King Crimson Data Base
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VROOOM  -1994-

  1. VROOOM / ヴルーム
  2. Sex Sleep Eat Drink Dream / セックス、スリープ、イート、ドリンク、ドリーム
  3. Cage / ケイジ
  4. THRAK / スラック
  5. When I Say Stop, Continue / ホェン・アイ・セイ・ストップ・コンティニュー
  6. One Time / ワン・タイム

Robert Fripp   Guitar
Adrian Belew   Guitar, voice, words
Trey Gunn  Stick
Tony Levin   Basses and Stick
Pat Mastelotto   Acoustic and Electronic precessions
Bill Bruford   Acoustic and electronic percussions

All songs written by King Crimson. All words by Adrian Belew.

Produced by King Crimson and David Bottrill

本作品は、クリムゾン10年ぶりのスタジオ・アルバムとして1994年11月にリリースされている。
クリムゾン7年周期説をぶち挙げたフリップは、当初1991年頃の復活を画策していたが、EGとの訴訟問題により3年ずれたことになる。 ただ、フリップのインタビューによると、ダブル・トリオ編成を思いついたのは1992年秋とのことなので、もし予定通り1991年に復活していたのなら、また違った内容になっていたのかもしれない。
1994年の5月に4日間でレコーディングし、7月に2週間の間にミックスした本作品は、フリップの言葉通り、まさに 「 名刺 」 代わりのリハーサル。 ダブル・トリオを意識しすぎた演奏、ミックスが、逆に曲自体のダイナミズムを損ねているところがある一方で、6人が好き勝手にやっているインスト・パートの方が、ラフな分だけ破壊力が大きい。
本アルバム・ミックス後の7月末から8月にかけて再リハーサルを行った後、9月にはアルゼンチンでリハーサル、そして復活コンサートを行うことになる。

  1. ” VROOOM ” におけるイントロのSE風ノイズの後のリフ、 Double Trio Crimson の評価はこのリフの素晴らしさで決定づけられたと思う。 未消化なダブル・トリオ編成、ラフな演奏、作曲( というよりそれ以前の曲構成 )能力の欠如等、Double Trio Crimson の欠点までも全て内包した本曲は、本編成における代表曲と言って差し支えないと思う。
  2. ” Sex Sleep Eat Drink Dream ” は、後にシングル・カットもされた、ポップなヴォーカル・ナンバー。 ライブ・アルバム、アンソロジー・シリーズのリリースと前後したことが理由なのか、不用意にビートルズとの類似性を指摘されることの多かった Double Trio Crimson の、ヴォーカル・ナンバーの代表曲がこれ。
  3. ” Cage ” は 『 THRAK 』 に収録されなかった2曲のうちの1曲。 ただしもう1曲の ” When I Say Stop, Continue ” が曲としてまとまっていなかったことを踏まえると、『 VROOOM 』 におけるフリップ公認の捨て曲といったところか。 たしかにその程度の曲だけどね。
  4. 『 VROOOM 』 リリース時において、雑誌等で一番評価の高かったのが ” THRAK ”。 確かに過去のクリムゾンのフォーマットを全く使用していない唯一の曲である。 メイン・テーマが挟む中間部が、インプロ・パートとしてlこの後2年間執拗に付き合わされることになるとは、多分この段階では誰も想像していなかったはず。 本アルバムにおいて、本曲の2回目のメイン・テーマがダブル・トリオ編成として一番機能している。
  5. ” When I Say Stop, Continue ” は、リハーサルというよりまさに音合わせ。 面白くない。
  6. ” One Time ” もポップなヴォーカル・ナンバー。 甘ったるいところが鼻につく。