- Three Of A Perfect Pair /
スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー
- No Warning / ノー・ウォーニング
- Larks Tongues in Aspic Part III / 太陽と戦慄パート III
- Thela Hun Ginjeet / セラ・ハン・ジンジート
- Frame By Frame / フレーム・バイ・フレーム
- Matte Kudasai / 待ってください
- Industry / インダストリー
- Dig Me / ディグ・ミー
- Indiscipline / インディシプリン
- Sartori In Tangier / サートリ・イン・タンジール
- Man With An Open Heart /
マン・ウイズ・アン・オープン・ハート
- Waiting Man / ウエイティング・マン
- Sleepless / スリープレス
- Larks' Tongues in Aspic Part II / 太陽と戦慄パート II
- Elephant Talk / エレファント・トーク
- Heartbeat / ハートビート
Adrian Belew : Voice and Guitar
Robert Fripp : Guitar
Tony Levin : Bass, Stick, Synth and Voice
Bill Bruford : Acoustic and Electronic Drums
Recorded Live at Gotanda U-Port ( Kanihoken Hall ) April 29&30, 1984
アルバム 『 Three Of A Perfect Pair 』
で活動再開直後のディシプリン・クリムゾンの来日ライブ映像。 TV放送こそされなかったものの
( FMでは放送 )
映像作品のリリースを前提としているためか、あるいはカメラに対する制約がフリップから提示されなかったからなのか、カメラ数も多く近距離で撮影された映像はとてもきれい。
やはり活動再開直後のためか、ギター・シンセの制御ミスによる不要な発信音に代表されるように、演奏自体はあまりこなれていない。
” No Warning ”
の前には、メンバーのサウンド・チェックとオフ・ステージの姿が、”
Sartori In Tangier ”
の前には、浅草寺でお参りするメンバーの姿が収められている。
で、特筆すべきはフリップのオフ・ステージ姿。 控え室と思われる場所で、ブルーフォードのリズム・キープをバックに練習している曲がなんと
” Fracture ” !! 個人的にはディシプリン・クリムゾンは好きで、このHPでも評価しているつもりなのだが、すまん。 やはりこの作品の最大の見所は ” Fracture
” 以外のなにものでもない。 ギターにアンプが通っていないのは残念だが、もし通っていたならば脱糞ものの大興奮である。
- ” Three Of A Perfect Pair ”
は、パッケージ・タイトルのバックにフィーチャーされているだけ。 映像もおまけ程度。
- 実際のコンサートは、” No Warning ”
から始まっている。 フリップによるフリッパートロニクスの独演から、レヴィン(シンセ中心)→ブリュー(ギミック中心)→ブルーフォード(
吊したシモンズを手で叩く )
と、メンバーが順番に登場してくる。
- ” Larks' Tongues In Aspic Part III ”
では、最後のギター・ソロの時のフリップの動きが妙。 座ったままで席から立たないのはいつものことだが、片足を上げたり必要以上に体をくねらせたりと不自然なまでの動き。 彼なりのエンターティメントなのか。
- ” Thela Hun Ginjeet ”
は、フリップのギター・シンセがこの時期多用された管楽器系の音で、ソロも長め。
- ” Frame By Frame ”
では、曲最後の2本のギターの絡みの部分で、フリップとブリューが顔を見ながらタイミングをとっているところが、不思議にほほえましい。
- ” Matte Kudasai ”
でのブリューは、ボトル・ネック奏法のみに終始し、それ以外の箇所ではギターを弾いておらず、軽めのバッキングをフリップ一人で演奏しているのがわかる。
- ” Industry ”
は、おかずが少なく暇なためか変なポーズをとるブルーフォードとシンセのみのレヴィンのリズム隊をバックに、フリップがフリッパートロニクス、ブリューが管楽器系のギター・ソロという組み合わせで始まる。 次にブルーフォードが多少激しく叩き、レヴィンがベースを弾き、フリップとブリューがユニゾンでギターを弾くパートに移り、最後はフリップのフリッパートロニクスとブリューのギミック・ギターのみになる。
