King Crimson Data Base
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Discipline  -1981-

  1. Elephant Talk / エレファント・トーク
  2. Frame By Frame / フレーム・バイ・フレーム
  3. Matte Kudasai / 待ってください
  4. Indiscipline / インディシプリン
  1. Thela Hun Ginjeet / セラ・ハン・ジン・ジート
  2. The Sheltering Sky / ザ・シェルタリング・スカイ
  3. Discipline / ディシプリン

Adrian Belew    Guitar, lead vocal
Robert Fripp    Guitar and devices
Tony Levin    Stick, bass guitar, support vocal
Bill Bruford    Batterie

Music by King Crimson, elephantcsity by Belew

Produced by King Crimson and Rhett Davies

フリップとブルーフォードの関係復活、ブリューの加入、ブルーフォードによるジェフ・バーリンの推薦そしてフリップの却下、オーディションによるレヴィンの加入によって、新バンド”ディシプリン”が結成される。 リハーサル後4月30日から5月16日までツアーを行うが、途中 「 このバンドはキング・クリムゾンである 」 というフリップ理論によりうやむやのうちに改名。 そのままレコーディングに突入したクリムゾンは、9月に本作品をリリース、10月からアメリカ、カナダ・ツアー、そして12月に日本初コンサートを行う。
英米でももちろんだが、こと日本ではクソミソにけなされた作品。いわゆるプログレ・フォーマットなるものを使用しなかったことだけでけなされたとしか思えないほど、無意味な議論がなされていた。
「 実はディシプリン・クリムゾン凄い説 」 が、ダブル・トリオ・クリムゾン時代に急浮上したことは記憶に新しいが、「 よく言うよ 」 の一言である。 好き嫌いが分かれるのは確か、それだけのことである。 無意味な再評価は必要ないと思う。
2本のギター+スティック、スティック(ベース)+ドラムがたたきだすコンビネーションの凄まじさは、フリップがクリムゾンのベストの一つとして本作品を挙げることを充分に納得できるだけの説得力がある。 ブリューのヴォーカルだけはやはり下手だと思うけど。

  1. ” Elephant Talk ” は7年ぶりに復活したクリムゾンを代表する曲だと思う。フリップとブリューのギターのコンビネーション、フリップのギター・シンセ・ソロ、ブリューのアーミングを多用した歪んだギター・ソロ、イントロから炸裂するレヴィンのスティック、ブルーフォードのぬけるようなスネアの音色とシモンズ。 この後3枚のアルバムで提示されるあらゆるフォーマットが存在する名曲。
  2. 7/8拍子と13/16拍子の絡みでテクニカル系の雑誌でも多く紹介された ” Frame By Frame ” は、カッティング+シーケンシャル・フレーズ、シーケンシャル・フレーズ×2と、2本のギターのコンビとしては最もよくできていると思う。 もちろんそれは、プレイヤー本意のもの以外の何物でもないのだが。
  3. 日本語タイトルの ” Matte Kudasai ” は大雑把にカテゴライズすれば、いわゆるバラード。 こういう曲にブリューのヴォーカルは辛い。 The Definitive Edition としてリリースされた時に、フリップのギターが大幅にカットされたのが残念。 紙ジャケット・シリーズの1つとしてリリースされる時、どうなるの大変興味深い。
  4. ” Indiscipline ”では、ヴォーカル・パートに続くフリーキーな演奏が力強く、ラークス・クリムゾン時代を彷彿させる。 本アルバムにおいて唯一そう思える曲なのだが、ギター以上にリズム隊の違いが決定的な温度差を出している。
  5. ” Thela Hun Ginjeet ” は、レヴィン+ブルーフォードのリズム隊のための曲。 タイトルが「 Heat In The Jungle 」の綴り変えであるとか、ブリューが道で絡まれた時の体験談がコラージュされているとか、そんなことはどうでもよい程凄まじいジャングル・ビート。
  6. ” The Sheltering Sky ” はギター・シンセを弾くためだけに演奏されたのではないかと思える程つまらない曲。 一定のリズムの上に、本アルバムを含めた3枚で多用される管楽器系の音色のギター・シンセが鳴りまくる。
  7. ” Discipline ” は、本アルバムでリズムが最も複雑で変拍子の嵐のような曲。 曲の構成自体は単調なのだが、リズムのズレを確認しながら聴いているととても楽しめる。

以下は、2001年に発表された 30th Anniversary Edition についての補足です (追加:2001年4月25日)

本作品において、The Definitive Edition リリース時に差し替えられた ” Matte Kudasai ” のオリジナル・バージョンが ” Matte Kudasai ( alternative version ) ” として追加収録されている。
ヒョロヒョロとしたフリップのギターがカットされてしまっている The Definitive Edition 以降のヴァージョンよりも、” Matte Kudasai ( alternative version ) ”(つまり原曲)の方が個人的には好きである。