King Crimson Data Base
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THRAK  -1995-

  1. VROOOM / ヴルーム
  2. Coda : Marine 475 / コーダ:マリーン 475
  3. Dinosaur / ダイナソー
  4. Walking On Air / ウォーキング・オン・エアー
  5. B'BOOM / B'ブーム
  6. THRAK / スラック
  7. Inner Garden I / インナー・ガーデン I
  8. People / ピープル
  9. Radio I / レイディオ I
  10. One Time / ワン・タイム
  11. Radio II / レイディオ II
  12. Inner Garden II / インナー・ガーデン II
  13. Sex Sleep Eat Drink Dream / セックス、スリープ、イート、ドリンク、ドリーム
  14. VROOOM VROOOM / ヴルーム・ヴルーム
  15. VROOOM VROOOM : Coda / ヴルーム・ヴルーム:コーダ

Robert Fripp   Guitar, Soundscapes, Mellotron
Adrian Belew   Guitar, Voice, Words
Trey Gunn   Stick, Backing Vocals
Tony Levin   Upright & Electric Basses, Backing Vocals
Pat Mastelotto   Acoustic & Electronic Percussions
Bill Bruford   Acoustic & Electronic Percussions

All songs written by King Crimson.
All words by Adrian Belew.

Produced by King Crimson and David Bottrill

1994年10月のアルゼンチン公演後、10月24日から11月19日、11月27日から12月4日にわたってガブリエルのリアル・ワールド・スタジオにおいてレコーディングされた本作品は、翌1995年4月にリリースされている。
クリムゾンはリリース後の5月から、ヨーロッパ、イギリス、北米ツアーを7月1日まで連続して行っている。
バンドは最終的に1996年の8月末迄ライブを行い、数々のライブ・アルバムをリリースするが、ダブル・トリオ・クリムゾンとしてリリースされたスタジオ・フル・アルバムは、結局本作品のみである。 本アルバム・リリース前に行われたライブがアルゼンチンでの数回だけであることを踏まえると、ライブを重ねた1996年の段階でのスタジオ・アルバムを制作してほしかったと思う。
『 VROOOM 』 からの再録曲、コーダ、SEだけの曲、リハーサル以前の音合わせ等の曲を除くと、ダブル・トリオ・クリムゾンとしての約2年間の活動において、僅か11曲しか作曲が行われなかったことになる。 ライブ重視のバンドであることは確かなんだけどね。

  1. ” VROOOM ” は、『 VROOOM 』 からの再録。 
    リハーサルそのものだった前作のバージョンと異なり、重厚感、疾走感とも増している。 トリオを左右に極端にパンするミックスを止めたことも一因だが、何よりもバンドとしての演奏がこなれていることがその要因だと思う。
  2. ” Coda : Marine 475 ” はタイトル通り ” VROOOM ” のコーダ。 わざわざ別曲にする必要性は、楽曲上は全くない。
  3. ” Dinosaur ” は、中途半端にポップに走ることのない、しっかりとしたヴォーカル曲。 中間部での各弦楽器奏者のソロ・パートこそ多少だれるが、インスト部も充実している。
  4. ” Walking On Air ” は、ブリューのヴォーカルとギターに、ヒョロヒョロとしたギターやスティックが絡むだけの曲。
  5. ” B'BOOM ”は、ブルーフォードとマステロットのドラム・デュオ。 シンセが多少被さるが殆ど不要。 次曲の見事なイントロとなっている。
  6. タイトル曲である ” THRAK ” も、『 VROOOM 』 からの再録。
    メインのリフも重さを増しているが、中間部のインプロ・パートも複雑さをより増している。
  7. ” Inner Garden I ” は、ブリューのヴォーカルとギターにSEが被さるだけの曲。
  8. ” People ” は、ドラムのためのヴォーカル曲といったところ。 ロールする部分、変拍子が絡むところなど、2人のドラマーの独壇場。 レヴィンによる低音を別にすると、弦楽器群は効果音として使われているところが印象に残る程度。
  9. ” Radio I ” はSE。
  10. ” One Time ” も 『 VROOOM 』 からの再録。
    個人的には唯一再録したことが疑問に残る、甘ったるいだけのバラード。
  11. ” Radio II ” もSE。
  12. ” Inner Garden II ” は、しつこくもブリューのヴォーカルとギターにSEが被さるだけの曲。
  13. ” Sex Sleep Eat Drink Dream ” も 『 VROOOM 』 からの再録。
    インスト・パートがより重く、フリーになったところが大きな違い。
  14. ” VROOOM VROOOM ” は、『 VROOOM 』 リリース直後からフリップが予告していた、ダブル・トリオによるまさにメタル・クリムゾンの実践といったような曲。 曲構成は万人が指摘するとおり、” Red ”と酷似しているが、破壊力は ” Red ”  ” VROOOM ” を大きく上回っている。
  15. ” VROOOM VROOOM : Coda ” もタイトル通りコーダ。 本アルバムにおいて、最も重く、メタリックな音を聴かせてくれるのが、実はこの曲。