King Crimson Data Base
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Meltdown  Live In Mexico  -2018-

CD One

  1. Walk On
  2. Larks' Tongues In Aspic, Part One
  3. Neurotica
  4. Cirkus
  5. Dawn Song
  6. Last Skirmish
  7. Prince Rupert's Lament
  8. The Hell Hounds Of Krim
  9. Red
  10. Fallen Angel
  11. Islands
  12. The Talking Drum
  13. Larks' Tongues In Aspic, Part Two

CD Two

  1. Indiscipline
  2. The ConstruKction Of Light
  3. Epitaph
  4. Banshee Legs Bell Hassle
  5. Easy Money
  6. Interlude
  7. The Letters
  8. Sailor's Tale
  9. Catalytikc No 9
  10. Meltdown
  11. Radical Action II
  12. Level Five
  13. Starless

CD Three

  1. Peace - An End
  2. Picture Of A City
  3. Devil Dogs Of Tessellation Row
  4. Fracture
  5. The Court Of The Crimson King
  6. Heroes
  7. 21st Century Schizoid Man
    Bonus Tracks 2018 Official Bootleg
  8. Discipline
  9. Moonchild
  10. Tony's Cadenza
  11. Jeremy's Cadenza
  12. Breathless
  13. Cool Jam

Blu-Ray Disc

  1. Neurotica
  2. Pictures Of A City
  3. Cirkus
  4. Dawn Song
  5. Last Skirmish
  6. Prince Rupert's Lament
  7. Epitaph
  8. Devil Dogs Of Tessellation Row
  9. Fracture
  10. Islands
  11. Indiscipline
  12. Peace - An End
  13. Easy Money
  14. Interlude
  15. The Letters
  16. Sailor's Tale
  17. Catalytikc No 9
  18. Fallen Angel
  19. The Talking Drum
  20. Larks' Tongues In Aspic, Part Two
  21. Starless
  22. The Hell Hounds Of Krim
  23. 21st Century Schizoid Man

Robert Fripp    Guitars & Keyboards
Jakko Jakszyk    Guitar & Voice
Bill Rieflin    Keyboards
Tony Levin    Basses ,Stick & Backing Vocals
Mel Collins    Saxes & Flute
Pat Mastelotto    Drums & Percussion
Jeremy Stacey    Drums & Keyboards
Gavin Harrison    Drums

Recorded at Teatro Metropolitan, Mexico City 14-19 July 2017

2016年迄における現行キング・クリムゾンのライヴ盤は、演奏の充実度は 『 Live In Toronto 』 が、演奏の網羅度においては 『 Radical Action 』 が最強であった。 特に後者は日本でのライヴを収録しているということで、思入れ度も最強であった。
しかし2018年になると、演奏の充実度は 『 Live In Chicago 』 に取って代わられ、演奏の網羅度においては本作 『 Meltdown 』 に取って代わられた。 それ程、本作品の内容は最高かつ最強なものである。
現行キング・クリムゾンが、メンバーを微妙に変更しながらレパートリーを追加し、演奏自体を進化させ深化させた成果が、本作品には見事にパッケージングされている。
2018年末に行なわれる日本でのライヴもレコーディングされるだろうが、演奏の充実度、演奏の網羅度、そして思入れ度の3点で最高かつ最強な作品に繋がることを期待したい。

映像作品としては、カメラマンがステージに周り込むことがなく、固定カメラによ撮影なのは 『 Radical Action 』 と同じなのだが、編集方法が異なっている。
『 Radical Action 』 では、映像をオーバーラップさせることで複数のメンバーを同時表示させることがあったが、本作では、メンバー2人を柔軟に入れ替えながらのカットや、ドラマー3人の分割カットを多用している。 更に8人全員を2行☓4列の均等分割カット表示することもあり、これはメンバー数が偶数になった恩恵とはいえ迫力がある。
唯一の難点を上げるとすれば、後列が5人となっているため中央に位置するビル・リーフリンの手元が捉えられていないことだが、いずれにせよ2018年の来日公演を映像化するにあたっては、本作品を超えるものを期待したい。

フリップは ” Dawn Song ” の頭のオーボエ・パートでキーボードを、” Prince Rupert's Lament ” のラストではギター・ソロを披露しており、 『 Lizard 』 からの楽曲に積極的に絡んでいることがわかる。

” Epitaph ” と ” Islands ” では、フリップ、リーフリン、ステイシーの3人でキーボードを演奏する場面があり、トリプル・キーボードというプログレ好きを垂涎状態にさせる場面がある。 ちなみに、” Islands ” 演奏時にはレヴィンも椅子に座るため、スタージ上で8人の内6人が座って演奏していることになる。

” Fracture ” と ” Easy Money ” を演奏した後に、フリップが最高のドヤ顔をしてみせるのが、本作品の楽しみ方の一つである。 ただ個人的には ” Fracture ” でウェットンが凄まじいベース・ソロをかましたパートは、ギターでユニゾン演奏することなくベースだけにしてほしいと思う。

フロントに3人のドラマーがいるというのは、相変わらず視覚的に強烈なのだが、観客受けをちゃんと計算している所があるのも素晴らしい。 特に ” Indiscipline ” での演奏ものまね合戦は、日本でも是非再演してもらいたい。
一人ひとりで気づいたことと言えば、マステロットが出す変な音の殆どが物理的に発信されているものであること、ステイシーが ” 21st Century Schizoid Man ” でのハリソンのドラム・ソロに合わせて細かく首を振る仕草が可愛いこと、そしてそのドラム・ソロ終了前にシンセドラムで ” Smoke On The Water ” のリフをハリソンが演奏すること。

音声盤には、メキシコ・シティにて複数日に渡って演奏された内容に加え、2018年の演奏が収録されている。 ” Discipline ”、” Moonchild ”、そしてフリップのソロ 『 Exposure 』 からの ” Breathless” といった新ライヴ・レパートリーを聴いていると、現行キング・クリムゾンに演奏できない曲は無いと思えてくる。

(追加:2018年11月25日)