- Bude / ビュード
- Happy With What You Have To Be Happy With /
ハッピー・ウィズ・ホワット・ユー・ハフ・トゥ・ビー・ハッピー・ウィズ
- Mie Gakure / 見え隠れ
- She Shudders / シー・シューダーズ
- Eyes Wide Open / アイズ・ワイド・オープン
- Shoganai / しょうがない
- I Ran / アイ・ラン
- Potato Pie / ポテト・パイ
- Larks' Tongues In Aspic (Part IV) / 太陽と戦慄(パートIV)
- Clouds / クラウズ
Adrian Belew ・ guitar and vocals
Robert Fripp ・ guitar
Trey Gunn ・ Warr guitar, rubber bass, fretless Warr guitar
Pat Mastelotto ・ drumming
Music by King Crimson, words by Adrian Belew.
Engineered and Mixed by Ken Latchney, recorded at StudioBelew
A Tone Probe production by Robert Fripp and David Singleton on behalf of King Crimson
Track 2 produced by King Crimson and Machine, recorded at The Tracking Room, StudioBelew
and Pat's Garage
Track 3 recorded at DGM World Central by David Singleton
Track 9 recorded live in Nashville by Greg Dean
Einstein's Relatives produced by Adrian Belew
the LEVEL FIVE tour
で2001年を終了した後、2002年の5月からフリップは新作についてのミーティングを始めている。 本作品は、メンバーが
StudioBelew
に集結し7月8日から8月30日にかけてレコーディングしたものを主に収録している。
収録曲が多い反面間奏曲に相当するものが多く、ジャケットのクレジットも楽曲として成り立っている4曲のみ黒字で、残りはグレーと完全に識別されている。 先行した
『 Level Five 』 や 『 Live In Nashville, TN 』
に収録されたインストの新曲は収録されておらず、ヴォーカル曲が3曲新曲として収録されている。
4曲の完成度はそれなり以上に高く、リリースがアナウンスされている
『 EleKtriK 』
の期待は否応なく高まる。 クリムゾンのファン以外にも薦めることができる作品ではあるが、『
Level Five 』、『 Live In Nashville, TN 』
とライヴ・アルバムでお預けを喰らっている立場にするとさすがに辛い。フル・アルバムの一日も早いリリースを、願って止みません。
尚、本作品の日本盤はオリジナルと比べジャケットが異なるだけではなく、アルバム・タイトルも
『 Shoganai 』 に変更されている。
- ” Bude ” はサンプリングされたコーラス。
- タイトル曲である ” Happy With What You Have To Be Happy With
” は、『 The ConstruKction of Light 』
から顕著になったヘビーなヴォーカル・ナンバー。
グランジへの回答と解釈することやTOOLからの影響を安易に指摘することは可能だと思うが、それでも充分に格好良い。 ピアノ音や管楽器系の音に逃げることなく、最後まで歪んだギターが鳴り続けるところがなによりもうれしい。
本曲終了後次曲までの曲間に、” Bude ”
と同じようなサンプリングされたコーラスが約18秒、ノン・クレジットで収録されている。
- ” Mie Gakure ”
は、サウンドスケイプ。 ガンやブリューが共演している可能性や、実はフリップが演奏していないとかいう可能性も無いこともないが、まぁたいした問題ではない。
- ” She Shudders ”
は、やはりサンプリングされたコーラス。
- ご丁寧に「 acoustic version 」と記載されている ” Eyes
Wide Open ” は、Double Trio Crimson
時代風のヴォーカル・ナンバーで、ちょっと残念。
ブリューのサイトでダウンロードできたアコースティック・バージョンの
” I Have a Dream ” が 、『 The ConstruKction of Light 』 において ” Larks'
Tongues in Aspic - Part IV ”
のコーダとしてヘヴィーなナンバーに変化したように、本ヴァージョンで変化することを期待したい。
ちなみに、「 acoustic version 」
とは言ってもアコースティック・ギター音がフィーチャーされているだけで、実際にはエレクトロニクスが多用されている。
- ” Shoganai ”
は、ガムラン風のパーカッションの演奏が主体。 この手の曲は
Discipline Crimson
においてブルーフォードが既にやり尽くしていることもあり、目新しさも感じられない。
これがブルーフォードへの当てつけだったら笑えるけど。
- ” I Ran ”
は、これまたサンプリングされたコーラス。
- ” Potato Pie ” は、ブルース(笑)よりの曲。 当初
” Krimson Blue ”
のタイトルでアナウンスされ、「クリムゾン史上初の本格的ブルース(笑)」として話題を呼んだのがこの曲。
泣きのギター・ソロはブリューによるものだと信じたい。
- ” Larks' Tongues In Aspic (Part IV) ”
は、ナッシュヴィルでのライヴを収録したもの。 『 Live In
Nashville, TN 』
収録ヴァージョンと同じ音源が使用されている思うのだが、スタジオでの編集のたまものなのか、全く異なるテイクに仕上がっている。
とにかく圧倒的な音圧で、発表済みの全てのスタジオ・テイク、ライヴ・テイクの中でも本曲のベスト・テイクだと思う。 陳腐な表現ではあるが、本テイクを聴くためだけに本作品を購入しても決して後悔はしない。
いや、本当に素晴らしいだって、これ。
- 最後の ” Clouds ” もサンプリングされたコーラス。
本曲終了後約30秒のブランク後に、約3分にわたるサウンド・コラージュが収録されている。
本作品レコーディング時の音と思えるものや、” Dangerous Curves ” や ” The ConstruKction of Light
”の断片がつなぎ合わされ、最後に ” The Court Of The Crimson King ” を明らかに意識したコーラスからライヴ風の拍手になだれ込んで終了する。
(追加:2002年10月25日)
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