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Robert Fripp Guitar, Keyboards
Jakko Jakszyk
Guitar, Flute, Vocals
Mel Collins Saxes And Flute
Tony Levin Basses, Stick, Backing Vocals
Pat
Mastelotto Acoustic And Electronic Percussion
Gavin
Harrison Acoustic And Electronic Percussion
Jeremy
Stacey Acoustic And Electronic Percussion, Keyboards
Bill Rieflin Mellotron, Keyboards, Fairy Dusting
Live In Chicago June 28, 2017 Chicago Theater
ビル・リーフリンが復帰し、2017年8人編成のキング・クリムゾンのライヴ・アルバム。
2015年の来日公演を中心に制作された 『
Radical Action 』 は素晴らしい作品であった。
来日公演を目の当たりにしたという超贔屓目を差し引いたとしても、ベストの演奏をベースに丁寧に編集した作品は、『 Live In Orpheum 』、『
Live In Toronto 』、そして来日公演後の 『 Live In Vienna』 よりも素晴らしかった。
しかし本作品は 『
Radical Action 』 をも凌駕する、2014年以降のクリムゾンのベスト・ライヴ・アルバムである。 『 Live In Vienna 』
の全世界発売を繰り下げてでもリリースを急いだのは、演奏に対する自信があったからに違いない。
勿論本作品が凄いのは新しくライヴで演奏された曲が増えたからだけではないが、改めて整理したい。
” Neurotica ”
は、” Indiscipline ” と同じく変奏曲といった趣である。
ブリューのヴォーカルのアクの強さが、曲に対する印象を決定づけていることがわかる。
” The Lizard Suite ” は、『
Lizard 』 B面のタイトル曲からの抜粋である。
本編成だからこそライヴで再現できた曲だと思うのだが、その素晴らしさから何故全篇再現してくれなかったのかと思ってしまう程である。
”
Fallen Angel ” を演奏したことによって、『 Red 』 からのスタジオ・テイクの全てが現編成で演奏されたことになる。
個人的にはアルバム全曲演奏ライヴ、というのは好みではないので、クリムゾンには旧曲の演奏の新陳代謝を続けて欲しい。
” Indiscipline ” のラストの 「 I like it 」 は、『 Live In Vienna 』 ではドイツ語で 「 ich mag das 」 と叫んでいたが、本作ではスペイン語で 「 me gusta 」 と叫んでいる。 これは是非ご当地シリーズとして定着させ、日本では 「好きです」と叫んでもらいたい。
” Starless ”、” Heroes ”、” 21st Century Schizoid Man ”
と続く40分弱は、クリムゾンをプログレをロックを聴いていいて本当に良かったと思える至高の体験である。
それ故 ” 21st
Century Schizoid Man ”
だけをフォーカスするつもりは本来無いが、特異な8人編成というフォーマットが大限に活かされており、クリムゾンの全ライヴ史を通じた本曲のベスト・テイクと言っても過言ではない。
(追加:2017年10月25日)