campbell - bass
Richard Hilton - keyboards
Dave Richards - keyboards
Philippe Saisse - keyboards
Richard Tee - keyboards
Reeves Gabrels - lead guitar on 'You've Been Around' and 'Nite Flights ' and wah guitar and Rhythm guitar on 'I Feel Free'
Mick Ronson - lead guitar on 'I Feel Free'
Wild T. Springer - lead guitar on 'I Know It's Gonna Happen Someday'
Mike Garson - piano on 'Looking For Lester'
Lester Bowie - trumpet on 'You've Been Around', 'Jump They Say','Pallas
Athena', 'Don't Let Me Down & Down' and 'Looking For Lester'
Al B. Sure! - vocal duet on 'Black Tie White Noise'
Gerardo Velez - percussion
Michael Reisman - harp and tubular bells
ティン・マシーンを中途半端に棚上げした後、デヴィッド・ボウイ名義としてリリースした久々の作品。
ボウイは僅かな失敗作品、いくつかの普通の作品、多くの素晴らしい作品、そしていくつかの異次元の作品を創り出しているが、本作品は素晴らしい作品である。 デヴィッド・ボウイ、そしてティン・マシーンとしての失敗作品が続いたあとだけに、異次元の作品でなければ「ボウイ復活」と言い難かったのかもしれないが、復活と言い切れるだけの内容である。
インスト、カヴァー、個人、社会、ソウル、ナイル・ロジャース、ティン・マシーンもどき、『 Earthling 』の萌芽と、ごった煮感はあるが、そのこと自体はボウイにとってはいつものことである。 コンセプトを明確にすることで傾向が異なる楽曲をまとめ統一感を出してきたボウイが、本作品においてはコンセプトを明確に打ち出さなかった、ただそれだけのことである。
『 Scary Monsters 』 以降異次元の作品は 『 ★ 』 まで待つことになるのだが、本作品から 『 The Next Day 』 まで素晴らしい作品を連続してリリースするボウイは、70年代に続く黄金期を迎えたと言って過言ではない。
(追加:2022年3月25日)
Black Tie White Noise Limited Edition 2CD+DVD
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リリースは2003年
2003年にリリースされた 『 Black Tie White Noise 』 のスペシャル・エディション。 オリジナル・アルバムの他、同作収録曲の別ミックス等を収録したCD、そして DVD という構成になっている。
『 Black Tie White Noise 』 以降、アルバム収録楽曲が様々にミックスされるようになるのだが、あまり惹かれるものは無い。 そしてボートラ、シングル、本作品、ボックスに収録されている 『 Re:Call 』 でバラバラに収録されるため、ミックスされた楽曲の全体を抑えることは困難となっている。 本作品収録曲の中では ” Jump They Say [ Rock Mix ] ” での判りやすく歪んだギター・ソロが被る展開が格好良いと思う程度である。
DVD にはボウイのインタビュー、プロモーション・ヴィデオ、そしてスタジオでの口パクにレコーディング・トラックを被せた映像が収録されている。 口パク映像より当時のリアル・ライヴ映像を収録してほしかった。
(追加:2022年3月25日)
Jump They Say
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『 Black Tie White Noise 』 からのファースト・シングルとして ” Jump They Say ” が選ばれている。
歌詞にデヴィッド・ボウイ自身のプライベートが色濃く現れた楽曲と言われているが、楽曲自体のメロディ、アレンジの良さはシングル向きでありファースト・シングルに選ばれたのも判る
一方そんなプライベート色が強い楽曲ながら、リミックスについては他人任せでボウイ自身が関与している要素が見られない。 逆にその辺りがボウイらしかったりするのだが。
(追加:2022年3月25日)
Black Tie White Noise
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『 Black Tie White Noise 』 からのセカンド・シングルは、アルバム・タイトル曲が選ばれている。
