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7人 編成のクリムゾンが2015年に行った、ヨーロッパ、カナダ、日本でのツアーで販売された、ツアー・ボックス。 前年のアメリカでのライヴで販売されたツアー・ボックス同様、一般販売もされている。
クレジットの区分はより細分化され、「 Previously unreleased on CD 」 と 「 Previously
unreleased 」 に加え、「 Previously unreleased on disk 」
と、正しいけどだから何、と思わず突っ込みたくなるほど程のこだわりが、読み解く上で楽しかったりする。
また、前回同様情報満載のブックレットなのだが、そこに 「 The Seven Principles Of King Crimson > 2014 」 と
「 The Seven Principles > ( Distilled ) 」 なるものが記載されているのが嬉しい。 思い起こせば、「 MOR3部作 」
とか、「 クリムゾン7年周期説 」 とか、「 クリムゾンのフラクタル分裂現象 」とか、フリップは何か新しいことをする時にハッタリをかますことが多い。
今回の新たな 「 クリムゾン7原則 」
もそれらと同じものだと思われるが、つまりそれは、フリップが新たなハッタリをかますほどのこだわりが、現行の7人編成クリムゾンにあるということになる。
「 forthcoming release 」 からわかる今後の再発計画は以下の通り。
『 THRAK 』 のボックス・セットが、ここでは forthcoming release になっている一方で、『 Live EP 2014 』 には forthcoming のクレジットがない。 この辺り、同時進行で複数のリリースが進行していたことを伺うことができる。
『 Beat 』 の 40th anniversary series に収録予定の CD1-13 ” Absent Lovers ” がやたらと格好良い。 歌モノ中心の 『 Beat 』 に ” Requiem” と本曲のどちらを収録するか悩んだ上で、本曲がボツになった可能性もある。
『 Three Of A Perfect Pair 』 の 40th anniversary series に収録予定の CD1-15 ” Larks' Tongues In Aspic: Part III into Sleepless ” は、同作における曲作りの過程が見えてくるのが興味深い。 ” Sleepless ” の歌モノとしての完成度が見えたところで独立させたのかもしれないが、このままのフォーマットで完成させても面白かったと思う。
「 Previously unreleased xx 」 は、正直玉石混交なところもあったりする。
再結成クリムゾンのリハーサル音源を中心とした 「 Previously unreleased 」
が本作品の最大のウリである。 ティーザー手法を使うことの多い DGM Live
だけに、曲の全体像がつかみにくいのが残念というか、既に罠にかかっているというか...
CD1-2 : Epitaph ( 2015 Instrumental )
『 In The Court Of The Crimson King 』 の 40th anniversary
series に収録されたスティーヴン・ウィルソン・ミックスのヴォーカルレス・ヴァージョンと思われる。
CD1-7 : Larks' Tongues In Aspic Part: II ( extract )
2014年のリハーサルでのフリップによる演奏パート指示音源で、ジャッコ、フリップ、リーフリンの3人による演奏で、かつリーフリンはベースを演奏している。
Jakko Jakszyk & Robert Fripp : guitars, Bill Rieflin :
bass
CD1-14 : S. F. soundcheck ( extract )
2014年9月30日の、The Warfield Theatre でのリハーサル音源。
現編成では珍しい、ギターによるミニマル・フレーズを積み重ねた楽曲。
Jakko Jakszyk & Robert Fripp : guitars, Tony Levin : bass, Mel Collins :
sax,
Bill Rieflin, Pat Mastelotto & Gavin Harrison : drums
(追加:2016年1月10日)