- Dinosaur
- One Time
- VROOOM VROOOM
- B'BOOM
- THRAK
- Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream
- Talking Drum
- Larks' Tongues In Aspic Part II
- Neurotica
- 21st Century Schizoid Man
- Prism
- Red
Bootleg TV の立ち上げ宣伝もかねて、WMAフォーマットでフリーでダウンロードが許されたもの。 本テイクは1996年8月2,3,4日の公演からのものであり、公式リリースされているダブル・トリオ・クリムゾンの最後期の演奏である。
同年5月末から始まったダブル・トリオ・クリムゾン最後のツアーは、ヨーロッバ、イギリスを廻り、7月末からはアメリカを廻り、26日のフィラデルフィアの公演をもって終了している。
歌ものについてはダブル・トリオ・クリムゾンの曲のみでディシプリン・クリムゾンの曲をはずしていること、インスト中心のハードな曲を多く収録していること等、明確な意図をもって選曲されている。 また、公式音源として初めて、本ラインアップでの
” 21st Century Schizoid Man ”
が収録されていることが特筆に値する。 断続的とはいえ2年にもわたりバンドとして活動しているだけに、演奏はとてもまとまっている。 ハードな曲のパワーは増しているものの、多少こなれすぎているところがあるのも事実。
今個人的な最大の恐怖は、Bootleg TV が、フリップの意図しているように順調に活動を開始したときのことである。 今後全公演が本当にリリースされるのであろうか。 金が続かない。 また、ネットでの配信だけだった場合、通信費用もとんでもないことになりそうだ。 本テイクも32MB強、INSでテレホ・タイムをはずしてもダウンロードに約2時間かかっている。 映像も伴うことを考えると、本当に恐ろしい。
「 ○○が来日したら全公演を追っかけるぞ 」
というのが80年代的ファンの戯れ言であったが、Bootleg TV
で提供される全公演を入手することがクリムゾン・ファンかどうかの試金石になるのであろうか。 私は残念ながらついていけそうにない。
- ” Dinosaur ”
は、来日公演時とほぼ同じパターンで演奏されている。 ヴォーカル・パートでのガンのウォー・ギターのコード弾き(?)が多少うるさい位。 フリップのギター・ソロは短いが相変わらず格好良い。
- ” One Time ” は、ごめん、やっぱりつまらない。
- ” VROOOM VROOOM ” は、本ダウンロード (
アルバム、と言えないから面倒くさい )
における唯一のダブル・トリオ・クリムゾンの歌無し、インプロなしの曲。 相変わらず演奏ミスはあるものの、演奏はこなれている。 こなれすぎている反面、スリリングさが欠けているのも事実。
- ” B'BOOM ”
はストリングス系の音から始まり、ドラム・デュオに繋がっていくパターン。
- ” THRAK ”
は、メイン・リフのバックでなるストリングス系の音が大きめなのがちょっと変わっている。
ドラム、弦楽器群、ピアノ音シンセがバラバラに演奏されるパート
→ドラムやノイズをバックにギター・ソロ
→徐々にドラムが激しさを増し、ブレイク。
→長めのブレイクの後、唐突にメイン・リフ。
- ” Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream ”
では、ブリューの緊張感のないオカズが、演奏のこなれてきたことによる悪影響を良く表している。 ブルーフォードのドラムが自棄気味なのが救いかもしれない。
- ” Talking Drum ”
は、レヴィンのW.ファンク・フィンガーズ奏法、、ガンのウォー・ギター、ブリューのバイオリン・ライクのギター、フリップのギター・ソロと徐々に重なっていくパターンはいつも通り。 ドラムが少し走り気味な程度。
- ” Larks' Tongues In Aspic Part II ”
も相変わらずのユニゾン中心の演奏であるため、重厚な演奏。 ダブル・トリオというフォーマットが重低音の再現ということだけで機能していることは、嬉しくはあるけど疑問も残る。 とは言え、至福の一時であることは紛れもない事実。
- ディシプリン・クリムゾン時代にも演奏する機会が少なかった
” Neurotica ”
がレパートリーに復活したことは、ダブル・トリオ・クリムゾンの隠れた収穫だと思う。 重厚感があるだけではなく、緊張感があふれる演奏は本当に素晴らしい。
- で、目玉の ” 21st Century Schizoid Man
”。 音数という意味では、オリジナル・テイクを一番忠実に再現できるダブル・トリオというフォーマットのメリットを活かしている反面、Larks'~Red
時代のようなある種むちゃくちゃな演奏は期待できない。 ライブの場にいたら異様なまでに盛り上がるだろう自分を想像できるが、聴いているだけだと以外と淡々と終わってしまうのも事実。 フリップとブリューがギター・ソロで絡みあうのは、珍しいパターンだけに貴重。
- ” Prism ”
は、パーカッションのメロディー・ライン(?)を意外にも覚えている自分が不思議。
- ” Red ” は、” Larks' Tongues In Aspic Part II ”
程はリフ中心の曲ではないだけに、各人が少しずつ遊びのフレーズを入れている。(特にレヴィン!) 『
B'BOOM 』
の頃の形式張ってりるわりには、まとまりのない演奏に比べると格段の差がある。