シリアスな問題を取り上げた楽曲である一方、ミドル・テンポの男性ヴォーカル・デュオという元ネタは「おしゃれなミックス」をしたいという発想を充分喚起したのだと思う。
ただ個人的には、アルバム収録のオリジナル・ヴァージョンが最も好みである。
(追加:2022年3月25日)
Miracle Goodnight
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『 Black Tie White Noise 』 からの3作品目は ” Miracle Goodnight ” である。
オリジナル、つまりアルバム・ヴァージョンでの本曲の聴きどころは、中間部でのシンセサイザーの美しい音色、メロディである。 ところが残念ながらここに収録されているミックスにはその聴きどころが割愛されてしまっている。
この辺り、もう少しなんとかならなかったのだろうか。
(追加:2022年3月25日)
The Buddha of Suburbia : David Bowie
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David Bowie : Vocals, Keyboard, Synths, Guitar,
Alto & Baritone Sax, Keyboard Percussion
Erdal Kizilcay : Keyboards,
Trumpet, Bass, Guitar, Live Drum, Percussion
David Richards :
Engineering, Programming
Bleeds Like a Craze, Dad
Drums, bass, guitar - 3D Echo, Piano - Mike Garson
South Horizon
Piano - Mike Garson
復活作 『 Black Tie White Noise 』
と同年に発表されたデヴィッド・ボウイの作品で、その扱いリリース時もリリース後も低かった。
リリース時は、BBCのドラマのサウンド・トラックという位置づけからオリジナル・アルバムから一段低く扱われ、リリース後も 『 Never Let Me
Down 』 がダメ作品と位置づけられてしまった戦犯のアーダル・キジルケイが演奏に大きく関与しているということで無視されることが多かった。
しかし今では、秀逸なメロディとアレンジが施された楽曲が多く収録されている名作として語られることが多い。 実際私も、そう思う。
そして本作品にイーノが強い関心を持ったことが、次作 『 1. Outside 』
をイーノがプロデュースすることに繋がったことを踏まえると、色々な面で本作品の位置づけは重い。
(追加:2019年3月25日)
The Buddha of Suburbia : David Bowie
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『 The Buddha Of Suburbia 』 からのタイトル曲のシングル・カット。
1993年というのはレニー・クラヴィッツが 『 Mama Said 』 に続く 『 Are You Gonna Go My Way 』
をリリースした年であり、そしてクラヴィッツがクラッシク・ロック復権の象徴としてもてはやされた頃であり、セールスのために起用したのも判らないでもない。
ただアルバム 『 The Buddha Of Suburbia 』 の中で、本曲は必ずしも名曲ではなく、もっと他にも選ぶ曲はあったはずである。
カップリングに ” Dead Against It ”
が選ばれたがせめてもの救いであったが、この辺りがままならなかったのが、当時のデヴィッド・ボウイの置かれた状況なのかもしれない。
(追加:2019年3月25日)
1995
1. Outside : David Bowie
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Produced by Davie Bowie & Brian Eno
Musicians:
David Bowie - Vocals, Saxophone, Guitar & Keyboards
Brian Eno - Synthesizers, Treatments & Strategies
Reeves Gabrels - Guitar
Erdal Kizilcay - Bass & Keyboards
Mike Garson - Grand Piano
Sterling Campbell - Drums
Carlos Alomar - Rhythm Guitar
Joey Baron - Drums
Yossi Fine - Bass
Tom Frish - Additional Guitar on "Strangers When We Meet"
Kevin Armstrong - Additional Guitar on "Thru' These Architects Eyes"
