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The Power To Believe  -2003-

  1. The Power To Believe I : A Cappella / ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ1:アカペラ
  2. Level Five / レベル5
  3. Eyes Wide Open / アイズ・ワイド・オープン
  4. EleKtriK / エレクトリック
  5. Facts Of Life : Intro / ファクツ・オブ・ライフ:イントロ
  6. Facts Of Life / ファクツ・オブ・ライフ
  7. The Power To Believe II / ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ2
  8. Dangerous Curves / デンジャラス・カーヴス
  9. Happy With What You Have To Be Happy With / ハッピー・ウィズ・ホワット・ユー・ハフ・トゥ・ビー・ハッピー・ウィズ
  10. The Power To Believe III / ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ3
  11. The Power To Believe IV : Coda / ザ・パワー・トゥ・ビリーヴ4:コーダ

Adrian Belew    Guitar And Vocals
Robert Fripp    Guitar
Trey Gunn    Warr Guitar, Fretless Warr Guitar
Pat Mastelotto    Traps And Buttons

Music by King Crimson, words by Adrian Belew.

Recorded & Engineered by Machine at The Tracking Room, StudioBelew and Pat's Garage
Produced by King Crimson & Machine
Haiku Voice recorded at StudioBelew by Ken Latchney
Voice source on EleKtriK : Tim Faulkner
The Power To Believe : Coda produced by The Vicar and Robert Fripp. Soundscape recorded in live performance at Newly Church, Cornwall on December 7th. 1997.
Mastered by: David Singleton & Robert Fripp

2003年1月に日本で先行発売された本作品は、Lineup 6 による 『 The ConstruKction of Light 』 に続くスタジオ・アルバム。 先行した 『 Shoganai 』 と同じく2002年の7月8日から8月30日にかけて StudioBelew でレコーディングしたものを、マシーンをエンジニア、ミキサー、共同プロデューサーとして迎え編集した作品である。 マシーンを迎えた成果か、音はひたすら重く激しく、良い意味での作り込まれた粗々しさを感じることができる。
” Level Five ”、” EleKtriK ”、” Dangerous Curves ” といった、スタジオ・レコーディングの前にライヴで曲を完成させた曲の完成度は特に高く、時間をかけた作品づくりは成功していると思う。 ただ、海賊盤対策で仕方がなかったのかもしれないが、『 Level Five 』 や 『 Live In Nashville, TN 』 といった作品でその進化の過程を確認できていたため、衝撃度が多少非低かったことが残念である。
” The Power To Believe ” というコンセプトで作品がまとめられているようにも思えるが、衝撃度の少なさと、曲数の少なさを補うためのフリップ流のはったりとして軽くとらえていた方が良いと思う。 「 Drive To 1981 」とか「クリムゾン7年周期説」とか、最近だと「ヌーヴォー・メタル」とかといっしょで。

  1. ” The Power To Believe I : A Cappella ” は、ブリューのイコライジングされたヴォーカルによるアカペラ。
  2. ” Level Five ” は、本作品の中でベストと言っても良い作品。 『 Level Five 』 や 『 Live In Nashville, TN 』 でのライヴ・テイクも素晴らしかったが、スタジオ・テイクにおいてもひたすら重く、素晴らしい演奏となっている。 Lineup 6 で復活したリフ中心の楽曲の集大成と言っても過言ではないと思う。
  3. ” Eyes Wide Open ” は、『 Shoganai 』 に収録されていた 「 acoustic version 」 とは完全に別レコーディングされたもの。 このことは、『 The DIG 』 誌 No.31 におけるフリップのインタビューからも確認することができる。
    とはいえ、ギター音がアコースティック・ギターでなくなったこと、及び(特に後半)マステロット&ガンのリズム隊が絡んでくることを除けば、曲のフォーマットに大きな変更はない。 
  4. ” EleKtriK ” は、 『 Live In Nashville, TN 』 でライヴ・テイクがリリースされていた曲。 本アルバムで唯一ギターによるシーケンシャル・フレーズが多用されている曲だが、『 The ConstruKction of Light 』 に収録されているタイトル曲程の衝撃はない。 なによりも曲前半における「ゲート・エコーぶった切り」風のドラムの音が、時代遅れでとてつもなく格好悪いのが残念。。
  5. 次曲のイントロである ” Facts Of Life : Intro ” は、サウンドスケイプ独演の後、マステロットの短いパワー・プレイで終了。
  6. ” Facts Of Life ” は、ヘヴィなヴォーカル・ナンバー。 Double Trio Crimson 期 のヴォーカル・ナンバーに近い ” Eyes Wide Open ” と異なり、『 The ConstruKction of Light 』 収録の ” The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum ” を更に進化させたような曲。 ヴォーカル・パートとソロ・パートが明確に別れすぎているところがあるものの、両パートともひたすらハードで格好良い。
  7. ” The Power To Believe II ” は、エスニック風パーカッションから始まり、 『 Level Five 』 と 『 Live In Nashville, TN 』 に収録されていた ” Virtuous Circle ” のベースのフレーズが続く。 その後ガムラン風のパーカッション、ブリューによるヴォーカル・パートと続き、最後はサウンドスケイプと前半部のベースのフレーズをバックに、中途半端にギターが絡んで終了。
  8. ” Dangerous Curves ” も、『 Level Five 』 や 『 Live In Nashville, TN 』 でライヴ・テイクがリリースされていた曲。 一定のリフが続く中、色々な効果音が徐々に絡み、最後に低音の素早いリフにユニゾンでギターが被さってくるところはやはり格好良い。 曲構成が ” The Talking Drum ” と同じと言ったらそれまでかもしれないが。
  9. ” Happy With What You Have To Be Happy With ” は、『 Shoganai 』 収録テイクと同録音異編集。 もったりとしていたドラムの音がクリアになっているところが異なるほか、ボーカルのさびのパート、曲最後のサンプリングされたがコーラスのパートがカットされ、曲の長さが約1分短くなっている。
  10. ” The Power To Believe III ” は、曲の始まり方が、” The Deception of The Thrush ” とそのまま同じ。 ガンのメロウな(笑)ソロまで再現されていないのが救いだが、どのみちたいした曲ではない。
  11. ” The Power To Believe IV : Coda ” は、サウンドスケイプをバックにブリューのヴォーカルで終了。

(追加:2003年1月26日)