- Easy Money ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / イージー・マネー
- Lament ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / ラメント
- Book Of Saturday ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / ブック・オブ・サタデイ
- Fracture ( Fripp ) / フラクチャー
- The Night Watch ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / ナイト・ウォッチ
- Improv : Starless And Bible Black ( Fripp, Wetton, Bruford, Cross ) / インプロヴィゼイション:スターレス・アンド・バイブル・ブラック
- Improv : Trio ( Fripp, Wetton, Bruford, Cross ) / インプロヴィゼイション:トリオ
- Exiles ( Fripp, Wetton, Palmer-James ) / エグザイルス
- Improv : The Fright Watch ( Fripp, Wetton, Bruford, Cross ) / インプロヴィゼイション:フライト・ウォッチ
- The Talking Drum ( Fripp, Wetton, Bruford, Cross, Muir ) / ザ・トーキング・ドラム
- Larks' Tongues In Aspic ( Part II ) ( Fripp ) / 太陽と戦慄パート II
- 21st Century Schizoid Man ( Fripp, McDonald, Lake, Giles, Sinfield ) /
21世紀の精神異常者
David Cross violin, viola, mellotron
Robert Fripp guitar, mellotron
John Wetton bass guitar & vocals
William Bruford drums
Recorded at the Amsterdam Concertgebouw on Nov. 23rd. 1973.
無数の海賊盤が存在した1973年11月のアムステルダムでのライヴ・アルバム。
ライナーによると、ライヴは ” Larks' Tongues In Aspic ( Part I ) ”
で始まっているらしいが、マスター・テープが残っていないため未収録。 とは言えその1曲を除き完全収録&シングルトンによる高音質の確保により、フリップの意図した海賊盤潰しは、西新宿での本公演の海賊盤の大暴落をみる限り大成功と言ってよいと思う。
また本公演は 『 Starless And Bible Black 』
のライヴ音源の元ネタとなっているため、スタジオでのダビング、ミキシングを紐解くことができ、何度でも楽しむことが出来る。
もちろん演奏自体も、イギリスBBCでの放送を前提としていただけに、(
ハチャメチャなパワーが欠けている点はあるものの )
バンドとしてのまとまりもよく、素晴らしい出来である。
- ” Easy Money ”
は、フラット気味なウェットンのヴォーカルから始まり笑える。 メロトロンをバックにしたフリップのギター・ソロ・パートでは、名誉挽回とばかりにベースをブリブリ言わせていて格好良い。
- ” Lament ”
では、ワウをかませたようなフリップのギター・ソロが風変わりで面白い。 最後のユニゾン・パートは、まぁそれなりの程度。
- ” Book Of Saturday ”
では、相変わらずフリップの多彩なバッキングを楽しむことができる。 ブルーフォードがハイハットを微妙にずらしながら演奏しているのも面白いが、それでもちゃんと唄えるウェットンはやはり凄い。
- ” Fracture ” は、『 Starless And Bible Black 』
収録のテイク。 スタジオでのダビングが、ソロをとる楽器よりも装飾音に多く施されていることがわかり興味深い。
- ” The Night Watch ” は、『 Starless And Bible Black 』
ではイントロ・パートしか採用されていなかったが、ここでは全編収録されている。 そのためライナーでシングルトンが記述している通り、後半のメロトロン・パートののっけでメロトロンが故障する際のノイズまでそのまま再現されている。 そのままメロトロンの代わりにエレピを弾くクロスはとてもいたいけである。 なぜフリップのメロトロンで演奏させてもらえなかったのだろうか。 ラストのクロスのヴァイオリン・ソロのバックでフリップが自分用のメロトロンを演奏していることから、2台とも故障したわけではないのに。 クロスの手垢が付くのが嫌だったのか。
- ” Improv : Starless And Bible Black ” は、『 Starless And Bible
Black 』 収録のテイク。 『 Starless And Bible Black 』
でのライヴ音源には、作曲された曲 (” The Night Watch ” や ”
Fracture ”) とインプロ (” Trio ” や ” Starless And Bible Black ”)
の2種類が使用されていることを、本曲のタイトルでご丁寧に再説明していることになる。
- ” Improv : Trio ” は、『 Starless And Bible Black 』
収録のテイク。 完全収録されたありがたみがわからない私は似非クリムゾン・ファンなのであろうか。
- ” Exiles ”
では、お互いのメロトロンをバックにソロを取り合うフリップとクロス、メロトロンをバックにしたウェットンのベース、ラストのフリップのウーマン・トーンのギター・ソロ、と定型化していることは否めないが、それでもすばらしい出来。
- ” Improv : The Fright Watch ”
は、ライヴでおきまりの次曲の前のインプロ。 メロトロンやギター以上にベースが大活躍するのだが、如何せんその音がヴリヴリというよりはプリプリした音でちょっと残念。
- 前曲からそのままなだれ込む ” The Talking Drum ”
は、『 The Essential King Crimson : Frame By Frame 』
収録バージョンの別リミックス。 音的な違いはあまりわからないが、『
The Essential King Crimson : Frame By Frame 』 では、” Improv : The Fright Watch ”
のラスト約2分を含めていた。
- ” Larks' Tongues In Aspic ( Part II ) ”
は、ミス・ピッキングが散在するものの、バンドとしてのまとまり方はピカイチの出来具合。 あと一歩行き過ぎると平坦すぎてつまらなくなる可能性があるほどのこなれた演奏ではあるが、緊張感は見事に維持されている。
- ” 21st Century Schizoid Man ”
では、主導をとっているのは主にウェットン。 バッキングにおいてはメロディアスなベースをヴリヴリ言わせるは、ソロ・パートも長めで満腹状態。 ウェットンに扇情されたかのように、ブルーフォードも抜けるようなスネアをスコンスコン手数多く叩いている。 フリップが目立たなくなる程、リズム隊の演奏は素晴らしい。
ラストにはフリップ&イーノの ” The Heavenly Music Corporation ”
が差し込まれている。