Byrony, Lola, Josey & Ruby Edwards - Backing Vocals on "The Hearts Filthy
Lesson" and "I Am With Name"
『 The Buddha Of Suburbia 』 をオリジナル・アルバムとして認識される前の段階では、『 Black Tie White
Noise 』 に続くオリジナル・アルバムとして位置づけられた作品。
本作品リリース時の期待は高かった。
テーマが猟奇殺人、パート2以降のリリースの示唆、ナイン・インチ・ネイルズとのツアー、そしてイーノとの1979年の 『 Lodger 』
以来の共演とくれば、我らのデヴィッド・ボウイが戻ってきたと盛り上がるのは当たり前であった。
ただ本作には、シングル・カットされた
” The Hearts Filthy Lesson ”、” The Hearts Filthy Lesson ”(『 The Buddha Of
Suburbia 』 からの再レコーディング)、” Hello Spaceboy ” 以外に魅力的な楽曲が無いという残念な問題点があった。
この3曲が突出しているだけにそれだけで充分な所もあるのだが、コンセプトありき、に縛られることなく曲の良さだけでアルバムをまとめる所に行き着くまでに、ボウイはもう暫く模索を続けることになる。
(追加:2019年3月25日)
The Hearts Filthy Lesson : David Bowie
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『 1. Outside 』 からのファースト・シングル。
シングル・カットされた3曲以外の同作収録曲はほぼ変わらないとはいえ、” I Am With Name ”
をカップリングしたのには流石に無理があったと思う。
収録された ”
The Hearts Filthy Lesson
” の3ヴァージョンの内、オドロオドロしさを強調しましたよと言わんばかりのトレント・レズナーによる Alt.Mix
には余り惹かれないが、ボウイ自身の関与は疑わしいものの Bowie Mix. でのピアノ音が強調された所が個人的には一番好みである。
(追加:2019年3月25日)
Strangers When We Meet : David Bowie
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『 1. Outside 』 からのシングルの中で、最もお得度が高いのが本作である。
前作 『 The Buddha Of Suburbia 』 から再録された ” Strangers When We
Meet ” の短縮ヴァージョンとオリジナル・ヴァージョンの収録に加え、" The Man Who Sold The World "
のライヴ・ヴァージョンと、日本盤 『 1. Outside 』 に収録された ” Get Real ” と が収録されている。
" The Man Who Sold The World "
は、ミックスにイーノがクレジットされており、ライヴ感どころか原曲のイメージもほとんど残っていない。 そして ” Get Real ”
は、イーノと共作したポップな楽曲で、出来上がってみたら 『 1. Outside 』
の雰囲気に合わなかったことが、アルバムから外された理由と思われる。 良い曲なだけに、この辺りにコンセプト・アルバム制作の難しさが現れている。
(追加:2019年3月25日)
1996
Hallo Spaceboy : David Bowie
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ペット・ショップ・ボーイズがリミックスに留まらずプロデュースまでおこなった ” Hallo
Spaceboy ” を収録したシングル。
ヴォーカルに泣きの裏メロが絡む所は格好良いと思うが、個人的に 『 1. Outside 』
に収録されたオリジナルのテイクでの焦燥感あるアレンジの方が好みである。 オリジナルのテイクも、本シングルに収録しておいて欲しかった。
”
Under Pressure ” と ” Moonage Daydream ” は、1995年のライヴから収録されている。 前シングル 『 Strangers When We Meet 』 での ” The Man Who Sold The World ” と異なりイーノは関与しておらず、純粋なライヴ・テイクとなっている。
(追加:2019年3月25日)
Changesnowbowie : David Bowie
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リリースは2020年
Vocals David Bowie
Guitars Reeves Gabrels
Bass, Vocal Gail Ann Dorsey
Programming and Keyboards Mark Plati
Recorded at Looking Glass Studios, NYC, November, 1996.