- ” Dig Me ”
では、フリップはギター・シンセによる効果音程度しか演奏せず、ブリューのギターが曲の中心となる。 レヴィンがシンセとスティックとベースを交互に演奏する姿が格好良い。
- ” Indiscipline ”
は、ブルーフォードのシモンズを中心としたドラム・ソロから始まる。 曲が始まりブリューがドラムで加わった後も、ブルーフォードはメイン・リフ以外ではリズム・キープよりもパーカッション中心で勝手に叩きまくっている。 ブリューが後半ギターを手にするもののあまり演奏しないため、ギターの殆どはフリップが担当。
- ” Sartori In Tangier ”
でも、ブリューはドラムを叩くのみ。 ソロだけをクローズ・アップすれば、本ライブでフリップが最も弾きまくっているのがこの曲。 スタジオでのソロの原型をとどめないほどである。
- 逆にヴォーカル主体の曲である ” Man With An Open Heart ”
では、フリップのギターは殆ど目立っていない。
- ” Waiting Man ”
は、ブルーフォードとブリューが向かい合ってシモンズを叩くところから始まる。 後半ブルーフォードはドラムに、ブリューはギターに戻るが、フリップのギターは終始たいした音は出していない。
- ” Sleepless ”
はスタジオ以上にレヴィンのベースが格好良い。 このテイクだけを聴いている限りでは、レヴィンのためだけにある曲に思える程である。
- ” The Talking Drum ” で始まらない ” Larks' Tongues In Aspic
”
はやはり唐突な印象を受ける。 クロスのパートをそのまま演奏しているようなブリューのギターはあまり面白くないが、曲の一部をピックを使ってゴリゴリした音を出すレヴィンはウェットンを意識しているとはいえれでも格好良い。
- ” Elephant Talk ”
では、観客の手拍子も大きくなり、ついにはステージ前まで殺到(私も行きました)。 ただその盛り上がり方はやはり屈折したもので、自然な盛り上がりではなく、「ここしか盛り上がるところがないじゃん」という打算的なものにすぎなかった。
- 最後のヴォーカル曲 ” Heartbeat ”
でコンサートは地味に終了する。
(追加:2000年2月25日)
『 Three Of A Perfect Pair Live In Japan 』
の名前でリリースされた映像作品には、2種類存在する。
来日直後の1984年にリリースされた作品と1991年に再発されたものである。
上記紹介は1991年に再発されたものをベースにしているが、1984年にリリースされた作品には再発盤ではオミットされていた”
Three Of A Perfect Pair ” と ” Discipline ” の2曲が収録されている。
( ” Three Of A Perfect Pair ”
は再発盤にはクレジットはされているもののライヴ映像ではない)
1984年の日本公演はDVD化されていないが、DVD化の際は是非全曲収録をお願いしたい。
1984年の曲順は以下の通り。
- No Warning / ノー・ウォーニング
- Larks Tongues in Aspic Part III / 太陽と戦慄パート III
- Thela Hun Ginjeet / セラ・ハン・ジンジート
- Frame By Frame / フレーム・バイ・フレーム
- Matte Kudasai / 待ってください
- Industry / インダストリー
- Dig Me / ディグ・ミー
- Three Of A Perfect Pair /
スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー
- Indiscipline / インディシプリン
- Sartori In Tangier / サートリ・イン・タンジール
- Man With An Open Heart /
マン・ウイズ・アン・オープン・ハート
- Waiting Man / ウエイティング・マン
- Sleepless / スリープレス
- Larks' Tongues in Aspic Part II / 太陽と戦慄パート II
- Discipline / ディシプリン
- Elephant Talk / エレファント・トーク
- Heartbeat / ハートビート
(追加:2001年11月25日)