『 1. Outside 』 のツアーの後、次作 『 Earthling 』 と多分ほぼ同時期にレコーディングされ BBC の特番で放送された内容を、2020年になってリリースした作品。
アコースティック・ギターを多用しかつドラムレスでありながら、躍動感溢れるロックな作品となっている。 打ち込みを使って陰鬱な作品としてまとめた 『 1. Outside 』 と打ち込みを使ってハイパーにまとめた 『 Earthling 』 の間にレコーディングされた作品であるが、『 Hours... 』 以降のヴォーカル・アルバムに本作品の成果が結実したのだと思う。
ただ 『 Changesonebowie 』 フォーマットのデザインが採用されたことだけが謎である。 深読みはいくらでもできるが、深読みさせることが一番の狙いであるように思える。
(追加:2023年9月25日)
Telling Lies : David Bowie
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『 Earthling 』 から先行リリースされたシングル。 一言で言ってしまえば曲自体良くない。
残念ながら 『 Earthling 』 は傑作ではない。 でも収録された全ての楽曲が悪いなどということはなく、シングル・カットにも向いた曲もある。 幸いなことにそういった曲は、アルバム・リリース後にシングルとしてリリースされるのだが。
そしてミックスが良くない。 ハードウェアなのかソフトウェアなのか判らないが、プログラムされた音色/ループをそのまま使用したような内容に過ぎない。
(追加:2023年9月25日)
1997
Earthling : David Bowie
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David Bowie - vocals, guitars alto saxophone, samples and keyboards
Reeves Gabrels - programming, synthesizers, real and sample guitar
Mark Plati - programming, loops, samples and keyboards
Gail Ann Dorsey - bass and vocals
Mike Garson - keyboards and piano
Zachary Alford - drum loops, acoustic drums and electronic percussion
『 1. Outside 』、及びその関連ツアーを経てボウイが続けざまにリリースした作品。
個人的にはボウイの作品の中で最も関心が湧かない。 駄作という観点では 『 Never Let Me Down 』 が鉄板だが、本作品についてはリリース直後も今も関心が無い。 1997年においてドラムン・ベースは最先端ではない一方でジャンルとして確立してもいなかった。 そんな微妙な位置づけのスタイルをボウイが導入したことに対する違和感を拭うことができなかったためである。
打ち込みを多用しているという観点では前作 『 1. Outside 』 と共通点があり、陰鬱な同作 → 同作から楽曲をハイパーにミックスしてシングル・リリース(Hallo Spaceboy) → ハイパーな本作 → 本作からの楽曲を陰鬱にミックスしてシングル・リリース(I'm Afraid Of Americans)、という変遷はボウイの迷いを示しているのかもしれない。
(追加:2023年9月25日)
Little Wonder : David Bowie
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” Little Wonder ” のシングル。
エディット・ヴァージョンの1曲目と Danny Saber Mix を除く3曲は、Junior Vasquez というハウスDJがリミックスを担当している。
このリミックスがなんとも古臭い。 今聴くと古臭いのではなくリリース当時も古臭く、80年代の12インチによく収録されていた引き延ばしただけの編集がひたすら続く。 最新の機材から繰り出される古臭い編集、多分発想が80年代(の低レベル)で止まったままなんだと思う。
人選がボウイによるものなのか判らないが、関わっていてほしくない。
(追加:2023年9月25日)
Little Wonder : David Bowie
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” Little Wonder ” のシングルだが、” Little Wonder ” 以外の曲も含まれている結果聴きやすい内容となっている。
ただ全曲既発なので目新しさは無い。
(追加:2023年9月25日)
Seven Years In Tibet : David Bowie
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” Seven Years In Tibet ” のエディット・ヴァージョンと標準中国語で謳ったヴァージョン、そして 『 Black Tie White Noise 』 に収録されていた ” Pallas Athena ” の1997年のアムステルダムでのライヴ・ヴァージョンが収録されている。
ただこのライヴ・ヴァージョン、最初と最後の歓声以外はライヴっぽさが無い。
(追加:2023年9月25日)
Dead Man Walking
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” Dead Man Walking ” のリミックスを集めたシングル。
” Moby Mix I ” と ” House Mix ” は、ボウイの ” Real Cool Mix ” やイーノの ” Fractal Zoom ” のミックスも担当した Moby によるもの。
” This One's Not Deat Yet Remix ” は、” Little Wonder ” のミックスも担当した Danny Saber によるもの。
個人的には ” House Mix ” が最も好みである。
(追加:2023年9月25日)
Dead Man Walking
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” Dead Man Walking ” のエディット・ヴァージョンを収録したシングル。
『 1. Outside 』 に収録されていた ” I'm Deranged ” の Jungle Mix と ” The Hearts Filthy Lesson ” の Good Karma Mix が収録されている。
(追加:2023年9月25日)
I'm Afraid Of Americans
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All tracks :
Reproduced by Nine Inch Nails.
Production and additional performances by Nine Inch Nails:Trent Reznor, Charlie Clouser, Keith Hillebrandt, Dave "Rave" Ogilvie, Danny Lohner.
Mixed by Dave "Rave" Ogilvie.
Except V5 : Additional production and remix by Photek.
Special Guest on V3 : Ice Cube
” I'm Afraid Of Americans ” のリミックス集
” V5 ” を除きナイン・インチ・ネイルズがプロデューだけではなく演奏も追加しており、『 Earthling 』 に収録されている ” I'm Afraid Of Americans ” が 『 1. Outside 』 に収録曲のように編集されている。
(追加:2023年9月25日)
I Can't Read : David Bowie
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From The Original Motion Picture Soundtrack THE ICE STORM
映画 『アイス・ストーム』 の挿入歌として、ティン・マシーンの ” I Can't Read ” を再レコーディングした作品。
ティン・マシーンのライヴでは定番の楽曲だったとはいえ地味目な楽曲だった同曲を、更に地味にアレンジした内容となっている。 ハイパー路線との決別だったのかもしれないが、極端から極端に振りすぎた感は否めない。
(追加:2023年9月25日)
1999
Hours... : David Bowie
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Musicians:
David Bowie : Vocals, keyboards & 12
string acoustic guitar, Roland 707 drum programming.
Reeves Gabrels :
Lead & rhythm, electric & 6 and 12 string acoustic guitars, drum loops,
synth and drum programming.
Mark Plati : Bass, acoustic & electric 12
string guitar, synth and drum programming and mellotron on " Survive ".
Mike Levesque: Drums.
Sterling Campbell : Drums on " Seven ", "New
Angeles Of Promise " and " The Dreamers ".
Chris Haskett : Rhythm
guitar on " If I'm Dreaming My Life ".
Everett Bradley : Percussion on
" Seven ".
Holly Palmer : Backing vocals on " Thursday's Morning ".
デヴィッド・ボウイが、20世紀末に発表した渾身のヴォーカル・アルバム。
素晴らしい楽曲を、借用感ゼロの地に足がついた演奏で固め、力強いボウイのヴォーカルが被さる完璧な作品である。
ティン・マシーンではケミストリーが生じなかったリーヴス・ゲイブレルスとの共演が見事に機能したと思われるが、先ず何よりも 『 1.
Outside 』 と 『 Earthling 』 で乱れた振り幅を、ヴォーカルを基軸に整えたことが大成功の要因である。
個人的にはボウイから最も距離が離れていた時期だっただけに、先行情報無しで本作品を始めて聴いた時の衝撃を今でも覚えている。 冒頭の ”
Thursday's Child ” に先ず驚き、次々と途切れることなく同等の衝撃が続くことで、アルバムの完成度の高さを理解した。
「ベルリン三部作」という括りは 『 Lodger 』 の存在から議論の余地が残るが、本作、『 Heathen 』、そして 『 Reality 』
については、何のエクスキューズ無しに「秀逸なヴォーカル・アルバム3部作」と誇ることができる。
(追加:2019年10月10日)
Hours... Special Limited 2CD Edition : David Bowie
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リリースは2004年
2004年にリリースされた 『 Hous... 』 の2枚組スペシャル・エディション。
オリジナルにプラスされたCDには、同作収録曲の別ミックスや、アルバム没テイクが収録されている。
この別ミックスがミソで、当時リリースされたシングルに収録されていた別ミックスが全ては入っていない一方で、シングル群に収録されていない曲も本CDには入っている。 つまり全て聴きたきゃ全部購入せよということになる。
勿論これ以外にも多くの別テイクが世の中には存在するわけで、ボウイ道を極めるのはとてつもなく困難であることがてわかる。
この作品がリリースされたのは、『 Reality 』 リリース後のツアー中にデヴィッド・ボウイが緊急入院をした後のことで、ボウイが2013年の
『 The Next Day 』 まで作品がリリースされないとは思われていなかった。
(追加:2019年10月10日)
Thursday's Child : David Bowie
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名曲揃いの 『 Hours... 』 からはシングルが多くリリースされている。
アルバム冒頭の ”
Thursday's Child ” は当然のリリースで、ここでは1分弱短い演奏となっている。
” We All Go Through ”
と ” No One Calls ”
はアルバムと同時期にレコーディングされた作品と思われるが、アルバム収録が叶わなかったのも理解できる内容である。
(追加:2019年10月10日)
Thursday's Child : David Bowie
This CD contains an interactive element. Video of " Thursday's Child ". |
わざわさ 「 rock mix 」 とクレジットされた ” Thursday's Child ”
は、音色をざらつかせたギターとシンセサイザーがフィーチャーされ、リズムを強調したミックスが施されている。
個人的には削ぎ落とした感が強いオリジナルのミックスの方が好みである。
”
We Shall Go To Town
” と ”
1917
” は、やはり没テイクの域を出ていない。
(追加:2019年10月10日)
The Pretty Things Are Going To Hell : David Bowie
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『 Hours... 』
の中でもハードな ”
The Pretty Things Are Going To Hell
” も当然シングルとしてリリースされている。
「 Edit 」 とクレジットされているテイクは、1分弱短く編集した内容となっている。
その他2曲は、” Thursday's Child ” のシングルに収録されているものと同じ。
(追加:2019年10月10日)
2000
Survive : David Bowie
Interactive Element : Survive Video |
本作品は、ビョークやマドンナの楽曲のプロダクションに関わっていたマリウス・デブリースがミックスした ”
Survive ” が収録されている。 いつの時代にも今風のアレンジをしたものは後から聴くと古臭く思えてしまうもので、ここでもやはりリーヴス・ゲイブレルスの太くて甘いギター・ソロがフィーチャーされたアルバム収録ヴァージョンの方が惹かれる。
” The Pretty Things Are Going To Hell ” は、映画 『 Stigmata 』
収録されているヴァージョン。
(追加:2019年10月10日)
Survive : David Bowie
Interactive Element : "Survive ( Live in Paris )" Video |
All songs and video recorded live at the "Elysee Montmartre", Paris, 14th October 1999
同フォーマット、色違いで出された ” Survive ”
のシングルは、1999年10月14日のパリでのライヴを収録している。
それなりの会場だと思うのだが、過度にロック色を強くして煽ろうとすることなく、楽曲の良さをそのまま提示するような演奏を行っている。
楽曲、そして演奏に相当以上の自信が無ければできないことだが、その自信を結果にも結びつけているところが最高である。
(追加:2006年2月10日)
Seven : David Bowie
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” Seven ” のシングル三部作の1枚目。
ちなみに2枚目にはポスター、3枚目にはポストカードが付属されているが、本作にはおまけはついていない。
マリウス・デブリースのミックスは ”
Survive ” と同じく音数の多い豪華なアレンジが施され、ベックによるアレンジはヒップ・ホップ風のバックで、ともに個人的には好みでは無い。
それよりもデモ・バージョンの完成度の高さに驚かされる。
新たなミックス2曲よりもデモ・バージョンが素晴らしいのは、優れた原曲をいじり過ぎても成功しない、という基本を見事に証明している。
(追加:2019年10月10日)
Seven : David Bowie
Interactive Element : I'm Afraid of Americans Video |
” Seven ” のシングル三部作の2枚目には、その ” Seven ” のアルバム・ヴァージョンと、『
Earthling 』 収録の ” I'm Afraid of Americans ”
のナイン・インチ・ネイルスによるミックスが収録されている。
” I'm Afraid of Americans ” の NIN によるミックスも同曲のシングルに既に収録されているものだし、”
Seven ” もアルバム・ヴァージョンであることを踏まえると、お得感は一番少ないかもしれない。
(追加:2019年10月10日)
Seven : David Bowie
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Recorded Live by the SFX Radio Network at the Kit Kat Klub on November 19, 1999.
” Seven ”
のシングル・シリーズのラストは、1999年11月19日のニューヨークでのライヴを収録している。
” Survive ”
のライヴ・シングルから1ヶ月後の演奏で、原曲の良さをそのままは提示する手法は一緒である。 当時のライヴで 『 Hours... 』
からの楽曲を最低でも5曲採用していること、そしてそれらの楽曲を奇をてらうことなく演奏していることから、改めてデヴィッド・ボウイの 『
Hours... 』 にかける意気込みを感じることができる。
(追加:2019年10月10日)